目標管理システムとは
目標管理システムとは、個人やチームの目標管理や進捗管理を効率的に行うためのツールです。散在しがちな目標管理のデータを一元管理し、進捗状況をリアルタイムに可視化できるのはもちろん、蓄積された過去のデータから検索・抽出も可能です。人事評価業務の効率化を目的に、目標管理をシステム化する企業が増えています。
目標管理システムとKPI管理システムの違い
目標管理システムは、個人やチームが目指す目標を設定し、進捗や達成状況を管理するためのものです。一方、KPI管理システムは、目標がどれだけ数値的に実現されているかを測定・追跡するシステムです。目標管理は「成長プロセス」に重点を置き、KPI管理は「具体的な成果や指標」に焦点を当てています。
両者は補完しあう関係にあり、併用することで成長のプロセスと数値的な評価をバランスよく管理できます。以下の記事では、おすすめのKPI管理システムを紹介しています。概要や選び方についても解説しているので、あわせて参考にしてください。
目標管理システムをお探しの方へ
この記事では、おすすめの目標管理システムを以下のタイプ別に分類し、価格や機能などを比較しています。「すぐにツール選定に移りたい」という方は、以下の見出しをクリックして、詳しい製品情報をご覧ください。
また、おすすめ製品を一覧表で比較したい方は、以下の見出しよりご確認ください。
▶【比較表】おすすめの目標管理システム比較
目標管理システムの基本機能
目標管理システムに搭載されている主な機能は次のとおりです。
- ●目標管理シートの作成・集計機能
- ●目標の進捗管理機能
- ●人事評価機能
- ●人事情報の管理機能
- ●アンケート・コミュニケーション機能
目標管理システムの導入メリット
目標管理システムを導入するメリットについて、以下にまとめました。
- ●目標管理業務を効率化できる
- ●従業員の自己管理能力やモチベーションを高められる
- ●目標達成のために全社一丸となれる
- ●社内コミュニケーションの機会を増やせる
- ●企業のエンゲージメント向上に貢献する
目標に向けた各自の進捗状況が明確になるため、従業員は目標達成のために必要な業務を積極的に担うようになります。業務の進め方について工夫をこらすようになり、業績の向上につながるでしょう。また、公正な評価を通じて、従業員の自信や満足度のアップも期待できます。
目標管理システムを導入する際の注意点
目標管理システムを導入する際は、システムに登録した目標が、本当に会社に必要なものなのか確認することが大切です。定期的にミーティングを実施するなどして、目標設定や行動意識に誤りがないかチェックしましょう。会社の理念や経営目標をしっかりと理解して、必要な部門目標を決めてください。
また、目標達成が目的にならないようにすることも重要です。目標達成にこだわりすぎると、簡単な目標を設定したり、過程を省略したりして、適切にシステムを活用できなくなる可能性があります。そのため目標管理システムを導入する際は、目標達成後に得られる具体的なベネフィットやビジョンを描くことが大切です。最終的にどのような目的があるのかを認識することで、必要な目標や行動意識を理解しやすくなります。
目標管理システムのタイプ
目標管理システムは、機能や特徴によって大きく2つにタイプわけできます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
目標管理や評価システムに強みをもつタイプ
従業員の目標設定やパフォーマンス評価に特化したタイプです。目標の進捗管理やパフォーマンスのリアルタイム追跡、評価の自動化などが可能です。また、定期的なフィードバック機能や360度評価などの機能が充実しており、評価の透明性と一貫性を確保できます。従業員の目標達成度を組織的に管理したい企業や、評価の公平性を担保したい企業に最適です。
おすすめの目標管理システム(目標管理・評価に特化)へジャンプ!
人事労務業務との統合管理が可能なタイプ
労務管理や勤怠、給与管理といった人事業務と目標管理を統合できるタイプです。従業員データの自動連携により、目標設定や評価の更新が労務管理に反映されるため、データの二重入力が不要になります。アクセス権限の管理や、法令対応機能も充実しており、労務リスクの軽減にも寄与します。人事業務の煩雑さを軽減しつつ、目標管理や評価制度も運用したい場合におすすめです。
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目標管理システムの比較ポイント
目標管理システムを比較検討する際のポイントについて詳しく解説します。
自社の従業員規模に適しているか
目標管理システムは、大企業向けと小規模・中小企業向けの製品があります。自社の規模がどのくらいなのか把握した上で最適な製品を導入しましょう。
大企業向けの製品は、複数部門の統合や、拠点間の情報を一括管理する機能があります。中小企業向け製品は、企業規模や従業員数に応じてプランがわけられているものや、充実した導入支援サポートのあるツールが多いといえます。導入の際は、それぞれのプランの詳細や導入事例などを確認して、利用に適した従業員規模を把握しましょう。
柔軟にカスタマイズできるか
目標は、常に一定であるとは限りません。市場ニーズの変化や競合企業の増加により、調整が必要になることもあります。そのため目標管理システムは、途中で目標が変わったときにも柔軟にカスタマイズできる製品を選ぶのがおすすめです。
ベンダーを介さず、利用者側が簡単に目標を変更できるか確認しましょう。なかには内容をすこし変更するだけでもベンダー側の作業が必要になる製品もあります。
利用したい目標管理手法に対応しているか
目標管理の代表的な手法として「MBO」と「OKR」があります。
- ■MBO(Management by Objectives)
- 上司と部下が協力して目標を設定し、その達成度を評価する手法。長期的で現実的な目標にもづき、業績評価や報酬制度と結びつけることが多い。
- ■OKR(Objectives and Key Results)
- 目標を達成するための具体的な成果を設定する手法。挑戦的な目標を掲げ、進捗を定期的に確認しながら短期間で達成することを目指す。
両方の手法に対応している製品もあれば、いずれか一方のみを採用している製品もあります。そのため、どの手法が自社に適しているかを考慮して選びましょう。
自社の目的に合った機能を搭載しているか
目標管理システムは、自社の目的にあった製品を選びましょう。目標管理業務をシステム上で実施したいのか、システムを導入して自社の目標制度を構築したいのかといった目的の違いによって、導入すべき製品は異なります。業務の取り組み方や目標の達成度合いなども評価したい場合は、 目標管理機能に加え、人事評価機能も必要になるでしょう。
また評価方法には、目標管理以外にも360度評価やコンピテンシー評価などさまざまな手法があります。それぞれ評価方法や書式などが異なるため、自社の評価制度に合ったものかどうか確認することが大切です。
システム連携は容易か
自社が利用しているシステムや、今後利用を検討しているシステムとの連携機能があると、導入コストや運用コストが大幅に軽減されます。導入の際は、給与管理システムなどからデータ移行できる機能があるか、人事評価システムとの連携が可能か確認しましょう。
すでに自社で独自の評価制度を確立している場合は、既存の評価シートと連携できるかも重要です。導入の際は、念のためベンダーに問い合わせた方がよいでしょう。
無料トライアルを利用できるか
目標管理システムを導入する際は、無料トライアル期間がどの程度設けられているのか確認しましょう。無料トライアルを活用すると、事前に管理画面の見やすさやボタンの押しやすさなどを体感できます。無料期間中に目標管理システムと自社の相性を判断する場合は、人事部門だけでなく、従業員側の意見も参考にしましょう。
セキュリティは万全か
目標管理システムは、従業員の氏名や人事評価情報を扱うため、高いセキュリティレベルが求められます。従業員の人事評価内容が漏えいしないよう、パスワード認証やIPアドレス制限、SSL暗号化通信機能などが搭載されているか確認しましょう。機能の豊富さよりも、自社が求めるセキュリティ基準に達しているかが重要です。
人事部門だけでセキュリティレベルを判断するのが難しい場合は、情報システム部門にも意見を求めるとよいでしょう。
充分なサポートを受けられるか
目標管理システムを導入する際にどこまでのサポートが受けられるのか、どのくらいの料金がかかるのかも重要です。サポート内容は製品ごとに異なるので、自社のシステム運用経験や目的に応じて最適なものを選びましょう。
一部の製品では、専任スタッフが安定したシステム運用をサポートするほか、ユーザー同士の座談会やWebセミナーが提供されています。導入の際は、各商品のプラン内容や機能性を比較検討してみましょう。
目標管理システムを比較検討する際は、最新の資料請求ランキングを参考にするのもおすすめです。
【比較表】おすすめの目標管理システム比較
ここからは、ITトレンドおすすめの目標管理システムを紹介します。まずは、おすすめポイントや機能、無料トライアルの有無などを一覧にまとめた比較表で製品を見比べてみましょう。また、記事で紹介している主要な製品を調査し、見えてきた目標管理システムの特徴や傾向を以下にまとめました。製品の比較検討にお役立てください。
- ●MBOとOKR両方の管理手法に対応しているのは半数ほど。
- ●評価方法は360度評価と1on1を採用している製品が多い。
- ●ほぼすべての製品で無料トライアルが可能。無料プランを提供している製品はなし。
- ●参考価格が提示されていない製品が多いため、価格については別途問い合わせが必要。
以下のボタンから各社製品の一括資料請求が可能です。効率よく比較検討したい方はぜひご利用ください。
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おすすめの目標管理システム(目標管理・評価に特化)
ここでは、目標設定や評価機能に強みのある製品を紹介します。目標達成を重要視する企業や、評価制度を強化したい企業におすすめです。
《カオナビ》のPOINT
- 運用中のMBO評価をペーパーレスにし人的ミスも軽減
- 独自の評価項目もそのままシステム上に再現できる
- 評価の進捗を画面で見られ、報告・提出漏れを防ぎ催促もラクに
株式会社カオナビが提供する「カオナビ」は、操作のしやすさが魅力の目標管理システムです。進捗状況が数値化されているため、従業員の目標達成具合の確認が容易です。360度評価やOKRなど、各評価制度のテンプレートも豊富に揃っています。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯ |
目標管理手法・評価方法 |
MBO、OKR、360度評価 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《HRBrain》のPOINT
- 人事評価をクラウドで効率化!プロセスの透明化で納得度も向上
- 管理者・現場メンバーともに使いやすいシンプルなUI
- 専任のサポートが導入から運用定着化までを手厚くサポート
株式会社HRBrainが提供している「HRBrain」は、サポート体制の充実したクラウド型目標・評価管理サービスです。追加費用なしで初期設定や導入後の運用アドバイスまで実施しています。わかりやすいUI・UXを用いているため、初めて利用する人でも安心です。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯(7日間) |
目標管理手法・評価方法 |
OKR、MBO、1on1、360度評価 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《サイレコ》のPOINT
- MBOやOKR、コンピテンシー評価など各種評価制度に対応可能
- 評価スケジュールの設定や、評価シートの配布・回収・保管が可能
- 評価制度構築や教育研修、給与代行などの人事課題解決もサポート
株式会社アクティブアンドカンパニーが提供する「サイレコ」は、人事情報を効率的に経営活用できる目標管理システムです。各業務効率化ツールとの連携により、企業の人事プラットフォーム化を推進できます。人事コンサルティングのノウハウを活かした支援サポートも豊富です。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯(14日間) |
目標管理手法・評価方法 |
MBO、OKR、コンピテンシー評価 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《CYDAS》のPOINT
- 成長につながる評価サイクルを回す仕組み作りができる
- 目標設定・評価シートの項目を柔軟に設定できる
- 業務アウトソーシングで評価運用をまるっとおまかせ可能
株式会社サイダスが提供する「CYDAS」は、高いカスタマイズ性能をもった目標管理システムです。業務内容の変化に伴い、四半期ごとに目標を設定しなおせます。また、目標にあわせて評価ルートを自由に決めることも可能です。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド/ SaaS / サービス |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
ー |
目標管理手法・評価方法 |
MBO、コンピテンシー評価、360度評価 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
Talent Palette
株式会社プラスアルファ・コンサルティング 東証プライム上場
《Talent Palette》のPOINT
- 目標管理のWEB化からワークフロー構築を実現
- 柔軟な設定により多数の企業の目標管理制度に対応
- 目標管理後のデータ蓄積も一元管理
株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「Talent Palette」は、さまざまな評価制度に対応できる目標管理システムです。従業員ごとの目標や過去の評価状況を確認しながらミーティングを実施できます。簡単なマウス操作だけで、全体の評価バランスを整えることも可能です。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯ |
目標管理手法・評価方法 |
MBO、OKR、1on1、360度評価、コンピテンシー評価 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《あしたのクラウドHR》のPOINT
- 導入4,000社でシェアNo.1※評価制度がなくてもゼロから構築可能
- Excel管理からの脱却。質の高い目標・評価を実現する機能多数
- IT補助金に対応。2022年採択率は約9割で、運用サポートも万全
株式会社あしたのチームが提供する「あしたのクラウドHR」は、運用サポートの充実した目標管理システムです。導入時に管理者を対象としたミーティングを実施するなど、企業ごとに最適な制度設計のサポートがあります。評価者それぞれの課題が明確になるため、評価者育成システムとしても活用できるでしょう。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯ |
目標管理手法・評価方法 |
1on1、360度評価 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《HRMOSタレントマネジメント》のPOINT
- シリーズ累計60,000社導入!
- MBO、OKR、コンピテンシーなど様々な評価の対応!
- 評価シートの自動配布、リマインドで業務効率化!
株式会社ビズリーチが提供する「HRMOSタレントマネジメント」は、誰でもわかりやすいUIに定評がある人材活用システムです。人材評価業務の効率化はもちろん、1on1の仕組み化やコメントの記録など評価納得度の向上につながるコミュニケーション機能が豊富です。
従業員規模 |
50名以上 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯ |
目標管理手法・評価方法 |
1on1、360度フィードバック |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《MONJU》のPOINT
- トコトン使い易く、不要な手間を一切かけずに使える!
- 業界最安クラス ☆IT補助金も対応☆
- 中小企業に最適
コムネット株式会社が提供する「MONJU」は、従業員のやる気を引き出し成長を促すツールです。初期設定は簡単で、手順に従って登録するだけで使用可能。評価制度も「目標評価」「360度評価」「オリジナル評価」を組み合わせるシンプルな設計です。また、目標や実績の登録もスムーズに行え、進捗の把握も容易です。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
月額20,000円~ |
無料トライアル |
◯ |
目標管理手法・評価方法 |
1on1、360度評価 |
おすすめの目標管理システム(人事労務業務との統合管理が可能)
ここでは、労務管理や勤怠管理、給与計算などの人事業務と目標管理を一元化できる製品を紹介します。人事業務の手間を軽減しつつ、目標管理や評価制度も運用したい企業におすすめです。
《One人事》のPOINT
- 評価基準の統一により公平な人事評価を実現
- 自社に足りないスキルを分析して人材育成に活用
- 従業員情報を必要なときにすぐに抽出
One人事株式会社が提供する「One人事」は、評価から労務、勤怠、給与までワンストップで提供するシステムです。アンケートやクロス分析によって、さまざまな人材の個人情報や進捗状況を管理できます。状況に応じて必要な機能の追加も可能なため、目的や課題にあわせた運用が実現するでしょう。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯ |
目標管理手法・評価方法 |
MBO、OKR、360度評価、コンピテンシー評価 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《SmartHR》のPOINT
- シート作成から集計までシステム化し、SmartHRひとつで完結
- 評価業務の進捗の可視化で、管理の効率化
- 労務管理クラウド4年連続シェアNo.1(※)!
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、人事・労務業務の効率化から、タレントマネジメントや目標管理までカバーするシステムです。使い勝手のよいUIが特徴で、誰でも簡単に既存の評価シートをもとにした評価制度を構築できます。評価シート内の項目は、アクセス権限の設定が柔軟で、安全な運用につながるでしょう。
従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯(15日間) |
目標管理手法・評価方法 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
まとめ
目標管理システムを導入すると、管理工数の削減や業務効率化に貢献します。しかし、ただ導入するだけではなく、自社に必要な機能やサポート体制のあるツールを選定し、継続的に運用できるような工夫が必要です。また定期的にミーティングを実施して、目標や行動意識に誤りがないか確認することも大切です。
資料請求や無料トライアルを活用するほか、比較ポイントを基準にして、自社に最適な製品を選んでください。