ログ管理で個人情報保護は可能か?
まずはログ管理で個人情報を保護できるのか見ていきましょう。
不正アクセスを防ぐことで個人情報を守れる
ログ管理を適切に行うことで個人情報流出の要因の1つである不正アクセスを防げます。厳密には不正アクセスされたとしても、ログを監視することで被害が出る前に発見・対策が可能です。
サーバのアクセスログの監視は不正アクセス対策の基本ともいえるでしょう。
情報漏えいの兆候を事前に発見することで守れる
ログ管理を行うことで情報漏えいの予兆を発見し、対策を打つことも可能です。
不正アクセスを防げたとしても、巧妙なマルウェアによって情報漏えいする可能性は否めません。しかし、ログ管理を行いモニタリングしておけば、マルウェアの不審な挙動を発見し、被害が出る前に食い止められます。
個人情報保護を目的にするならば、不正アクセスを防御する事前対策だけでなく、侵入されても情報を外に出さない事後対策が求めらます。ログを適切に管理すれば、事前・事後対策が可能です。
情報漏えいを防ぐには
情報漏えいを防ぐためには、ログ管理を行っていくことが重要です。ログ管理を行うことによって、誰が・いつ・どのような操作を行ったのかが明確になり、漏えいしてしまったタイミングが明確になります。また、常にアクセスログを管理することで情報漏えいの兆候を発見することができるようになります。
情報漏えいの対策として、アクセスログ管理を行うには、1つのデバイスだけでなく横断したアクセスログの収集の必要があります。漏えいの経路は、サーバーやPCからだけとは限らないため、様々な箇所のチェックが必要です。
情報漏えいの対策として必要なログ
それでは、情報漏えいを防ぐためにどのようなログを管理する必要があるのでしょうか。一般的には、下記のログを管理しておくことで、情報漏えいを防ぐことができると言われています。
- ▼サイバー攻撃対策のために収集するログ
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- ファイアウォールを通過した通信、拒否された通信
- 侵入検知システムや侵入防止してステムが監視した通信のログ
- Webサーバーへのアクセスログ
- Webサーバーが利用者から受け取った入力内容のログ
- Webプロキシサーバーが中継した通信のログ
- アプリが出力する処理結果のログ
- ▼内部不正対策のために収集するログ
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- ファイルサーバーへのアクセスログ
- ファイルの参照、編集の成否ログ
- 情報システムへのログインなどのログ
- データのコピーやペーストなどのログ
- データベース・サーバーへのアクセスログ
- インターネットへのデータ転送ログ
これらのログの管理を行っていくことで、情報漏えいが発覚した時に迅速に対応することが可能です。
情報セキュリティに有効な「ログ管理システム」とは?
ログ管理を人の手だけで行うのは現実的ではないので「ログ管理システム」を使うことが一般的です。では、具体的にログ管理システムはどのようなものなのか見ていきましょう。
ログの取得ができる
まず、ログ管理システムが行うのは「ログの取得」です。さまざまな種類のログは各サーバ、各アプリケーションごとに記録されています。業務で使っているシステムの数が多いほどログの取得は煩雑になりますが、システムを使うとログをスムーズに収集できます。
もし人力でログを収集しようとすると、全てのシステムにログインして確認しなければなりません。
ログの保存ができる
収集したログは、システムがまとめて管理します。ログは収集するだけでなく、適切に保管することで、何かトラブルが起きたときも調査を行えるでしょう。
保管したログは長期間保存すると膨大な量になり、データ領域を圧迫してしまいます。人手で管理していると、誰かが常に古いログを削除しなければなりません。
ログ管理システムでは一定期間保管したログは自動削除を行う機能を持ちます。この機能により、ログの保存を効率化するでしょう。
ログの監視ができる
ログ管理システムはログを監視できます。
この機能がログ管理システムの中で最もセキュリティ対策に関わっている部分です。不正アクセスや社内の不審な挙動を検知すると、システム管理者に通知します。管理者はスピーディに異常に気づき、原因を特定するなどアクションを起こせるでしょう。
ログを監視するためには常にログをモニタリングする必要があるため、システムの力を使わなければ実現できません。
ログの分析ができる
ログ管理システムによって、収集したログの分析を行うことも大切です。ログを分析することで、まだ表面化していない異常を発見することができるでしょう。
今までの発生したシステムの異常が発生するパターンが分かれば、これから起きるトラブルも未然に防ぐことができ、より精度の高いログ監視を行えます。
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ログ管理システムのメリット
ログ管理システムを使うとどのようなメリットがあるか見ていきましょう。
情報漏えいなどを防止しセキュリティを強化できる
ログ管理システムの機能を使えば、情報漏えいを予防しセキュリティ強化を行えます。内部から情報が漏れるような挙動も把握できるため、不正操作やデータの持ち出しを防止できるでしょう。また、外部からの不正アクセスを検知しブロックすることも可能です。
どのようなセキュリティ対策ツールを使用しても全てのサイバー攻撃を防ぐことは難しく、侵入を許してしまうこともあるでしょう。しかし、ログ管理システムを使えば、その場でブロックすることは難しくても、普段と違う異常を発見できます。
システムが異常を検知すれば管理者に通知を行い、素早い対応を行えるでしょう。結果として情報漏えいが発生する前に対応できるため、セキュリティ強化に繋がります。
内部不正などを予防し被害を最小限にできる
ログ管理システムを活用することで、内部不正を予防し情報漏えい被害を最小限にできるでしょう。
実は個人情報漏えいの主な原因は従業員が情報を持ち出すことで発生する「ヒューマンエラー」であり、その割合は7割にもなります。社内のルールで業務で使う重要な情報の持ち出しは禁止していても、家で仕事を終わらせようと情報を外部に出してしまうことも少なくありません。
そこで、ログ管理システムを使い、ログを監視していることを社内に通知しておけば内部不正の抑止力になります。また、仮に情報漏えいなどトラブルが発生した場合でも、いつ・どこで・何が発生したのかを把握できるため、素早く対処し被害を最小現に抑えることも可能です。
ログ管理システムを使って個人情報を守ろう
不正アクセスや内部不正などによる情報漏えいを防ぐためには、ログの管理が大切です。ログ管理システムを使えば、外部の攻撃と内部の不正を同時に観測できます。そのため、システムが外部・内部で生じる「異常」を検知することで、情報漏えいの原因を見つけられます。
ログ管理システムを使い、異常を瞬時に把握できる体制を整えて個人情報を守っていきましょう。