ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■移行先の構成別
- メールボックスを含めて移す場合の移行先:KAGOYA MAIL、IIJセキュアMXサービス、CyberMail、Gmail、Microsoft Exchange、AmazonWorkMail
- Microsoft 365のメールにセキュリティを追加:Microsoft 365 with IIJ
- 既存のメールサーバーにWebメールを追加:xgate4
- ■乗り換え時の設定・運用別
- SPF・DKIM・DMARCに対応:KAGOYA MAIL
- アカウントやアドレス帳のCSV取り込み:KAGOYA MAIL、@Securemail Plus Webmail
- メールアーカイブ・ジャーナリング:Microsoft 365 with IIJ、AmazonWorkMail
- 誤送信対策機能:KAGOYA MAIL、Microsoft 365 with IIJ、xgate4、@Securemail Plus Webmail
クラウドメールの乗り換えで移すもの
クラウドメールの乗り換えで移すのは、メールボックスだけではありません。共有アドレスやメーリングリスト、転送の設定、過去のメールなど、社内で使われている仕組みを洗い出す必要があります。移行元がオンプレミスのメールサーバーか、別のクラウドメールかによっても、作業の内容が変わります。
アカウントと共有アドレス、メーリングリスト
最初に、社員一人ひとりのアドレスに加えて、問い合わせ窓口などの共有アドレス、部署ごとのメーリングリスト、別名のアドレスを一覧にしましょう。これらは個人のアカウントとは別の場所で設定されていることがあり、見落としやすい部分です。
新しいサービスでは、共有アドレスをどう実現するかが製品によって異なります。複数人で受信するグループ機能を使うのか、共有のメールボックスを作るのかを決め、ライセンスの数も見積もりましょう。退職者のアカウントが残っている場合は、乗り換えを機に整理しておくと費用を抑えられます。
過去のメールと保存容量
過去のメールをどこまで新しいサービスに移すかは、容量と作業時間に大きく影響します。全員の過去メールをすべて移すと、移行に時間がかかり、新しいサービスの容量の上限に達するおそれもあります。
移行元が別のクラウドメールであれば、IMAP(メールをサーバーに置いたまま読む方式)を使った移行ツールで移せる場合があります。オンプレミスのメールサーバーで、メールが各自のパソコンにしか保存されていない場合は、パソコンごとにデータを取り込む作業が必要です。移す期間を決め、それより古いメールは別の保管場所に残す方法も検討しましょう。社内で移行作業を行う人手が足りない場合は、移行作業の代行に対応しているサービスや事業者に依頼する方法もあります。
メールを止めないDNS切り替えの順番
クラウドメールの乗り換えで最も慎重に進めたいのが、DNS(ドメイン名とサーバーをひもづける仕組み)の設定変更です。設定は、ドメインを管理している会社の管理画面で行います。誰が管理画面にログインできるかを、最初に確認しておきましょう。
事前のTTLの短縮
TTLとは、DNSの設定内容がほかのサーバーに一時保存される時間のことです。TTLが長いままMXレコードを変えると、古い設定が残っているサーバーからは、しばらく旧サービスにメールが届き続けます。
切り替えの数日前に、MXレコードのTTLを短い値に変えておくと、変更後の反映を早められます。ただし、反映の速さは相手側サーバーの状況にも左右されるため、変更直後は新旧どちらにもメールが届く可能性があると考えておきましょう。切り替えが終わったら、TTLを元の値に戻すのを忘れないようにします。
MXレコードの変更と新旧の並行受信
MXレコードとは、そのドメインあてのメールをどのサーバーで受け取るかを示す設定です。新しいサービスでアカウントの作成と過去メールの移行を終えてから、MXレコードを新しいサービスの値に変更します。
変更後しばらくは、旧サービスにもメールが届く場合があるため、旧サービスはすぐに解約しないことが大切です。並行期間中は旧サービスに届いたメールを定期的に確認し、新しいサービスへ移しましょう。古いMXレコードを残したままにすると、メールが意図しない宛先に届く原因となるため、設定の削除も忘れずに行います。
SPF・DKIM・DMARCの更新
SPFやDKIM、DMARCは、メールが正規の送信元から送られたことを相手のサーバーが確かめるための送信ドメイン認証の仕組みです。サービスを替えると送信元のサーバーが変わるため、これらの設定も更新が必要です。
更新を忘れると、送ったメールが相手の迷惑メールフォルダに入ったり、受け取りを拒否されたりする可能性があります。ただし、メールの届きやすさは相手側の判定基準や本文の内容など複数の要因で変わります。新しいサービスが案内する設定値をもとに、自社の管理者や導入を支援する事業者と一緒に確認しましょう。
クラウドメールへの乗り換えに伴う端末の設定変更
サーバー側の切り替えが終わっても、社員が使うパソコンやスマートフォンの設定を変えなければ、新しいサービスでメールを読めません。人数が多い企業では、端末の設定変更が乗り換えの作業量の大部分を占めることもあります。
パソコンのメールソフトの設定
パソコンでメールソフトを使っている場合は、受信と送信のサーバーの設定を新しいサービスの値に変更します。新しいサービスでブラウザから読む方式に切り替える場合は、メールソフトの利用をやめるかどうかも決めておきましょう。
社員が自分で設定する場合は、画面の写真を入れた手順書を用意し、問い合わせの窓口を決めておくと混乱を防げます。設定の変更を一斉に行う日を決め、その日は情報システム部門の担当者が対応できる体制を整えましょう。署名やアドレス帳の移し方も手順書に含めておくと、問い合わせを減らせます。
スマートフォンと多要素認証の設定
スマートフォンでメールを読んでいる社員には、新しいサービスのアプリの導入方法や、標準のメールアプリの設定方法を案内します。会社支給の端末であれば、MDM(モバイル端末を一括管理する仕組み)で設定を配布する方法もあります。
新しいサービスで多要素認証を有効にする場合は、ログインの際に確認コードの入力などを求められます。社員が戸惑わないよう、有効にする時期と手順を事前に周知しておきましょう。認証用の端末をなくした場合の手続きも、あわせて決めておくことが大切です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウドメールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
保存が必要なメールとアーカイブの扱い
メールの中には、法令や社内規程で一定期間の保存が求められるものがあります。乗り換えの際に過去のメールを移さない、あるいは旧サービスを解約してしまうと、必要な記録が失われるおそれがあります。保存が必要なメールの範囲を確認しておきましょう。
電子帳簿保存法で保存が必要なメール
電子帳簿保存法では、メールに添付して受け取った請求書や領収書など、電子取引のデータを電子のまま保存することが求められています。メールで取引の書類をやり取りしている企業は、乗り換えでこれらが失われないよう注意が必要です。
すでに添付ファイルを別の保存システムに移している場合は、メール本体の移行範囲を絞れる可能性があります。メールボックスの中にしか保存されていない場合は、移行や保管の方法を経理部門と相談して決めましょう。保存の要件の詳細は、国税庁の公表資料や税理士に確認すると確実です。
退職者のメールとアーカイブの保管
退職者のメールボックスには、取引先とのやり取りなど業務上必要な記録が残っていることがあります。乗り換えでアカウントを整理する場合は、削除する前に必要なメールを保管しましょう。
新しいサービスにメールアーカイブの機能があれば、退職者のメールを保管しつつ、ライセンス費用を抑えられる場合があります。アーカイブ機能の有無や保存期間、検索のしやすさは製品によって異なるため、比較の際に確認しておくとよいでしょう。保管のルールは文書にして、担当者が替わっても運用を続けられるようにしておきます。
乗り換え後に確認するクラウドメールの送受信
DNSを切り替えて社員がメールを読めるようになっても、すべてのメールが正しく届いているとは限りません。社外とのやり取りや自動送信のメールまで含めて確認し、問題がないと分かってから旧サービスを解約しましょう。
社外への到達と迷惑メール判定の確認
切り替え後は、社外のさまざまなメールサービスに試験メールを送り、受信トレイに届くか、迷惑メールフォルダに入っていないかを確認しましょう。差出人の表示や返信の宛先が正しいかもあわせて確かめます。
見落としやすいのが、業務システムや複合機、Webサイトの問い合わせフォームなどから自動で送られるメールです。これらが旧サービスのサーバーを経由して送る設定になっていると、解約後に止まってしまいます。自動送信の一覧を作り、送信元の設定を一つずつ見直しましょう。
旧サービスの解約前の最終確認
旧サービスを解約する前に、並行期間中に旧サービスへ届いたメールが残っていないかを確認します。残っていたメールは新しいサービスへ移し、旧サービスへの到着が止まったことを確かめてから解約手続きに進みましょう。
解約後はデータを取り出せなくなるサービスもあるため、必要なデータの出力が終わっているかを最後にもう一度確認します。確認した項目と日付を記録に残しておくと、後から問題が見つかった場合にも原因をたどりやすくなります。
乗り換え先候補のクラウドメール比較表
乗り換え先は、メールボックスごと移すのか、今のメール環境にセキュリティやWebメールを加えるのかで選び方が変わります。この記事で紹介するクラウドメールサービスの特徴を表にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| KAGOYA MAIL | ユーザー数無制限の月額定額制。SPF/DKIM/DMARCやCSVでのアカウント一括設定に対応 |
| IIJセキュアMXサービス | 送受信のメールセキュリティをワンストップで提供し、メールボックスのアウトソースも可能 |
| Microsoft 365 with IIJ | Microsoft 365のメールにIIJのフィルタリングや誤送信対策を加え、セキュリティを強化 |
| xgate4 | POP・IMAP対応のメールサーバーで使えるWebメール。誤送信対策や全文検索を搭載 |
| CyberMail | 日本企業向けの国産クラウドメールサービス。国内データセンターで稼働 |
| Gmail | 迷惑メールフィルタや検索機能を備え、Google Workspaceで独自ドメインのメールを利用可能 |
| Microsoft Exchange | メール、予定表、連絡先、タスクを統合する基盤。クラウドとオンプレミスで利用可能 |
| AmazonWorkMail | 企業向けのメール・カレンダーのマネージドサービス。社内ディレクトリと統合可能 |
| @Securemail Plus Webmail | 誤送信防止や強制Bcc化を備えたWebメール。メールやアドレス帳のインポートに対応 |
メールを止めずに移行先を選ぶためのクラウドメール
DNSの切り替えや送信ドメイン認証の更新、アカウントの一括登録など、乗り換え作業の負担に関わる機能を中心に、乗り換え先として検討できるクラウドメールサービスを紹介します。移行ツールや作業代行の有無は、資料や提供会社への問い合わせで確認しましょう。
KAGOYA MAIL
- ユーザー数無制限の月額定額制!圧倒的なコストパフォーマンス
- 安全運用が可能!メール運用に伴うセキュリティ対策をカバー
- 専門知識は不要!シンプル設計で誰でも使える
アカウント数が多い企業の移行先には、カゴヤ・ジャパン株式会社が提供する「KAGOYA MAIL」が候補です。ユーザー数無制限・月額定額制の法人向けメールサーバーで、アカウントを追加しても月額費用が変わりません。複数のメールアカウントをCSV形式のファイルで一括管理でき、数百人分のアドレスの追加や設定変更もまとめて行えます。SPF/DKIM/DMARCによる送信元ドメインの認証に対応し、アンチスパム・アンチウイルス機能や誤送信対策も備えています。参考価格は2,640円~です。
IIJセキュアMXサービス
- 送受信時に求められる複数セキュリティをワンストップで提供
- メールボックス機能でメールのフルアウトソースを実現
- 独自セキュリティ機能を実装したWebメール
レンタルサーバーのメールから乗り換えたい場合は、株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJセキュアMXサービス」が選択肢です。クラウド上でメールセキュリティを強化する統合メールセキュリティサービスで、フィッシングなどの脅威メール対策や情報漏えい対策を送受信の両面からまとめて行えます。迷惑メールフィルタやアンチウイルスには複数社のエンジンを採用しています。セキュリティ機能とあわせてメールボックスもアウトソースでき、利用状況に応じて容量を追加できます。
Microsoft 365 with IIJ
- Microsoft 365のメールセキュリティを強化
- Microsoft 365とIIJの二重防御でスパム対策
- Microsoft 365導入についてのお悩みを解消
Microsoft 365のメールへ移る企業には、株式会社インターネットイニシアティブが提供する「Microsoft 365 with IIJ」が選択肢です。Microsoft 365のセキュリティ機能にIIJ独自のフィルタリングを組み合わせ、なりすましメールや標的型攻撃などの受信リスクを抑えます。送信を一定時間保留して宛先の再確認を促すメール取り消し機能で、誤送信対策も行えます。Microsoft 365が利用できない場合も、メールアドレスやメールクライアントの設定はそのままで送受信を継続できます。メールアーカイブなどのオプションもあります。
xgate4
- 「快適」かつ「安全」な利用 メール環境を導入したい企業
- マルチブラウザ、キャリア対応
- 使いなれたわかりやすいユーザーインター フェース
メールサーバーとあわせてWebメールを見直したい場合は、株式会社オレンジソフトが提供する「xgate4」が選択肢です。PCやスマートフォン、携帯電話から利用できるWebメールで、Microsoft Exchange 5.5以上などPOP・IMAPに対応したメールサーバーで使えます。全文検索エンジンでメールボックス全体を素早く検索でき、個人アドレス帳と共有アドレス帳を使い分けられます。添付忘れの検出や宛先確認のポップアップ、一定件数以上の宛先のBcc化といった誤送信対策も備えています。
CyberMail (サイバーソリューションズ株式会社)
- 日本企業独自のニーズに応える豊富な機能
- 月額250円~の低コスト高セキュリティ。
- 国内DC稼働、稼働率99.991%
Gmail (グーグル・クラウド・ジャパン合同会社)
- 99.9%迷惑メールブロックと安全なメール環境
- 15GBの無料ストレージで写真やファイルを保存
- Google Workspaceで独自ドメインのメール利用可
Microsoft Exchange (日本マイクロソフト株式会社)
- メール、予定表、連絡先、タスク管理を一元化で円滑に業務連携
- クラウド版は自動更新・セキュリティ対応、最新機能利用可。
- オンプレミス版にも対応。自社サーバ運用や既存システム連携も
AmazonWorkMail (アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)
- 社内ディレクトリと統合可能
- Eメールジャーナリングによるコンプライアンス準拠
- 暗号化キーとデータ保存場所を管理
@Securemail Plus Webmail (株式会社ケイティケイソリューションズ)
- 受信ファイルに潜む危険を排除するセキュリティ機能
- 宛先確認やメールアドレス数チェックで誤送信防止
- フィーチャーフォンにも対応
まとめ
クラウドメールサービスの乗り換えでは、アカウントや共有アドレス、過去メールを先に用意することが重要です。DNSは、TTLの短縮、MXレコードの変更、SPF・DKIM・DMARCの更新の順で切り替えます。端末の設定変更は手順書と問い合わせ窓口を用意して進め、電子帳簿保存法に関わるメールの保存方法も確認しましょう。自動送信のメールまで確かめてから旧サービスを解約すると安心です。移行の支援範囲は、資料請求でクラウドメールを比べてみてください。

