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会社はマイナンバーを何に使う?従業員から収集する理由と手順

会社はマイナンバーを何に使う?従業員から収集する理由と手順

会社が従業員のマイナンバーを集めるのは、税金と社会保険の手続きに使うためです。決められた手続き以外には使えず、マイナンバーを集める際には、利用する目的を従業員に伝えなければなりません。

この記事では、会社がマイナンバーを使う場面と、年末調整での収集から提出・保管・廃棄までの流れを説明します。家族のマイナンバーの扱いや、提出を拒否された場合の対応もあわせて紹介するので参考にしてください。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    会社はマイナンバーを何に使う?従業員から収集する理由

    マイナンバーは、社会保障制度、税制、災害対策その他の行政分野で利用されます。民間企業が従業員のマイナンバーを収集するのは、税金や社会保障に関する法定手続きで必要になるためです。以下で詳しく解説します。

    会社がマイナンバー提出を求める理由

    税金手続きに必要なため

    会社は、年末調整や源泉徴収票の作成など、税金に関する手続きで従業員のマイナンバーを使用します。税務署などへ提出する法定調書には、従業員のマイナンバーを記載する必要があるためです。

    一般的には、入社時や年末調整の時期までに従業員からマイナンバーを収集します。必要な手続きに遅れが出ないよう、利用目的を明示したうえで、適切な方法で取得しましょう。

    マイナンバーを記載するのは、税務署に出す源泉徴収票や、市区町村に出す給与支払報告書です。従業員本人に渡す源泉徴収票には、マイナンバーを記載しません。

    なお、2027年1月1日以後は、市区町村に給与支払報告書を出せば、税務署に源泉徴収票を出したものとみなされます。そのため、税務署に出す源泉徴収票を別に作る必要がなくなります。

    参考:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

    社会保障手続きに必要なため

    マイナンバーは、年金・健康保険・雇用保険などの社会保障手続きでも利用されます。会社は、年金事務所や健康保険組合、ハローワークなどへ提出する各種届出書に、従業員のマイナンバーを記載する場合があります。

    ■年金関連の手続き
    資格取得・資格喪失などの届出書に、従業員のマイナンバーを記載する場合があります。
    ■健康保険関連の手続き
    従業員本人や被扶養者の資格取得などの手続きで、マイナンバーが必要になる場合があります。
    ■雇用保険関連の手続き
    資格取得・資格喪失などの届出書に、従業員のマイナンバーを記載する場合があります。

    決められた手続き以外には使えない

    会社がマイナンバーを使えるのは、税や社会保険など法律で決められた手続きに限られます。本人の同意があっても、それ以外の目的には使えません。例えば、マイナンバーを社員番号として使うことも禁止されています。

    マイナンバーは、会社が従業員の情報を調べるための番号ではありません。マイナンバー制度によって、副業をしている事実が新たに分かることもありません。

    参考:特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)|個人情報保護委員会

    参考:よくある質問:マイナンバー制度について(総論)|デジタル庁

    会社が従業員のマイナンバーを収集する手順は?

    つづいて、会社が従業員のマイナンバーを収集してから廃棄するまでの手順を見ていきましょう。年末調整の時期には、収集から提出までの作業が重なります。

    • 1.利用目的を明示
    • 2.個人番号と身元の確認
    • 3.年末調整での収集と記載の省略
    • 4.源泉徴収票・給与支払報告書の提出
    • 5.適切に保管する
    • 6.退職した場合は廃棄

    1.利用目的を明示

    従業員からマイナンバーを取得する際は、あらかじめ利用目的を明示する必要があります。例えば、「源泉徴収票作成事務」「健康保険・厚生年金保険届出事務」「雇用保険届出事務」など、どの手続きで利用するのかを従業員に伝えます。

    マイナンバーは、明示した利用目的の範囲を超えて利用できません。新たな目的で利用する必要が生じた場合は、原則として、その目的を改めて通知または公表する必要があります。

    ただし、当初明示した利用目的と関連性がある範囲であれば、変更後の利用目的を本人に通知または公表することで利用できる場合があります。いずれにしても、会社側で利用目的を明確にし、従業員にわかりやすく伝えることが大切です。

    参考:個人情報の保護に関する法律|e-Gov法令検索

    2.個人番号と身元の確認

    マイナンバーを取得する際は、「番号確認」と「身元確認」を行います。番号確認とは、提供されたマイナンバーが正しい番号であることを確認することです。身元確認とは、マイナンバーを提供した人が番号の正しい持ち主であることを確認することです。

    マイナンバーカードを持っている場合は、1枚で番号確認と身元確認を行えます。マイナンバーカードを持っていない場合は、マイナンバーが記載された住民票の写しや住民票記載事項証明書などの番号確認書類と、運転免許証やパスポートなどの身元確認書類を組み合わせて確認します。

    なお、通知カードは2020年5月25日に廃止されており、新規発行や再交付は行われていません。ただし、通知カードに記載された氏名・住所などが住民票の情報と一致している場合に限り、番号確認書類として利用できます。

    また、雇用関係にある従業員で、対面で本人に間違いないと確認できる場合は、身元確認書類の提示は不要です。

    ■マイナンバーカードを持っている場合
    マイナンバーカードのみで、番号確認と身元確認が可能です。
    ■マイナンバーカードを持っていない場合
    マイナンバーが記載された住民票の写し、住民票記載事項証明書などの番号確認書類と、運転免許証やパスポートなどの身元確認書類を組み合わせて確認します。
    ■通知カードを利用する場合
    通知カードに記載された氏名・住所などが住民票の情報と一致している場合に限り、番号確認書類として利用できます。身元確認には、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類が別途必要です。

    参考:番号法令、国税庁告示における主な本人確認書類等|国税庁

    3.年末調整での収集と記載の省略

    従業員が会社に出す扶養控除等申告書には、本人と控除対象となる配偶者・扶養親族のマイナンバーを記載するのが原則です。扶養控除等申告書は毎年提出するもので、前年と内容が同じでも記載は省略できません。

    ただし、会社が従業員や家族の氏名・マイナンバーなどを記載した帳簿を備えている場合は、その人のマイナンバーの記載を省略できます。帳簿は、過去に提出を受けた扶養控除等申告書などをもとに作ったものに限られます。

    参考:源泉所得税関係に関するFAQ|国税庁

    4.源泉徴収票・給与支払報告書の提出

    給与支払報告書や法定調書は、原則として翌年1月31日までに提出します。従業員に渡す源泉徴収票も、同じ期限までに交付します。税務署に出す2026年分の法定調書は、1月31日が日曜日にあたるため、2027年2月1日(月)が期限です。給与支払報告書の期限は、提出先の市区町村の案内で確認しましょう。

    税務署に出す法定調書は、前々年に提出すべきだった枚数が種類ごとに30枚以上なら、e-Taxなどで提出します。2027年1月以後に提出する分から、この基準が「100枚以上」から引き下げられました。

    参考:令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(第1章)|国税庁

    5.適切に保管する

    会社は、明示した利用目的のために必要な範囲で、従業員のマイナンバーやマイナンバーが記載された書類を保管できます。例えば、従業員が在籍している間や、法令で一定期間の保存が義務付けられている書類を保管する場合などです。

    例えば扶養控除等申告書は、提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年を経過する日まで保存します。

    マイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」にあたるため、通常の個人情報以上に厳格な管理が求められます。取扱担当者を限定する、アクセス権限を設定する、書類を施錠できる場所に保管する、システム上で閲覧履歴を管理するなど、安全管理措置を講じることが重要です。

    また、マイナンバーの取り扱いに関する基本方針や取扱規程を整備し、担当者への教育を行うことも大切です。紙や表計算ソフトで管理する場合は、閲覧できる人が増えすぎないよう、保管場所やファイルへのアクセス権限を明確にしておきましょう。

    こうした安全管理措置は、従業員の数など会社の規模にかかわらず必要です。

    参考:ガイドライン(事業者編)Q&A|個人情報保護委員会

    マイナンバーが漏えいしたときの影響や対処の手順は、以下の記事で詳しく解説しています。

    関連記事 マイナンバーが流出するとどうなる?漏洩の原因・罰則と企業の対応

    6.退職した場合は廃棄

    従業員が退職した場合のマイナンバー管理については、基本的に事務手続きに不要になれば廃棄されます。また、一定の保存期間がある書類は、保存期間が過ぎたらできるだけ速やかに廃棄します。廃棄が必要になってから作業するまでの期間は、毎年度末にまとめて廃棄するなど、会社で判断できます。

    参考:よくある質問:民間事業者における取扱いについて|デジタル庁

    マイナンバーは、取得して終わりではなく、利用目的に応じた保管・閲覧制限・廃棄まで含めて適切に管理することが重要です。とはいえ、従業員数が増えるほど、紙や表計算ソフトだけで厳格に管理するのは難しくなります。そこで、アクセス権限の設定や取得状況の管理、保管・削除ルールの徹底を効率化できるマイナンバー管理システムの活用を検討する企業も増えています。

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    従業員の家族のマイナンバー取り扱いは?

    最後に、従業員の家族のマイナンバーを適切に取り扱う方法を見ていきましょう。

    従業員の扶養家族のマイナンバーを取得

    年末調整や社会保険の手続きでは、従業員の扶養家族のマイナンバーが必要になる場合があります。そのため、会社は被扶養者がいる従業員から、扶養家族分のマイナンバーも取得します。

    この場合も、従業員本人のマイナンバーを取得するときと同様に、利用目的を明示する必要があります。扶養家族のマイナンバーを何の手続きで利用するのかを、従業員にわかりやすく伝えましょう。

    扶養家族の本人確認は従業員が行う

    扶養家族のマイナンバーを取得する際の本人確認は、手続きの種類によって対応が異なります。年末調整で扶養親族のマイナンバーを記載する場合、会社が扶養家族本人の本人確認を行う必要はなく、従業員が扶養家族の本人確認を行います。

    一方、国民年金第3号被保険者に関する届出など、扶養家族本人または代理人からマイナンバーの提供を受ける扱いになる手続きでは、会社側で本人確認や代理権の確認が必要になる場合があります。手続きごとに確認すべき対象が異なるため、年金事務所や健康保険組合などの案内に沿って対応しましょう。

    扶養家族以外のマイナンバーは不要

    会社が取得できるのは、税金や社会保険の手続きに必要なマイナンバーに限られます。そのため、扶養に入っていない家族や、手続きに関係のない家族のマイナンバーを取得してはいけません。

    例えば、従業員に配偶者や子どもがいても、扶養対象でない場合や手続きに必要ない場合は、会社がその家族のマイナンバーを収集する必要はありません。不要なマイナンバーを取得すると、管理リスクが高まるため、取得対象を明確にしておきましょう。

    マイナンバーの提出は会社に拒否できるか

    従業員が会社へのマイナンバー提出を拒否した場合でも、従業員本人に直接罰則が科されるわけではありません。ただし、源泉徴収票などの法定調書にマイナンバーを記載することは、法律で定められた義務です。

    そのため会社は、従業員に対してマイナンバーの提出が必要な理由を説明し、提供を求める必要があります。それでも提出を受けられない場合は、提供を求めた経過を記録・保存しておくことが望ましいとされています。

    例えば、提出依頼を行った日付や説明した内容、提出を受けられなかった事実を記録しておくとよいでしょう。単に未提出のままにするのではなく、会社として必要な対応を行ったことを明確にしておくことが大切です。

    なお、国税庁の源泉所得税関係のFAQによると、扶養控除等申告書にマイナンバーの記載がない場合も、税額の計算はできます。扶養控除を受けられるかの判断に必要な事項が書かれていれば、申告書が提出されたものとして扱ってかまいません。

    参考:法定調書に関するFAQ|国税庁

    マイナンバーの収集・管理を手作業で行う負担

    従業員のマイナンバーは、入社時の収集と本人確認に始まり、年末調整や社会保険の手続きでの利用、保管、退職後の廃棄まで管理が続きます。扶養家族の番号も含めると、従業員が多い会社ほど扱う件数は増えていきます。

    紙や表計算ソフトでの管理では、誰の番号をいつ受け取り、いつ廃棄するかを追いきれなくなりがちです。マイナンバー管理システムを使えば、収集から廃棄までをシステム上でまとめて管理できます。閲覧履歴の管理や権限の設定、暗号化など、安全管理措置に役立つ機能を備えた製品もあります。

    主なマイナンバー管理システムの機能や選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。

    関連記事 【2026年最新】マイナンバー管理システム11選比較!選び方やメリットも解説

    会社のマイナンバー収集に関するよくある質問

    Q:会社はマイナンバーで何がわかる?
    会社がマイナンバーを使うのは、税や社会保険の書類に記載して提出するときだけです。法律で決められた手続き以外には使えず、マイナンバーから従業員の情報を調べることはできません。マイナンバー制度によって、副業をしている事実が新たに分かることもありません。
    Q:家族の番号も出す必要がある?
    扶養控除等申告書に記載する配偶者や扶養親族がいる場合は、その家族のマイナンバーも会社に提供します。健康保険の被扶養者の手続きでも必要になることがあります。扶養に入っていない家族の番号を出す必要はありません。
    Q:毎年の年末調整で番号を書く必要がある?
    扶養控除等申告書には、原則として毎年マイナンバーを記載します。ただし、会社が従業員や家族の氏名・マイナンバーなどを記載した帳簿を備えている場合は、記載を省略できます。省略できるかは、勤務先の案内に従いましょう。
    Q:業務委託の個人事業主の番号は?
    個人事業主に報酬を払い、支払調書を税務署に出す場合は、その個人事業主のマイナンバーも必要です。支払調書を出さないことが明らかな相手からは取得できません。詳しくは個人事業主のマイナンバー管理の解説をご覧ください。

    従業員と家族のマイナンバー取得後は適切な管理を!

    会社は税金や社会保険の手続きを行うために、従業員のマイナンバーを収集する必要があります。

    マイナンバーを収集する際は、利用目的を通知し、番号確認と身元確認を行わなければなりません。また、税金や社会保険の手続きの際は、従業員本人だけでなく扶養家族のマイナンバーが必要になる場合もあります。扶養家族の本人確認は手続きによって対応が異なるため、年末調整や社会保険など、手続きごとのルールに沿って確認しましょう。

    業務委託先の個人事業主のマイナンバーの扱いは、以下の記事で詳しく解説しています。

    関連記事 業務委託でマイナンバーは必要?個人事業主に求める基準と管理
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