BIツールの種類を知る前に整理したいこと
BIツールとは、社内に蓄積されたデータを分析し、経営や業務の意思決定に活用するためのツールです。種類を理解する前に、BIツールが担う役割と分析業務の範囲を整理しておきましょう。
BIツールが担う分析業務の範囲
BIツールは、売上データや顧客データなど、社内に蓄積された情報を集計・可視化する役割を担います。担当者がExcelで手作業していた集計作業を、自動化できる場合があります。
分析対象とするデータの種類や、集計する頻度は企業によって異なります。自社がどのようなデータをどれくらいの頻度で分析したいかを整理しておくと、必要な種類のBIツールを判断しやすくなります。複数の部署で異なるデータを扱う場合は、部署ごとの要望も整理しておくと比較がしやすくなります。
種類を理解しないまま選んだ場合に起こりやすいこと
BIツールの種類を理解しないまま選ぶと、自社が求める分析ができない製品を導入してしまう場合があります。例えば、詳細な分析を行いたいのに、簡易なダッシュボード表示しかできない製品では目的を果たせません。
反対に、高度な分析機能を備えた製品を選んでも、使いこなせる担当者が社内にいなければ、機能を十分に活用できない場合があります。自社の分析ニーズと運用体制の両面から種類を検討することが求められます。導入前にトライアルで実際の操作感を確認しておく方法も有効です。
機能面から見たBIツールの種類
BIツールは、備えている機能の重点によって複数の種類に分けられます。用途によって向き不向きがある、代表的な機能面での分類を紹介します。
レポーティングを中心としたタイプ
レポーティング型のBIツールは、定型のレポートを自動で作成し、関係者へ配信する機能を中心に備えているタイプのツールです。毎月の売上報告など、決まった形式のレポートを定期的に作成する業務に向いています。
あらかじめテンプレートを用意しておくことで、データを更新するだけで最新のレポートを出力できる場合があります。定型業務の効率化を重視する企業に選ばれる傾向があり、配信先ごとにレポート形式を変える機能を持つ製品もあります。
ダッシュボードを中心としたタイプ
ダッシュボード型のBIツールは、グラフや表を画面上に配置し、複数の指標をリアルタイムに近い形で確認できる機能を中心に備えているタイプのツールです。経営層が全体の状況を一目で把握したい場面に向いています。
表示する指標を担当者ごとにカスタマイズできる製品もあります。営業部門と経理部門で異なる指標を表示するなど、部門ごとの用途に合わせて使い分けられる場合があります。異常値を強調表示する機能があると、変化に早く気づきやすくなります。
提供形態から見たBIツールの種類
BIツールは、システムの提供形態によっても種類が分かれます。運用体制やコストへの影響が大きいクラウド型とオンプレミス型の違いを中心に、以下の表にまとめました。
| 提供形態 | 特徴 |
|---|---|
| クラウド型 | インターネット経由で利用でき、初期費用を抑えやすい |
| オンプレミス型 | 自社サーバーで運用し、セキュリティポリシーに合わせやすい |
クラウド型BIツールの特徴
クラウド型のBIツールは、インターネット経由で利用するタイプの形態です。自社でサーバーを用意する必要がなく、初期費用を抑えて導入しやすいという特徴があります。
バージョンアップや機能追加が提供会社側で行われるため、常に最新の機能を使える場合があります。一方で、自社のネットワーク環境やセキュリティポリシーとの適合を事前に確認しておく必要があります。データの保管場所や、通信の暗号化方式についても確認しておくと安心です。
オンプレミス型BIツールの特徴
オンプレミス型のBIツールは、自社のサーバーにシステムを構築して運用するタイプの形態です。データを社外のサーバーに置きたくない企業や、独自のセキュリティポリシーがある企業に選ばれる場合があります。
導入や運用には、自社の情報システム部門による対応が必要です。サーバーの保守や機能追加の作業も自社で行う必要があるため、社内の体制を踏まえて検討することが重要です。初期構築にかかる期間や費用も、クラウド型とあわせて比較しておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でBIツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
利用者層で異なるBIツールの種類
BIツールは、主に利用する層によっても操作性や機能の重点が異なります。ここでは、経営層向けと現場担当者向けのタイプ(種類)に分け、それぞれの特徴や利用場面を見ていきましょう。
経営層向けタイプの特徴
経営層向けのBIツールは、経営指標を集約し、全社の状況を俯瞰的に把握できる画面構成になっている場合が多くなっています。複雑な操作を必要とせず、直感的に指標を確認できることが重視されます。
細かい分析よりも、意思決定に直結する主要な指標をシンプルに表示することが求められます。モバイル端末からも確認できる製品を選ぶと、外出先でも状況を把握しやすくなります。表示する指標が多すぎると要点が伝わりにくくなるため、絞り込みも意識したい点です。
現場担当者向けタイプの特徴
現場担当者向けのBIツールは、詳細なデータを自分で加工・分析できる機能を備えている場合があります。特定の商品や地域に絞り込んだ分析など、業務に即した細かい確認がしやすくなっています。
ただし、分析機能が豊富な製品ほど、操作を習得するまでに時間がかかる場合があります。導入時には、現場担当者向けの研修やマニュアルの用意もあわせて検討しておくとよいでしょう。操作に慣れた担当者が周囲をサポートできる体制も、定着を後押しします。
自社に合うBIツールの種類を選ぶ基準
BIツールの種類を選ぶ際は、分析したいデータの内容や、利用する担当者のスキルを基準に検討することが大切です。確認しておきたい観点を、順を追って紹介します。
分析したいデータの種類を明確にする
導入前に、どのようなデータをどのような目的で分析したいかを明確にしておきましょう。目的があいまいなまま導入すると、機能を持て余してしまう場合があります。
売上分析や在庫分析など、優先度の高い用途を絞り込んでから製品を比較する方法があります。将来的に分析対象を広げる予定がある場合は、拡張性も確認材料の一つです。既存の販売管理システムや会計システムとのデータ連携ができるかも、あわせて確認しておきましょう。
利用する担当者のスキルを踏まえる
BIツールは、操作の難易度が製品によって異なります。専門知識を持つ担当者が少ない場合は、直感的に操作できる種類を選ぶことが重要です。
操作研修やサポート体制が整っているかも、選定時に確認したい項目です。導入後に社内で使いこなせる担当者を育成する計画もあわせて立てておくと、定着がしやすくなります。無料トライアルを活用し、実際の操作感を事前に確かめる方法も有効です。
BIツールに関するFAQ
BIツールの種類について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- ■Q1:BIツールにはどのような種類がありますか?
- レポーティングを中心とした種類やダッシュボードを中心とした種類など、機能面での分類があります。提供形態でもクラウド型とオンプレミス型に分かれ、利用者層によっても操作性が異なります。
- ■Q2:クラウド型とオンプレミス型はどちらを選ぶとよいですか?
- 初期費用を抑えたい場合はクラウド型、独自のセキュリティポリシーを重視する場合はオンプレミス型が選択肢の一つです。自社の情報システム部門の体制や、既存システムとの連携要否もふまえて検討しましょう。
- ■Q3:BIツールの種類はどのように選べばよいですか?
- 分析したいデータの内容や、利用する担当者のスキルを基準に選ぶ方法があります。操作研修やサポート体制の有無、既存システムとの連携可否もあわせて確認しておくとよいでしょう。
- ■Q4:レポーティング型とダッシュボード型はどちらを選ぶとよいですか?
- 定型のレポートを定期的に作成したい場合はレポーティング型、複数の指標をリアルタイムに近い形で確認したい場合はダッシュボード型が向いています。両方の機能を備えた製品もあるため、比較検討の際に確認してみましょう。
目的や用途で選び分けたいBIツールの種類
セルフサービス型やダッシュボード特化型など、目的に応じて選び分けやすいBIツールを紹介します。
Tableau Desktop
- スプレッドシートやAWSなどさまざまなソースと接続
- 統計的処理もドラッグアンドドロップで可能
- マッピング機能でデータを地図上に表示
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Tableau Desktop」は、企業のデータを高速に処理・可視化するBIプラットフォームです。ドラッグアンドドロップを基本とした操作で、スプレッドシートやクラウドサービスなど多様なデータソースと接続できます。統計処理やマッピング機能も同様の操作方法で利用でき、オンプレミス・クラウド双方の環境に対応するほか、モバイルデバイスからのアクセスにも対応しています。
Domo
- データ活用を実現するために必要な機能をオールインワンで提供
- SaaS型BI国内市場NO.1!※高い顧客満足度を獲得!
- モバイル標準対応なのでデータを元に迅速なアクションを促進可能
ドーモ株式会社(代理店:NDIソリューションズ株式会社)が提供する「Domo」は、クラウド型のビジネスインテリジェンスプラットフォームです。多数のコネクターを通じてクラウドサービスやオンプレミスデータベース、Excelファイルなど分散したデータに接続し、一元管理できます。データの統合・可視化・分析機能をワンストップで提供し、ドラッグ&ドロップの直感的な操作でダッシュボードやレポートを作成できるため、データ専門家以外のビジネスユーザーも利用しやすい設計です。
Dr.Sum
- 導入実績7,700社超!顧客満足度No.1・サポート品質ランク★★★
- 散在したデータを一元化、10億件のデータも1秒台で◆高速集計◆
- 直感的な操作で誰でも簡単にデータ分析が可能
ウイングアーク1st株式会社が提供する「Dr.Sum」は、散在したデータを一元化して高速に集計できるデータベースエンジンを核としたデータ分析基盤です。OLAP分析やレポート、ダッシュボード、データマイニングなどの機能を備え、Excelやブラウザ上でのノーコード操作によりプログラミング知識がなくてもデータ分析を行えます。オンプレミス・クラウドなど複数の提供形態に対応しています。
Redash (データブリックス・ジャパン株式会社)
- 複数データソースの横断分析が可能
- クエリ結果を可視化しダッシュボードで共有。
- SQLでデータの取得から分析まで一貫して対応。
Metabase (Metabase, Inc.)
- 誰でもデータを探索・可視化できる分析環境
- ノーコードでクエリ作成やドリルダウン分析に対応
- 共有や埋め込み機能でダッシュボードの活用を拡大。
まとめ
BIツールには、レポーティング型やダッシュボード型といった機能面での種類、クラウド型やオンプレミス型といった提供形態の種類があります。自社が分析したいデータの内容や、利用する担当者のスキルを踏まえたうえで、種類ごとの特徴を比較しながら、自社の運用に合うBIツールを検討してみてください。


