工程管理の目的と基本の流れ
工程管理は、作業の順番と日程を決め、そのとおりに進んでいるかを確かめる活動です。どこに手間がかかるのかを知るために、まずは全体の流れと、確かめる内容を整理しましょう。
計画を立ててから実績を確かめるまでの流れ
工程管理は、大きく4つの段階で進みます。作業を細かく分けて順番を決める段階、それぞれの作業に日数と担当を割り当てる段階、実際の進み具合を集める段階、そして計画とのずれを見て手を打つ段階です。この流れを日ごとや週ごとに繰り返します。
- ■作業の洗い出し
- 完成までに必要な作業を分け、どの作業が先で、どれが後かを決める段階
- ■日程と割り当ての決定
- 各作業にかかる日数を見積もり、担当する人や使う機械を決める段階
- ■進み具合の把握
- 実際にどこまで終わったか、どれだけ時間がかかったかを集める段階
- ■ずれへの対応
- 計画との差を見て、応援を出す、順番を入れ替えるなどの手を打つ段階
進み具合を確かめるときに見る内容
進み具合は、終わった作業の数だけでは判断できません。予定した日にどこまで進んでいるはずか、実際はどこまで進んだかを並べて見ます。あわせて、作業にかかった時間や、不良が出た数、機械が止まっていた時間も確かめると、遅れの原因を絞り込みやすくなります。
見る単位を細かくしすぎると、集める作業そのものが負担になります。まずは遅れが起きやすい工程や、後の工程に影響が大きい作業に絞って確かめる方法があります。どこまで細かく見るかは、集める手間と相談しながら決めましょう。
工程管理に取り組むメリット
工程管理の効果は、納期を守ることだけではありません。人や機械の使い方、現場での判断のしかたにも関わります。3つの角度から利点を整理します。
納期の遅れに早く気づける
計画がないまま進めると、遅れていることに気づくのが完成間際になりがちです。その段階では、残業や休日出勤で埋めるしかなくなります。日ごとに計画と実績を比べていれば、小さなずれのうちに手を打てます。
例えば、ある工程で2日の遅れが出た時点でわかれば、後の工程の順番を入れ替える、応援を出すといった選択肢があります。取引先に事前に連絡することもできます。手を打てる幅が広い段階で気づける点が、実務での効果です。
人と機械の手待ちを減らせる
前の工程が終わらないと次に進めない場合、待っている人や機械が生まれます。この待ち時間は、何も生み出さないまま費用だけがかかります。作業の順番と日程を決めておけば、待ちが起きやすい場所を前もって見つけられます。
忙しい工程と手のあいている工程が同時にある状態も減らせます。どの日にどれだけの作業量があるかが見えていれば、応援の配置や、作業の前倒しを検討できます。機械の点検を、作業の少ない日に合わせる調整もしやすくなります。
現場での判断の基準がそろう
計画が共有されていないと、どの作業を先に進めるかの判断が、その場にいる人ごとに変わります。急ぎの指示が重なると、現場が混乱することもあります。優先順位が見える形になっていれば、迷わず進められます。
作業にかかった時間の記録がたまると、次の計画を立てるときの目安にもなります。感覚で見積もっていた日数を、実際の記録にもとづいて決められるようになります。担当者が代わっても同じ基準で進められる点は、長く続けるうえで重要です。ベテランの経験に頼りきりの状態から抜け出せれば、引き継ぎのときの負担も軽くなります。
工程管理のデメリットと現場の課題
一方で、工程管理には手間がかかります。負担を知らないまま細かい管理を求めると、現場で続かなくなる恐れがあります。ここでは3つの課題を取り上げます。
計画を作る手間がかかる
作業を細かく分け、それぞれの日数を見積もる作業には時間がかかります。似た仕事の経験がないと、日数の見積もりそのものが難しくなります。受注のたびに新しく作るとなると、担当者の負担は積み上がっていきます。
負担を抑えるには、よくある仕事の型をあらかじめ用意しておく方法があります。過去の計画を元にして、違う部分だけを直す形なら、作る時間を短くできます。作った計画と実際の結果を残しておけば、次の見積もりの精度も上げられます。
現場での入力が負担になる
進み具合を集めるには、現場の人が実績を記録する必要があります。作業の合間に紙に書いて後からまとめる形だと、二度手間になります。入力そのものが面倒だと、記録が後回しになり、実態とずれた数字が残ります。
この課題を減らすには、入力の回数や項目を絞る工夫が有効です。作業の開始と終了だけを記録する、機械から自動で時間を取り込むといった方法があります。誰がいつ入力するのかを決めたうえで、現場が続けられる形かを確かめましょう。
計画どおりに進まないことを前提とする
現場では、材料の遅れ、機械の故障、急な仕様の変更、欠勤など、計画どおりに進まない出来事が起こります。原因は一つとは限らず、複数が重なることもあります。計画を細かく作り込むほど、直す作業も増えていきます。
そのため、ずれが出たときにどう直すかを先に決めておくことが重要です。どのくらいの遅れなら現場の判断で調整し、どこからは上司に相談するのかという基準を決めておきましょう。計画は一度作って終わりではなく、直しながら使うものだと考える必要があります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で工程管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
表計算ソフトとシステムを使う場合の違い
負担を減らす手段として、専用システムが選択肢に入ります。ただし、どの現場にもシステムがあうわけではありません。両方の違いを整理してから判断しましょう。
表計算ソフトで管理する場合の特徴
表計算ソフトは、追加の費用がかからず、自社のやり方にあわせて自由に作れる点が特徴です。扱う品目や工程の数が少なければ、この方法で続けられます。使い慣れた人が多く、すぐ始められる点も利点です。
一方で、計画を直すたびに、後の工程の日程を手作業で直すことになります。ファイルが複数に分かれると、どれが最新かわからなくなることもあります。誰がいつ直したかを追えないため、数字が合わないときの確認に時間がかかる場合があります。
工程管理システムを使う場合の特徴
工程管理システムは、計画を直すと後の工程の日程も自動で組み直せる形です。現場からの入力をその場で反映できる製品なら、事務所と現場で同じ状況を見られます。誰がいつ入力したかの記録が残る点も、確認の手間を軽くします。
導入するときは、費用と設定の手間がかかります。工程の種類や標準の作業時間を登録する作業が必要です。今使っている生産や販売の仕組みとつなげられるか、つなぐのが止まったときに管理者へ知らせが届くかも、比べる段階で確認しておきましょう。
現場の進捗を把握できる工程管理システム
計画と実績のずれを早く把握したい場合に候補となる、工程の管理を支えるシステムを紹介します。
スマートF
- 工程管理や在庫管理など、必要な機能からスモールスタート可能
- 導入コンサルつきのトライアル可能、既存システムにも柔軟に連携
- バーコード管理やタブレット活用でペーパーレスIoTを実現
株式会社ネクスタが提供する「スマートF」は、生産の現場で生じる情報を記録し、工程の進捗や在庫の状況を把握できるシステムです。必要な機能を選んで段階的に導入できる構成のため、まず進捗の管理から着手し、後から範囲を広げる進め方も採れます。現場での入力を想定した画面が用意されており、担当者の負担を抑えた運用を検討できます。
A-Eyeカメラ<エーアイカメラ>
- 導入が簡単(対象物に対してネットワークカメラを設置すればOK)
- 設備稼働の見える化を実現、改善活動の推進に興味がある企業様へ
- リモート、電話、メールでのサポート(稼働監視や検出精度の点検)
株式会社テクノアが提供する「A-Eyeカメラ<エーアイカメラ>」は、現場の作業を映像として記録し、状況の把握に活用する仕組みです。人が常時確認しなくても現場の様子を残せるため、後から作業の流れを振り返る材料になります。工程の見直しや、作業にかかる時間を把握したい場面での活用が想定されます。設置の条件は現場の環境によって変わるため、事前に確認しましょう。
工程's Orario (株式会社ウェッブアイ)
- マウス操作で工程作成や更新ができる直感的な操作性
- 工程の進捗と計画を多角的に可視化し、一括で確認できる。
- 工程の関連付けで後続日程を自動調整。
DIRECTOR6 (株式会社シムトップス)
- 個別受注生産に特化し、工程や進捗を一元管理。
- 生産計画の自動化と工場の可視化を支援
- 進捗や実績をリアルタイムで把握可能。
Planow (株式会社ウェッブアイ)
- 複数組織/人で共有しながら工程表の編集・更新ができる
- ユーザーや工程毎に権限設定、万全のセキュリティでセキュア運用
- 導入実績2400社を超すOrarioシリーズの工程管理サーバー
工程管理に関するよくある質問
工程管理の進め方についてよく寄せられる疑問をまとめました。社内での検討にお役立てください。
- Q1: 工程管理と生産管理はどう違いますか?
- 生産管理は、仕入れ、在庫、原価まで含めたものづくり全体の管理を指します。工程管理はそのうち、作業の順番と日程を扱う部分です。範囲が重なるため、製品によっては両方の機能を持つ場合もあります。
- Q2: どのくらいの間隔で進み具合を確かめるべきですか?
- 作業の長さによって変わります。1日で終わる作業が多いなら日ごと、数週間かかる作業が中心なら週ごとという分け方があります。細かく確かめるほど集める手間も増えるため、遅れが影響しやすい工程に絞る方法もあります。
- Q3: 小規模な現場でも工程管理は必要ですか?
- 人数が少ないほど、一人の遅れが全体に響きやすくなります。すべての作業を細かく管理する必要はありませんが、納期に直結する工程だけでも計画と実績を並べて見る方法があります。続けられる範囲で始めることが重要です。
- Q4: システムを入れれば遅れはなくなりますか?
- 遅れそのものをなくす仕組みではありません。材料の遅れや機械の故障といった原因は現場の外にもあります。早く気づいて手を打てるようにするための道具だと考え、ずれたときの対応の手順とあわせて整えましょう。
まとめ
工程管理には、納期の遅れに早く気づけること、人と機械の手待ちを減らせること、現場での判断の基準がそろうことという良い点があります。一方で、計画を作る手間、現場での入力の負担、計画どおりに進まない前提での作り直しという課題も伴います。まずは遅れが起きやすい工程を絞り込み、そこから計画と実績を並べて見る進め方を試しましょう。製品を比べたい方は、資料請求を活用してみてください。


