選定ポイント1:自社に必要な機能が搭載されているか
まずは自社に必要な機能が製品に搭載されているかを確認しましょう。BIツールには先程紹介したような4つの機能が搭載されている場合が多く、製品によってある機能に特化しているものもあります。
例えば、ERPなどの基幹システムの情報を経営判断のために分かりやすく視覚化をしたいのであれば「レポーティング」の機能が優れている製品が適しています。マーケティングのための指標が必要であれば「OLAP分析」や「データマイニング」に強い製品を選ぶことになり、予算編成などを行うなら「プランニング」が特長の製品になるでしょう。

選定ポイント2:操作性と分析レベルのバランスが取れているか
BIツールが世の中に登場してきた直後は、「操作が難しい」「分析のための専門知識が必要」といったイメージが強く、限られた人たちが利用するものでした。最近では「セルフサービスBI」という言葉も聞かれるようになり、専門的な知識や分析スキルの無い人でも簡単にデータ分析を行うことができる製品が増えています。
しかし、単純に操作が簡単な製品を選べば良いというものではありません。操作は簡単だが、自社で求めるレベルの分析が出来なければ本末転倒です。操作性と分析レベルのバランスが取れた製品を選ぶ必要があるのです。
例えば、営業が活動の可視化や分析をするのであれば簡単に操作できるBIツールが適していますが、経営層が社内の様々なデータを把握して経営判断に活用するのであれば、専門の分析スタッフが設定・分析したデータをダッシュボードや定型レポートとして簡単に把握できるツールが必要になるでしょう。
選定ポイント3:業種に特化した機能が搭載されているか
ERPなどの基幹システムには「製造業向け」「金融業向け」といった各業種向けや「生産管理」「販売管理」「経営企画」といった業務内容向けの機能が用意されているケースもあります。BIツールも同じように業種・業務ごとに多用される分析をテンプレート化している製品があります。
こうした機能の搭載は必須ではありませんが、導入後の企業ごとの状況に合わせたカスタマイズ時の負担を減らすことに繋がります。
選定ポイント4:既存のIT環境との相性はどうか
BIツールは社内の既存システムに蓄積されたデータを分析するものです。システム同士上手く連携が出来なければ、BIツールを有効活用するのは難しいでしょう。
社内に複数のシステムが存在し、データベースもシステムごとでバラバラになっているという場合には、まずは、それぞれのデータを統合しなければ効果的な分析が行えません。
データを統合するためにはETL(Extract Transform Load)やDWH(データウェアハウス)が必要になります。こうしたケースではBIツールがETLやDWHに対応しているかが製品を選ぶ鍵となるでしょう。既にETLやDWHを導入済みの場合は、既存のシステムと連携が可能かどうか、提供会社に確認することが必要です。
選定ポイント5:自社に合った提供形態があるか
BIツールの提供形態は大きく分けて、クラウド型とオンプレミス型の2つがあります。製品によってはどちらかの提供形態のみ扱っていることもあるため、自社はどちらを導入したいのか事前に検討しておきましょう。
クラウド型BIツールは、インターネット上で利用できるため、データをリアルタイムで更新できることや外出先からでも接続できることがメリットになります。サーバ構築が不要で短期導入が可能、スマートフォンやタブレットに対応している製品が多くあります。
一方オンプレミス型BIツールは、サーバの構築や連携が必要になりますが、カスタマイズが自在でセキュリティがしっかりしている点がメリットです。初期費用はクラウド型よりもかかりますが、ランニングコストは抑えることができます。
選定ポイント6:自社の予算計画に合ったコスト感か
BIツールの導入や利用にかかるコストは、提供形態やライセンス体系によって違いがあります。ユーザ数に応じて利用料が変動する製品が多いですが、クライアントフリーやサーバライセンス型など、ユーザ数に制限がないプランの製品もあります。
また、この場合はデータ量によって変動することが多いため、自社の利用要件をよく確認しましょう。また、ツールの保守・運用やサポートにも費用がかかることがあります。
導入時のコストを安く抑えたいのか、長期的な目線で見て利用料を安く抑えたいのかなど、自社の予算計画も踏まえて製品を選ぶようにしましょう。
選定ポイント7:サポート体制は十分か
BIツール導入時や他システムとの連携設定時にトラブルが起きることがあります。その際に製品のベンダー側から十分なサポートが受けられないと導入のタイミングで躓くことになってしまいます。
また近年では、専門知識がないユーザが分析する場面が増えてきたため、ツールの使い方講座のようなセミナーを開催するベンダーも増えてきました。利用者同士のコミュニティがある製品もあり、意見交換を行うことでツールの活用の幅を広げることができます。
BIツールを最大限活用できるようにサポート体制の充実度は必ず確認しましょう。
自社に合うBIツールを選定しよう
BIツール製品の選定ポイントを紹介してきました。BIツールに限らず法人向けITシステム全般に言えることですが、一度導入した製品から別の製品に乗り換えるには、費用や時間などの労力が必要となり負担が大きいでしょう。是非この記事を参考に自社にあった製品を選んでください。
