エクセルで作成する工事管理の主な資料
エクセルを用いて、工事管理に必要な資料を作成する工程について解説します。工事管理の書類作りは以下の3工程に分かれます。
実行予算書
工事作業の進捗状況とコストの関係を把握するために利用するのが、実行予算書です。
現場監督者は、実行予算書を利用してコストが適正に配分されるかを確認します。また作業あたりのコストが高すぎる場合は、原因を解明し改善に努めます。さらにデータベース化によって、会社全体で実行予算書を共有することも可能です。
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工程表
工程表は、現場の作業の進捗状況を把握するために利用します。現場監督者は、工程表をもとに作業が遅れていないかを確認・指導します。
工事台帳
工事台帳は、案件別のコストを把握するために利用されます。原価計算が容易になるため、関係省庁への提出書類作成の際に役立つでしょう。
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watch_later 2023.11.06
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エクセルを使用した実行予算書の作成方法
エクセルを用いて、実行予算書を作成する方法について紹介します。
手順1.実行予算書で必要な項目を決定する
直接作業と外注作業などの比率によって、材料費・労務費・外注費・経費などが異なります。まずは工事番号・施行期間・設計金額など自社の状況に合った予算項目を定めましょう。
手順2.テンプレートをカスタマイズする
エクセルのテンプレートは、必要な項目が網羅されているものを選びましょう。
実行予算書作成にも、エクセルの関数を利用します。規程の順番に項目をあわせる「VLOOKUP関数」や、文字列を連結する「CONCATENATE関数」などを用いて、自社のフォーマットに適応させましょう。
エクセルを使用した工程表の作成方法
エクセルを活用し、工事管理に適した工程表を作成する方法を紹介します。
手順1.必要な工程表の種類を選ぶ
工程表は「横線式工程表」「曲線式工程表」「ネットワーク式工程表」などがありますが、エクセルと相性がよいのは「横線式工程表」です。横線式工程表は、進捗状況の確認が容易になるガントチャート、異なる期間の工事の管理が可能なバーチャートの2種類があります。
- ■ガントチャート工程表
- 縦軸に工程名、横軸に日付や時間を表示するシンプルな設計で、各工程の進捗状況が簡単に把握できます。
- ■バーチャート工程表
- 期間の異なる工事を管理できるため、工程全体の進捗状況を把握することが可能です。異なる期間の工事を並行して行う場合は、バーチャート工程表がおすすめです。
手順2.テンプレートをカスタマイズする
エクセルのテンプレートは、ネットから無料でダウンロードできます。また、テンプレートをカスタマイズすることで自社に合った工程表を作成できるでしょう。カスタマイズの一つとして、エクセルの自動表計算機能や関数の方法を紹介します。
カスタマイズで役立つ関数(1)DATE関数
DATE関数は、入力した月の日付を取得できる関数です。DATE(年,月,日)に取得したい情報を入力します。
例えば、DATE(2018,12,1)なら2018/12/1と表示されるでしょう。実際は、あらかじめ対応させたセル番号を指定しています。
カスタマイズで役立つ関数(2)WEEKDAY関数
WEEKDAY関数は、DATEで取得した月の曜日を取得する関数です。日曜日を「1」として、土曜日の「7」までを連続したシリアル値として出力します。出力された数字が「2」なら月曜日、「3」なら火曜日となります。
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エクセルを使用した工事台帳の作成方法
エクセルのテンプレートに、必要項目を入力します。工事別の利益情報を把握したい場合は、案件別に工事台帳を作成しましょう。ダウンロードしたテンプレートに、あらかじめ分類しておいた費用を入力します。
エクセルで管理する場合は、マスターシートに工事名や仕入先を登録しておくことで、日々の管理が効率化されます。また科目の列にフィルターを設定することで、科目を選択するだけで入力が容易になるでしょう。
しかし同一シートで合計費用を管理すると複雑になるため、関数を活用し別シートに合計金額などを算出することで分析しやすくなります。さらに別シートには予算や見積もりの内容を記載することで、進捗率や残予算を把握しやすくなるでしょう。
エクセルで作るデメリット
実行予算書など工事管理の必要書類を、エクセルで作成するデメリットも解説しておきましょう。
- ■複雑な計算式や関数といった高い技術力を必要とし、属人化する懸念がある
- ■大規模なプロジェクトなどで、データの変更や修正が煩雑だと時間がかかる
- ■バージョン管理やデータの共有が難しく、競合や整合性の問題が発生する
- ■過去のデータや変更履歴の追跡が困難
- ■データの可視化や分析の制約があり、大量のデータや複雑な分析には限界がある
こういったエクセルのデメリットを解消するものとして、工事管理システムを導入する企業は多いでしょう。工事管理システムでは工事台帳・実行予算書・工程表などを簡単に作成でき、工事に関するデータを一元管理できます。
工程管理・実行予算管理のできる工事管理システムを紹介
ITトレンド掲載中の工事管理システムの中で、工程管理・実行予算管理に活用しやすい製品を一部ご紹介します。
《ダンドリワーク》のPOINT
- 建築現場出身者が開発!現場管理に必要な機能を網羅
- 誰でも直観的に使い始められるデザイン
- 導入~運用までの徹底サポートで事業者様の負担軽減
「ダンドリワーク」は、株式会社ダンドリワークスが提供している工事管理(施工管理)システムです。写真や図面などをクラウド上で一元管理でき、関係者全員が場所を問わず閲覧可能です。従来の製品にはなかった徹底的なサポートが特長で、自社だけでなく、職人さんや関連会社などへの説明会のサポート体制も充実しています。アカウント数に応じた柔軟な料金プランも魅力でしょう。
提供形態 |
クラウド / SaaS / サービス |
無料トライアル |
◯ |
参考価格 |
別途お問い合わせ |
機能 |
受注管理 / 発注管理 / 実行予算管理 / 支払管理 / 工程管理 |
ダンドリワークのいい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5 |
社内でバラバラだった様々な情報が、ダンドリワークで共有でき、情報収集の効率化が計れ、社内の人数が減っても対応ができた。 |
業種 | 電気、電子機器 |
従業員規模 | 10名以上 50名未満 |
ダンドリワークの改善してほしい点 |
★ ★ ★ ☆ ☆ 3 |
現場ごとにコメントする場合に1番下の方に表示されるがそのコメント相手に対して返信できないのですこしわかりにくいと感じる。 |
製品・サービスのPOINT
- ダッシュボードでリアルタイムに経営状況を把握可能
- 個人の貢献度を可視化し、適切な評価・教育へ
- 書類発行が簡単操作でひとつに!書類制作時間の短縮
「CONOCクラウド型業務管理システム」は、株式会社CONOCが提供している工事管理(施工管理)システムです。見積書・請求書の作成・管理、顧客と担当者に紐付けた工事案件の管理が可能で、これらのデータから月次の経営数値をダッシュボードに自動反映しリアルな経営状況を可視化できます。
提供形態 |
クラウド |
無料トライアル |
◯ |
参考価格 |
別途お問い合わせ |
機能 |
受注管理 / 発注管理 / 実行予算管理 / 支払管理 |
エクセル関数やシステムを導入し、工事管理を効率化しよう
工事管理は、工程表・実行予算表・工事台帳が必要です。エクセルで作成する前に自社に必要な管理項目を決めておきましょう。例えば、実行予算表では自社の状況にあった予算項目を決めることが大切です。
エクセルのテンプレート・関数を使いこなせば、ある程度管理しやすくなりますが、デメリットも多いため、工事管理システムの導入で業務効率化を実現する企業が増加しています。
以下の、人気の工事管理システムと選び方を詳しく解説している関連記事や、各社製品で早速検討を始めたい方は一括資料請求もご利用ください。資料請求をした製品で比較表を作成できる特典があり、稟議資料にも便利です。
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