ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■最初のアプリの作り始め方別
- ■作成するアプリの対象端末別
- iOS・Android・Web向けアプリを作成できる製品:Platio Canvas
- ■コードでの拡張方法別
- 関数や計算式の設定で処理を追加できる製品:SmartDB、AppSuite
- JavaScriptやスクリプトなどで処理を拡張できる製品:ArielAirOne、ClarisFileMaker
- ■試用・支援の受け方別
- 無料トライアルで試せる製品:JUST.DB、SPIRAL WebTools
- アプリ作成の支援を受けられる製品・サービス:kintone業務アプリ対面開発サービス、SPIRAL WebTools
ローコード開発ツールの使い方は最初のアプリ選びから
ローコード開発ツールの操作を覚える近道は、実際の業務を題材にして、小さなアプリを1つ作ってみることです。題材の選び方によって、最初の成功体験を得られるかどうかが変わります。作り始める前に決めておきたいことを整理します。
紙やExcelで回している業務から選ぶ
最初の題材には、紙の申請書やExcelの管理表で回している業務が向いています。備品の貸し出し記録や日報、簡単な申請など、入力する項目と流れがはっきりしている業務であれば、アプリの形を想像しやすいためです。
反対に、複数の部署や基幹システムが関わる業務は、最初の題材には向きません。関係者との調整や連携の設定が必要になり、操作を覚える前に作業が止まるおそれがあります。小さく作って、使いながら改善する前提で選びましょう。
入力項目と利用者を書き出す
題材が決まったら、アプリで扱う項目を書き出します。今使っている申請書や管理表の列をそのまま並べると、漏れなく洗い出せます。項目ごとに、文字か数値か日付か、必須かどうかも決めておきましょう。
あわせて、誰が入力し、誰が確認や承認をするのかも整理します。利用者と役割が明確になっていると、後の画面設計や権限設定で迷わずに済みます。書き出した内容は、そのままアプリの簡単な設計書として使えるでしょう。
基本の作り方はデータ・画面・処理の3ステップ
ローコード開発ツールでアプリを作る作業は、データの入れ物を作る、画面を配置する、処理を設定するという3つのステップで進みます。製品によって呼び方は異なりますが、考え方は共通しています。順に見ていきましょう。
データの入れ物を作る
最初に、アプリで扱うデータを保存する入れ物を作ります。表の列を定義するように、書き出した項目を順に追加し、文字や数値、日付などの種類を設定します。この入れ物の呼び名は製品によって異なり、テーブルやデータモデルなどがその例です。
既存のExcelファイルを取り込んで、入れ物を自動で作れる製品もあります。部署名や商品名のように選択肢が決まっている項目は、別の表にまとめて参照する形にしておくと、入力の表記ゆれを防げます。
画面に部品を配置する
次に、入力や一覧表示のための画面を作ります。入力欄やボタン、一覧表などの部品をドラッグ&ドロップで配置し、作った入れ物の項目と結び付けます。データの入れ物から画面を自動で作る機能を持つ製品もあります。
画面は、実際に入力する人の目線で項目の並び順を整えることが大切です。スマートフォンから入力する場合は、画面の幅が狭くても使えるかを、プレビュー機能で確かめながら調整しましょう。
処理と承認の流れを設定する
最後に、ボタンを押したときの動きや、申請から承認までの流れを設定します。「保存したら上長に通知する」「承認されたら状態を完了に変える」といった処理を、画面上で条件と動作を選んで組み立てます。
承認の流れは、図のような画面で順番や分岐を設定できる製品もあります。差し戻しや代理承認が必要な場合は、その流れも忘れずに設定しましょう。設定後は、実際に申請と承認を試して動きを確かめます。
ローコード開発でコードを書く場面と書き方
ローコード開発ツールでは、標準の部品や設定で足りない部分を、コードで補えるのが特徴です。ただし、コードを書く場面を増やすほど、保守の手間も増えます。コードを書く代表的な場面と、注意点を紹介します。
入力チェックや計算式
「終了日は開始日より後にする」「数量と単価から金額を計算する」といった入力チェックや計算は、関数や数式の設定で実現できる場合があります。表計算ソフトの関数に近い書き方で済む製品もあるため、コードを書く前に確認するとよいでしょう。
標準の設定や関数で実現できない場合に、初めてコードを書く順番で考えます。製品のヘルプページやテンプレートに、よく使う計算や入力チェックの例が載っていることもあります。
スクリプトによる独自の処理
画面の表示を条件によって切り替える、複数の項目をまとめて更新するなど、標準の設定で表現しにくい処理は、JavaScriptなどのスクリプトで書き足します。製品ごとに、どの言語で、どの場面に書き足せるかが決まっています。
書き足したコードには、何のための処理かをコメントで残しておきましょう。作った本人以外が後から読んでも理解できるようにしておくことが、長く使えるアプリにするための基本です。
外部サービスとのAPI連携
API(システム同士がデータをやり取りするための窓口)を使うと、ローコードで作ったアプリから、チャットツールや会計ソフトなどへデータを送れます。連携先ごとの部品が用意されている製品では、コードを書かずに設定できる場合もあります。
連携の設定には、連携先のサービスで発行する認証情報が必要です。認証情報の管理方法や、連携が失敗したときの通知の受け取り方を、情報システム部門と相談して決めておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でノーコード・ローコード開発ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
公開前のテストと権限設定
アプリが形になったら、利用者に公開する前に動作を確かめ、誰が何をできるかを設定します。この工程を省くと、公開後に入力のやり直しや情報の見え過ぎが起きる可能性があります。公開までの手順を確認しましょう。
テストデータでの動作確認
まず、本番のデータとは別にテスト用のデータを入力し、登録や検索、承認の流れが想定どおりに動くかを確かめます。正しい入力だけでなく、必須項目を空欄にする、桁数の多い数値を入れるなど、誤った入力への反応も確認します。
可能であれば、実際の利用者に試してもらい、項目の並びや用語がわかりやすいかの意見をもらいましょう。入力にかかる時間が紙やExcelのときより長くなっていないかも、確認したい点です。テストが終わったら、テスト用のデータを削除してから公開します。
閲覧と編集の権限設定
次に、利用者ごとに、閲覧だけできるのか、入力や編集もできるのかを設定します。個人情報や金額を扱う項目は、見られる人を限る設定ができるかを確認しましょう。権限は個人ではなく、部署や役割の単位で設定しておくと、異動時の変更が少なくて済みます。
アプリを修正できる管理者権限は、必要な担当者に限定して付与します。作成者が不在でも対応できるよう、代替担当者を決めておき、権限の管理方法や変更手順を共有しておきましょう。
公開と利用者への案内
公開の際は、利用者に向けて、アプリの目的と使い始める日、基本的な操作方法を案内します。画面の画像を入れた簡単な手順書を用意すると、問い合わせを減らせます。
紙やExcelからアプリに切り替える場合は、いつから旧来の方法をやめるかを明確にしておきましょう。並行して使う期間が長いと、データが分散し、どちらが正しいかわからなくなる可能性があります。
使い始めてからつまずきやすい点
ローコード開発ツールで作ったアプリは、公開した後も改善を続けられるのが利点です。一方で、使い始めてから起きやすい問題もあります。代表的な点と、その対策を紹介します。
項目の変更と既存データの扱い
利用者からの要望に応えて項目を追加したり、種類を変えたりする場面は少なくありません。ただし、すでにデータが入っている項目の種類を変えたり削除したりすると、過去のデータが失われる場合があります。
変更の前にはデータを書き出して保存し、可能であれば検証用の環境やアプリの複製で試してから本番に反映しましょう。変更の内容と日付を記録しておくと、後から経緯を確認できます。
作った人しか直せない状態
アプリの作成者が異動や退職をすると、誰も直せないアプリが残る可能性があります。特に、独自のコードを書き足したアプリは、内容を理解している人が限られがちです。
アプリの目的や項目の意味、書き足したコードの内容を簡単な文書にまとめ、複数人で共有しておきましょう。製品が提供するチュートリアルや研修を活用して、作れる人を社内に増やしておくことも有効です。作ったアプリの一覧を部署内で共有しておけば、似たアプリを重複して作ることも防げます。
作り始めやすさと拡張方法で比べる製品一覧
最初のアプリをどこから作り始められるか、標準の設定で足りない部分をどう補えるかに注目して、この記事で紹介する製品を一覧にしました。試用や支援の有無もあわせて比べてみてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| SmartDB | フォームの評価式や入力チェック、条件分岐を伴うワークフローをノーコードで設定可能 |
| JUST.DB | 生成AIとの対話でデータテーブルや画面を自動生成。ワークフローもマウス操作で設定でき、無料トライアルあり |
| AppSuite | アプリライブラリを利用して作成でき、関数計算やリレーション、アクセス制御にも対応 |
| Platio Canvas | 部品を配置してiOS・Android・Web向けアプリをノーコードで作成。APIや連携ツールによるシステム連携にも対応 |
| 楽々Webデータベース | Excelを取り込んでWebアプリを作成。ワークフローやExcel・PDF形式の帳票出力も可能 |
| Platio | 100種類以上のテンプレートからモバイルアプリを作成。AIアシスト(ベータ版)にも対応 |
| ArielAirOne | ドラッグ&ドロップによる画面作成と、スクリプトによる独自処理の拡張に対応 |
| キントーン | 100以上のサンプルアプリを活用可能。AIによるアプリ作成支援やプラグインでの機能拡張に対応 |
| SPIRAL WebTools | フォームや業務アプリをノーコードで作成。30日間の無料トライアルや構築・運用支援を提供 |
| ClarisFileMaker | JavaScriptやAPI、JSONを活用した機能拡張に対応するローコード開発基盤 |
| kintone業務アプリ対面開発サービス | 開発者と直接対話しながらkintoneアプリを構築する支援サービス。60分の無料お試しセッションあり |
最初の業務アプリを作りやすいローコード開発ツール
テンプレートやExcelの取り込み、AIの提案などで作り始めやすい製品と、関数やスクリプトで処理を補える製品を紹介します。無料で試せる範囲や支援内容を確認し、自社の業務にあった製品を比較してみてください。
SmartDB
- ノーコードで業務部門でも開発できます
- 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
- 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます
株式会社ドリーム・アーツが提供する「SmartDB」は、入力画面の作成から承認の流れまでをノーコードで設定できる大企業向けの開発プラットフォームです。フォームデザイナーには文字列・数値・日付などの入力部品に加え、評価式や自動採番、条件付きの入力チェック、重複チェックが用意されています。ワークフローは条件分岐や代行承認、多数決承認などに対応し、ロールや所属による権限制御も設定可能です。操作を学ぶためのチュートリアル機能も備えています。
JUST.DB
- 【完全ノーコード×生成AI】マウス操作と"ことば"でシステム開発
- 【多彩な標準機能】高い拡張性により、全社DXをJUST.DB1つで実現
- 【同時ログインライセンス】全社展開してもコストを抑制
株式会社ジャストシステムが提供する「JUST.DB」は、生成AIとの対話でデータテーブルや画面のたたき台を作れるノーコードのクラウドデータベースです。チャット形式で作りたいシステムを伝えると、データテーブルや複数のパネルを自動生成し、設計内容を確認しながら修正できます。承認者や分岐条件をマウス操作で設定するワークフロー機能も搭載。無料トライアルが用意されており、実際の業務を題材に操作を試してから導入を判断できます。
AppSuite
- 多種多様なアプリライブラリから業務に合わせたアプリを選択可能
- 直感操作でデータ編集や検索、並べ替えなどが簡単に行えます
- 集計データをポータルで共有してスムーズに社内で情報共有可能
株式会社ネオジャパンが提供する「AppSuite」は、紙・メール・Excelで行っている業務をアプリ化できるノーコード業務アプリ作成ツールです。アプリライブラリから目的にあったひな型を選び、自社の運用にあわせてカスタマイズできます。一から作成する場合も、フォーム設計や関数計算、リレーション、アクセス制御などの機能を利用可能です。スマートフォン向けの画面レイアウトも作れるため、外出先での入力を想定したアプリにも対応します。参考価格は4,000円~です。
楽々Webデータベース
- 活エクセル|Excelを活用したままExcel業務の課題解決
- かんたん構築|ノーコードでだれもがIT人材に
- つなげて活用|貯めたデータも人もつなげて新たな価値を
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Webデータベース」は、既存のExcelを活用して業務アプリを作成できるノーコードプラットフォームです。Excelファイルを取り込んでWebアプリ化する方法と、画面上で項目を配置して作成する方法を選べます。登録したデータを承認に回すワークフローや、Excel・PDF形式での帳票出力にも対応。在庫管理や案件管理など、Excelで行っている幅広い業務に利用できます。参考価格は月額15,000円/10ユーザからです。
Platio
- ノーコードで誰でも簡単に業務アプリ作成
- 初期費用ゼロ!月々2万円台からの始めやすい価格感
- 現場に合った業務アプリをスピード導入
アステリア株式会社が提供する「Platio」は、現場の報告業務からアプリ作成を始めやすい、ノーコードのモバイルアプリ作成ツールです。100種類以上のテンプレートから目的にあうものを選び、現場の業務にあわせて変更できます。作りたいアプリの説明や普段使っている帳票の画像をもとに、AIがベースとなるアプリを生成するAIアシスト(ベータ版)も搭載。作成したアプリは審査を経ずに利用を開始でき、オフラインでの利用にも対応します。参考価格は27,000円~です。
ArielAirOne
- 大手企業のペーパーレスをノーコード/ローコードで実現
- Notes移行ツールで管理者と現場の移行負荷を大幅に削減
- スクリプトを設定することで、複雑なアプリケーション作成も可能
株式会社ワークスアプリケーションズが提供する「ArielAirOne」は、標準の部品でアプリを作り、複雑な要件をスクリプトで補える大企業向けの業務開発プラットフォームです。フォームやビュー、ツールバーなどを画面上で設定でき、個社固有の処理にはスクリプトによる拡張開発で対応します。承認ルートや条件分岐、一括承認などのワークフロー機能も搭載。標準機能による開発と独自の処理を組み合わせながら、全社的に業務アプリを展開したい企業の選択肢です。
キントーン
- AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
- 部署・業種別ですぐに使えるサンプルアプリ
- プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、サンプルアプリやAIの提案を活用して業務アプリを作成できる、クラウド型の業務改善プラットフォームです。「日報」「交通費申請」「備品在庫管理」など100以上のサンプルアプリをひな型として使い、自社の業務にあわせて変更できます。作りたいアプリの用途を伝えるとAIがフィールド構成を提案する機能も備えています。画面はドラッグ&ドロップで作成でき、プラグインや外部連携サービスによる機能拡張も可能です。参考価格は10,000円~です。
SPIRAL WebTools
- 現場の担当者自身がサイトやフォーム、業務アプリを簡単に作成
- 金融機関や官公庁にも採用されるセキュリティ基盤で安心
- 柔軟な権限設定で、誰がどのデータを閲覧・編集できるか設定可能
スパイラル株式会社が提供する「SPIRAL WebTools」は、30日間の無料トライアルで操作を試せるノーコードアプリ作成ツールです。ドラッグ&ドロップでフォームを作成でき、データベースも豊富な項目から自由に構築できます。権限設定では、利用者ごとにデータの閲覧・編集範囲を制御可能です。サポートデスクによるアプリ作成・活用支援に加え、構築や運用を委託できるサービスも用意されています。参考価格は月額50,000円~で、アプリ作成に不慣れな担当者でも相談しながら進められます。
ClarisFileMaker (Claris International Inc.)
- 自然言語検索や予測分析をカスタムAppに組込める。
- 多様な環境で、クラウド・オンプレミス・ハイブリッド展開対応。
- APIやJSON、JavaScriptを活用した業務システム構築を支援。
kintone業務アプリ対面開発サービス (株式会社国際協力データサービス)
- お客様と開発者が直接対話。アイデア創出と決定がスピーディ。
- プロの助言で課題解決し、期待通りのアプリが作れる。
- プロトで概念共有、共同作業で問題解決を早期化。
まとめ
ローコード開発ツールの使い方は、データの入れ物を作り、画面を配置し、処理や承認の流れを設定する3ステップが基本です。標準の設定で足りない部分だけをコードで補い、テストと権限設定を経て公開しましょう。最初は紙やExcelで回している小さな業務を題材にすると、操作を覚えやすくなります。ノーコード・ローコード開発ツールの資料請求をして、無料で試せる範囲や拡張の方法を比べてみてください。

