BIツールおける「ダッシュボード」とは
まずはBIツールにおけるダッシュボードとはどのような機能なのか、メリットも含めて見ていきましょう。
グラフや集計表を1画面にまとめて表示したもの
BIツールでは、企業内に蓄積された大量のデータに対して分析を行い、その分析結果をグラフや表のような形式で視覚的にわかりやすく表示できます。ダッシュボード機能では、これらの分析結果を一覧表示するので各データを参照する手間が省けます。関連するグラフも並べて比較でき、ひと目見ただけで簡単に分析結果がわかるでしょう。
販売管理システムであれば、上図のように顧客別売上、商品別売上と支店別、月別の売上のレポートを1か所に表示可能です。表示期間を変更すれば表示されるレポートのデータも一括で更新し、特定の月の売上データが気になれば、そのままクリックすることで商品別売上などの内訳を確認できます。直感的な操作で、それぞれの指標の内容を分析できるのです。
メリット:リアルタイムの分析結果を常に可視化できる
ダッシュボード機能の一番の特徴は、グラフィカルにひと目で分析結果がわかることでしょう。企業では仕入れや売上、生産など日々さまざまな活動が行われ、それぞれの数字もリアルタイムに更新されます。それらの数字を毎日分析し、追い続けるのは一苦労でしょう。
ダッシュボードは最初に設定しておけば、リアルタイムの分析結果を常にわかりやすく表示し続けてくれます。忙しい業務のなかでも状況が常に可視化され、後述のアラート表示機能とあわせて問題や異常の発見もしやすくなるといえるでしょう。
ダッシュボードとレポートの違い
BIツールは主にレポート作成、OLAP分析、データマイニング、プランニングの4つの機能で構成されています。そのうちの1つであるレポート作成機能はダッシュボード機能と何が違うのでしょうか。
レポート機能は、分析結果をレポートとして出力する機能です。企業内のシステムから得られたデータを定型化してまとめます。販売管理システムのデータであれば顧客別売上、商品別売上、前期比・前年度比、目標管理、予実管理などの一覧を出力し、表にまとめられます。
ダッシュボード機能との違いは「1画面で直感的にわかりやすく表示する」ことに特化しているか否かといえるでしょう。分析結果をもとに会議資料などをまとめたい場合はレポート機能を活用しますが、日々のデータをパソコンの画面内でチェックするだけならダッシュボード機能のほうが適しています。
多くのBIツールにはダッシュボード機能とレポート機能が両方搭載されているため、必要に応じて使いわけましょう。なお、以下の記事では4つの機能をより詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
ダッシュボードの便利な3つの機能
ダッシュボードには、レポートにはない便利な機能があります。以下でその3つの機能を見ていきましょう。
データの絞り込み機能
フィルター機能などを使用し、表示されるデータの期間や商品名でデータを絞りこむことが可能です。直感的な操作で、不慣れなユーザーでもより詳しい分析が行えるでしょう。
異常値のアラート表示機能
BIツールによっては、レポート内の数値があらかじめ定めた制限を超えた場合にアラート通知できる機能を備えています。異常値が点滅表示したり、赤字で示されたりすることによりひと目で確認すべき項目がわかるので、スムーズな対処が可能になるでしょう。
集計結果の項目ごとの詳細表示機能
集計結果の項目ごとに詳細を確認できます。都道府県→市区町村→各店舗のように掘り下げていくドリルダウン機能や、狭い視野から広い視野に目線を移していくドリルスルー機能が搭載されていれば、ダッシュボードを最大限に活用できるでしょう。
BIツールによってダッシュボードの機能性は異なるため、複数製品を比較しそれぞれにどのような特徴をもつか把握することが大切です。以下のボタンよりBIツールの一括資料請求が可能なため、導入を検討している方はご利用ください。
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ダッシュボード機能が使いやすいBIツールを活用するメリット
数あるBIツールのなかでも、特にダッシュボードが優れているツールを使うことで、次のようなメリットが授受できます。BIツールを最大限活用するためにも、使いやすいダッシュボード機能があるBIツールを選びましょう。
即時性のある意思決定をサポートする
使いやすいダッシュボード機能をもつBIツールは、リアルタイムでのデータ更新と表示を可能にします。この即時性は、ビジネスの迅速な意思決定に不可欠です。
例えば、小売業で在庫管理を行う場合、リアルタイムで在庫状況が更新されるダッシュボードを利用することで、商品の欠品や過剰在庫を防ぐための迅速な対応が可能になるでしょう。
直感的にデータを理解しやすい
直感的に操作できるダッシュボードは、複雑なデータをわかりやすいグラフやチャートで表示し、ビジネスにおける洞察が簡単に把握できるようになります。
例えば、売上データを色分けされた棒グラフで表示することで、どの商品がよく売れているか、どの時間帯に売上がピークに達するかなど、重要な情報を一目で理解できるでしょう。
カスタマイズ性の高いレポーティングができる
ユーザーのニーズにあわせてダッシュボードをカスタマイズできるBIツールは、異なる部門や役割のユーザーにとって、それぞれに最適な情報を提供します。
例えば、マーケティング部門はキャンペーンの効果を測定するためのダッシュボードを、財務部門は収益性分析に特化したダッシュボードを、それぞれカスタマイズして使用できます。
ユーザーに定着させやすい
BIツールの強みは、組織内のあらゆるメンバーが同じデータにもとづいた意思決定ができる点です。
ダッシュボードが使いやすければ、その分ユーザーがBIツールを効率的に使いこなすまでの時間を大きく短縮するでしょう。初心者でも簡単に操作できる設計は、組織内でのBIツールの普及を促し、データドリブンな文化の醸成を支援します。
以下の記事では、おすすめのBIツールを従来型とセルフサービス型のタイプ別に比較しています。機能や製品選定のポイントも紹介しているので参考にしてください。
ダッシュボード活用の3つのポイント
便利なダッシュボード機能をより活用するための、3つのポイントを紹介します。
利用目的を明確にする
ダッシュボードでは、BIツール内の膨大なデータを表示できます。しかし、だからといって何もかも表示しようとすると、一見して何の情報かわからないボードになる可能性も高いでしょう。
そのため、まずは何を知りたいのか明確にする必要があります。例えば、「営業担当者別の行動量の実績を日次で確認する」「月間の売上予測と前年比の進捗を確認する」といった目的にあわせてダッシュボードを作成しましょう。目標数値も設定すれば、達成までの進捗も確認できるようになります。
必要な指標を過不足なく選ぶ
ダッシュボードの利用目的がはっきりしたら、目的を達成するために必要な指標は何かを考えましょう。ダッシュボードはひと目で分析結果がわかるように、シンプルにしておくのがベストです。
担当者ごとの売上や部署全体での粗利率など、気になる指標はたくさんありますが、画面が見づらくならないように必要最低限の指標のみ表示させるのがよいでしょう。
分析結果の適切な表現形式を考える
それぞれの指標には、適したグラフの形式を使用しましょう。例えば、個人別売上成績など比較が必要なものは棒グラフ、来店客の推移など時系列で分析したいものは折れ線グラフを利用します。場合によっては地図などで、拠点別の状況を表示するのもよいでしょう。
「誰が・いつ・どのようにデータを使うか」という具体的な活用イメージをもち、表示の細部にこだわりましょう。
ダッシュボード機能でBIツールを最大限に使いこなそう
ダッシュボード機能はBIツールによる分析結果を視覚的に表示する重要な機能で、うまく使いこなせばBIツール活用の幅は大きく広がります。これからBIツール製品を導入予定の方は、ダッシュボード機能が使いやすいか否かという点にも注目するとよいでしょう。