サーバ監視ツールとはどのような仕組みか
メリットを判断する前に、何を確認する仕組みなのかを押さえておきましょう。ひと口に監視といっても、見る対象と目的によって内容が分かれます。ここでは役割と、代表的な監視の種類を確認します。
サーバ監視ツールの基本的な役割
サーバ監視ツールとは、業務システムを動かしているサーバやネットワーク機器の状態を定期的に確認し、あらかじめ決めた条件から外れた場合に管理者へ知らせる仕組みです。確認の間隔や対象は設定で決められます。
取得した情報は記録として蓄積され、時間ごとの推移をグラフで確認できる製品が一般的です。異常を知らせるだけでなく、どのような経過をたどって異常に至ったかを後から追える点に価値があります。オンプレミスの機器だけでなく、クラウド上の環境を対象にできる製品もあります。
監視の種類と確認する対象
監視は目的によっていくつかの種類に分かれます。どこまでを対象にするかによって、必要な機能も設定の手間も変わるため、あらかじめ整理しておくと比較しやすくなります。
- ■死活監視
- サーバやサービスが応答するかを一定間隔で確認する。停止に気づくための基本的な監視
- ■リソース監視
- CPUやメモリ、ディスクの使用状況を確認する。処理の遅延や容量不足の兆候をつかむ手がかりになる
- ■アプリケーション監視
- Webサイトの表示や業務システムの応答時間を確認する。利用者から見た状態に近い形で把握できる
- ■ログ監視
- 出力されたログのなかから、特定の文字列やエラーの発生を検知する
すべてを一度に導入する必要はありません。停止の把握から始め、運用に慣れてから対象を広げる進め方も選べます。
サーバ監視ツールを導入するメリット
ここからは、運用の現場で実際にどのような効果が見込めるのかを整理します。気づきの速さ、作業量、改善の判断という三つの面から確認します。
異常の兆候を早い段階で把握できる
利用者からの連絡でシステムの停止に気づく状態では、対応を始める時点ですでに業務へ影響が出ています。監視ツールを使えば、応答がなくなった時点や、決めた基準を超えた時点で通知を受け取れます。
ディスクの空き容量やメモリの使用状況を継続して見ていれば、停止に至る前の段階で余裕がなくなりつつあることに気づけます。夜間や休日など人が常駐していない時間帯でも確認が続く点も利点です。ただし、通知を受けてから誰がどう動くかを決めておかなければ、把握できても対応が遅れる可能性があります。
目視で確認する作業を減らせる
担当者が定期的にサーバへログインし、コマンドを実行して状態を確かめる運用では、確認そのものに時間がかかります。台数が増えるほど負担も比例して大きくなり、確認漏れが生じる可能性も高まります。
監視ツールに任せれば、決めた間隔での確認が自動で行われ、担当者は結果を一覧で把握できます。空いた時間を、構成の見直しや障害対応の手順整備といった業務に振り向けられます。あわせて、確認の内容が設定として残るため、担当者が交代しても同じ基準で運用を続けやすくなります。
記録をもとに増強や改善を判断できる
蓄積された数値は、設備の増強を検討する際の材料になります。特定の時間帯に負荷が集中している、月末に処理が滞りやすいといった傾向が見えれば、対策を打つ時期を判断しやすくなります。
社内で予算を申請する場面でも、感覚ではなく記録をもとに説明できる点は助けになります。過去の推移をグラフで示せば、増強の必要性を関係者と共有しやすくなります。どの期間のデータをどれくらい保存できるかは製品によって異なるため、判断に使いたい期間を踏まえて確認しましょう。
監視項目と通知設計の考え方
導入の成果は、何をどこまで監視し、どう知らせるかの設計に左右されます。運用を始める前に整理しておきたい二つの観点を挙げます。
監視対象と取得する指標の整理
最初に、業務への影響が大きいシステムから対象を決めます。停止したときに誰が困るのか、どの程度の時間で復旧する必要があるのかを整理すると、優先順位が定まります。
対象が決まったら、そのシステムで確認したい指標を選びます。Webサイトであれば応答の有無と表示までの時間、データベースであれば接続数やディスクの空き容量といった具合です。すべての指標を取得すると管理が煩雑になるため、判断や対応につながる項目に絞る進め方が現実的です。
しきい値と通知先の設計
どの値を超えたら知らせるかという基準は、運用の負担に直結します。基準が厳しすぎれば通知が増え、緩すぎれば気づくのが遅れます。導入直後は暫定の値で始め、実際の推移を見ながら調整する進め方が現実的です。
通知先についても、担当者一人にすべてが集中する設計は避けたい構成です。休暇や夜間に対応できないおそれがあります。対象システムごとに通知先を分ける、緊急度によって連絡手段を変える、一定時間で応答がなければ別の担当へ回すといった仕組みを検討しましょう。
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サーバ監視ツール導入前の注意点
導入したものの活用が進まない状況を避けるため、検討段階で押さえておきたい点を二つ挙げます。
通知が増えすぎると確認が追いつかない
基準を細かく設定しすぎると、対応の必要がない通知まで届くようになります。通知が日常的に届く状態が続くと、重要な知らせを見落とす恐れが生じます。
対策としては、対応が必要なものと参考情報を分ける、一定時間内に繰り返される通知をまとめる、復旧した際にも知らせて状況を追えるようにするといった設定が有効です。運用を始めてから通知の内容を振り返り、不要なものを止める見直しの時間を定期的に設けましょう。
設定と運用にかかる負荷を見積もる
監視の対象や基準を決める作業には、システムの構成を理解した担当者の時間が必要です。台数や種類が多いほど、初期の設定に時間を要します。
運用が始まってからも、機器の追加や構成の変更にあわせた設定の見直しが続きます。誰がその作業を担うのかを決め、手順を文書として残しておくと、担当者の異動時にも運用を続けやすくなります。社内に専任の担当を置けない場合は、設定の支援や運用の代行に対応するサービスを含めて検討する選択肢もあります。
サーバ監視ツールの選び方
製品によって対象にできる範囲も、通知の手段も異なります。比較の段階で確認しておきたい基準を三つ挙げます。
監視対象の範囲と規模の整理
自社の環境がオンプレミスのみなのか、クラウドを併用しているのか、その両方をまとめて見たいのかを整理します。対応する機器やサービスの種類は製品によって差があるため、現在の構成を伝えたうえで確認しましょう。
あわせて、監視したい台数と今後の増減の見込みも整理します。台数に応じた料金体系を採る製品が多く、規模の想定は費用の試算に直結します。拠点が分かれている場合は、拠点ごとに監視の仕組みが必要になるかどうかも確かめておきましょう。
通知手段と障害時に使える機能の確認
通知の届け方は運用の実態にあわせて選びます。メールのみか、ビジネスチャットへ送れるか、電話での連絡に対応するかは製品によって異なります。夜間の対応が必要な環境では、気づきやすい手段を選ぶ必要があります。
異常を検知した際に、あらかじめ決めた処理を自動で実行できる機能を備えた製品もあります。サービスの再起動や記録の取得を自動化できれば、初動を早められます。ただし自動処理は影響範囲の確認が欠かせないため、検証環境で動作を確かめてから本番に適用しましょう。
費用体系とサポート範囲の確認
料金は、監視対象の台数に応じた月額制、機能ごとの追加課金、初期費用と保守費の組み合わせなど、製品によって考え方が異なります。データの保存期間が長いプランほど費用が上がる場合もあります。
サポートについては、どこまで対応してもらえるのかを具体的に確かめます。操作方法の案内にとどまるのか、初期の監視設定を支援してもらえるのか、障害発生時に相談できるのかは製品ごとに差があります。対応時間帯や問い合わせ手段まで含めて比べておきましょう。
サーバの状態を継続して確認できる監視ツール
障害の兆候を早く把握したい場合に候補となる、サーバ監視のツールを紹介します。
クライアント運用管理ソフト SKYSEA Client View
- サーバーのイベントログを集約しスムーズに検索・閲覧!
- アクセス状況やデータベースの取り扱い状況を把握
- 権限のないユーザーからのアクセス状況の調査も可能
Sky株式会社が提供する「クライアント運用管理ソフト SKYSEA Client View」は、端末やサーバの状態を継続して確認できる運用管理システムです。資産管理の機能とあわせて稼働状況を把握できるため、監視と管理を一つの仕組みでまとめたい場合に活用できます。台数が多い環境でも一元的に状況を確認できる構成です。
システム監視ミニ
- システム異常を即座に検知・通知
- 情シス担当者の業務負担を軽減し、システムの安定稼働をサポート
- IT資産の稼働監視を手軽に始められるリスク予防
ヤマトシステム開発株式会社が提供する「システム監視ミニ」は、サーバやネットワーク機器の稼働状況を監視するツールです。異常を検知した際に管理者へ通知する仕組みを備えており、担当者が常時画面を確認しなくても状況を把握できます。中小規模のシステム環境での利用が想定されています。
AWSの監視・運用代行サービス (NHN テコラス株式会社)
- 自動化・効率化を踏まえた運用設計が可能
- 24時間365日の監視!Mackerelによる監視が1.2万円から
- 障害発生時は、障害対応手順書に基づいて迅速に復旧対応
ThirdEye (株式会社ロジックベイン )
- 複数エージェントの一括配布、アップデート、編集が可能!
- サーバ監視エージェントは原則無償提供!
- 充実のマップ画面、コンフィグ管理機能等付加価値多数!
サーバ監視ツールに関するよくある質問
導入を検討する担当者から寄せられることの多い質問と回答をまとめました。
- Q1: 無料の監視ツールでも運用できますか?
- 対象の台数が少なく、社内に設定や保守を担える担当者がいる場合は選択肢になります。ただし、問い合わせ窓口や不具合対応は自社で対応する前提です。運用を続ける体制を確保できるかを踏まえて判断するとよいでしょう。
- Q2: クラウド上のサーバも監視できますか?
- 対応する製品が増えていますが、扱えるサービスの種類や取得できる指標には差があります。利用しているクラウドの名称と構成を伝え、対応の可否を確認しましょう。オンプレミスと合わせて一つの画面で見たい場合は、その要望も併せて伝えると提案を受けやすくなります。
- Q3: 導入までにどのくらいの期間がかかりますか?
- 監視対象の台数や、設定する項目の範囲によって幅があります。少数のサーバで死活監視から始める場合は短期間で立ち上げられるケースもある一方、多拠点や自動処理の設定を伴う場合は検証を含めて時間を要します。具体的な期間はベンダーに確認しましょう。
- Q4: 監視を始めれば障害は防げますか?
- 監視は状態を把握するための仕組みであり、障害そのものを防ぐものではありません。ただし兆候を早く把握できれば、影響が広がる前に手を打てる場合があります。検知後の対応手順や連絡体制とあわせて整えることで、効果を引き出しやすくなります。
まとめ
サーバ監視ツールは、機器やサービスの状態を自動で確認し、決めた基準から外れた際に管理者へ知らせる仕組みです。異常の兆候を早い段階でつかめるほか、目視確認の作業を減らし、蓄積した記録を増強の判断に使える点も利点といえます。一方で、通知の設計と設定作業には手間がかかります。監視対象の範囲や通知手段、費用体系を比べたうえで、対応手順の整備とあわせて導入を進めましょう。まずは資料請求から検討を始めてみてください。

