サイバー攻撃対策とは何かを解説
まずはサイバー攻撃対策の基本的な定義と、混同されやすい情報セキュリティ対策との違いを整理します。用語の意味を正しく理解することで、自社に必要な取り組みを具体的に検討しやすくなります。
サイバー攻撃対策の定義と目的
サイバー攻撃対策とは、コンピュータやネットワークに対する不正な侵入、データの窃取、システムの破壊などを未然に防ぐための取り組み全般を指します。目的は情報資産を守るだけでなく、事業継続の基盤を維持することにあります。
具体的には、ファイアウォールや不正侵入検知システムの導入といった技術的な対策に加え、従業員教育や社内規程の整備といった組織的な対策も含まれます。技術と運用の両輪で取り組む姿勢が重要です。片方だけを強化しても、もう一方に隙が残っていれば被害を防ぎきれない場合があるため、全体を俯瞰した計画が求められます。
情報セキュリティ対策との違い
情報セキュリティ対策は、機密性や完全性、可用性を保つための幅広い取り組みを指す概念です。サイバー攻撃対策はそのうち、外部や内部からの攻撃行為に的を絞った対策として位置づけられます。
例えば、書類の施錠管理や紙媒体の廃棄ルールは情報セキュリティ対策に含まれますが、サイバー攻撃対策とは区別されます。両者は重なる部分もあるため、自社の課題に応じて対象範囲を整理しておくことが役立ちます。整理を怠ると、対策が重複したり、逆に抜け漏れが生じたりする場合があるため注意しましょう。
サイバー攻撃の主な種類と手口
対策を検討する前に、どのような攻撃が発生する可能性があるかをあらかじめ把握しておくことが重要です。ここでは外部からの侵入を試みる攻撃と、人的要因を狙う攻撃に分けて紹介します。
外部から侵入を試みる攻撃
外部から侵入を試みる攻撃には、ネットワークやシステムの脆弱性を突く手口が多くあります。サーバーやソフトウェアの設定不備、更新の遅れなどが侵入の糸口になる場合があります。
例えば、大量の通信を送りつけてサービスを停止させるDDoS攻撃や、通信経路を乗っ取って情報を盗み見る手口が挙げられます。攻撃元は特定の企業に限らず、無差別に狙われる場合もあるため注意が必要です。加えて、公開されているサーバーの管理情報を不正に書き換え、利用者を偽のサイトへ誘導する手口も確認されており、日頃からの監視が重要です。
内部の人的要因を狙う攻撃
攻撃はシステムの脆弱性だけでなく、従業員の心理的な隙を突く形で行われる場合もあります。不審なメールを開かせて情報を窃取する手口は、技術対策だけでは防ぎきれない側面があります。
特定の組織や個人を狙い、業務に関係する内容を装って接触してくる手口も報告されています。添付ファイルの開封やリンクのクリックを促す文面が使われることが多く、日頃からの注意喚起が有効です。取引先や公的機関を装う事例も報告されているため、送信元の確認を習慣づけることが被害の予防につながります。
サイバー攻撃対策が必要とされる背景
業務のデジタル化が進む中で、サイバー攻撃対策の重要性は高まっています。ここでは背景となる環境の変化と、被害が発生した場合の影響について整理します。
業務のデジタル化に伴うリスク拡大
クラウドサービスの利用やテレワークの普及により、社外から社内システムへアクセスする機会が増えています。接続経路が広がることで、攻撃を受ける可能性のある範囲も拡大している状況です。
取引先や委託先とのデータ連携が増えたことも一因です。自社のシステムだけでなく、連携先を経由した侵入経路が生まれる場合もあり、関係する組織全体での対策が求められます。加えて、個人が業務でスマートフォンやタブレットを利用する機会も増えており、端末の管理方法にも配慮が必要です。
被害が及ぼす経営への影響
サイバー攻撃による被害は、情報の流出やシステム停止にとどまらず、取引先からの信頼低下や事業機会の損失につながる可能性があります。復旧に伴う費用や人的な負担も無視できません。
被害の内容によっては、関係者への説明や再発防止の対応に一定の時間を要する場合があります。平時から備えておくことで、被害発生後の対応をスムーズに進めやすくなります。加えて、被害の状況を正確に把握できていないと、対応の初動が遅れ、影響がさらに広がる可能性もあります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でサイバー攻撃対策製品の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
サイバー攻撃対策の主な手法
サイバー攻撃対策は、技術的な仕組みによるものと、組織の運用によるものに大きく分けられます。両方をバランスよく組み合わせることが、対策全体の実効性を高める重要なポイントです。
技術的対策
技術的対策には、ファイアウォールやウイルス対策ソフトの導入、通信の暗号化、アクセス権限の管理などが含まれます。システムやソフトウェアを常に最新の状態に保つことも基本的な取り組みの一つです。
脆弱性を突いた攻撃を防ぐには、既知の弱点を突く手口への備えが役立ちます。例えば、プログラムが想定を超えるデータを受け取った際に生じる不具合を利用した侵入手口も報告されており、定期的な点検が有効です。運用中のシステムであっても、脆弱性の情報が公開された際は速やかに修正を適用する体制を整えておくことが望まれます。
人的・組織的対策
技術的対策だけでは防ぎきれない攻撃に備えるため、従業員向けの教育や社内ルールの整備も欠かせません。不審なメールへの対応方法を周知することで、被害を未然に防げる場合があります。
対策を進める際は、自社の課題に合った製品やサービスを選ぶことも重要です。機能や運用方法は製品によって異なるため、複数の情報を比較しながら検討する進め方が役立ちます。導入後の運用体制まで見据えて選ぶことで、現場に定着しやすくなります。
サイバー攻撃対策を進める際の注意点
対策を導入する際は、目的や範囲を明確にした上で、継続的に見直す姿勢が求められます。ここでは実務で意識しておきたい2つの観点を紹介します。
対策範囲を明確にすること
対策を検討する際は、守るべき情報資産の範囲や優先順位をあらかじめ整理しておくことが大切です。範囲が曖昧なまま導入を進めると、必要な部分に対策が及ばない場合があります。
対策には一定の費用や人的リソースがかかるため、限られた予算の中で優先度を判断する必要があります。全ての領域に均等に投資するのではなく、影響度の大きい部分から着手する進め方が現実的です。費用対効果を関係者に説明できる形で整理しておくと、社内での合意形成も進めやすくなります。
継続的な見直しを行うこと
攻撃の手口は時間の経過とともに変化するため、一度導入した対策をそのままにせず、定期的に見直すことが重要です。運用状況を確認し、必要に応じて更新する体制を整えておきましょう。
見直しの際は、社内での訓練やインシデント対応の手順確認もあわせて行うと効果的です。実際に手を動かして確認することで、いざという場面での対応力を高めやすくなります。訓練の結果を記録し、次回の見直しに反映させる仕組みを整えておくと、改善を積み重ねやすくなります。
サイバー攻撃対策に役立つ製品・サービス例
ここでは、外部からの不正アクセスやマルウェア感染への技術的対策、および攻撃動向の把握に活用できる製品・サービスを紹介します。自社の対策方針を検討する際の参考にしてください。
攻撃遮断くん
- Webサイト改ざんや情報漏えい被害をブロック!
- 技術者不要で”かんたん”運用!
- 導入社数国内No.1の国産クラウドWAF
株式会社サイバーセキュリティクラウドが提供する「攻撃遮断くん」は、Webアプリケーションへの外部からの不正アクセスを防ぐクラウド型のWAF(Web Application Firewall)です。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングといった代表的な攻撃パターンを検知し、通信を遮断する仕組みを備えています。専用機器の設置が不要なクラウド型のため、既存のWebサイトやシステムに比較的導入しやすく、シグネチャの更新など運用面のサポート体制も用意されています。企業のWebサイトやWebサービスを外部からの攻撃から守る対策の一つとして活用できます。
Cloudbric WAF+
- WAF+DDoS攻撃遮断+API保護+ボット対策+Malicious IP遮断
- 専門家でなくても使える直感的な専用コンソール
- 24時間365日安心の監視体制と専門家による手厚いサポート
ペンタセキュリティ株式会社が提供する「Cloudbric WAF+」は、WAFによる不正通信の遮断に加え、DDoS攻撃対策やSSL証明書の発行機能などを一つにまとめたクラウド型のセキュリティサービスです。Webアプリケーションへの攻撃だけでなく、大量の通信を送りつけてサービスを停止させる攻撃への備えも同時に検討できる点が特徴です。管理画面から複数の機能をまとめて確認・設定できるため、限られた人員体制でもWebサイトのセキュリティ対策を運用しやすい構成になっています。
AppGuard
- 定義ファイル不要の「OSプロテクト型」
- 未知・既知を問わず、高度なサイバー攻撃による侵害を未然に防止
- 端末に対して悪いコトをさせず、「攻撃の無効化」を実現
DAIKO XTECH株式会社が提供する「AppGuard」は、端末内でのプログラムの不正な挙動を未然に防ぐことを目的としたエンドポイント向けのセキュリティ製品です。ウイルス定義ファイルの照合に頼らず、不正なプログラムが重要な領域に影響を及ぼす動作そのものを制限する仕組みを採用しており、未知のマルウェアによる被害の抑制を狙う対策として利用されています。従業員が利用するパソコンなど、社内の端末を保護する目的で導入が検討される製品です。
セキュアエンドポイントサービス(Va)
- 高い精度のスキャンにより、アプリの脆弱性把握や対処が可能
- オンプレやリモート環境など、パソコンの動作状況をすべて把握
- 重大なインシデント発生時は対象パソコンを自動で隔離し能動通知
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「セキュアエンドポイントサービス(Va)」は、社内で利用するパソコンやサーバーなどの端末を対象としたエンドポイントセキュリティサービスです。不正な通信やマルウェアの侵入を検知・防御する機能を備え、端末単位でのセキュリティ状況を把握しやすくする仕組みが用意されています。テレワークの普及などにより社外から社内システムへアクセスする機会が増える中、端末側の防御を強化したい企業の対策手段として活用できます。
Digital Attack Map (グーグル合同会社)
- 世界のDDoS攻撃を可視化して表示
- 匿名データを活用し、攻撃トラフィックを分析。
- 日別傾向や過去データの確認が可能
IBM X-Force Exchange (International Business Machines Corporation)
- 脅威情報を集約し、調査・分析を支援。
- 専門家同士で情報共有や連携が可能
- 最新のセキュリティ脅威の把握をサポート。
NICTERWEB (国立研究開発法人 情報通信研究機構)
- ダークネット観測データから攻撃動向を公開。
- AI書類作成は情報保護と運用ルールの整備が不可欠。
- 統計グラフやランキングで攻撃傾向を可視化。
サイバー攻撃対策とは何かに関するFAQ
サイバー攻撃対策について、よくある質問と回答をまとめました。基本的な内容を確認する際の参考にしてください。
- Q1:サイバー攻撃対策はどこから始めればよいですか?
- まずは自社が保有する情報資産を洗い出し、優先的に守るべき範囲を整理することから始めます。その上で、技術的対策と人的・組織的対策の両面から必要な取り組みを検討する進め方が有効です。
- Q2:中小規模の組織でも対策は必要ですか?
- 組織の規模にかかわらず、業務でネットワークやシステムを利用している場合は対策を検討する意義があります。取引先との連携がある場合、自社の対策状況が関係先にも影響する可能性があるため、規模の大小を問わず備えを検討しておくことが望まれます。
- Q3:対策を導入すれば被害を完全に防げますか?
- 技術的対策を導入しても、被害の可能性をゼロにすることは難しいとされています。そのため、被害の発生を前提とした早期発見や復旧の体制もあわせて整えておくことが役立ちます。
まとめ
サイバー攻撃対策とは、技術的な仕組みと組織的な運用の両面から、不正アクセスや情報流出などの被害を防ぐための取り組みです。攻撃の手口や自社の課題に応じて、対策範囲を整理し継続的に見直すことが重要です。基本的な考え方を踏まえた上で、自社の状況に合った具体的な手法を無理のない範囲から検討を進めましょう。

