クラウド型工事管理システムの基本を押さえよう!
工事管理システムには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。この記事では、クラウド型の工事管理システムについて紹介します。
クラウド型工事管理システムとは
クラウド型工事管理システムとは、インターネットを通じて利用する工事管理システムのことです。自社のサーバ内にソフトウェアをインストールして利用するオンプレミス型製品よりも、今はクラウド型製品が注目を集めています。
建設業でクラウドサービスを活用するメリット
クラウド型を導入するメリットとしては、以下が挙げられます。
- 導入コストが削減できる
- オンプレミス型システムは一般的に買い切り型のシステムであるため、多くの場合、導入時に多額の初期費用がかかります。また、システム以外にサーバ構築費用なども必要です。クラウド型のシステムであれば、システムの導入費や、サーバなどインフラ環境の構築費用が不要なので、オンプレミス型よりも初期投資を抑えて導入が可能です。
- 導入までの時間が短い
- クラウド型のシステムは、サービス提供会社が用意しているサーバにアクセスして利用する形態で、自社内にシステムを構築する必要がありません。そのため、提供会社と契約してアカウント情報が付与されれば、すぐに利用を開始できます。
クラウド型工事管理システムで解決できる課題
元々、紙で工程管理や日報を作成してきた建設業界ですが、工事管理システムの「いつでもどこでもタイムリーに一元管理」できるところが着目されています。具体的にクラウド型の工事管理システムを活用することで、建設業のどんな課題を解決できるのでしょうか。
工事に関わる担当者別にみると、以下のようなお悩みを解決できます。
- 【現場監督】
- 見積や予算管理など、作成する帳票が数多くある中で、過去の工事データを探し出すのに時間がかかったり、承認をもらうためだけに帰社したり、といった無駄を感じている。
→見積作成・予算管理機能で現場での帳票作成が可能。
- 【部門長】
- 各現場の確認したい資料や帳票を探すのが手間だったり、上がってきた書類フォーマットが煩雑だったり、外出先から承認ができなかったりと、確認・承認作業に時間がかかっている。
→写真・資料共有機能で場所を問わず確認・修正できる。
- 【経営者・役員】
- 工事の実行予算や赤字が見えづらく、手を打ちづらいと感じている。
→案件ごとの実行予算管理や損益の可視化ができる。
- 【事務員】
- 入金管理、請求漏れ、支払い漏れなどが発生しやすく、何度も同じデータをチェックする作業が手間である。
→入金管理機能で案件ごとの過不足・支払い確認などが行える。
クラウド対応の工事管理システムを比較!
ここからは、クラウド型工事管理システムを紹介します。気になる製品がありましたら、ITトレンドからまとめて資料請求できますので、取り寄せてみてはいかがでしょうか。
アラジンオフィス の比較ポイント
- 販売+施工(設備、内装仕上、配線工事など)を行っている企業様
- ○○一式といった管理が必要な企業様向け
- 案件単位で収支が出せ、会社の事業全体が見渡せる
株式会社アイルが提供する「アラジンオフィス」は、案件単位で収支が出せる工事管理システムです。案件ナンバー一つで現場別の見積・受発注・売上・請求書発行などの管理が可能。会社の事業全体を管理するのにも役立ちます。2020年間ITトレンド資料請求ランキング1位を獲得し、5,000社以上の導入実績も魅力です。
ANDPAD(アンドパッド) の比較ポイント
- 紙やエクセルはもう不要!図面・写真・工程表をクラウド共有
- 電話・FAX・車移動を削減!現場チャットでチーム施工
- 稼働管理・施工品質向上を実現!工程・検査の標準化
株式会社アンドパット提供の「ANDPAD(アンドパッド)」はアナログなコミュニケーションを削減し、現場での意思疎通を効率化する施工管理アプリです。図面や工程表など、これまで紙で管理していた書類もクラウド管理のため、現場でも使いやすいでしょう。契約社数2,000社、利用社数50,000社を超える実績もポイントです。
BUILD-U Premium の比較ポイント
- 経営管理基盤としての高い完成度と充実した機能をご提供
- データの共有化・関連データの自動作成・作業の省力化を図る
- タイムリーな情報共有による経営戦略のスピーディー化
「BUILD-U Premium」は、株式会社ユニテックが提供しており、30年以上の実績とノウハウを生かし、データの共有・自動作成など作業効率化を実現する基幹業務システムです。工事原価の情報をリアルタイムに集約したシミュレーションが可能。会計システムやワークフローなどのシステムと連携ができ、使いやすいでしょう。
e2-movE 工事管理 の比較ポイント
- 建設、建材、工事業で得たノウハウに絶対の自信があります。
- カスタマイズ可!私たちはユーザ様の声を大切にします。
- 徹底的な現場目線で継続率は98%!失敗プロジェクト無し!
三谷商事株式会社が提供している「e2-movE 工事管理」は、建設業で必要となる工事契約から回収、実行予算対比・進捗管理までの業務プロセスを完全にシステム化する工事管理システムです。毎月の出来高をリアルタイムで把握できるため、収支予測を行えます。業界実績35年、業種・業務ノウハウを持つ専門家によるサポートも安心でしょう。
e2-movE販売 の比較ポイント
- 建材卸売業界の商習慣にジャストフィット!
- 物販と工事原価管理をひとつのシステムで実現!
- 与信管理機能で安全取引を強力にサポート!
建材卸売業界に特化した工事管理システム「e2-movE販売」は、三谷商事株式会社が提供しています。請求漏れ防止や事後処理を簡略化する機能を搭載しており、見積から受注、発注、入荷、出荷、債権、債務、在庫まで、物販と工事原価管理を一つのシステムで実現可能。利用者ごとのID・パスワードの発行や、権限設定ができるなどのセキュリティ対策も万全です。
ダンドリワーク の比較ポイント
- 建築業界出身者が開発!業界出身者が導入サポート!
- 紙やエクセルは不要!クラウド上でカンタン工程作成!
- 図面・写真をクラウド共有!チャット機能でスムーズなやりとり!
株式会社ダンドリワークス提供の「ダンドリワーク」は、これまでアナログに行われていた顧客・見積・請求書・工程などの情報共有を、クラウド上で一括管理し、業務効率化を実現する施工管理アプリです。システム導入にあたって発生する、関連下請け会社などへの説明もサポートしてくれます。アカウント数に応じた柔軟な料金体系も魅力でしょう。
ACT-MBB 工事原価管理テンプレート の比較ポイント
- 工事の引合から竣工までの工事収支情報を一元管理
- 原価管理・調達業務の効率化、物件・原価情報の共有、在庫適正化
- 業態に合わせた対応が可能な"テンプレート型"ソリューション
株式会社ビジネスブレイン太田昭和が提供している「ACT-MBB 工事原価管理テンプレート」は、工事原価管理を中心とした業務を広範囲でカバーし、業態に応じてテンプレートをベースに開発できる工事管理システムです。受発注と工事契約に関わる在庫調達を連動させ、工事施工+販売(物販)にも対応している点も使いやすいでしょう。
SITE の比較ポイント
- 小規模でも導入OK。事業規模に合わせた料金設定。
- 導入が簡単だから失敗しない
- 業界初!100人まで無料で連携
「SITE」は、株式会社CONITが提供しており、見やすく使いやすいチャットやスケジュール機能搭載で、現場とのコミュニケーションやスケジュール管理を効率化させる現場管理システムです。アプリの利用に限っては100名まで無料で利用可能。案件別に管理ができ、写真の自動仕分け機能も搭載しています。
あさかわシステムズ株式会社が提供している「ガリバー匠」は、小規模建設・工事業向けに特化した、「原価管理」「財務会計」をサポートする工事管理システムです。
- ●従業員規模50名以上・売上規模10億円以上の企業に対応
- ●提供形態:クラウド・オンプレミス・パッケージソフト
- ●案件見積、受注原価、発注支払、請求入金などリアルタイムに一元管理
- ●上位パッケージ『ガリバー・プロステージ』、『ガリバーNEXT』なら内部統制やカスタマイズが可能
エニワン株式会社が提供している「AnyONE(エニワン)」は、「第一回長期優良住宅先導的モデル事業」における国土交通省公認の工務店向けクラウド型基幹システムです。
- ●従業員規模50名未満・売上規模50億円未満の企業に対応
- ●提供形態:オンプレミス ・クラウド
- ●業界についての知識豊富な建材流通商社が開発を主導
- ●3,500件以上の無償バージョンアップを積み重ねた機能
株式会社フォトラクションが提供している「フォトラクション」は、写真・図面・工程・書類などをクラウド上で一元管理できる施工管理アプリです。
- ●すべ全ての従業員規模・売上規模に対応
- ●提供形態:クラウド
- ●自動で撮影した写真を整理
- ●JACIC対応の電子小黒板が使用可能
合同会社ゲンバゴが提供する「現場へGO!」は、写真・工程表や見積書・注文書・契約書類などすべ全ての現場管理をクラウド上で行う総合管理アプリです。
- ●すべ全ての従業員規模・売上規模に対応
- ●提供形態:クラウド
- ●標準搭載の社内SNSで現場ごとのグループを作成
- ●タブレットやスマホで現場からすべ全ての情報にアクセス可能
株式会社グローバが提供する「クラフタ」は、建設業に特化した従業員規模20名未満が対象の無料施工管理アプリです。
- ●従業員規模20名未満・すべ全ての売上規模に対応
- ●提供形態:クラウド
- ●現場の職人さんが使いやすい現場共有チャットツール搭載
- ●工程管理、職人打診、現場管理など、施主別に情報を一元化
BPM株式会社が提供する「Qosmosレポート」は、現場写真の回収・監理から作業報告までを半自動的に行うツールです。
- ●すべ全ての従業員規模・売上規模に対応
- ●提供形態:SaaS / クラウド
- ●メールやLINEでURLの送受信を行うだけの簡単伝達
- ●GoogleやLINEなどのソーシャルログインで簡易登録
以下の記事では、クラウド型以外も含めた工事管理システムの人気製品や選び方を詳しく解説しています。
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2021.04.13
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クラウド型工事管理システムの導入ポイント
工事管理システムをクラウド型で導入するメリットや解決できる課題をふまえ、ここではシステム導入前に整理しておくべきポイントを紹介します。
1.自社の課題を整理する
まずは、システムを導入することで解決したい課題を整理しましょう。データ入力の手間を省きたいのか、経営層のデータアクセスを容易にしたいのか、細かい分析をしたいのかなど、課題によって適するシステムが異なります。
2.自社に必要な機能を明確にする
課題を整理できたら、必要な機能を洗い出します。どんなに高機能なシステムでも使わない機能は無駄となり、必要な機能が搭載されていなければ活用しきれません。必要な機能がなければリプレースする可能性もあり、余計なコストがかかってしまうでしょう。
3.運用体制を整える
実際にシステムを導入した際の運用体制を定めておくことが大切です。日常的なデータ入力は誰が行うのか、疑問点や不具合の情報は誰にどのような形で集約するのかを明確にしておくと、実際にシステムを導入した際にもスムーズに利用を開始できるでしょう。
クラウド型工事管理システムを導入し、無駄なく施工しよう
建設業界でもクラウド化が進み、工事管理システムもクラウド型で導入できる製品が多く登場しています。実際にクラウド型工事管理システムを導入し、業務効率化や生産性の向上を実現している企業は多くあるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。