EAIの仕組み

EAIはさまざまなシステムのデータを連携し、データ活用をしやすくします。これはどんな仕組みによって可能となるのでしょうか。
- EAIの仕組み・機能
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- ●インタフェースを提供する「アダプタ機能」
- ●形式や違いを変換する「フォーマット変換機能」
- ●データを振り分ける「ルーティング(フロープロセッサ)機能」
- ●データの流れを結合する「プロセス制御(ワークフロー)機能」
これらの機能があることで、EAIの仕組みが成り立ちます。以下で詳しく解説していきます。
インタフェースを提供する「アダプタ機能」
EAIが普及する前の企業では、業務システム間の連携をスムーズにできませんでしたが、EAIの「アダプタ機能」によって可能となりました。アダプタが、それぞれのシステムの接続口となって、複数のシステムを連携させるのです。
アダプタは、接続先のシステムやデータベースによって異なります。EAIでは、アダプタの種類の豊富さが製品比較のポイントになります。ERPやCRMなど、接続したいシステムが対応しているか確認してください。アダプタが対応しておらず、自前で用意しなければならなくなると、導入後の思わぬコスト増になりますので注意しましょう。
形式や違いを変換する「フォーマット変換機能」
インタフェースとなるアダプタからデータを受け取って、その形式を変換するのが「フォーマット変換機能」です。EAIの核となる機能です。
CIIやUN/EDIFACT、ANSI X.12など国内外のさまざまなEDI標準、各種RDBやXML、SAP IDoc、フラットファイルに及ぶまで、各システムにはさまざまなデータ形式やプロトコルが使われています。接続するシステムごとにデータ形式やプロトコルが異なるため、EAIではフォーマット変換するエンジンを提供しているのです。
アダプタ同様、どれだけ多くの変換に対応しているかが、EAI選定のポイントになります。同時に、重要となるのがフォーマット変換するエンジンの性能です。そのパフォーマンスは、データ連携の処理速度に大きく影響します。選定においては、十分なパフォーマンスを確保できるかの確認が、不可欠となります。
データを振り分ける「ルーティング(フロープロセッサ)機能」
フォーマット変換し出力されたデータを、目的とするシステムに自動で振り分けるのが、「ルーティング(フロープロセッサ)機能」です。
この工程はシステム連携作業の要であるため、振り分け先をいかに簡単に指定できるかがポイントです。なお、製品の多くはGUIによってこの機能を提供しています。EAIツール全体の使いやすさにも影響してくるので、実際にデモなどで使い勝手を確認しておくと良いでしょう。
データの流れを結合する「プロセス制御(ワークフロー)機能」
「アダプタ」「フォーマット変換機能」「フロープロセッサ(ルーティング)」を統合して、一つのシステムとして完成させるのが「プロセス制御(ワークフロー)機能」です。
プロセス制御(ワークフロー)機能は「AシステムからBシステムへ」というシンプルな流れをまとめたものから、「AシステムとBシステムのデータをCシステムに連携させて、得られたデータをDシステムに連携する」というような、多層的なデータの流れも自動化します。この設定には、システムの知識はもちろん、業務の流れを熟知していることも必要です。
しかし、この工程をノンプログラミングで行えるシステムは数多くあります。実際に操作して確認しましょう。
EAIツールを用いて、散在したデータを有効活用しましょう
複数システムのデータ連携を実現するEAI。製品を比較検討する際は、それぞれの性能に注目しましょう。なお、以下の記事ではEAIツールの人気製品の比較やETLとの違いについて解説しています。ぜひ参考にしてください。