工事管理とは?
工事管理とは、工事が設計図書通りに進められるように、工程や予算などの観点から行われる監督指導のことです。現場監督者を中心に、施行期間内に仕上げるためのスケジューリングや現場の安全確保などを行います。
似たような用語に「工事監理」がありますが、両者は全く異なるものです。工事監理は建築士による品質チェックのことで、工事が設計図書通りに進んでいるか、手抜き工事などが行われていないかを全体的に確認・指導することを指します。
品質の高い商品を期間内に完成させるという共通目的のもと、現場と運営の分業体制を敷いていると考えるとよいでしょう。
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エクセルで作る工事管理の主な資料
では、エクセルで工事管理に必要な資料を作る工程を見ていきましょう。工事管理の書類作りは3工程に分かれます。
1:工程表
工程表は、現場の作業の進捗状況を把握するために利用します。現場監督者は、工程表をもとに作業が遅れていないかを確認・指導します。
2:実行予算書
実行予算書は、工事の作業の進捗状況とコストの関係を把握するために利用されます。
現場監督者は、実行予算書を利用してコストが適正に配分されるかを確認します。作業あたりのコストが高すぎる場合は、原因を解明し改善に努めます。データベース化によって、会社全体で実行予算書を共有することも可能です。
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3:工事台帳
工事台帳は、案件別のコストを把握するために利用されます。原価計算が容易になるため、関係省庁への提出書類作成の際に役立ちます。
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工程表の作成方法【エクセル】
ここではエクセルでの具体的な作成方法についてみていきましょう。
手順1:必要な工程表の種類を選ぶ
工程表は「横線式工程表」「曲線式工程表」「ネットワーク式工程表」などがありますが、エクセルと相性がよいのは「横線式工程表」です。横線式工程表は、進捗状況の確認が容易になるガントチャート、異なる期間の工事の管理が可能なバーチャートの2種類があります。
ガントチャート工程表は、縦軸に工程名、横軸に日付や時間を表示するシンプルな設計をしており、各工程の進捗状況が簡単に把握できます。
一方、バーチャート工程表は期間の異なる工事を管理できるため、工程全体の進捗状況を把握可能です。異なる期間の工事を並行して行う場合は、バーチャート工程表がおすすめです。
手順2:テンプレートをカスタマイズする
エクセルのテンプレートは、ネット上で無料ダウンロード可能です。また、テンプレートをカスタマイズすることで自社に合った工程表が作れるでしょう。エクセルの自動表計算機能や関数を活用しましょう。
カスタマイズで役立つ関数(1)DATE関数
DATE関数は、入力した月の日付を取得できる関数です。DATE(年,月,日)に取得したい情報を入力していきます。
たとえば、DATE(2018,12,1)なら2018/12/1と表示されるはずです。実際は、あらかじめ対応させたセル番号を指定していきます。
カスタマイズで役立つ関数(2)WEEKDAY関数
WEEKDAY関数は、DATEで取得した月の曜日を取得する関数です。日曜日を「1」として土曜日の「7」まで連続したシリアル値として出力します。出力された数字が「2」なら月曜日、「3」なら火曜日となります。
実行予算書の作成方法【エクセル】
ここではエクセルで実行予算書を作成する方法について紹介していきます。
手順1:実行予算書で必要な項目を決定する
直接作業と外注作業などの比率によって、材料費・労務費・外注費・経費などが異なってきます。まずは工事番号・施行期間・設計金額など自社の状況に合った予算項目を決めていきましょう。
手順2:テンプレートをカスタマイズする
エクセルのテンプレートは必要な項目が網羅されているものを選びましょう。
実行予算書作成にも、エクセルの関数を利用します。規程の順番に項目を合わせる「VLOOKUP関数」や、文字列を連結する「CONCATENATE関数」などを用いて、自社のフォーマットに合わせましょう。
工事台帳の作成方法【エクセル】
エクセルのテンプレートに記入を行っていきます。工事別に利益情報などを把握したい場合は、案件別に工事台帳を作成しましょう。ダウンロードしたテンプレートにあらかじめ分類しておいた費用を入力していきます。
エクセルで管理する場合は、マスターとなるシートに工事名や仕入先を登録しておくことで、日々の管理が楽になります。また、科目の列にはフィルターを設定することで科目を選択するだけで入力が可能になり、簡単に入力できます。
同一のシートで合計の費用を管理すると複雑になるため、関数を使い別シートに合計金額などを算出することで分析を行いやすくなります。この別シートには予算や見積もりの内容を記載しておくことで、進捗率や残予算を把握しやすくなります。
エクセルでは非効率?工事管理システムで業務効率化!
エクセルは便利な表計算ソフトですが、データ加工や抽出作業などの人力が必要な場面も多くあります。このような作業が非効率だと感じる方は、工事管理システムがおすすめです。
工事管理システムは煩雑な作業を行うことなく、工事台帳・実行予算書・工程表を作成できるシステムです。工事に関するデータをすべて一元管理することで、案件ごとの進捗状況をリアルタイムに確認できます。
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エクセル関数やシステムを導入し、工事管理を効率化しよう
工事管理は、工程表・実行予算表・工事台帳が必要です。エクセルで作成する前に自社に必要な管理項目を決めておいてください。
たとえば、実行予算表では自社の状況にあった予算項目を決めることが大切です。エクセルのテンプレート・関数を使いこなせば、ある程度管理がしやすくなります。しかし、工事管理システムを導入し業務効率化を実現する企業が増加しています。
以下の記事では、人気の工事管理システムと選び方を詳しく解説しています。ぜひ読んで自社に合った製品の導入を検討してみましょう。
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