VPNのメリット
では、そもそもVPNを利用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットについてご紹介していきます。
メリット1.通信内容の暗号化で、安全な通信ができる
外出先などから社内サーバーやシステムにアクセスする機会も増え、企業ではより安全な通信環境が求められるようになりました。特にVPNには、通信内容の盗み見などから守る暗号化機能や、セキュアなアクセス経路を確保するトンネリング機能などが搭載されており、安全な通信環境でデータ通信をおこなうことができます。
メリット2.遠隔からもOK、距離に影響がなく接続できる
全国各地や海外に拠点がある場合でも、VPNは遠隔操作でアクセスできます。距離を気にすることなくネットワークを構築できることはメリットの一つです。新型コロナウイルス対策としてのテレワーク(リモートワーク)にも活用が可能です。
メリット3.VPNだからこそモバイル端末からもアクセスできる
最近は働き方改革の影響で、在宅勤務やノマドワーカーなど場所や時間にとらわれない働き方がますます増えてきました。それに伴い、モバイル端末からアクセスするケースも増えています。そのような場合でもVPNを利用すれば、離れた場所からセキュアでスピーディーな通信環境を利用できるため、さまざまな働き方にも柔軟に対応することができます。
メリット4.専用線ではない、複数の拠点でも接続可能
拠点が複数であっても、VPNを利用することでスムーズにデータ通信を行えます。また、自社と拠点間のみの通信しかできない専用線と違って、拠点間同士でもセキュアな環境下で通信することができます。
VPNと専用線の違いは以下の記事で解説しています。
メリット5.低コスト導入によりコスト削減につながる
インターネットが普及する前は、専用線と呼ばれる物理的なネットワークが主流でした。しかし、その構築や維持に多額のコストがかかるなどの課題から、VPNに注目が集まっています。特にインターネットVPNは、既存のネット環境を利用するため運用コストも安く、必要となるルーターも安価な製品が多いので初期費用も抑えることができます。なお、インターネットVPNについては後ほど詳しく解説します。
VPNのデメリット
一方、デメリットにはどのような点があるのでしょうか。特に導入を検討している企業は事前に押さえておきましょう。
デメリット1.情報漏えいの可能性がゼロではない
さまざまなセキュリティ機能を搭載しているVPNでも、万能というわけではありません。ネット環境を利用すれば情報漏えいのリスクもゼロではありませんし、VPNの設定を適切におこなえず、IP漏えいを助長してしまう可能性もあります。安全性が絶対的に確保されているものではないことを、理解しておきましょう。
デメリット2.通信速度が遅い場合も
インターネットVPNの場合、公衆回線を利用しているため、時間帯によっては通信速度が遅くなる場合があります。またセキュリティ機能の利用にはルーター側のCPUも使うため、速度に影響する場合もあります。
デメリット3.コストがかさむ場合もある
VPN製品によって機能が異なります。一般的に、多くの機能が搭載されている製品は価格が高い傾向にあります。つまり多機能だからと導入しても、利用しなければコストのムダになるので、自社で必要な機能をあらかじめ明確にしておきましょう。
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そもそもVPNとは
これまでVPNのメリットとデメリットについて解説してきました。それでは、より理解を深めるためにもう一度VPNの基礎知識について確認しましょう。
VPNとは、Virtual Private Networkの略で、仮想専用線を意味します。企業活動で利用する環境はセキュアであるほど安心ですが、通常のインターネットは開かれたネットワークのため、第三者による攻撃などのセキュリティ面で不安がありました。そこで利用され始めたのがVPNです。
インターネット回線を使って通信される内容を暗号化するVPNを利用すれば、まるで専用線のように拠点間をセキュアにつなぐことができます。
以下の記事ではおすすめのVPNや選び方を紹介しています。実際の製品を比較しながらVPNについて理解を深めましょう。
VPNの種類
VPNにはさまざまな種類がありますが、主に「インターネットVPN」と「IP‐VPN」の2種類に分けられます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
導入しやすいインターネットVPN
インターネット経由でVPNを構築するタイプです。拠点間にVPNルータを設置し、インターネット上で疑似的に専用回線を作り出します。通信内容はトンネリングや暗号化などの機能によって安全性を確保しています。また、既存のインターネット環境を利用するため比較的安価で導入しやすく、企業の利用が増えています。
しかし、セキュリティ対策をおこなっているとはいえ、インターネット上でデータをやり取りするため、やはり第三者による攻撃や情報漏えいのリスクは拭いきれません。この点はデメリットといえるでしょう。
高セキュリティなIP-VPN
一方、いわゆる「閉じた回線」とも言われるのがIP‐VPNです。インターネットVPNと違ってインターネットは経由せず、通信事業者が保有する回線を利用するタイプです。
閉域網を利用するため安全性が高く、ネット環境に依存しない安定した通信速度で利用することができます。しかし、「インターネットVPNと比べて導入コストが高い」、「プロトコルはIPのみ」という点はデメリットといえるでしょう。
以下の記事では、インターネットVPNとIP-VPN、それぞれの導入方法を解説しています。インターネットVPNとIP-VPNの違いについて詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
VPNの利用シーン
さて、VPNのメリットとデメリットについて、理解できましたでしょうか。メリットを享受しやすいVPNの利用シーンは以下にまとめられます。
- ・ノートPCなどから社外の無料Wi-Fiに接続している
- ・遠隔地にある拠点とLANネットワークを構築したい
- ・取引先や関係会社と特別な通信を行いたい
以下の記事ではVPNを社内ネットワークで活用する方法を紹介しています。ぜひご一読ください。
VPNを利用してセキュアな通信環境を実現しよう!
VPNのメリット・デメリットは以下の通りです。
- メリット
- ・通信内容の暗号化により安全な通信ができる
- ・遠隔からも距離に影響がなく接続できる
- ・モバイル端末からもアクセスできる
- ・複数の拠点でも接続可能
- ・低コスト導入によりコスト削減につながる
- デメリット
- ・情報漏えいの可能性がゼロではない
- ・通信速度が遅い場合がある
- ・コストがかさむ場合がある
VPNはセキュアな環境でデータ通信を行えるため、導入しておきたい製品です。資料請求をしてさまざまな製品を比較し、導入を検討してみましょう。