BIツールとは?
BIツールとは企業に大量に蓄積しているデータから必要な情報を集約し、ひと目で分かるように分析できるツールです。BIシステムと呼ばれることもあります。近年、企業のITビッグデータ活用が増えている中で、経営の意思決定に役立てるためにBIツールを導入する企業が増えています。
BIツールとExcelの違い
BIツールもExcelも、データから表やグラフを作成し、企業活動での意思決定で役立てるという点では、同じようなツールに見えるかもしれません。しかし、BIツールとExcelではできることの幅が違います。Excelにはできなくて、BIツールにできることは以下のとおりです。
- ■大量のデータを分析できる
- ■異なるデータソースを組み合わせて分析できる
- ■情報をリアルタイムで更新・共有できる
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BIツールとERP、DWH、ETLの違い
BIツールと並んでよく聞く言葉として、ERPやDWH、ETLがありますが、ここでしっかりとそれぞれの言葉の意味を理解しておきましょう。
ERPとは?
ERPとは、会計や生産など企業に存在する複数のデータを統合し、一つのデータベースとして管理するシステムです。統合基幹業務システムとも呼ばれています。
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DWHとは?
DWH(データウェアハウス)とは、社内のさまざまなデータを活用するために、複数のシステムからデータを取得して、最適な形式で蓄積するシステムです。
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2019.12.09
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ETLとは?
ETLとは、複数のシステムからデータの抽出、変換、書き出しを行うシステムです。複数のシステムからDWHにデータを書き出すシステムとして利用されます。
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2019.12.13
【図解】BIツールと「DWH」や「ETL」との違いとは?
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これらERPやDWH、ETLに統合されたデータを集計、可視化し、分析できるようにするのがBIツールなのです。
BIツールによるデータ分析の必要性とは
BIツールを導入することで専門的知識不要で、分析結果を効果的に活用できるようになります。では、なぜ情報を分析する必要があるのでしょうか。
情報を活用する重要性の高まり
すでに「情報」の重要性は早くから訴えられていました。かつて、企業の資源は「ヒト」「モノ」「カネ」といわれていましたが、これに「情報」が加えられ、その分析と活用が叫ばれるようになったのです。これにはコンピュータによるシステム化と深い関係があります。
かつては、「今、何が売れているのか」「いくら儲かっているのか」などは、「体感できる」ものでした。しかし近年システム化するにつれ、物の流れやお金の流れが、データという形で表されるように変化してきたのです。
お客様に商品を自分で販売し、届け、その代金を自分の手で集金することが当たり前だった時代から、システム化されてきたことより、商品もお金も見えないところで流れ、手元に来るのはデータのみになりました。そのため情報を活用する重要性が高まってきたのです。
データを収集して分析を行うことが不可欠
システム化されると膨大な量のデータが日々蓄積され、その集計に追われることになります。しかし、デジタルデータは、加工や分析が容易という利点があります。自在にデータを抽出したり、分類したり、順番を付けることができます。
グラフ化して視覚に訴えることも当たり前になる中で、「アナログで体感してきた現場を、デジタルデータで見える化」することが求められ、「BIツール」が誕生しました。
BIツールの基本機能
BIツールには具体的にどんな機能があるのでしょうか。主な機能を3つ紹介します。
機能1. データ分析
BIツールは、基幹データベースなどから集積された分析用データベースのデータを用いて、誰でも最適な分析結果を得られるという機能を持っています。データベースの操作を直接行うためには専門的なスキルが求められますが、適切にデータベースに接続されていれば、BIツールの操作や分析にはそれほど専門的なスキルを必要としません。
ドラッグ&ドロップでデータを可視化
ドラッグ&ドロップでデータ項目を選び、グラフの種類など出力したいレポートの形態を指示する、という数クリックのシンプルな操作をするだけで、さまざまな切り口でデータの可視化が可能です。
ドリルダウンによりワンクリックでデータの詳細が見られる
BIツールでは多次元のデータ構造を持つ「キューブ」にデータを格納しておき、効率的な分析を実行できる製品もあります。
エクセルであれば、もう一度最初から集計、レポート作成をしなければなりませんが、BIツールの分析方法としては「ドリルダウン」「ドリルアップ」などのデータの階層を掘り下げる操作を、レポート上のクリックだけで実現します。
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スライシングによりデータから任意の2軸を取り出す
「スライシング(任意の2軸の集計表)」「ダイシング(スライシングの集計軸を入れ替える)」といった手法に対応しており、必要に応じて「ドリルスルー」による明細表示も可能です。また、予算編成などの業務に活用できる「シミュレーション」機能を搭載している製品もあります。
機能2. レポート出力・デザイン機能
BIツールのレポート出力機能としては、定型レポートの出力機能と非定型レポート出力機能、OLAPレポート機能などがあります。Webレポーティングに対応し、「PDF」「Excel」「Word」「PowerPoint」「CSV」など、各ファイルへのエクスポートにも対応しています。
レポートの表示画面や印刷するための帳票をデザインする機能もあり、現場に合ったデザインでの出力が可能です。
機能3.ダッシュボード・モバイル対応
BIツールの分析結果を視覚的に分かりやすく表示してくれるものに「ダッシュボード」機能があります。ダッシュボードはグラフや重要指標の一覧表示、クロス集計表などの表示に対応しています。
リアルタイムでの情報参照も可能で、分析データが可視化されることで現場の改善活動などのスピードが飛躍的に向上するでしょう。
BIツールでは、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイス用のネイティブアプリも提供されています。ネイティブアプリには、パソコンで作成したレポートをそのまま閲覧する機能やディスカッションやレポートの配信機能、アラートの設定機能などが搭載されている製品もあります。
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【図解】BIツールの種類とできること
BIツールは、レポーティングツール、OLAP分析ツール、データマイニングツール、プランニングツールの4つに大きく分けられます。その種類と、導入効果の例をご紹介します。

レポーティングツール
レポーティングツールは、いかに素早くタイムリーに問題の兆候を発見できるかを目標とするツールです。企業のあらゆる活動の履歴データから、そのパフォーマンスを計測し、監視します。企業活動に何らかの異常が認められた場合、即座に状況の評価と分析が行われ、手遅れになる前に対処を施して軌道修正することができます。経営のプロセスにおいて非常に助けとなるツールです。
▼活用例 |
 |
『BIツールで作成したWebレポートを、経営者や中間管理者などがブラウザ上から確認できるようになり、情報の共有化が促進した。』 |
OLAP分析ツール
問題の要因を深く掘り下げ、検証を行うのがOLAP分析ツールの目的です。OLAPとは「Online Analytical Processing(オンライン分析処理)」の略であり、蓄積したデータベースをさまざまな角度から解析して問題点や解決策を発見します。
経営において何か問題が起きた場合、その問題点を分析し、それを修正するための意思決定を行う必要がありますが、OLAP分析ツールは、この意思決定プロセスに必要な、問題点の分析や検証を的確に行うツールです。
▼活用例 |
 |
『OLAP分析の結果、ある店舗での突出した売り上げの要因が、同日の近くでのイベント開催であったことが判明した。』 |
データマイニングツール
リポーティングツールとOLAP分析ツールは、ある定められた数値や目標に対して、ずれが生じた場合の検証が目的でしたが、このデータマイニングツールは、問題への対処のヒントを得るために使用されるものです。
対処のヒントを得るために、データマイニングツールはさまざまなデータから、使えそうな未知の関係や傾向などを探して確認します。その分析には、クロス分析、相関分析、回帰分析という手法が取られます。経営においては、これらの分析データを用いて対処策を実行します。
▼活用例 |
 |
『休日のネットショップ利用者数が大幅に減少していた。この問題に対して、データマイニングツールの分析結果により、その要因の一つとして、天気や時季に密接に関係していることが分かった。』 |
プランニングツール
プランニングツールは、経営層が行う予算編成の際に役立つツールです。プランニングツールとはその名の通り、計画の根拠を得るために使用されます。プランニングツールが行う過去実績データの分析やシミュレーションを通して、予算計画などに活用します。
▼活用例 |
 |
『トップダウン予算を作成する際に、為替や需要の予測を行い、全体の利益や売り上げがどうなるかをシミュレーションできるようになったため、予算計画がより具体的で確実性を帯びるようになった。』 |
近年話題の「セルフサービスBI」とは?
セルフサービスBIとは、分析データを活用したい本人がBIツールを活用して、分析結果を出力できるBIツールのことを指します。従来のBIツールは、異なるデータソースの数値を紐付ける必要があるため、分析する人と分析データを活用したい人が別々になります。そのため、ほしいタイミングで分析データが得られなかったり、要件がうまく伝わらず想定していた分析データが得られなかったりしました。
そこで、分析データを活用したい本人がセルフサービスBIを活用することで、データの活用を促進できるのです。また、難しい操作も少ないので中小企業でも取り扱いやすい点が特徴です。
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BIツールを導入すべき企業
BIツールは、経営層がスピーディーに意思決定を行ったり、効率的な経営戦略を行ったりするためのツールです。主に、以下のような課題を抱えている企業に有効であるといえます。
- ■一般社員が資料を作成する手間と時間を軽減したい
- ■各部署の現状を一目で確認できない
- ■社内で事業の進捗を共有したい
- ■専門家に頼らず必要なデータを抽出・分析・加工したい
- ■専門部署のシステムを横断してデータ分析がしたい
これらの課題を抱えている企業はBIツールの導入を検討してみてください。
◆2020年年間BIツール人気ランキング!◆
ITトレンド編集部が厳選したBIツールをランキング順で紹介します。
Yellowfin の比較ポイント
- 「なぜそれが起きたのか」を伝えるSmartなBI!
- 重要なデータの変化を見逃さず、自動で検出・分析・通知します
- オンプレ、クラウドのどちらでも導入可能
2020年BIツール年間ランキング第1位
売り上げや在庫数などデータの変化があると知らせてくれるBIツールが大半ですが、「Yellowfin」はその変化の原因も特定できます。集中管理型のエンタープライズBIツールのため、管理はIT部門一箇所で行い、現場では誰でも簡単な操作で利用できるのが魅力のひとつです。
Actionista! の比較ポイント
- マニュアルいらずで、誰でも自由にデータ分析ができる!
- サーバーライセンスのみ、全社員で活用できる!
- 純国産、開発からサポートまでメーカー対応!
2020年BIツール年間ランキング第2位
専門知識がなくとも簡単な操作で、正確にレポートやチャートを作成します。瞬時にデータを分析し、集計結果やレポートは必要なときに限られた範囲で社内共有可能です。
Qlik Sense の比較ポイント
- 拡張知能によりすべてのデータをすべての人に
- マルチデバイス・グローバル対応!
- お客様ビジネス価値向上を実現!
2020年BIツール年間ランキング第3位
連想インデクシング技術と拡張知能(AI)を組み合わせることで、手動で行っていたチャート作成や関連データの紐付け、分析などの作業を自動化できます。また、特許技術により高速で大容量のデータ処理を行うことも可能です。
Dr.Sum の比較ポイント
- 導入企業6,400社超!全社で利用できるBIプラットフォーム
- 10億件のデータも1秒台で高速集計
- 専門知識を必要とせずに誰でも使える
2020年BIツール年間ランキング第4位
各システムと連携しデータを蓄積することで、情報をリアルタイムに処理し、分析やレポート作成も簡単にできます。またビッグデータにも対応し、インメモリエンジンによってデータを圧倒的な速さで集計します。
MotionBoard の比較ポイント
- あらゆるデータソースと接続し、リアルタイムに可視化
- ノンプログラミング で、誰でも簡単にダッシュボードを作成可能
- ExcelやIoTデータ等、複数・様々なデータソースに対応
2020年BIツール年間ランキング第5位
ノンプログラミングで、さまざまなチャートを表現したダッシュボードが簡単に作成可能。OLAP分析やデータを組み合わせて複雑な分析が行えます。また、普段利用しているビジネスチャットと連携し、リアルタイムでの状況把握が可能です。
MicroStrategy 2021 の比較ポイント
- あらゆるユーザーのニーズに応える統合BIプラットフォーム
- 独自のデータコンシューマー向け機能で組織全員の生産性を向上
- BI業界のテクノロジーリーダー
統合メタデータアーキテクチャーを採用し、セルフBIに対応した統合BIプラットフォームです。社内や部署ごとにバラバラだったフィルタ条件やテンプレートなどを統一し、業務効率化に貢献します。強固なセキュリティを保ちつつも、幅広い容量のデータや規模に対応しています。
MotionBoard Cloud の比較ポイント
- あらゆるデータをリアルタイムに集計・可視化
- 地図機能など、30種類以上の豊富なチャートで思い通りに表現
- すぐに使える業務・業種別テンプレート
ExcelやCSVなどのデータソースと接続し、自動で集計や分析を行うクラウド型サービスです。そのため、入力環境を変えずに情報活用できます。また、業務や業種の特徴に合わせ、ダッシュボードのテンプレートをカスタマイズすることも可能です。
MotionBoard Cloud for Salesforce
MotionBoard Cloud for Salesforce の比較ポイント
- 様々なデータとの連携と、最適な形式でのレポート出力
- 多種多様なビジュアライズで次の打ち手を明確化
- Salesforceのオブジェクトや基幹システムのデータを統合・可視化
クラウドベースのBIツールで、Salesforceを活用して営業組織のパフォーマンスを向上させます。普段活用しているSalesforceから必要なデータやKPIをダッシュボードにまとめて管理できるので、意思決定を迅速化します。モバイル対応なので、外出先でも確認可能です。
専門知識不要で、Excelデータからリレーショナル・データベースなどの大規模分析まで可能。データの可視化や共有も自身で行えるよう設計されたクラウド型セルフサービスBIです。
Sactona の比較ポイント
- 費用対効果に優れ、短期間で導入可能
- エクセルだから誰でも自由にデータ分析ができる!
- 既存の報告書をそのままの形で活用可能
予算管理や経営計画など効率化をサポートするクラウド経営管理システムです。Excelのデータを集約して分析を行うので、入力環境を変える必要なく導入できます。また、オートメーション機能を搭載しているので、今まで手動で行っていたデータの取り込みや出力作業の自動化が可能です。
過去実績をもとに、企業会計をサポートする経営分析・計画策定クラウド型BIツールです。財務状況を常に見える化するための機能が多く搭載され、 アシストロボット「bi-bo(ビーボ)」の活用で、よりわかりやすく数字を把握できます。
2020年の年間ランキングを紹介しましたが、最新の月間ランキングでBIツールを比較したい方は、以下のボタンよりご覧ください。
BIツール の製品を調べて比較
資料請求ランキングで製品を比較!
今週のランキングの第1位は?
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無料BIツールの注意点
BIツールにも無料プランがある製品やオープンソースの製品があります。しかし、無料プランの製品は機能に制限があるためプランの切り替えが必要になったり、オープンソースの製品であれば運用の手間やサポートが受けられなかったりします。
BIツールはうまく活用できずに使われなくなってしまうこともあるため、価格で選ぶのではなく自社の課題を解決できる機能を搭載した製品を導入しましょう。
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2020.02.03
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BIツールの導入メリット
BIツールを導入することで、経営分析や売上分析が容易になりますが、ここでは具体的なメリットを詳しく解説します。
メリット1.社内のデータが集約され、管理がしやすくなる
BIツールによっては基幹システムから分析用データを抽出、加工し分析用データベースに格納するETL機能も備えています。Excelなどのファイルで管理していたデータが統合され、活用しやすくなるのです。さらに、データが集約されることによって各部署の状況をまとめて可視化できます。
メリット2.レポートを作成する手間が省ける
レポート出力・デザイン機能があれば、既存帳票に合わせた運用も容易です。上司への報告に使うレポートや定型帳票をBIツールで作成、共有することで、日々のルーチンワークを大幅に効率化できるでしょう。エクセルでレポートを大量に作る必要はなくなります。
メリット3.迅速な経営判断が行える
外出の多い経営層にとって、移動時間などを使ってモバイルデバイスから必要な情報に安全にアクセスできることは大きなメリットでしょう。また、配信機能やアラート機能は、意思決定のスピードを早め、正しい判断を支援します。
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2019.12.02
BIツールのメリット・デメリットとは?選定のポイントも合わせて解説
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どのような目的でBIツールを導入するのか
BIツールを導入している企業は、どのような目的でBIツールを活用しているのでしょうか。経営層と一般ユーザーに分けて、それぞれの導入目的例を紹介します。
データを統合して経営に活かす(経営層)
経営層にとっては、企業内のデータから消費者のニーズや市場動向などを予測し、経営に活かすことが大きな目的であることが多いでしょう。
BIツールはリアルタイムで社内のデータを見ることができます。また、グラフ化などの加工機能に優れているため、企業で重視している「経常利益率」や「売上」などの経営指標を見やすい形ですぐに確認できます。
また売上予測のシミュレーションも可能なので、経営判断に役立つ指標を明確化し、定点的に経営指標を追えます。
分かりやすいデータの分析(一般ユーザー)
膨大なデータを分かりやすく加工し、さらにそこからデータ間の関連性や傾向を見出すことは、難しく感じることがあるかもしれません。
しかし、BIツールには複数のデータを「クロス分析」や「回帰分析」といった方法で分析し、分かりやすくレポーティングできる機能が搭載されているので、スキルがなくても簡単に分析できます。
おすすめのBIツールについては以下の記事で比較し紹介しています。
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BIツールを導入する前の準備
ここまで、導入するまでの流れをご説明してきましたが、実際に導入する際に準備しておくポイントはどのようなものがあるのでしょうか。
利用トレーニングを行う
BIツールは専門知識がなくとも簡単に運用できますが、導入したからと言ってすぐに活用できるわけではありません。ある程度データ分析の知識は必要になるため、ツール利用のためのトレーニングが必要です。
活用する部署を決める
どの部署がどのデータを活用するのか、BIツールを活用して解決したい課題と目的を事前に明確化しましょう。そのために、経営陣や現場担当者と話し合うことが重要です。
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要件定義から導入までのステップ
BIツールを導入する際の、構築の流れをご紹介します。通常のシステム構築と差異はあまりありませんが、以下のステップを参考にしてみてください。
- STEP1:経営陣や現場スタッフなど、さまざまな立場から要望をもらう
- STEP2:利用ニーズから、どんなデータや形式で活用したいかの要件定義をする
- STEP3:必要なデータを決める
- STEP4:リアルタイム or 日次なのかも含め、データの取得方法を定義する
- STEP5:実際にシステムを構築し、レポートのレイアウトまで設定する
BIツールの選定方法
導入を失敗させないためにも、以下のポイントを押さえて選定をしましょう。
導入の目的を整理しよう
まずは、BIツールの導入目的を整理しましょう。経営陣や現場にヒアリングし、何のデータをどう活用したいか、明確化させることが大切です。
オンプレミスかクラウドか選択しよう
次に、提供形態を選択します。BIツールの提供形態は「オンプレミス型」と「クラウド型」があるので、自社の状況に合う方を選択しましょう。
オンプレミス型BIツール
自社が保有しているサーバー内にシステムを構築し、利用する形態です。柔軟にカスタマイズできる反面、自社で運営管理をする必要があるため手間がかかるというデメリットがあります。ただ、データを自社のサーバで管理することで、自社のセキュリティレベルに合わせた運用が可能です。
クラウド型BIツール
Web上で利用できるサービスのことで、インストールなどの手間がなく、コストも安価ですが、カスタマイズが難しいという点があります。近年では気軽に使えるBIツールとして、多くの企業で導入が進んでいます。
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複数部署で検討を行おう
全社で一斉に導入するのではなく、部署ごとのスモールスタートをイメージして検討を進めましょう。各部署で出た問題点を丁寧に解決していくことで、その後の全社導入がスムーズに進みます。
要件定義支援のサービスも検討しよう
要件定義には時間も工数もかかります。運用をスムーズに開始するために、知識や経験が豊富なコンサルタントによるサポートを受けることも検討してみましょう。中には、目的・ゴールの設定から、設定、導入後のPDCA改善まで一貫した支援を提供しているベンダーもあります。
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散在している情報を活用するために必要なBIツール
BIツールを活用するために重要になるのが、扱うデータの質、量、鮮度です。2ヶ月前のデータを分析しても意味がなく、正確な分析結果を得るためには、最新のデータに基づいていなければなりません。よって、データの更新頻度という点にも配慮が必要です。データ更新は、月次や週次が目安になります。また同時に、蓄積するデータの質も重要になってくるでしょう。
まずはBI導入の目的を明確にしたうえで、自社の現状を把握し、データの発生元や蓄積する対象データ、可視化したいデータを選定し、データ量や更新頻度、分析したいことに対して、最適なBIツールを選定してください。市場には非常にバラエティ豊かなBIツールがあふれています。人気製品ランキングや導入事例などを参考に、必要な機能を備えたBIツールを選定しましょう。