開発ツールの費用は月額だけで決まらない
開発ツールの料金表には、1人あたりの月額が目立つ形で示されていることが多くあります。ただし、その金額に含まれる範囲は製品ごとに異なります。まず、表示されている金額がどこまでを指すのかを確かめるところから始めましょう。
月額の表示に含まれる範囲
料金表の金額には、基本の機能と一定量の保存容量までが含まれている場合が多くあります。一方で、外部サービスとの連携、細かい権限の設定、監査向けの記録の書き出しといった機能は、上位のプランでのみ使える形になっていることがあります。
また、初期の設定費用や導入時の支援費用が別に設定されている製品もあります。月額の金額だけを比べると、この固定の費用が抜け落ちます。見積もりを依頼する際は、初年度に支払う総額と、2年目以降に毎年かかる金額を分けて示してもらいましょう。
追加の支払いが生じる主な場面
追加の費用は、利用の状況が変わった時点で発生します。人数が増えたとき、保存するデータが増えたとき、必要な機能が増えたとき、契約を途中でやめるときが代表的な場面です。いずれも導入の検討段階では見えにくく、運用が始まってから表面化します。
下の表は、発生しやすい費用と、そのきっかけになる出来事を整理したものです。自社でどの場面が起こりそうかを想定しながら確認してみてください。該当する場面が多いほど、契約前に条件を細かく確かめておく必要があります。
| 追加の費用 | 発生のきっかけ |
|---|---|
| 利用者の追加分 | 開発メンバーや業務委託の参加者が増える |
| 保存容量の追加分 | 資料や画像の添付が積み重なり、上限に近づく |
| プランの切り替え分 | 連携や権限の設定など、上位でのみ使える機能が必要になる |
| 解約に関わる分 | 最低契約期間の途中で他の製品へ移る |
利用人数の増加にともなう費用
1人あたりの月額料金を設定している製品では、人数の変化が費用へ直接反映されます。増員の予定がなくても、業務委託の参加や他部門からの利用によって人数が動くことがあります。ここでは人数に関わる2つの費用を整理します。
ユーザーの追加にかかる料金の形
利用者を追加する際の扱いは製品ごとに分かれます。1名単位で追加できる形、5名や10名といった単位でまとめて追加する形、決められた上限の範囲であれば追加料金が生じない形があります。単位でまとめて追加する形では、1名増やすだけでも枠の分の支払いが生じます。
また、追加した月の途中から日割りで計算されるのか、その月の全額が請求されるのかも確認しておきましょう。短期間だけ参加するメンバーがいる場合、この違いが積み重なります。閲覧のみを行う利用者に安価な区分が用意されているかも、あわせて確かめておくと選択肢が広がります。
使われていないアカウントの費用
人数の課金では、実際に操作していないアカウントも支払いの対象になります。異動や退職があった際にアカウントを整理しないまま運用を続けると、使っていない分の費用が毎月加算されていきます。
対策としては、アカウントの棚卸しを定期的に行う仕組みを決めておく方法があります。最終のログイン日を一覧で確認できるか、利用していないアカウントを一時的に停止できるかを製品側の機能として確かめておきましょう。停止したアカウントが課金の対象から外れるかどうかも、契約前に確認しておく項目です。
データ量と機能の追加に関わる費用
開発ツールには、資料や画像、検査の記録が蓄積されていきます。人数が変わらなくても、運用の期間が長くなるほどデータは増えます。ここでは容量と機能に関わる費用を取り上げます。
保存容量の追加にかかる費用
多くの製品では、契約するプランごとに保存できる容量の上限が定められています。設計書や画面の画像、動作の記録を添付する運用では、この上限に近づく速さが想定より早くなる場合があります。上限を超えると、容量を追加する費用が加算される形が広く採られています。
容量の追加は単位ごとの金額で示されることが多く、少しの超過でも1単位分の支払いが生じます。現在の月あたりの増加量を把握し、3年後にどの程度まで積み上がるかを見込んでおきましょう。古い資料を別の保管先へ移せるか、削除した分がすぐ容量へ反映されるかも確認しておくと、費用を抑える手立てになります。
上位プランや連携機能の追加費用
導入時は基本の機能で足りていても、運用が定着すると自動化や集計の要望が出てきます。これらの機能が上位のプランに含まれる場合、切り替えによって全利用者分の単価が上がります。1名分の差額が小さくても、人数を掛けると年間の負担は大きく変わります。
連携用の窓口であるAPIの利用が上位のプランに限られている製品もあります。自社で予定している自動化の内容を先に整理し、どのプランで実現できるのかをベンダーへ確認しておきましょう。プランを下げる方向の変更が可能かどうかも、あわせて聞いておくと判断の幅が広がります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で開発ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
契約期間と解約に関わる負担
費用の話は導入時に集中しがちですが、やめる際の条件も総額に影響します。他の製品へ移る判断をした時点で条件を知ると、選択肢が狭まる場合があります。ここでは契約の終わり方に関わる2点を整理します。
最低契約期間と中途解約の条件
年間の一括払いを選ぶと単価が下がる代わりに、最低契約期間が設定されている場合があります。期間の途中で解約する際、残りの期間分の支払いを求められる契約や、解約の申し出に一定の予告期間が必要な契約もあります。
条件は製品や契約の形態によって異なるため、料金表の記載だけでは判断できません。契約書や利用規約の該当する箇所を示してもらい、解約の申し出の方法、必要な予告の期間、返金の有無を書面で確認しておきましょう。自動で更新される契約かどうかも確かめておく必要があります。
他の製品へ移る際に生じる作業
移行の際には、契約上の費用だけでなく作業の負担も発生します。蓄積した課題や添付した資料を書き出し、新しい製品の形式にあわせて加工する作業が必要です。この作業を外部へ依頼すると、その分の費用が加わります。
負担を抑えるには、導入の段階でデータを書き出せる形式と対象の範囲を確認しておく方法があります。課題の本文だけでなく、コメントや添付ファイル、変更の履歴まで書き出せるかを確かめておきましょう。書き出しに対応していない情報がある場合は、その範囲を把握したうえで契約を判断することをおすすめします。
3年間の総額を試算する手順
費用を比べる際は、月額ではなく一定期間の総額に置き換えると判断しやすくなります。ここでは3年間を単位として、試算に含める項目と計算の進め方を整理します。
試算に含める項目の洗い出し
試算では、初期費用、月額の基本料金、利用者の追加分、保存容量の追加分、導入支援や研修の費用、上位プランへ切り替える可能性のある分を並べます。加えて、既存の仕組みからデータを移す作業にかかる費用も入れておきましょう。
自社の担当者が対応する作業も、時間として見込んでおくと比較の精度が上がります。設定や説明会にかかる工数を人日で示しておけば、支援を依頼する場合との比較ができます。項目を書き出したら、ベンダーへ提示して漏れがないか確認してもらう方法も有効です。
人数の変化を織り込んだ計算
現在の人数のまま3年間を計算すると、実際の支払いと差が出る場合があります。増員の計画がある場合は、年ごとの人数を置いて計算しましょう。計画がない場合でも、変わらない場合と2割増えた場合の2通りを出しておくと、判断の幅を持てます。
あわせて、保存容量が毎年どの程度増えるかも見込みに入れます。過去に使っていた仕組みでの増加量が分かれば、その数値を目安に置けます。数値の根拠が社内で説明できる形になっていると、稟議を進める際の資料としても使えます。
見積もりで確認しておく条件
見積書を受け取ったら、金額の有効期限、価格の改定が行われる可能性、更新時の条件を確認しておきましょう。長期の契約では、更新のタイミングで単価が変わる場合があります。改定の際に事前の通知があるかも聞いておくと、予算の計画を立てやすくなります。
複数の製品を比べる場合は、含まれる機能と人数の条件をそろえてから金額を並べます。条件が異なる見積もりをそのまま比べると、安く見えた製品が実際には高くつくことがあります。判断に迷う点があれば、情報システム部門や購買の担当者へ相談しながら進めましょう。
費用の内訳を確かめたい開発ツール
利用人数や機能の追加で費用がどう変わるかは、見積もりの段階で確認しておきたい項目です。条件を比べたい製品を紹介します。
JUST.DB
- 【完全ノーコード×生成AI】マウス操作と"ことば"でシステム開発
- 【多彩な標準機能】高い拡張性により、全社DXをJUST.DB1つで実現
- 【同時ログインライセンス】全社展開してもコストを抑制
株式会社ジャストシステムが提供する「JUST.DB」は、業務アプリケーションをノーコードで作成できるクラウド型のサービスです。画面上の操作で入力フォームや一覧、集計を構築でき、業務データを蓄積しながら活用できます。クラウド型のため機器を自社で用意する必要がなく、利用の条件は契約内容にもとづきます。想定する利用人数を伝えたうえで試算を依頼するとよいでしょう。
GitLab (GitLab合同会社)
- DevOpsのライフサイクルを導入
- マネジメント機能でシステム全体を可視化
- 豊富な機能で製品開発を徹底サポート
GitHub (ギットハブ・ジャパン合同会社)
- 自由にデータを改変できるフォーク機能
- プルリクエストで上質なプログラムへカスタマイズ
- マージ機能で迅速なバージョンアップ
まとめ
開発ツールの追加コストは、利用者の増加、保存容量の超過、上位プランへの切り替え、契約期間の途中での解約という場面で生じやすくなります。月額の表示だけでは判断できないため、初期費用や移行の作業まで含めた3年程度の総額に置き換えて比べましょう。人数と容量の増え方を見込んだうえで、解約とデータの書き出しの条件も契約前に確認しておくと安心です。費用の条件を比べたい方は、資料請求から検討を始めてみてください。

