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受託開発とは?メリット・デメリットやほかの開発手法との違いをわかりやすく解説

2025年01月23日 最終更新

受託開発とは?メリット・デメリットやほかの開発手法との違いをわかりやすく解説

システム開発を外部に委託するといっても、その方法はさまざまです。特に受託開発は、自社にとって最適な選択肢なのか、どの企業に依頼すべきかを悩む企業も多いでしょう。

この記事では、受託開発の基本知識からメリット・デメリット、導入の流れまで詳しく解説します。さらに、受託開発が適している企業の特徴や、ほかの開発手法との違いについても紹介しているので、自社に最適な開発方法を見つける際の参考にしてください。

この記事は2025年1月時点の情報に基づいて編集しています。
目次

    受託開発とは

    受託開発とは、システムやソフトウェアの開発業務を、専門的な知識や技術をもつ外部の企業に委託する開発手法です。主な事例として、ECサイトの構築、業務管理システムの開発、スマホアプリの開発などが挙げられます。受託開発では、まずクライアントの要望を丁寧にヒアリングし、詳細な仕様を決定した後、設計・開発・テスト・実装・納品までを受託開発会社が一貫して担当します。

    受託開発とSESの違い

    受託開発と似た契約形態に、「SES(システムエンジニアリングサービス)」があります。SESは、企業が必要とするITエンジニアを一定期間、業務委託契約(準委任契約)にもとづいて提供するサービスです。それぞれの違いを以下の表にまとめました。

    特徴受託開発SES
    契約形態請負契約(成果物ベース)準委任契約(工数ベース)
    報酬の支払い完成品の納品後作業時間に応じて
    開発責任受託開発会社が負う依頼者が負う
    納品物システムやソフトウェア開発支援や技術提供

    受託開発とSESでは、契約形態や報酬の支払い方法、開発責任の所在が大きく異なります。開発を依頼する際には、自社のニーズにあった契約形態を選ぶことが重要です。

    受託開発を行うメリット

    受託開発には、自社で開発チームを組織するよりも、多くのメリットが期待できます。

    専門知識をもつプロによる高品質な開発

    受託開発会社には、多様な業界のプロジェクトを手掛けてきた熟練エンジニアが在籍しています。技術的な課題に対して、豊富な知識と経験をもつ専門家が迅速かつ的確に対応します。

    また、最新のプログラミング言語やフレームワークを活用し、安定性や拡張性の高いシステムが提供されるため、安心してプロジェクトを任せられます。

    業務に完全に適合したオーダーメイドのシステム構築

    受託開発では、業務プロセスに沿った完全オーダーメイドのシステムを構築できます。既存のパッケージソフトでは対応できない細かい業務要件や独自のフローにあわせた柔軟なカスタマイズが可能です。

    例えば、製造業の生産管理や物流業の配送最適化など、業界特有の課題に対応する機能を盛り込むことで、業務効率化と競争力向上を実現できます。

    人材採用や育成のコストを削減し効率的に運用

    受託開発は、プロジェクト単位での契約が可能なため、長期的な人材採用や育成にかかるコストを大幅に削減できます。また、必要なタイミングで専門スキルをもつエンジニアを確保し、迅速かつ柔軟な開発を進められます。

    特に、IT人材が不足している中小企業にとって、短期間で経験豊富なエンジニアチームを確保できる点は大きなメリットです。無駄なコストを抑えつつ、自社の要件に最適なシステム開発を効率的に進められます。

    最新技術やノウハウの導入による競争力の向上

    受託開発会社は、クラウドやAI、IoTなどの最新技術の動向を常にキャッチアップしています。業界のベストプラクティスを熟知しているため、自社だけでは導入が難しい先進技術をシステムに組み込めます。

    また、これまでの開発経験から得たノウハウを活かし、開発の最適なアプローチの提案も可能です。技術的なリスクを最小限に抑えつつ、競争力の高いシステムを構築できます。

    受託開発を行うデメリット

    多くのメリットがある一方で、受託開発には注意すべき点も存在します。

    大規模開発における初期費用

    受託開発では、特に大規模プロジェクトにおいて初期段階のコストが高額になることがあります。要件定義や設計の段階で、細部にわたるヒアリングや仕様調整が必要となるため、思った以上の費用が発生するケースもあります。

    開発開始後の手戻りを防ぐためにも、複数の企業から見積もりを取得し、費用の内訳やスケジュールを慎重に検討しましょう。

    コミュニケーション不足によるトラブル

    発注者と受託企業の間で十分なコミュニケーションが取れないと、仕様の認識違いや納期の遅延などの問題が発生する可能性があります。特に、メールやチャットのみのやり取りでは情報が不足しやすく、細かい仕様の誤解が生じる可能性があります。

    そのため、対面やオンラインミーティングを定期的に行い、プロジェクト進行の透明性を確保することが重要です。また、タスク管理ツールを活用し、リアルタイムで状況を把握できる体制を整えるのも有効です。

    情報漏えいのリスク

    受託開発では、開発会社に対して業務データや顧客情報などの機密情報を共有する必要があります。そのため、適切なセキュリティ対策が取られていない場合、情報漏えいや不正利用のリスクが高まります。

    秘密保持契約(NDA)の締結に加え、開発会社のセキュリティ体制や過去の実績を十分に確認することが不可欠です。アクセス管理やデータ暗号化など、具体的な対策を講じているかも事前に確認しましょう。

    外部依存による計画の遅延

    受託開発では、開発スケジュールが受託会社の進捗状況に大きく依存するため、予期せぬ遅延が発生するリスクがあります。例えば、リソースの不足や追加要件の発生により、納期がずれ込むケースもあります。

    この問題を防ぐためには、プロジェクトの初期段階で明確なマイルストーンを設定し、定期的な進捗確認を行うことが重要です。また、スケジュールに余裕をもたせることで、計画通りの進行をサポートできます。

    受託開発とほかの開発手法との違い

    システム開発には、受託開発以外にも、自社の状況やニーズに応じたさまざまな手法があります。ここでは、代表的な開発手法である「自社開発」「パッケージ導入」「クラウド型サービス(SaaS)」の特徴を比較し、どの手法が適しているかを解説します。

    ■自社開発
    自社内にITチームがあり、長期的にシステムを維持・改善したい場合に適している。自社独自のシステム開発が可能で、セキュリティや運用面での柔軟性が高い。一方、開発スピードや最新技術の導入が難しく、人材確保や教育コストが発生する。
    ■パッケージ導入
    短期間で業務改善を実現したい場合や、業務の多くが汎用的な機能でカバーできる場合に最適。導入コストが比較的低く、すぐに利用を開始できる。しかし、柔軟なカスタマイズが難しく、独自の業務フローに完全に適応させるのは困難。
    ■クラウド型サービス(SaaS)
    コストを抑えて迅速に導入したい場合や、継続的な機能アップデートを求める場合に適している。初期投資が少なく、どこからでもアクセス可能だが、カスタマイズ性に制限があり自社の業務に完全に適合しない場合がある。

    受託開発が適している企業

    受託開発は、特定の業務ニーズに応じたシステムを柔軟に構築できるため、さまざまな企業にとって有効な選択肢です。ここでは、受託開発の活用が特におすすめの企業タイプを具体例とともに解説します。

    他社との差別化を図りたい企業

    競争が激しい市場では、汎用的なシステムでは差別化が難しく、自社独自のビジネスモデルに対応したシステムが求められます。受託開発を活用することで、特定のニーズに適したオリジナル機能を実装し、競争優位性を確保できます。

    対象企業具体例
    ECサイト運営会社購入履歴に応じたポイント付与など、独自のロイヤルティプログラムを導入し、顧客のリピート率を向上させる。
    飲食業界AIを活用して顧客の食事履歴や好みを分析し、パーソナライズされたレコメンド機能を備えた予約システムを開発。

    業務が特殊で汎用ソフトがあわない企業

    製造業や物流業などの業界では、業務プロセスが非常に複雑で、一般的なソフトウェアでは対応しきれないケースが多くあります。受託開発なら、業界特有のフローに最適化したシステムを導入し、業務効率の向上が期待できます。

    対象企業具体例
    製造業生産ラインごとに異なる品質管理や在庫管理を効率化するため、リアルタイム連携が可能な生産管理システムを開発。
    物流業地域ごとに異なる配送ルートや積載計画を最適化し、コスト削減と配送効率向上を実現するシステムを構築。

    社内リソースが不足している企業

    中小企業やスタートアップでは、ITエンジニアの確保が難しく、最新技術の導入に苦戦するケースが多くあります。受託開発を活用すれば、専門知識をもつエンジニアのサポートを受けつつ、採用や教育コストを抑えられます。

    対象企業具体例
    スタートアップ迅速な市場投入を目指し、限られた社内リソースをコア業務に集中させるため、受託開発会社にシステム構築を依頼。
    中小企業社内にIT専門スタッフがいないため、受託開発を利用してデジタルトランスフォーメーションを推進し、業務の効率化を図る。

    以下の記事では、受託開発の費用感やおすすめの受託開発会社、選び方について詳しくわかりやすく解説しています。

    関連記事 受託開発会社を徹底比較!料金相場や選び方も解説

    受託開発の具体的な流れ

    受託開発は、一般的に以下のステップで進められます。導入準備が非常に重要なため、複数社へ資料請求を行い自社にあうパートナーを探しましょう。

    ■導入準備
    社内での開発ニーズを整理し、目標や期待する成果を明確にする段階。予算やスケジュールの目安を決め、最適な開発パートナーを選定する。
    ■要件定義
    依頼者と開発会社が、システムの目的や必要な機能、仕様、納期、予算などを明確にする。両者の認識をすり合わせ、要件のズレを防ぐことが重要。
    ■設計
    要件定義にもとづいて、システム全体の構造(アーキテクチャ設計)、データベース設計、画面デザイン、API設計などを行う。ここでの設計精度が、開発のスムーズな進行を左右する。
    ■開発
    設計にもとづき、プログラミング言語やフレームワークを用いて実装する。フロントエンド・バックエンドの開発、データ連携、インフラ設定などが含まれる。
    ■テスト
    開発されたシステムが要件を満たしているか、バグがないかをテストする。単体テスト、結合テスト、ユーザー受け入れテスト(UAT)など、段階的に実施して品質を確保。
    ■運用サポート
    システムの運用開始後、定期的なメンテナンスや障害対応、機能改善などのサポートを提供する。安定した運用を維持するために、長期的なサポート契約を結ぶケースもある。

    まとめ

    受託開発は、自社の業務に最適なシステムを構築し、業務効率の向上や競争力の強化を実現する有効な手段です。ただし、外部の開発会社に依頼するため、コミュニケーションの円滑化や契約内容の明確化が重要です。プロジェクトを成功させるためには、事前に要件を明確に定義し、進行管理を徹底することが不可欠です。

    受託開発を検討する際は、まず信頼できる開発会社から資料を請求し、費用や対応範囲を比較したうえで、自社に最適なパートナーを選定しましょう。

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