BIツールで何ができる? 活用イメージを紹介
BIツールの製品一覧

企業にとって重要な資産である“情報”を最大限に活かすために注目されているITツールがBI(ビジネスインテリジェンス)です。経営や営業などでの蓄積された情報(データ)をBIツールで分析・加工し、経営層による迅速な意思決定や効果的なマーケティング施策を実現することを目的にしています。
数年前までは「操作が難しいから一部の限られた人たちだけが使うもの」といったイメージが強かったBIツールですが、直感的にデータを分析・加工できる製品が増えたことで、導入のすそ野が広がっています。例えば、「Excel(エクセル)など表計算ソフトで集計してグラフ化するのでは物足りない」といった“脱表計算ソフト”派に利用されているのです。
一方で、BIツールの導入を考えている企業からは「具体的な活用イメージがつかない」という声も多く聞かれます。そこで今回は「経営管理」「マーケティング」「営業」の3分野でのBI利用シーンの例を紹介します。
部門別のBIツール活用シーン
(1)経営管理のためにBIを活用
- ■経営判断に役立つ指標を明確化
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「経常利益率」「資本生産性」「損益分岐点」「売上高」など、企業ごとで重視する経営指標は変わりますが、BIツールを活用すれば、定点的に経営指標を追うことが簡単に実現できます。
BIツールは、グラフ化などの加工機能に優れています。例えば、表計算ソフトよりも視覚的に分りやすいグラフをダッシュボード上に表示したり、定型レポートとして出力したりすることが可能です。ERP(統合基幹業務システム)や業務システムなどと連携させれば、各部署や部門からの集計を待つことなく、リアルタイムでの数値の把握も可能です。
- ■売上予測のシミュレーション
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目標と実績の達成度合いである予実を追うためには、日々変動する為替や需要の予測が、全体の利益や売り上げにどのように影響を与えるかを把握する必要があります。「為替が1円上がったら…」「逆に1円下がったら…」というようなケースごとの分析も、BIツールで容易に行うことができます。
(2)マーケティングにBIを活用
- ■関連性や傾向を可視化
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「商品Aと共に売れている商品」「天気や気候による来訪者数の変化」「近隣イベント開催時と非開催時の店舗売上」など、複数のデータをBIツールを使ってクロス分析、相関分析、回帰分析といった方法で分析することで、経験や勘にとらわれずに、品揃えや仕入れ量を変えたり、プロモーションのターゲットの絞り込みなどが行えるようになります。
- ■「コールセンターへの問い合わせ」や「SFAの情報」をテキスト分析
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テキスト化された「オペレーターと顧客との会話情報」や集計したアンケート結果、SFA(営業支援システム)に蓄積された顧客の声などを「テキストマイニング」と呼ばれる手法で分析することで、顧客ニーズを数値や傾向として可視化できます。さらに、複数データと相関的に分析を行うことで「特定のクレームが届きやすい時期」などが分かれば、製品・サービスの弱点を把握できるといった効果も期待できます。
(3)営業現場でBIを活用
- ■数字による裏付けのあるデータを視覚的に訴求
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顧客への提案書やプレゼンテーションの資料は、説得力が求められます。BIツールを使い、「自社製品を導入した企業の売上アップ率」などの具体的な数値をグラフ化して示すことで、営業活動での説得力が増します。
- ■売上実績や見込みのデータを可視化
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営業担当者が「受注済みの金額」「見込みの金額」を特定のフォーマットで入力し、集計されたデータをBIツールでダッシュボードや定型レポートといった出力形式で可視化すれば、営業のマネージャーは日々変動する数字をリアルタイムで簡単に追うことができます。
まとめ ~ 組織を横断した活用も ~
1つのBIツールを複数の部署で利用することも可能です。また、分析スキルを持つ専任の担当者や担当部門を設けることで、各部門で必要なデータを高度に分析し、可視化することもできます。
今回は、BIの活用イメージがつきやすいよう「経営」「マーケティング」「営業」というシーン職域別でBIツールの活用方法を紹介しました。このイメージは、ほんの一例でしかありません。また、企業によって様々な情報分析のニーズがあるでしょう。BIのメリットを享受するためには、自社の活用場面を明確にしてイメージに合ったBIツールを選定することが重要です。
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4月16日(月) 更新 | |
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