ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■AIの活用方法別
- 文章の指示からアプリのひな形や項目構成を作成:JUST.DB、Platio、キントーン
- 既存の帳票の画像から業務アプリを生成:Platio
- 作った業務アプリにAI機能を組み込む:Platio Canvas、ClarisFileMaker
- ■作りたい業務アプリ別
ノーコード開発ツールのAIが業務アプリを作る仕組み
AIを搭載したノーコード開発ツールは、人の言葉や手元の資料を読み取り、アプリの部品に置き換えて組み立てます。ここでは、AIがたたき台を作り、人が仕上げるまでの流れを3つの段階に分けて説明します。
言葉の指示を画面とデータ項目に置き換える
中心となるのは、文章で書いた要望をアプリの設計に変換する仕組みです。例えば「備品の貸し出しを記録したい」と入力すると、AIが備品名や貸出日、返却予定日といった項目を推測し、入力画面と一覧画面を用意します。
ノーコードとは、プログラムのコードを書かずに画面操作だけでアプリを作る方法です。AIはこの画面操作の一部を肩代わりします。そのため、どこに何の項目を置くかを一から考える時間を短くできます。
既存のExcelや帳票から土台を読み取る
手元にあるExcelの表や紙の帳票を読み込ませ、アプリの土台を作れる製品もあります。表の見出しを入力項目に、行のデータを登録済みの記録として取り込む使い方です。
現場で長く使ってきた表をもとにすれば、項目の抜けを防ぎやすく、使う人も画面の意味をつかみやすくなります。一方で、結合したセルや手書きの欄は正しく読み取れない場合があります。取り込んだ後に項目の種類や並び順を見直す前提で使いましょう。
AIの提案を人が画面上で手直しする
AIが作った画面は、そのまま完成品として使うものではありません。項目名の言い回しや必須入力の設定、選択肢の中身は、現場の運用にあわせて人がドラッグ&ドロップで修正します。
修正の操作もノーコードで行えるため、コードを読めない担当者でも手直しを続けられます。AIで作り始め、人が仕上げるという分担を意識すると、作業時間を抑えながら現場で使える形に近づけられます。
ノーコードのAIで作れる業務アプリの範囲
AIによる生成は、型が決まっている業務ほど相性がよい傾向です。反対に、独自の計算や他システムとの細かな連携が必要なものは、AIだけで完成させるのは難しくなります。代表的な例で範囲を確認しましょう。
申請・承認のワークフロー
休暇申請や経費の事前申請、備品購入の稟議といった、入力して上長が承認する流れはAIで作りやすい業務です。入力項目と承認の順番が決まっているため、文章で説明した内容をそのまま画面と流れに置き換えやすいためです。
ワークフローとは、申請から承認、完了までの手続きの流れを指します。金額によって承認者が変わる、差し戻し後に再申請するといった分岐は、生成後に条件を設定し直す必要がある場合もあります。
日報や点検などの記録アプリ
営業日報や設備の点検記録、店舗の衛生チェックといった、決まった項目を毎日入力する記録業務もAIで作りやすい領域です。写真の添付欄や日付ごとの一覧画面も、指示に含めればまとめて用意されることがあります。
加えて、書類の文字を読み取って項目に入れる機能や、長い報告文を要約する機能をアプリに組み込める製品もあります。記録の入力やまとめにかかる手間を減らしたい現場では、この組み込み型のAI機能も確認するとよいでしょう。
AIだけでは難しい複雑な処理
独自の料金計算や在庫の引き当て、基幹システムとのリアルタイムな連携といった処理は、AIの生成だけで正しく作るのは難しい領域です。業務のルールが細かく、例外も多いため、指示の文章だけでは意図が伝わりきらないためです。
こうした業務は、少量のコードを追加できるローコード開発ツールや、情報システム部門による開発の対象とするのが現実的です。ノーコードのAIは、まず周辺の申請や記録の業務から試すと効果を確かめやすくなります。
ノーコード開発ツールのAIに伝わる指示の書き方
AIが作るたたき台の出来は、最初の指示の具体性に左右されます。プロンプトと呼ばれる指示文に何を書けば手直しが少なくなるのか、現場担当者が押さえたいポイントを3つ紹介します。
誰が何のために使うかを先に書く
指示の冒頭には、アプリを使う人と目的を書きます。「営業部の10名が、外出先から日報を提出し、課長が確認するためのアプリ」のように書くと、AIは入力する人と確認する人の画面を分けて考えやすくなります。
反対に「日報アプリを作って」だけでは、汎用的な項目で埋められ、現場の業務とずれた画面になりがちです。利用人数や使う端末、スマートフォンからの入力の有無も添えると、画面の構成が実際の使い方に近づきます。
入力項目と選択肢を具体的に並べる
必要な入力項目は、思いつく範囲で箇条書きにして伝えます。「訪問先、訪問日、商談の段階(初回、提案、見積、受注)、次回の予定」のように選択肢まで書くと、AIはプルダウンや日付の入力欄を適切に割り当てやすくなります。
必須の項目や、数字だけを入力させたい欄があれば、それも明記します。今使っているExcelの見出しをそのまま貼り付けるのも有効です。項目の抜けを後から足すより、最初に並べておくほうが手直しは少なく済みます。
承認の流れと例外を文章で示す
申請系のアプリでは、誰がどの順で承認するかを文章で示します。「申請者、課長、部長の順に承認し、5万円未満は課長の承認で完了」のように条件を書くと、分岐を含んだ流れのたたき台が作られることがあります。
差し戻しや代理承認、承認者の不在時の扱いといった例外も、分かる範囲で書き添えましょう。AIが例外まで正しく設定できるとは限らないため、生成後に実際の申請パターンで動きを試す前提で進めると安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でノーコード・ローコード開発の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
AIで作ったノーコードアプリを公開する前の確認点
AIが短時間で作ったアプリでも、公開して社内で使い始めれば業務データが蓄積されます。後から作り直す手間や情報の取り扱いの問題を避けるため、現場に公開する前に確認したい点を整理します。
項目名と入力ルールの見直し
まず、AIが付けた項目名が社内で使っている呼び方と一致しているかを確認します。「顧客名」と「取引先名」のように言い方が混在すると、入力する人が迷い、後で集計するときにも不便です。
あわせて、必須入力や入力できる文字の種類、日付の形式も見直しましょう。実際の担当者に数件の入力を試してもらい、迷った箇所を直してから公開すると、使い始めてからの問い合わせや入力の誤りを減らせます。
閲覧権限と共有範囲の確認
次に、誰がどの記録を見られるかを確認します。AIが作った初期状態では、利用者全員がすべての記録を閲覧できる設定になっていることもあります。人事や顧客に関する情報を扱う場合は特に注意が必要です。
申請者本人と承認者だけが見られる、部署ごとに表示を分けるといった設定を、業務の内容にあわせて行います。権限の設定に迷う場合は、情報システム部門に確認してから公開すると安心です。
AIに送る情報の取り扱い
AIに指示や資料を渡すとき、その内容がどこで処理されるかも確認しておきたい点です。製品によっては、入力した文章や読み込ませたファイルが外部のAIサービスに送られる仕組みのものもあります。
入力した情報がAIの学習に使われるかどうか、保存される期間や場所はどこかを、提供会社の説明資料や利用規約で確かめましょう。社内のルールで外部に出せない情報は、指示文や読み込ませる資料に含めない運用を決めておくことも大切です。
現場が試せて会社も管理できるノーコードAIの見極め方
AIを搭載したノーコード開発ツールは、生成できる範囲や管理の仕組みが製品ごとに異なります。現場担当者が試しやすく、会社として管理できるかという観点で、比較時に確認したい項目を紹介します。
生成できる範囲と修正のしやすさ
AIが作れるのが画面と項目だけか、承認の流れや通知の設定まで含むかは製品によって異なります。文章の指示から作るのか、Excelや帳票の読み込みから作るのかといった生成の方法も確認しましょう。
あわせて、生成後に画面上で項目を追加したり並べ替えたりする操作が分かりやすいかも重要です。無料トライアルがあれば、自社の業務を1つ選んで実際に指示を出し、手直しにかかる時間を確かめると比較しやすくなります。
AI機能の管理設定と料金の仕組み
会社で使う場合は、管理者がAI機能の利用範囲を設定できるかを確認します。AI機能を部署ごとに有効にする、利用状況を一覧で確認するといった管理ができると、現場の自由な開発と社内ルールを両立させやすくなります。
料金面では、AI機能が基本料金に含まれるのか、利用回数に応じた追加料金がかかるのかを確かめましょう。利用者が増えたときの総額を見積もっておくと、導入後に想定外の費用が発生するのを防ぎやすくなります。
AIでアプリを作り始められるノーコードツール一覧
この記事で紹介するノーコード開発ツールの特徴を一覧にまとめました。AIでたたき台を作れるか、どんな業務アプリに向くかを比べる際の参考にしてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| JUST.DB | 生成AIとの対話でデータテーブルや画面を自動生成。ワークフローや帳票出力の機能も標準で備える |
| AppSuite | アプリライブラリやExcel台帳のアプリ化で業務アプリを作成。スマートフォン用の画面も作れる |
| Platio Canvas | 部品を自由に配置してiOS・Android・Web向けのアプリを開発できる。生成AIの実装にも対応 |
| Platio | アプリの説明や帳票の画像からAIがひな形を生成(ベータ版)。現場の報告に使うモバイルアプリ向け |
| キントーン | チャットで用途を伝えるとAIが項目の構成を提案。100以上のサンプルアプリをもとに業務アプリを作れる |
| ClarisFileMaker | 自然言語検索や予測分析をカスタムAppに組み込める。クラウドやオンプレミスなど多様な環境で展開できる |
AIの作成支援と現場アプリに強いノーコードツール
文章や帳票の画像からAIがアプリのたたき台を作れる製品と、申請や記録のアプリを現場で作りやすい製品を紹介します。AI機能の有無や利用条件は製品ごとに異なるため、資料で確認しながら比べてみてください。
JUST.DB
- 【完全ノーコード×生成AI】マウス操作と"ことば"でシステム開発
- 【多彩な標準機能】高い拡張性により、全社DXをJUST.DB1つで実現
- 【同時ログインライセンス】全社展開してもコストを抑制
株式会社ジャストシステムが提供する「JUST.DB」は、ノーコードで業務システムを構築できるクラウドデータベースです。生成AIにチャット形式で作りたいものを伝えると、データテーブルや複数の画面(パネル)を自動で生成します。対話中に設計内容を確認しながら修正できるため、AIの提案を人が仕上げる進め方に向いています。承認者や分岐の条件をマウスでつなぐワークフロー機能も備え、申請・承認の業務をアプリにしたい現場で検討しやすい製品です。
AppSuite
- 多種多様なアプリライブラリから業務に合わせたアプリを選択可能
- 直感操作でデータ編集や検索、並べ替えなどが簡単に行えます
- 集計データをポータルで共有してスムーズに社内で情報共有可能
株式会社ネオジャパンが提供する「AppSuite」は、紙・メール・Excel中心の社内業務をシステム化できるノーコード業務アプリ作成ツールです。アプリライブラリから目的にあうアプリを選び、自社の運用にあわせてカスタマイズできます。表計算ソフトで作った管理台帳をそのままアプリにすることも可能です。スマートフォン用の画面も作成でき、設備の点検記録や工事の進捗報告など、パソコンを使いにくい現場の記録業務にも活用できます。
Platio
- ノーコードで誰でも簡単に業務アプリ作成
- 初期費用ゼロ!月々2万円台からの始めやすい価格感
- 現場に合った業務アプリをスピード導入
アステリア株式会社が提供する「Platio」は、業務用のモバイルアプリをノーコードで作成できるツールです。AIアシスト機能(ベータ版)では、作りたいアプリの説明や普段使っている帳票の画像をもとに、AIがベースとなるアプリを生成します。100種類以上のテンプレートも用意され、日次報告や点検報告といった現場の記録業務に向いています。写真や位置情報の取得、オフラインでの利用にも対応し、作業現場での入力を想定したアプリを作りやすいでしょう。
キントーン
- AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
- 部署・業種別ですぐに使えるサンプルアプリ
- プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、ノーコード・ローコードで業務アプリを作成できる業務改善プラットフォームです。kintone AIでは、作りたいアプリの用途や目的をチャットで伝えると、AIが入力項目(フィールド)の構成を提案します。日報や案件管理、交通費申請など100以上のサンプルアプリも用意され、ドラッグ&ドロップで自社の業務にあわせて手直しできます。なお、kintone AIの利用条件は、契約コースや提供状況によって異なるため確認が必要です。
ClarisFileMaker (Claris International Inc.)
- 自然言語検索や予測分析をカスタムAppに組込める。
- 多様な環境で、クラウド・オンプレミス・ハイブリッド展開対応。
- APIやJSON、JavaScriptを活用した業務システム構築を支援。
まとめ
ノーコード開発ツールのAIは、文章やExcelから業務アプリのたたき台を作り、現場担当者の作成の手間を減らす機能です。申請や記録のように型が決まった業務ほど相性がよく、指示に使う人や項目、承認の流れを具体的に書くほど手直しは少なくなります。
公開前は、権限の設定とAIへ送る情報の扱いを確認しましょう。自社にあうノーコード・ローコード開発ツールを比べたい方は、資料請求で生成できる範囲や管理機能を確かめてください。

