VPNとは
まずVPNの概要について解説します。VPNとは「Virtual Private Network」の略称で、「仮想の専用線」を意味します。インターネット上に仮想の専用線を設けて、重要な情報のやりとりをVPN経由で行うことで、情報の改ざんや盗み見などから情報を守ることが可能です。
またVPNはインターネットVPNとIP-VPNが主流であり、その仕組みはそれぞれ異なります。この仕組みの違いが通信速度やセキュリティ強度にも影響を及ぼすので、VPNの仕組みを機能とあわせて理解することをおすすめします。VPNの仕組みについて以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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VPNの5つの基本機能とは
では、VPNで何ができるのでしょうか。まずVPNを導入すれば以下の機能を利用することができます。
- ●仮想ネットワーク機能
- ●セキュリティ機能
- ●DLP機能
- ●無線アクセス機能
- ●帯域制御機能
それでは、それぞれの機能について詳しくみていきましょう。
機能1.拠点間を結ぶ「仮想ネットワーク機能」
VPN製品の中心的な機能は、インターネット回線や通信事業者の閉域網(特定の拠点からしかアクセスできない回線)を利用した仮想的なネットワーク機能です。
特に近年では、各拠点にVPNルータを設置することによって利用可能なインターネットVPNを導入する企業が増加しています。またインターネットVPNはIP閉域網を利用したIP-VPNとは異なり、インターネット回線を利用することで一層安価にVPN環境を構築できます。
機能2.ネットワークの安全性を確保する「セキュリティ機能」
VPN製品では、完全なる専用線ではなく“仮想的な”専用線を経由する拠点間ネットワークを構築することができます。ただし、完全な専用線ではない以上、外部からの不正アクセスなどセキュリティ上の脅威にもさらされます。そのため、VPN製品には安全にネットワーク環境をつくりだすためのさまざまなセキュリティ機能が搭載されています。
具体的には、トンネリング(2点間を結ぶ仮想の閉鎖的直結回線を確立して外部からのアクセスを遮断すること)や暗号化などで、ネットワークの安全性を高めている製品があります。また、Webフィルタリング、メールフィルタリングを組み込むことでウィルス感染などを防止しているVPN製品も存在します。
機能3.情報漏えいを防ぐ「DLP機能」
情報セキュリティ上の脅威からネットワーク環境を保護するには、前述した外部からの不正アクセスだけではなく、内部からの情報漏えいについても対策を講じる必要があります。
また内部からの情報漏えいを防ぐ対策のひとつとして、DLP(Data Loss Prevention:情報漏えい対策)機能を備えているVPN製品が登場しています。
一般的に、DLP機能を活用する場合には、システム上であらかじめ保護すべきデータの特徴を登録しておきます。またVPN上で事前登録した特徴に当てはまる機密情報がやり取りされた場合にログの記録、ネットワークの隔離といった情報漏えい防止対策が実行されます。
機能4.モバイル端末でも接続可能な「無線アクセス機能」
これまでは、有線回線に対応したVPN製品が一般的でした。しかしモバイルPCやタブレット、スマートフォンといったモバイル端末の普及にあわせて最近ではワイヤレスネットワークにも対応したVPN製品も登場しています。
ワイヤレス機能を搭載しているVPN製品では、有線回線を設置することが難しい場所であってもVPNを利用することが可能です。
機能5.ネットワークを安定稼働させる「帯域制御機能」
企業におけるVPNでは、日々大量のデータがやり取りされており、当然業務上重要なデータも多く含まれています。こうしたデータは情報セキュリティ上の脅威だけではなくネットワーク上で発生した不具合によるデータ破損や消失からも守られなければなりません。
またネットワーク上の不具合は、ネットワーク回線の許容できる通信量(帯域)を超えた場合に発生するケースがほとんどです。したがって、VPN製品の多くは帯域制御機能を搭載しています。なぜなら帯域制御を行うことで、通信量や通信速度をコントロールしデータの破損や消失を防ぐことができるからです。
VPN製品に搭載されるその他の機能
法人向けVPN製品には、基本的な通信機能に加えて、安定運用や管理を支援する機能が搭載されています。製品によって対応範囲は異なりますが、代表的な機能は次のとおりです。
通信状況を把握するログ管理・監視
VPNへの接続日時や利用者、接続元、通信量などを記録する機能です。管理者はログを確認することで、不審な時間帯からの接続や大量通信などを把握できます。
障害発生時の原因調査や、内部不正・不正アクセスの検知にも活用できます。複数の拠点や利用者を管理する場合は、ログを一元管理できる製品が便利です。
障害時にも通信を継続する冗長化
冗長化とは、VPN装置や通信回線を複数用意し、一方に障害が発生した際にもう一方へ切り替える仕組みです。VPNが停止すると、社内システムを利用できなくなる可能性があるため、業務継続性を重視する企業では重要な機能です。
切り替えが自動で行われるか、複数回線や異なる通信事業者を組み合わせられるかなどを確認しましょう。
一部の通信だけをVPNに通すスプリットトンネリング
スプリットトンネリングとは、社内システムへの通信だけをVPN経由にし、一般的なインターネット通信は端末から直接接続させる機能です。
すべての通信をVPN経由にする方式と比べて、VPN装置や社内回線への負荷を抑えられます。一方、VPNを経由しない通信は企業側で監視・制御しにくくなるため、利用する端末のセキュリティ対策も必要です。
VPNを活用するメリット
VPNを活用するメリットは、セキュリティの向上だけではなく、物理的な距離に関係なくLANを簡単に構築でき、専用線よりも低コストで専用線に近いセキュリティを担保しながら接続できる点にあります。
「無料Wi-Fiだとセキュリティの観点で不安」と感じる方は、VPNを活用すれば安全に接続できますし、ノートPCやスマホなどの有線では接続しにくいモバイル端末でも簡単に遠隔で接続できるのでおすすめです。
また以下の記事ではVPNのメリットやデメリットについても解説しています。活用シーンから解説していますので、VPNについて理解を深めたい方は参考にしてください。
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参考記事:VPNのメリット・デメリットとは?基本知識から利用シーンまでご紹介
遠隔拠点を安全につなぐならVPNを利用しよう!
いかがでしたでしょうか。VPNには仮想ネットワークの構築機能だけではなく、セキュリティの安全性を担保して情報セキュリティ対策も基本機能として備わっています。
これらの機能により、安全に複数の遠隔拠点で情報をやりとりすることが可能になります。また近年では海外拠点の拡大やワークスタイルの多様化によってオフィスワーカーの仕事場所もさまざまとなっています。こうした環境においては、VPN製品によって多拠点を結ぶ必要性がますます高まっています。
またVPNの種類・接続方法は様々なので、ぜひこの機会にVPNの比較をしてみてはいかがでしょうか。



