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業務委託でマイナンバーは必要?個人事業主に求める基準と管理

業務委託でマイナンバーは必要?個人事業主に求める基準と管理

個人事業主(外注先)のマイナンバーが必要になるのは、企業が税務署へ支払調書を出す相手だけです。支払調書を出さないことが明らかな相手からは、マイナンバーを取得できません。本記事では、個人事業主へ業務委託する企業(発注側)向けに、マイナンバーが必要になる金額の基準を解説します。収集から提出・保管・廃棄までの注意点も紹介します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    企業は個人事業主のマイナンバーを管理する必要はある?

    企業が個人事業主(外注先)へ報酬を支払う場合、マイナンバーが必要になるのは、税務署へ支払調書を出す相手です。支払調書を出さないことが明らかな相手からは、マイナンバーを取得できません。

    マイナンバーを含む個人情報は特定個人情報に当たるため、収集する場合は、目的を明確にしたうえで適切に管理しなければなりません。まずは、自社の業務が「個人事業主のマイナンバーを取り扱うケース」に該当するかを確認しましょう。マイナンバーが必要な支払いの代表例は以下のとおりです。

    • ■原稿料・講演料
    • ■弁護士や公認会計士など、特定の資格を要する業務に対する報酬
    • ■モデルやプロスポーツ選手に支払う報酬
    • ■芸能人あるいは芸能プロダクションを経営する個人への報酬
    • ■プロスポーツ選手などへの契約金
    • ■ホテル・旅館で行われる宴会などにおいて、接客を務めるホステスなどへの報酬
    • ■広告宣伝を目的とした賞金や、馬主へ支払う競馬賞金
    • ■医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(旧:社会保険診療報酬支払基金)が支払う診療報酬

    補足:個人事業主本人の立場でも、確定申告でマイナンバーの記載が必要になる場合があります。また、従業員を雇用する場合は、従業員のマイナンバーを取り扱う場面が生じます。

    マイナンバーが必要になる支払と金額の基準

    支払調書を出すかどうかは、同じ相手へのその年中の支払金額の合計で決まります。弁護士や税理士などへの報酬、原稿料や講演料などは、合計が5万円を超えると対象です。プロ野球の選手などへの報酬や契約金も、5万円が基準です。

    外交員やホステスなどへの報酬、広告宣伝のための賞金は、合計が50万円を超えると対象になります。馬主へ支払う競馬の賞金は、1回の支払いが75万円を超えると、その年のすべての支払いが対象です。

    金額は、消費税を含めて判断します。ただし、消費税の額がはっきり区分されている場合は、消費税を除いて判断してもかまいません。

    参照:No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

    マイナンバーが不要なケース

    支払金額が上の基準に届かず、支払調書を出さないことが明らかな相手からは、マイナンバーを取得できません。マイナンバーを扱う事務そのものが生じないためです。少額の外注先にまで、一律に提出を求めないよう注意しましょう。

    年間の支払金額が、契約の時点では分からない場合もあります。その場合は、支払調書の提出が必要と判断できた段階でマイナンバーを集めることもできます。集めた後に支払調書が不要と分かった場合は、そのマイナンバーを廃棄します。

    参照:法定調書に関するFAQ|国税庁

    企業が個人事業主のマイナンバーを収集する際のポイントは?

    マイナンバーは重要な個人情報であるため、慎重に取り扱わなければなりません。そこで、次は企業が個人事業主のマイナンバーを収集する際に注意すべきポイントを4つ紹介します。

    必ず利用目的を明示する

    個人情報保護法第21条には、個人情報の収集に関して以下の条文が書かれています。

    個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。

    そして、マイナンバーも個人情報の1つである以上、この法令に従わなければなりません。契約書などの書面から本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ利用目的を明示する必要があります。個人事業主と契約する際に、マイナンバーの利用目的を契約書に記載するなどして明示しましょう。

    ただし、これはマイナンバーの利用目的だけを個別に記載しなければならないという意味ではありません。マイナンバー以外の個人情報も含め、「個人情報の取得目的」としてまとめて明示する方法も認められます。ちなみに、このときマイナンバーの提出先を明示する必要はありません。

    参考:個人情報の保護に関する法律

    参考:「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に関するQ&A|個人情報保護委員会

    提出を拒否された場合でも要請をする

    取引先がマイナンバーの提出を拒否した場合でも、企業は提供を要請し続ける必要があります。これは、支払調書への記載が企業に課せられた義務であるためです。

    あわせて、要請した事実と経緯を記録・保存しておくことも重要です。メールや書面のやり取り、電話連絡の記録、管理台帳への記載など、後から説明できる形で残しましょう。 記録は法令上の義務ではありませんが、単なる義務違反ではないことを示せます。税務署から記載がない理由を確認される場合もあるため、いつ求めて断られたかを残しておきましょう。

    国税庁の法定調書に関するFAQによると、マイナンバーの記載がなくても、税務署は支払調書を受け付けています。記載がないことへの税法上の罰則もありません。ただし、記載は法律で定められた義務のため、次回以降も提供を求め続けましょう。

    参照:番号制度概要に関するFAQ|国税庁

    本人確認をする

    個人事業主からマイナンバーを取得できても、それが本当に本人のマイナンバーであるとは言い切れません。そこで必要になるのが本人確認です。マイナンバー取得時の本人確認は、マイナンバー法で厳しく義務付けられています。

    以下の方法で本人確認を行いましょう。

    マイナンバーカード
    個人事業主がマイナンバーカードを作成している場合は、その提示によって本人確認とマイナンバーの提供を同時に行えます。
    マイナンバーと本人確認書類
    マイナンバー通知カードや住民票によって番号を確認する場合は、本人確認書類が別途必要です。通知カードは廃止されており、記載された氏名・住所などが住民票と一致する場合に限り使えます。本人確認書類は顔写真の有無によって必要な数が変わります。
    【顔写真付きの書類】
    運転免許証、パスポート、在留カードなどいずれか1つ。
    【顔写真がない書類】
    資格確認書、源泉徴収票など2つ以上。

    上記書類のコピーあるいは写真撮影したデータを提出してもらいましょう。

    参照:番号法令、国税庁告示における主な本人確認書類等|国税庁

    翌年以降も同じ相手と契約する場合

    翌年以降も同じ個人事業主と契約する場合は、前の契約のときに提供を受けたマイナンバーを使えます。同じ支払調書の作成のためであれば、契約のたびに改めて提供を求める必要はありません。

    ただし、マイナンバーを保管し続けられるのは、支払調書の作成など番号を使う事務がある間だけです。取引が終わった相手の番号は、保存期間を確かめたうえで廃棄の対象に加えましょう。

    参照:よくある質問:民間事業者における取扱いについて|デジタル庁

    支払調書の提出期限と提出のしかた

    個人事業主から集めたマイナンバーは、年明けに提出する支払調書に記載します。給与の源泉徴収票などと同じ時期の作業になるため、提出期限と提出方法を前もって確認しておきましょう。

    提出期限は翌年1月31日

    支払調書は、支払いが確定した年の翌年1月31日までに、支払者の所轄税務署へ提出します。「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」とあわせて提出しましょう。

    令和8年分は、期限の1月31日が日曜日にあたるため、令和9年2月1日(月)までに提出します。年末から年明けは手続きが重なるため、マイナンバーの収集は早めに済ませておくと安心です。

    参照:令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(第1章)|国税庁

    e-Taxでの提出が必要になる枚数

    支払調書は、書面のほかe-Taxなどでも提出できます。前々年に提出すべきだった支払調書の枚数が30枚以上の場合は、e-Taxなどでの提出が必要です。この基準は、令和9年1月以後に提出する分から「100枚以上」より引き下げられました。

    例えば、令和7年に提出すべきだった支払調書が30枚以上なら、令和9年1月に提出する支払調書はe-Taxなどで提出します。枚数は、法定調書の種類ごとに数えます。

    参照:No.7400 法定調書の提出義務者|国税庁

    本人に渡す写しにはマイナンバーを載せない

    支払調書の写しを、個人事業主本人に渡すこともあります。その場合、写しにはマイナンバーを記載できません。国税庁のFAQによると、支払調書には本人に渡す義務がないため、写しを渡すときはマイナンバーの提供の制限を受けます。

    一方、法人番号には同じ制限がないため、取引先が法人の場合は任意で記載できます。写しを作るときは、マイナンバーの欄が空いた状態で印刷されるかを確かめましょう。

    企業が個人事業主のマイナンバーを管理する際の注意点は?

    マイナンバーは取得して終わりではなく、適切に管理する必要があります。そこで、次は企業が個人事業主のマイナンバー管理を行う際の注意点を4つ紹介します。

    マイナンバー法を遵守する

    マイナンバー法では収集・利用・管理・廃棄について定められています。主な内容は以下のとおりです。

    • ■マイナンバーは行政手続き以外に利用してはならない
    • ■安全管理措置を行う必要がある
    • ■提供を受けるときは本人確認をしなければならない
    • ■管理を委託する場合は、適切に監督する必要がある

    また、マイナンバー法への違反には厳しい罰則が設けられているので注意してください。

    安全管理措置を講じる

    安全管理措置とは、収集したマイナンバーの情報漏えいを防止するための措置のことです。この安全管理措置には大きく分けて以下の4つがあります。

    組織的安全管理措置
    マイナンバーを管理する責任者と担当者を任命し、限定して管理する。
    人的安全管理措置
    マイナンバーを管理する担当者には、適切に管理できるように教育、監督する。
    物理的安全管理措置
    マイナンバーを管理する場所に施錠する、紙媒体の廃棄時にはシュレッダーを使うといった物理的な施策を行う。
    技術的安全管理措置
    マイナンバーをデータで管理する場合は、パスワードの設定やアクセスログの記録をする。

    特に実務では、保管・アクセス権限・持ち出し・廃棄の考え方を明確にすると運用しやすくなります。

    安全管理措置の要点(例)
    ・保管:紙は施錠できる場所で保管し、電子は保存先を限定する
    ・アクセス権限:閲覧・編集できる担当者を絞り、権限を管理する
    ・持ち出し:私物端末への保存や社外への持ち出しを避けるルールにする
    ・受け渡し:安易な共有を避け、社内で定めた方法で受領する
    ・廃棄:目的達成後は、紙はシュレッダーなどで裁断し、電子は復元できない形で削除する
    ・保存期間:書類により異なるため、社内規程で管理する

    安全管理措置は、従業員の数など事業者の規模にかかわらず必要です。マイナンバー法でも、マイナンバーの漏えいなどを防ぐための措置をとるよう定められています。

    参照:特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)|個人情報保護委員会

    マイナンバーが漏えいしたときの影響や対処の手順は、以下の記事で詳しく解説しています。

    関連記事 マイナンバーが流出するとどうなる?漏洩の原因・罰則と企業の対応

    不要になったマイナンバーは廃棄する

    支払調書の作成など番号を使う事務がなくなり、法律で決められた保存期間も過ぎたら、マイナンバーはできるだけ速やかに廃棄します。保存が義務付けられた書類は、契約が終わった時点ですぐに捨てず、保存期間を確かめましょう。

    デジタル庁のよくある質問によると、廃棄が必要になってから作業するまでの期間は、毎年度末にまとめて廃棄するなど事業者が判断できます。削除や廃棄をしたときは、その記録を残しておきましょう。

    手作業での管理の負担はマイナンバー管理システムで減らせる

    個人事業主のマイナンバーは、契約先ごとに収集と本人確認を行い、支払調書を作るまで保管し、保存期間が過ぎたら廃棄します。取引先が多いと、紙やExcelでは誰からいつ受け取り、いつ廃棄するかの管理が追いつかなくなりがちです。

    マイナンバー管理システムを使えば、マイナンバーの収集から廃棄までをシステム上でまとめて管理できます。閲覧履歴の管理や権限の設定、暗号化など、安全管理措置に役立つ機能を備えた製品もあります。

    主なマイナンバー管理システムの機能や選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。

    関連記事 【2026年最新】マイナンバー管理システム11選比較!選び方やメリットも解説

    個人事業主のマイナンバー管理には、法令遵守や厳重な安全管理措置が求められます。こうした要件を確実に満たすためには、マイナンバー管理システムを活用して、取得・保管・アクセス管理を一元化することが有効です。

    「自社に合うマイナンバー管理システムを診断してみたい」、「どんな観点で選べばいいかわからない」という方向けの診断ページもあります。

    マイナンバー管理システム 診断ページ遷移画像

    個人事業主のマイナンバーに関するよくある質問

    Q:業務委託でマイナンバーが不要なのはどんなとき?
    同じ相手への年間の支払金額が支払調書の提出範囲に届かず、支払調書を出さないことが明らかなときです。この場合、企業はマイナンバーを取得できません。また、取引先が法人であれば、マイナンバーではなく法人番号を使います。
    Q:フリーランスは提出しないといけない?
    支払調書の対象になる報酬を受け取る場合は、契約先へのマイナンバーの提供が必要です。契約先は、支払調書にマイナンバーを記載することが法律で義務付けられているためです。対象にならない取引では、提供する必要はありません。
    Q:提出を拒否されたら支払調書はどうする?
    提供を求めた経過を記録したうえで、マイナンバーを記載せずに提出します。税務署は、マイナンバーの記載がなくても支払調書を受け付けています。ただし、記載は法律で定められた義務のため、次回以降も提供を求めましょう。

    個人事業主のマイナンバーも正しく管理しましょう

    企業が個人事業主に業務を発注し、その報酬について支払調書を出す場合にはマイナンバーを取得する必要があります。支払調書への記載という利用目的を明示し、本人確認を行って取得しましょう。

    また、企業が個人事業主のマイナンバー管理をする際には、十分な安全管理措置を講じてマイナンバー法を遵守しなければなりません。適切な管理体制を構築し、法で定められた義務を果たしましょう。

    従業員や扶養家族のマイナンバーの扱いは、以下の記事で詳しく解説しています。

    関連記事 会社はマイナンバーを何に使う?従業員から収集する理由と手順
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