
BIツールにおける「キューブ(cube)」とは
BIツールにおける「キューブ(cube)」は、データ分析において非常に重要な概念です。キューブは、多次元データベースのなかで、データを多角的に分析し、理解を深めるために使用される構造体のことを指します。このキューブにより、異なる次元(例えば、時間、地理、製品カテゴリなど)にわたるデータを容易にスライス、ダイス、ドリルダウンして分析可能になります。
そもそもBIツールとは何か、や具体的な製品や機能が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
さまざまな切り口で分析できるデータ群
キューブ(cube)は、さまざまなディメンション(切り口)での分析を可能とするデータベース群のことです。例えば、商品の売上数量を分析する際などキューブを操作することで、「日付」「製品名」「営業担当者」などのさまざまなディメンションから多角的な分析を可能にします。

ほかにも、売上データを「時間(年、月、日)」、「地域(国、州、都市)」、「製品(カテゴリ、ブランド、アイテム)」というまた異なる3つの次元で見ることで、特定の期間や地域、製品カテゴリにおける売上パフォーマンスを詳細に分析可能です。
通常、キューブはディメンションとメジャー(考察の対象のこと。ここでは売上数量を指す)のセットで定義され、ユーザーはBIツールで分析をする際にキューブを操作したり参照したりします。
このように、キューブはさまざまな切り口を定義し、より戦略的な意思決定を行うための洞察を得るために使われているのです。
多次元データ分析の際にキューブの構築が必須
多次元データベースでは、キューブの構築が分析の前提条件となります。ここでの多次元データベースとは、複数の次元にまたがる膨大なデータを効率的に管理し、クエリを実行するための技術です。
そして、多次元データ分析は、さまざまなディメンションから多角的にデータを分析する手法を指します。この多次元データ分析を行うためにもキューブの構築が必要です。キューブは分析をする際の切り口となるディメンションと、金額などの考察の対象となるメジャーで構成されています。
またキューブを構成する際、「階層」の定義が重要です。階層は、集計結果を表示する順序を表すものであり、商品のディメンションの場合、「商品」「商品カテゴリ」などがあり、組織のディメンションの場合「部」「課」などがあります。
あらゆる角度からの詳細な分析を行うには、ディメンションと階層の定義が重要だといえるでしょう。
キューブはこのようなデータベース内で、事前に定義された複数の次元に沿ってデータを集約し、データにもとづいて迅速に分析を行うことを可能にします。
BIツールのキューブ活用によるメリット・デメリット
多次元分析を可能にするBIツールのキューブを活用する際の、メリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット:ビックデータを短時間で分析できる
キューブは、ビッグデータの分析に特化しているデータベースです。そのため、短時間でリアルタイムに大量のデータを分析できます。また、スプレッドシートやCSVなどのデータだけではなく、SNSやネット上の情報をデータ分析に活用可能です。
デメリット:キューブ設計に知識が必要
キューブ活用のデメリットとしては、設計が難しいことが挙げられます。多次元分析を可能にするキューブですが、設計をする際にデータ分析についての専門的な知識とBIツールを使いこなせるスキルがなければ、キューブの設計さえ困難なものになってしまうでしょう。
キューブの設計では、分析の目的にあわせてどの次元を含めるかを慎重に選択し、データの粒度を決定する必要があります。また、キューブのデータを定期的に更新し、データの正確性と一貫性を保つための管理も求められます。
キューブによってデータ分析の精度を高めましょう
BIツールのキューブは、多次元分析を可能にするデータベースです。Excelといった表計算ツールではできない、あらゆる角度からの詳細な分析ができます。
キューブを活用することでデータ分析の精度を高められ、そのデータをもとに企業に蓄積されている情報資産をより有効に活用できるでしょう。
