社内にたまった名刺の活用方法
社内にたまった名刺はどのように活用すれば良いのでしょうか。効果的な活用方法を2つ紹介します。
ビジネスチャンスを拡大できる
名刺には、営業活動に活かせる有益な情報が詰まっています。これらを適切に管理して情報を可視化すれば、さらなるビジネスチャンスをつかめるでしょう。名刺を基に営業先リストを作成したり、重複している顧客データを一本化できたりします。これにより、見込み客を見つけやすくなり、効率的な営業活動が可能です。
加えて、名刺情報を組織内で共有できれば、人脈を活用した営業活動が実現します。取引を開始したい企業と面識のある社員を見つけやすく、仲介をお願いすることもできるでしょう。「企業へ電話をかけ、アポイントをとる」といったフローを省き、該当企業に対して迅速にアプローチできます。
名刺管理すると名刺を活用しやすくなる
社員に管理を一任して紙のままで管理していては、名刺を有効活用できません。名刺探しに時間がかかるだけでなく、ほかの社員と情報を共有できないためです。
そこで、名刺管理ツールの利用をおすすめします。
名刺管理ツールは名刺をデータ化し、効率的な管理を実現します。物理的な管理スペースが不要となり、机の中がすっきりするでしょう。また、さまざまな項目での絞り込みが可能であるため、検索性が向上します。また、すべての社員がデータベースにアクセスできることで、組織間における横のつながりを最大限に活かした営業活動が実現するでしょう。
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2023.09.11
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名刺管理ツールの活用方法
名刺管理ツールを活用すると、ビジネスにどのようなメリットをもたらすのでしょうか。2つのメリットをそれぞれ見ていきましょう。
スマホ利用による働き方改革の実践
名刺管理の方法が従来のままだと、業務の生産性は上がりません。営業担当者が机の引き出しに名刺ホルダーを入れていると、外出先で名刺を閲覧できません。外出先でホルダー内の名刺が必要になった場合、電話で事務員に探すようお願いすることが多いでしょう。
こうなると、担当者は名刺が見つかるのを待たなければならず、事務員は作業を中断して探さなければいけません。これは双方にとってロスでしかありません。
名刺管理ツールを導入すると、スマートフォンでも名刺を閲覧できます。外出先でも利用可能であるため、事務員の手を煩わせません。また、場所や時間を制限されずに各自のペースで業務に臨めるので、生産性の向上につながります。このような働き方は、残業の減少につながるだけでなく、テレワーク促進の一助にもなります。
システム・サービス連携による業務の底上げ
名刺管理ツールはSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)との連携で、価値を高めることが可能です。SFAと連携させると、顧客情報だけでなく営業活動の可視化につながります。
これにより、営業担当者がどの顧客にどういった行動を取れば良いかが分かります。さらに、状況を適切に把握し、部下をサポートすることも可能です。そのため、属人的な営業活動を平準化でき、部署全体の業務底上げが実現します。
また、CRMとの連携で見込み客を育成したり、顧客との関係を構築できたりします。名刺を基に適切なセグメントが行えれば、一斉メールやパーソナライズメールを最適なタイミングで顧客へ送付できるでしょう。
名刺管理ツールの活用事例
A社は名刺を資源と認識していましたが、管理を社員に一任していたので活用できていませんでした。また、CRMに顧客情報を集約することも検討していました。
そこで名刺管理ツールを導入してデータの集約を実現し、営業活動の効率化に成功します。住所や地図を外出先で閲覧可能なので、顧客の要望にもスムーズに対応できるようになりました。また、CRMとの連携で顧客情報を自動で取り込めるようになったことで、業務負荷やミスの削減につながっています。
B社の名刺管理ツール導入の目的は、顧客情報の一元化によって業務のロスを省き、社員が本来の業務に注力できる環境の構築です。
実際に導入することで名刺のデータ化や名刺探しにかかる時間の削減に成功し、社員のモチベーションがアップしました。さらに、顧客を属性別に分類するフィルタリング機能により、適切なセグメントも実現します。顧客のニーズに合うメルマガを配信できるようになりました。
名刺管理と関連する冬眠人脈とは?
「冬眠人脈」は、つながりの薄かった人たちが潜在化してしまい、完全に活用されなくなった人脈を指します。冬眠人脈を名刺管理と関連させて活用することで、さまざまな効果が期待できます。
ここからは、名刺管理の観点で冬眠人脈を活用する重要性やポイントについて詳しく解説します。
冬眠人脈を活用する重要性
まずは、冬眠人脈をなぜ活用すべきなのか、2つの側面から見ていきます。
年間で約120億円もの経済機会損失が発生
冬眠人脈による経済機会の損失は、社員1人あたり年間60%強、1企業あたりの金額に換算すると120億円以上にのぼると言われています。これは、名刺管理サービスを提供するSansan株式会社が自社データや国勢調査(総務省)、経済センサス活動調査(総務省)のデータに基づき、算出したものです。
そして、同社の調査によると冬眠人脈が要因の経済機会損失は業界全体、1社あたりの両方で製造業がトップです。業界別では、卸売業・小売業、医療・福祉と続き、1社あたりでは、情報通信業、生活関連サービス業・娯楽業となります。
名刺1枚の価値は74万円といわれています。しかし、この人脈を活かしきれていない企業が数多く存在することが、上記の調査により明らかになりました。今一度、名刺の価値を再認識し、資産として活用していく企業努力が求められます。
参照:日本企業において約61%の人脈が活用されずに「冬眠」している、「冬眠人脈」による 1企業当たりの経済損失規模は約120億円と推計〜国内で年間約22億枚の名刺が流通。1枚当たりの価値は約74万円〜|Sansan株式会社
活用している営業マンの生産性が向上
冬眠人脈を活用した場合、利用していないケースを比べると生産性が2.6倍高いという結果がSansan株式会社の調査で明らかになりました。営業活動別に比較した結果は以下のとおりです。
- 新規アポイント件数(1ヶ月あたり)
-
- ■冬眠人脈活用:18.04件
- ■非活用:16.36件
- 受注率
-
- アポイントから受注までのリードタイム
-
この結果からも、冬眠人脈を活用する重要性の高さがわかるでしょう。
参照:働き方改革・生産性向上には…「冬眠人脈」の活用がカギ|Sansan株式会社
冬眠人脈の活用ポイント
冬眠人脈を掘り起こし、情報資源として再活用するにはどうすればよいのでしょうか。活用時のポイントを3つ見ていきましょう。
すべての顧客情報をデータベースに蓄積する
企業はあらゆる顧客情報をデータベースに蓄積しています。このとき登録する顧客情報の内訳は、名前や住所といった基本情報や購買履歴、問い合わせ内容などです。多くの企業は、売上につながりやすい既存・見込み顧客やWebから問い合わせのあった顧客の情報をデータベースに登録しがちです。
しかし、冬眠人脈を活用するのであれば、成約に至る可能性の低い顧客や、取引中の企業といったあらゆる顧客情報をデータベースに蓄積すべきです。これらの顧客は、売上につながらないように思われがちですが、どういった契機で取引相手へ変わるかわかりません。
また、蓄積された情報が増えれば増えるほど顧客のニーズが分かり、真に求められているものを提供できるようになります。人脈はあらゆる可能性を秘めています。それを活用してこそ、新たなビジネスチャンスをつかめるでしょう。
人脈の共有システムを構築する
人脈は活用されてこそ価値を高められますが、今までは個人資産と見なされていました。しかし、企業の情報資産として共有・活用しようという認識に変わってきています。
このような冬眠人脈の活用に最適なのが、名刺管理システムです。名刺管理システムは、企業に蓄積されている名刺データを網羅的に集約し、管理します。さまざまな項目で顧客情報を検索できるので、目的の情報を見つけやすく、人脈の可視化に役立つでしょう。外出先で名刺を新たに登録したり、情報を閲覧したりすることも可能で、業務の効率化につながります。
また、企業の最新ニュースや人事異動の情報を入手できるシステムもあり、人脈を駆使した戦略的な営業活動が実現します。
共有しやすい雰囲気をつくる
冬眠人脈を活用するには、企業に属する社員一人ひとりが名刺の役割を再認識することが重要です。その認識に基づき、個人が保有する人脈を共有・活用する仕組みを構築してください。
そして、企業全体がシームレスにつながれる、オープンな雰囲気づくりに努めましょう。社員同士のやり取りを誰でも見られ、そして、そのやり取りに参加できるようにするのです。そこから商談のチャンスをつかめるかもしれません。
情報を共有する仕組みに高い透明性を確保できれば、眠っている人脈を掘り起こしやすくなるでしょう。
名刺の活用方法を知り、ビジネスチャンスを拡大させよう!
名刺を効果的に活用することで、ビジネスチャンスを拡大できます。名刺管理の際はツールを利用しましょう。名刺管理ツールは、下記のような活用方法が考えられます。
- ■スマートフォン利用での働き方改革
- ■他システムとの連携による業務の底上げ
実際に多くの企業がツールを導入し、名刺活用による業務の効率化に成功しています。冬眠人脈の重要性なども踏まえたうえで名刺の活用方法を正しく認識し、ビジネスチャンスを拡大させましょう。