名刺管理ソフトでできること
ここでは、名刺管理ソフトでできることをご紹介します。大きく分けて以下の4つです。
1.名刺情報の読み取り
紙の名刺から、カメラ・スキャナーなどを使って名刺情報を読み取ることが可能です。OCRと呼ばれる文字認識機能を使って、読み取った名刺画像に書かれている情報を文字データとして読み取ります。書かれている文字は、企業名・部署・性・名・電話番号・メールアドレスなど適切な情報に自動で振り分けられます。
2.名刺情報のデータ化
読み取った名刺情報は、名刺管理ソフトの中にデータとして保管されます。ExcelやCSV形式のファイルをソフトの中にインポートすることも可能です。仮に同一の名刺情報があった場合は、名寄せ機能によりまとめられます。
3.データ化された名刺情報の検索
データ化された名刺情報はソフト内での検索が容易になります。検索条件を細かく指定すれば、目的の名刺情報をすぐに探し出せます。
4.マルチデバイス対応
クラウド型の名刺管理ソフトであれば、名刺情報はPCだけでなくスマートフォンやタブレットで検索・閲覧することも可能です。つまり、時間や場所を問わず名刺を管理できます。
名刺管理ソフトのメリット
先述した機能を備えている名刺管理ソフトを導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
ここでは、3つのメリットをご紹介します。
1.デジタル化により、名刺情報の検索や登録作業が効率化する
紙の名刺が増えていくと、インデックスをつけたり並び替えたりして、名刺ホルダーやボックスに保管しているケースが大半でしょう。しかし、これでは整理や検索に時間がかかり、非効率です。また、同一の名刺が社内に何枚も存在する可能性もあり、1枚ずつ判別しなければなりません。
名刺管理ソフトを導入すると、名刺を読みこむだけで自動的に一元管理され、検索が簡単になります。同じ名刺を登録したとしても、自動で重複を判別し、適切に処理されます。さらに、名刺の読み込みや検索は外出先からでも可能で、社内に戻って作業する必要はありません。
これまで名刺管理にかかっていた時間を省き、ほかの重要な業務に時間を割けるようになるでしょう。
2.最新情報の共有により、営業ミスが減りアプローチの幅が広がる
大半は営業担当者が個人で名刺を管理しますが、情報がアップデートされていない可能性があります。
たとえ、「担当者Aが名刺交換した際には総務部にいた相手方が、次に担当者Bと名刺交換した際には人事部に異動していた」という事象はよくあります。ほかにも「名刺情報が部署内で共有されていないと、担当者Aが営業をかけた相手に、担当者Bも営業をかけてしまった」という問題も生じるでしょう。
名刺管理ソフトは、各担当者が名刺交換する度に情報がアップデートされるため、常に最新の状態に保つことが可能です。営業部署内で最新の名刺情報を共有することで、営業をかけた相手をすべて把握でき、効率が上がります。また、新サービスや商品を提案・営業する場合、相手先との人脈があるのか事前にわかれば、成約につなげやすいでしょう。
3.外出先からでも、スマホやタブレットからアクセスができる
名刺管理ソフトはスマホやタブレットからもアクセスできるので、外出先であっても名刺データの閲覧や名刺の登録が可能です。そのため電話帳に登録していなくとも、どの営業先の誰から連絡がきたのかがわかるようになり、急な営業先への訪問も難なく対応できます。
名刺を個人で管理すると、担当者によっては名刺入れや机の中に散在している状態となり、紛失のリスクが高まります。移動が多い営業担当者は、どこかに置き忘れてしまったり、落としたりするおそれがあるでしょう。また、担当者が名刺情報を外部へ持ち出し、情報漏えいの危険性も考えられます。
名刺交換した担当者がすぐソフトに登録しておけば、名刺紛失のリスクは軽減されます。企業側で名刺情報を一元管理できるため、情報漏えい等の内部不正も防げるでしょう。
導入時に注意!名刺管理ソフトのデメリット
一方で、名刺管理ソフトを導入する際に気をつけなければならないデメリットもあります。ここでは、主な3つの注意点をご紹介します。
1.コストがかかる
組織的に名刺管理ソフトを導入しようとなると、どうしてもコストがかかります。毎月の利用料と、名刺管理ソフトを導入することによるメリットを比較して、費用対効果を確認するのがおすすめです。
一定のトライアル期間中であれば無料で使える製品もあります。本格的な導入の前に一度、試験的に無料ソフトを利用してから検討してみましょう。
2.名刺のデータ化に時間がかかる
名刺をスキャンしてデータベースに登録する作業は、1枚ずつであれば短い時間で終了します。しかし、枚数が多くなればなるほど時間がかかります。特に1日に何件も名刺交換する営業担当者は、面倒に感じてしまうでしょう。
名刺データを有効活用することの必要性を担当者に理解してもらい、文字認識機能がついたソフトや名刺データ化の代行サービスに依頼するなどの工夫も重要です。
3.複数ソフトに多重登録しなければならない場合がある
すでにSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を導入している企業であれば、それぞれのソフトに名刺情報を登録しているでしょう。新たに名刺管理ソフトを導入すると、さらに名刺データを登録する手間が発生します。
中にはソフト同士の連携や、CSVによるデータのやり取りが可能なものもあるので、一度確認してみましょう。
名刺管理ソフトのメリット・デメリットを理解し導入検討を!
名刺管理ソフトは、名刺情報を社内で一元管理できます。その結果、業務効率や営業の質が向上し、セキュリティを保てるというメリットがあります。一方で、コストや工数の増加などデメリットもあります。
これらを総合的に鑑みて、デメリットが小さく、かつメリットが大きくなるようなソフトを導入できるように、各製品を比較してみましょう。