管理職に必要なスキル
管理職は複数の部下をまとめ行動を促さなくてはいけないため、以下のようなスキルが必要といわれています。
- ・問題の本質を理解し問題解決できる能力
- ・自分の意見や考え方を伝える能力
- ・相手の意見や考え方を理解する能力
- ・社内外で良好な人間関係を築く能力
- ・自身の専門分野に特化した能力
目標管理を行う際は、上記の能力を獲得するための目標を設定しましょう。
管理職における目標設定の手順とポイント
管理職における目標設定の手順や注意点について詳しく解説します。
1.組織の課題を明らかにする
管理職の目標設定ではまず、組織の課題を明らかにしなくてはなりません。企業の利益向上を目的とした目標を立てるためにも、どのような組織問題が潜んでいるのか正確に把握しましょう。
組織の課題を明らかにするには、複数の利害関係者からヒアリングを行うことが大切です。 チームの内情や現場に詳しい人物からの意見を参考にすると、組織内の潜在的なニーズや課題が見つかりやすくなります。
2.具体的な数値を用いて目標を設定する
目標は、具体的な数値を用いて設定すべきです。売上や人件費など会社の利益に直結するような項目はもちろんのこと、「毎週メルマガを1通以上送付する」といった行動目標を数値化するのもよいでしょう。現在組織が抱えている課題を解決し、会社が理想的な状態になるために必要なゴールを設定してください。
3.目標達成までのプロセスを計画する
いつまでに目標を達成するのか具体的なスケジュールを計画しましょう。「2か月後までに3割、6か月後までに5割達成」というように、目標達成までの期間を細かく分け、短期的な中間目標を設定するのがおすすめです。PDCAサイクルを回し検証と改善を行う期間も設定しましょう。月・週・日単位で、どのような行動をとるのか具体的に決めることが大切です。
【記入例】管理職の目標
管理職における目標設定は、役職や職位によって内容が異なります。具体的な例文は以下のとおりです。
- 【すべての管理職向け】
- ・「週1回のミーティングで進捗管理を行い、月の残業時間を10時間以内に抑える」
- ・「主要業務のマニュアルを作成して、月の売上高を10%向上させる」
- 【課長、チーフ向け】
- ・「月1回研修会を開き、5人以上のプロジェクトリーダーを育てる」
- ・「部下に報・連・相を徹底させ、チームの評価を5ポイント向上させる」
- 【部長、マネージャー向け】
- ・「課長とのミーティングを週1回行い、3か月以内に部の目標達成率を5割にする」
- ・ 「書類選考通過者の面接に参加し、採用業務終了までに優秀な人材を5人以上確保する」
- ・「企業の経営理論の理解度をチェックするテストを行い、全社員に8割以上の点数をとらせる」
管理職の目標管理を行う際に気をつけること
管理職の目標やプロセスを評価する際の注意点について解説します。
目標を達成することだけに固執しない
目標管理は、組織マネジメントのひとつです。目標管理を通して従業員の自主性や管理能力などを伸ばすことが重要なので、目標達成の可否を必要以上に重視しないようにしましょう。目標の達成だけに固執しすぎると、目標管理が単なるノルマ管理ツールとなり、従業員のモチベーションが低下する原因となります。目標管理を行う際は、目標とノルマの違いを明確にしてください。
定期的な見直しでPDCAサイクルを回す
目標管理では定期的に上司が部下の進捗確認やフィードバックを行い、PDCAサイクルを回す必要があります。検証と改善を行わないと、問題点がそのままになり施策の効果が小さくなるためです。日々の業務を遂行していくうちに、目標と会社の方向性がずれる場合もあります。
必要に応じて管理職の研修を行う
目標管理の経験が浅い管理職には、目標設定のやり方や計画立案の方法、部下との面談ポイントなどを指導してあげるとよいでしょう。管理職の質を上げることで、企業全体の利益向上にもつながります。
管理職の目標管理にはツールの活用がおすすめ
管理職の目標管理では、受け持っている部下の進捗状況を正確に把握し、業務内容のアドバイスやフィードバックを行わなければなりません。必要に応じてミーティングを開催し、部下との信頼関係を深めておく必要もあります。
しかし複数の部下をもつ管理職が、完璧に進捗管理を行うのは簡単ではありません。そのため、業務量が多くなりすぎて管理職だけで目標管理ができなくなった企業には、ツールの利用をおすすめします。
目標管理ツールは、目標管理を効率化するための機能が豊富です。管理画面上で目標を社内共有したり、社員同士でコミュニケーションをとったりできるため、積極的に活用しましょう。
管理職における目標設定のポイントを知り人材育成に活かそう
管理職の目標管理は、組織の問題点を改善し、企業全体の利益を向上させることが目的です。ノルマ管理とは性質が大きく異なるため、業務の進捗状況が悪くても、必要以上に叱責しないようにしましょう。目標管理の経験を通して、管理職の自主性や問題解決能力を育てることが大切です。管理職における目標設定のポイントを理解して人材育成に活かしましょう。