BIとは?
始めに、BIの概要を見ていきましょう。
大量のデータを分析して意思決定をサポートすること
BIは「Business Inteligence」の略で、大量のデータを分析・加工してビジネスにおける意思決定に役立てることを指します。 特定の手法を指すのではなく、データを意思決定に役立てる手法の総称として用いられる用語です。たとえば、データのグラフ化や統計分析などはいずれもBIの1つといえます。
BIという言葉は1958年に初めて登場し、企業の経営に影響を及ぼしました。その後はITツールとしてBIツールが発展し、今日のビジネスでは重要な存在になっています。
BIツールによってデータ抽出・帳票作成業務を効率化できる
BIツールは、その名のとおりBIにおけるデータの活用を効率化するITツールです。具体的には、データの抽出や帳票作成機能を備えています。
たとえば、Excelで帳票を作成する場合は、さまざまなシステムからデータを集めなければなりません。営業活動に関するデータは営業管理システムから、顧客情報は顧客管理システムからといった形です。しかし、BIツールを使えばこれらのシステムから自動でデータを収集できます。また、データ間の相関関係を定義できていれば、高度な絞り込みも可能です。
そして、BIツールは収集・抽出したデータから帳票を自動で作成してくれます。さらに、その帳票を関係者に配布するところまで自動化できます。このように業務の一連の流れを自動化できれば、人力で対応すべき部分はほとんどなくなるでしょう。
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RPAとは?
続いて、RPAの概要を見ていきましょう。
ロボットが業務を自動化すること
RPAは「Robotic Process Automation」の略で、ロボットによる業務プロセスの自動化を意味します。具体的には、定型的なデスクワークをソフトウェアに代行させる概念を指します。日本では2016年ごろからRPAという言葉が用いられ、2017年には広く注目されることになりました。
RPAに用いられるソフトウェアは「Digital Labor(デジタルレイバー)」と呼ばれ、日本語に訳すと「仮想知的労働者」となります。また、RPAを実現するためのツールをRPAツールと呼びます。
RPAツールによって定型操作を効率化できる
RPAツールでは定型的なデスクワークを自動化できます。こちらがあらかじめ設定した手順どおりの作業を実行させることが可能です。例として、自動化できる業務をいくつか見てみましょう。
- ■営業交通費の精算
- ■契約書の発行
- ■請求書の処理
- ■複数システムからのデータ収集
- ■ECサイトにおける受注処理
- ■会員登録・退会などの処理
RPAは基本的に単純な作業にしか適用できません。しかし、今後はAIの発展と共に非定型的な作業にも適用できる可能性があるとして期待されています。
また、BIとの違いはビジネスにおける意思決定の支援を目的としていない点です。RPAはあくまでも定型業務を自動化することそのものを目的としています。その結果が意思決定に結びつくかどうかは重要視されていません。
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BIツールとRPAツールの導入・活用方法は?
業務を自動化するにはRPAツールを導入するのがもっとも効果的でしょう。しかし、自動化したい業務がデータの収集や分析に関することであれば、BIツールでも問題ありません。
たとえば、売上や受発注情報の資料作成に関する業務を効率化したいとしましょう。この場合、BIツールを使えば資料に必要なデータの収集からの資料作成、そしてその資料の配布まで自動化できます。人がやるべきことは、この一連の流れをBIツールに設定することだけです。充分にRPAを実現できている状態といえるでしょう。
一方、BIツールとRPAツールを組み合わせることも可能です。たとえば、データをデータベースに保存するのはRPAツールで行い、レポーティングやシミュレーションなどにはBIツールを使う方法です。RPAツールには定型作業の自動化、BIツールには人間がデータを役立てる際の可視化を任せることで、より高度な効率化が実現するでしょう。
BIとRPAについて理解し、業務を効率化させよう!
BIとはデータをビジネスにおける意思決定に役立てることです。BIツールはデータ抽出や帳票作成などの機能を備えています。一方、RPAはソフトウェアで定型作業を自動化する概念を指します。そして、RPAツールはRPAを実現するためのITツールのことです。
BIツールでRPAを実現したり、BIツールとRPAツールを組み合わせたりすることで高度な効率化が実現します。以上を踏まえ、業務の効率化を目指しましょう。