目標管理シートとは
目標管理シートの目的や効果について詳しく解説します。
目標を管理し人材育成に活かすためのツール
従業員の目標設定において重要なのは、会社の方向性と目標をすり合わせることです。いくら志の高い目標を立てたとしても、会社の経営理念や目標と剥離していれば、組織全体の利益向上につながりません。正当に人事評価することも困難です。
従業員の目標と会社の方向性をすり合わせるには、目標を明確に定義したり、目標達成の進捗状況をいつでも確認できたりするツールが必要になります。
このような背景から生まれたのが、部下の目標設定を上司がサポートしたり、目標達成の進捗状況を見て業務アドバイスしたりできる目標管理シートです。
従業員のスキルアップや人事評価に役立つ
自ら目標管理シートを作成し目標に向けて努力を続けることで、従業員ひとりひとりの業務スキルがアップします。従業員個人のスキルが向上するため、組織全体の価値も大きくなります。
また、定期的にシートの内容についてミーティングを行うことで、従業員が目標達成のために行った取り組みや施策の成果がわかり、従業員の人事評価にも役立ちます。進捗状況に問題があれば、一緒になって目標を再設定したり、業務上のアドバイスをしたりすることも可能です。
従業員自身も目標管理シートを活用することで、自分の現状と理想の差が客観的にわかり、目標達成までの道筋をイメージしやすくなります。シートの内容を埋めていくうちに、自分の本心や悩みなども改めて確認できるでしょう。
目標管理シートの基本項目一覧
目標管理シートの基本項目は、以下の通りです。
- ・目標の内容
- ・評価の基準
- ・達成期限
- ・進捗状況を確認する方法
- ・目標達成のための計画
- ・目標の達成状況
- ・検証、分析(自己評価)
「評価の基準」では、どのくらいまで目標を達成すればよいのか明確に決めます。人事評価と連動させる場合は、どのくらいの達成度で評価が決まるのかまで明確にしておきましょう。数値目標を設定している場合は、どのくらいの割合で目標達成とするのかも決めてください。
「進捗状況を確認する方法」では、定期的にミーティングを設けるなどして、上司と部下が一緒に目標達成について話し合うことが大切です。
目標管理シートの作り方のポイント
目標管理シートの書き方やポイントについて解説します。
テンプレートを活用する
目標管理シートは自社に合ったものを使うべきですが、自社で用意するのが難しいようならExcelやWord形式のテンプレートを活用しても問題ありません。
テンプレートを利用する際は、目標管理シートに必要となる基本的な項目がしっかりと記載されているか確認しましょう。
目標や期日などの数値は具体的に記載する
目標や達成期限などを数値で示すことで、客観性が高くなり、目標達成のための具体的なプランもイメージしやすくなります。目標管理シートを作成する際は、「売上を20%アップさせる」といった具体的な数値目標を立てましょう。
目標は多く設定しすぎない
目標の数は、多くても3つまでに抑えましょう。目標の数を増やしすぎると、何をすべきなのかがわかりづらくなり、目標達成のためのプランも曖昧になります。どうしても3つ以上の目標を設定したい場合は、それぞれの達成期限を別々にして、順番に目標達成できるようにタイミングを調整しましょう。初めて目標管理シートを作成する場合は、目標の数を1つにすることをおすすめします。
目標管理シートの記入例
具体的にどのような目標を設定すればよいのか分からない人もいるのではないでしょうか。目標設定の業種別記入例について紹介します。
- ■営業職
- 「受注総額を2,000万円にする」
- 「クライアントへの訪問件数を月25件にし、リピート契約を10件とってくる」
- ■技術職
- 「毎日最低でも1時間プログラミング講座を受講し、Rubyを習得する」
- 「作業工程の待ちを減らして、1週間納期を短縮する」
- ■事務職
- 「ダブルチェック体制を導入し、人的ミスをゼロにする」
- 「6か月に一度マニュアルをチーム全員で見直し、業務の効率性を20%向上させる」
- ■看護、介護職
- 「業務開始10分前には配置につき、ナースコールを誰よりも早くとる」
- 「患者さんと3か月に一度カンファレンスを行い、業務内容を検証・改善する」
- ■製造業
- 「工作機械の自動化を進めて、生産性を20%向上させる」
- 「老朽化した設備をリプレースし、不良率を10%削減する」
目標管理シートの効果的な運用法
目標管理シートをうまく運用するためのポイントについて詳しく解説します。
定期的にプロセスの見直しを行う
目標管理シートの運用中は、月に1回定期的なミーティングを開催し、目標の方向性や日々の業務に間違いがないか確認しましょう。何人もの部下を受け持っている場合は上司の負担が大きくなりますが、20分程度でもよいのでしっかりと面談の機会を設けることが大切です。
目標管理ツールで管理する
ツールを導入することで、シート内の情報を画面上で確認できるようになり、目標管理にかかるコストが低くなります。目標達成の進捗状況を把握した上でミーティングを行えるため、上司・部下間のコミュニケーションや業務連絡もスムーズです。クラウドで管理されており、外出先や自宅からでも利用できます。また、従業員同士で目標達成の進捗状況を共有することで、お互いよい刺激となり業務へのモチベーションも高くなります。
目標管理シートを正しく運用し導入を成功させよう
目標管理シートは、従業員の目標設定や目標達成の進捗状況を管理し、人材育成に繋げられるツールです。従業員のスキルアップや人事評価にも役立つため、テンプレートを使うなどして積極的に活用しましょう。具体的な数値目標を設定し、目標の数を3つ以内に抑えることが大切です。
目標管理ツールを利用したり、定期的にプロセスの見直しを行ったりするなどして、目標管理シートを正しく運用しましょう。