監視設定を行う
ネットワーク管理者は、稼働しているネットワークを常に監視する必要があります。そのために導入するのがネットワーク監視装置(ネットワーク監視アプライアンス)です。
これにより、ネットワークシステムに接続されている機器の稼働状況、サービスの稼働状況、システムリソース(パフォーマンス)、ネットワーク帯域、システムログに記録される特定のメッセージなどを監視します。また、ツールインストール後にはこれらの設定を行います。
必要な機能を選定する
シンプルで単機能なツールもありますが、多くは多機能を売り物としており、極めて多くの監視が可能となっています。たとえば、死活監視、接続監視、SNMP監視、性能ボトルネック監視、帯域監視、アプリケーション、サービスパフォーマンス、サーバやデータベースログなど、幅広くサポートします。
これらすべては必要ありませんし、すべてを機能させるとネットワークに大きな負荷がかかってしまいます。こうした機能の中に導入検討当初から目的としていた機能を選択します。他の機能は、必要に応じて追加していきます。
対象のポイントを設定する
目的とする機能を選択したら、次に対象となる機器を設定します。インストールと同時に監視を開始し、ネットワーク内のすべての機器に対してポーリングを発するツールもありますが、こうなると、収集される情報量が膨大となり、混乱してしまいます。対象となる機器を選択し、監視を開始します。
監視のタイミングを設定する
リアルタイム監視をうたっているツールもありますが、監視タイミングを1分まで短縮するとネットワーク機器への負荷が増大し、返ってネットワーク障害を招きかねません。適切なタイミングを設定します。
通知方法を設定する
ネットワーク監視は24時間365日が基本です。この間、管理者が張り付いていることはできませんので、ツールにはしきい値の設定とそれを超えた際のアラート機能が付いています。これによりアラートを受信し、状況を確認して対処することができるようになります。
このしきい値の調整には、テクニックが必要です。しきい値が低いとアラートの多さに振り回されることになります。逆に高いと、重要な予兆を見逃しかねません。初期値が登録されていますが、ネットワークの重要性に合わせて見直していくことが不可欠となります。危険度に合わせて、アラートのレベルを数段階に分けて設定できる製品もあります。
アラートの受信は極めて重要な任務となります。携帯電話やスマートフォンでも受信できるようになっています。
レポートを確認する
ネットワーク監視運用後は、モニタリングと同時に、定期的にレポートを確認しましょう。日次、週次、月次など、指定した期間のレポートをグラフィカルに生成できるようになっています。レポートには以下の活用方法があります。
- ■安定稼動の維持
- 性能悪化を事前に知ることができます。重要なサービスの監視を強化するなどして、安定稼働を維持することができます。
- ■設定のメンテナンス
- 導入時の設定は定期的な見直しが必要です。そのための参考資料として各種レポートが役立ちます。
- ■ネットワークの運用計画支援
- 稼働状況を分析し、次期ネットワーク更新の際の計画資料とします。
- ■監査資料
- 外部監査の際、ネットワークの稼働状況の提出が求められる場合があります。監視ツールを導入することで、これら監査資料を容易に出力できます。
まとめ ~ 社内体制に応じて監視代行サービスも ~
ネットワーク障害や性能低下でビジネスに影響を与えないために、ネットワーク監視ツールを有効に活用しましょう。
もし、専任のシステム担当者、ネットワーク担当者がいない場合は、監視代行サービスを利用する方法もあります。その場合は、ネットワーク上に監視装置(アプライアンス)を設置するだけで、ここで紹介したような専門的な設定からすべてアウトソースすることができます。障害発生時には、必要な応急処置まで、遠隔リモートで対応してくれるので安心です。
社内の体制に合わせて、監視代行サービスを利用するか、自社で監視ツールを運用するか、判断しましょう。