名刺管理をエクセルで行う方法
名刺管理をエクセルで行うためには、管理表の自作が必要です。その際の4つのポイントをそれぞれ解説します。
項目設定
名刺に記載されている情報を項目に設定します。名刺を交換した人やその日付、備考欄も設けましょう。名刺管理を営業先・テレアポリストに活用したいのであれば、業種やジャンルといった属性を項目に追加します。
一般的に設定される項目は以下のとおりです。
- ●会社名
- ●部署
- ●役職
- ●氏名
- ●電話番号
- ●メールアドレス
- ●URL
- ●住所
- ●交換日
- ●交換者
- ●備考
- ●業種、ジャンル
入力・参照の効率化
エクセルには表の作成・参照を効率化できる機能が搭載されています。名刺管理においては以下のように活用できます。
- ■表へのデータ入力を効率化したいとき
-
- 1.入力範囲のセルを選択後、「データ」タブ→「フォーム」を選択
- 2.表示されるウォーニングメッセージでは「OK」をクリック→入力フォームが表示される
- 3.フォームに入力後Enterを押せば、セルに反映される
- ■住所から都道府県の情報を抽出したいとき
-
- 1.セルD2の住所からセルC2に都道府県名を抽出するとき、C2セルに次の式を入力
=IF(OR(MID(D2,4,1)="都",MID(D2,4,1)="道",MID(D2,4,1)="府",MID(D2,4,1)="県"), LEFT(D2, 4), LEFT(D2, 3))
- ■会社の社名にフリガナを付けたいとき
-
- 1.セルA2の会社名のフリガナをセルB2に記入したいとき、セルB2に次の式を入力
=PHONETIC(A2)
複数人での共有・操作設定
エクセルで名刺管理する場合、複数人での操作を見越してあらかじめ設定を変更しておくのがおすすめです。複数人での共有・操作に便利な設定は以下のとおりです。
- ■ブックの共有(複数人での同時編集が可能)
- ■セルの制限(誤操作によるセルの削除や書式崩れを防止)
- 1.入力可能なセルをすべて選択し、右クリック→「セルの書式設定」を選択
- 2.「保護」の項目内の「ロック」のチェックを外し、ロックを解除
- 3.タイトルバー内の「校閲」を選択
- 4.シートの保護画面の表示後、「ロックされたセル範囲の選択」「ロックされていないセル範囲の選択」の2つにチェックを入れる→「OK」をクリック
パスワード設定
名刺は個人情報であるため、セキュリティ対策は必須です。ファイルに鍵をかけ、情報の流出防止に努めてください。鍵のかけ方は以下のとおりです。
- 1.名前を付けて保存を選択
- 2.「保存」の隣にある「ツール」をクリック
- 3.「全体オプション」を選択後、パスワードを設定
名刺管理をエクセルで行う際のメリットと注意点
名刺管理をエクセルで行う場合、コストダウンのメリットもありますが、注意点も多くあります。それぞれ詳しく解説します。
エクセルのメリット
- ●初期コストがかかりにくい
- ●項目や書式を自由にカスタムできる
- ●テンプレートを使えば比較的簡単に導入できる
もともとエクセルを活用している企業も多いため、金額的コストが発生しにくく、導入のハードルは低いでしょう。
エクセルのデメリット
簡単に導入可能なエクセルですが、運用・管理の面では負担が大きく、注意が必要です。導入の際は以下の点が問題ないか確認しましょう。
処理速度の低下リスク
エクセルは大量のデータ処理に不向きです。そのため、名刺のデータ量が多くなると、処理速度の低下を招く可能性が高くなります。
セキュリティ上のリスク
データをパソコンに保存すると、紛失時に情報流出するリスクがあります。名刺データを保管するエクセルファイルに鍵をかけたとしても、第三者に開けられる可能性があることを忘れないでください。近年では、パスワード解読ツールがインターネットで簡単に入手できるようになり、人が設定したパスワードでは容易に解読されてしまいます。
入力の手間や誤入力リスク
名刺データをエクセルに入力する場合、すべて手入力になるためミスが発生する可能性が高まります。名刺管理ソフトによっては写真を取るだけで自動入力できるものもあるので、手動管理の手間が気になる方は検討をしてみましょう。
会社やチームとの共有がしづらい
1つのファイルを更新するエクセルでは、最新のデータをリアルタイムで他メンバーと共有することに不向きです。クラウドでの管理に切り替えるなど、管理方法を徹底する必要があります。
エクセル以外で名刺管理を行う方法
エクセル以外にも、効率的に名刺管理を行う方法がいくつかあります。それぞれの特徴と利点、注意点を詳しく見ていきましょう。
Googleスプレッドシートを活用する
Googleスプレッドシートはエクセルと酷似した機能や使用感をもちつつ、インターネットさえ接続できれば利用可能な汎用性の高さが魅力です。無料で利用できるため、自社の名刺管理のフォーマットを定めていくフェーズの企業にもおすすめの方法といえます。
また、エクセルと似た操作感で使えるため、エクセルユーザーにとっては導入しやすいでしょう。リアルタイムでの共同編集が可能で、チームでの情報共有にも適しています。
Googleスプレッドシートは無料で使用できるうえ、自動保存機能やバージョン履歴管理機能があるため、データの紛失リスクが低いのも特徴です。Googleフォームと連携させることで、名刺情報の入力を効率化できます。
ただし、エクセルと同様に手動入力が基本となるため、大量の名刺を処理する場合は時間がかかります。また、Googleのサーバーにデータがあるため、セキュリティポリシーによっては利用できない企業もあるでしょう。
CRMの機能を活用する
CRMとは顧客関係管理(Customer Relationship Management)システムを指し、より深い顧客理解と効果的な営業戦略立案のサポートができます。なかには、すでに顧客関係管理(CRM)システムを導入している企業もあるでしょう。
CRMによっては、名刺管理の機能を兼ね備えているサービスもあります。名刺情報をCRM内の顧客情報と連携させることで、営業活動や顧客フォローに活用できます。また、CRMを使用すると名刺情報だけでなく、商談履歴、メールのやり取り、購買履歴なども一元管理が可能です。
ただし、CRMは比較的高価で、導入するにあたり従業員へのトレーニングが必要な場合もあります。また、小規模事業者にとっては機能過多になる可能性もあるため、本当にCRMが必要かどうかはよく検討するのが重要です。
スマートフォンアプリを利用する
スマートフォン専用の名刺管理アプリを使用する方法もおすすめです。名刺を撮影するだけでデータ化が可能で、外出先でも簡単に情報を確認・追加できます。個人利用向けの無料アプリから、ビジネス向けの高機能アプリまで多様な選択肢があります。
多くのアプリでは、名刺を撮影すると自動的にテキスト化され、各項目(氏名、会社名、電話番号など)に振り分けられます。さらに、電話やメール、地図アプリとの連携機能をもつものも多く、すぐにアクションを起こせるのが利点です。
ただし、無料アプリの場合、広告表示やセキュリティ面での不安がある場合もあります。また、スマートフォンの紛失時にデータが漏えいするリスクもあるため、適切なセキュリティ対策は欠かせません。
クラウド型の名刺管理サービスを利用する
最もおすすめなのは、名刺管理に特化したサービスを利用して、クラウド上で名刺情報を管理する方法です。OCR技術により名刺をスキャンするだけで自動的にデータ化され、チーム内での共有も容易です。セキュリティも高く、どこからでもアクセス可能という利点があります。
多くのサービスでは、名刺の画像データも保存できるため、原本の確認も簡単です。また、顧客情報のアップデートや、SNSとの連携機能をもつものもあり、常に最新の情報を保持できます。
ただし、エクセルやスプレッドシートとは異なり月額や年額の利用料が発生するため、コスト面での検討は行いましょう。
製品によっては、オペレータが名刺データの入力を行うオプションサービス付きのものがあり、高い正確性を期待できます。各種製品情報は以下のボタンより資料請求が可能なので、比較したい方は利用ください。
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ほかにも、名刺管理を効率よく行う方法は数多く存在します。次の記事ではアナログ式・デジタル式でそれぞれ名刺管理の方法を解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
まとめ
名刺管理をエクセルで行う際のポイントは以下のとおりです。
- ●項目の設定
- ●入力、参照機能の活用
- ●複数人での利用による共有、操作の設定
- ●パスワードの設定
ただし、エクセルでの名刺管理には処理速度の低下・セキュリティ・入力工数の増加や誤入力といったリスクがともなうのを覚えておきましょう。
管理する名刺の枚数が多くなり、エクセルでの名刺管理に限界を感じた場合は、名刺管理ツールの利用がおすすめです。名刺管理ツールなら、スマホのカメラやスキャナで名刺を画像化し、OCR機能によって自動的に文字内容を含めてデータ化されます。手入力と比べると誤入力のリスクが低く、手間も省けるでしょう。
効率的な管理を実現するため、まずは名刺管理ソフトの比較検討のため資料請求をしてみましょう。以下の記事ではおすすめの名刺管理ソフトを比較しているので、あわせて参考にしてください。