
ドリルスルーとは
ドリルスルーとは、集計表上での一つの集計項目データ・合計データの内訳(明細表)を表示させる機能のことです。 ドリルスルー機能を活用することで特定のレポートへ移動でき、集計表の詳細データの確認が可能になります。またユーザーがシナリオを立てて仮説に基づく模擬実験を行い、予算編成などの業務に活用できる「シミュレーション」機能を搭載している製品もあります。
ドリルダウン・ドリルアップとの違い
BIツールのOLAP機能には、ドリルスルーのほかにドリルダウン・ドリルアップという分析手法があります。ここでは、ドリルダウン・ドリルアップの概要と、ドリルスルーとの違いについて詳しく解説します。
ドリルダウン・ドリルアップとは
ドリルダウン・ドリルアップはデータの階層を変更して分析を行う手法です。ドリルダウンはデータの階層を掘り下げて詳細データを表示する操作で、ドリルアップはデータの階層を上げ集計項目を増やす操作です。例えば、合計売上高のデータを日別・週別・月別などに変更ができます。
BIツールでは、「キューブ」と呼ばれる多次元データベースにデータを格納しています。そのため、ドリルスルーやドリルダウン・ドリルアップなどの操作は、レポート上でクリックするだけで実行が可能です。
ドリルスルーとの違い
ドリルスルーとドリルダウン・ドリルアップは分析手法が違います。ドリルスルーは集計表の項目データ・合計データの明細を表示する手法です。対して、ドリルダウン・ドリルアップはデータの粒度を変更することで、分析データの内容を細かくしたり荒くしたりする分析手法です。ドリルスルーはドリルダウンと似ている手法で混同しやすいため、分析の実施を行う前に理解を深めておきましょう。
以下の記事では、BIツールの機能についてより詳しく解説しています。それぞれの機能の目的も解説しているので、BIツールの理解を深めたい方は参考にしてください。
その他のOLAP分析機能(多次元分析機能)
ドリルスルーやドリルダウン・ドリルアップは、BIツールに搭載されているOLAP機能の一つです。OLAP分析機能(多次元分析機能)を活用することで、基幹システム(ERP)などに蓄積された分析用データベースのデータから、簡単に最適な分析結果を手に入れられるようになります。
一般にデータベースからデータを取り出すなどの操作を行うことは専門的なスキルを必要とする作業です。しかし、BIツールは、そうした専門的なスキルが不要でデータの操作・分析を行えます。
具体的には、マウスでドラッグ&ドロップしてデータ項目を選び、グラフの種類など出力したいレポートの形態を指示するといった操作です。作業自体は数クリックで済み、シンプルな操作でさまざまな切り口からデータの可視化が可能です。
ここでは、ドリルスルー・ドリルダウン・ドリルアップ以外のOLAP分析機能で利用できる分析手法を紹介します。
スライシング
「スライシング(任意の2軸の集計表)」は、立方体をスライスするように多次元データをある断面で切り取って2次元の表にする分析手法です。キューブから単一次元のデータを選択することによって、期間や地域などで対象データを絞り2次元の表として表示できます。
ダイス
「ダイス(ダイシング)」とは、複数の集計軸を入れ替えてデータ集計をする手法です。サイコロを振ると見える面が変わるように、縦横の項目を変えて多次元データの違う面を表にします。スライシングと異なり、キューブから複数の次元を選択してサブキューブを作成する分析手法です。
ETL
BIツールによっては、基幹システムから分析用データを抽出して加工し、分析用データベースに格納するETL機能も備えている製品もあります。ETLとは複数システムから一つのシステムへ「データの抽出・変換・書き出し」ができるツールです。そのためには、社内に散在しているデータを統合することが必要になります。
ETLについてはこちらの記事でも解説しています。
専門スキルが無くてもBIツールでデータの有効活用ができる
BIツールは高度な専門スキルがなくとも、データを分析しわかりやすく可視化して結果を表示する機能を搭載しています。BIツールの導入により、データ活用を基軸とした社内の業務効率化や事業数字の向上に繋げられるでしょう。
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