EAIとETLを比較!違いは?
まず、勘違いしやすいEAIとETLの違いを正しく理解しておきましょう。自社にとって、EAIツールが最適なのか判断する参考にしてください。
EAIとは
EAIとは、Enterprise application integrationの略で、企業内の各システムに点在するデータを連携することを指します。EAIツールはデータ連携を簡単にできるようにしたシステムです。
従来はシステムごとにデータ連携機能を開発しなければなりませんでしたが、EAIツールはさまざまなシステムの接続口となるため、開発の手間を省けます。
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ETLとは
ETLとは、Extract/Transform/Loadの頭文字を取った言葉で、それぞれ以下のような意味です。
- ■Extract:抽出。顧客管理など基幹システムやサーバからデータを抽出する
- ■Transform:変換。抽出したデータをDWHに格納しやすいように形式変換する
- ■Load:読み込み。形式変換したデータをDWHに読み込ませます。
ETLツールは、異なるシステムに格納されているデータを抽出し、分析しやすい形に変換・加工して、DWHに集約するためのシステムです。
「データを1か所にまとめて二次利用したい」という場合はETLツールが適していますが、「システム間のデータを連携をスムーズに行いたい」ならEAIツールが最適です。
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効果は?EAIツール活用のメリット・デメリット
EAIツールを導入する前に、メリット・デメリットも確認しておきましょう。
- EAI活用のメリット
-
- ■複雑だったデータ連携作業が簡略化する
- ■データ連携作業のミスがなくなる
- ■開発にかかっていたコストを削減できる
- EAI活用のデメリット
-
- ■EAIツール導入にコストがかかる
- ■バッチ指向の処理が得意ではない
EAIツールを使えば、ノンプログラミングでデータ連携が可能になります。直感的な操作で使えるものがほとんどで、誰でも簡単にデータ連携作業ができるのです。そのため、開発のために必要だった技術者やその教育、人件費が不要になり、コスト削減にもつながるでしょう。
デメリットとしてEAIツールの導入コストがかかるとしましたが、最近はクラウド型EAIツールによって初期費用を抑えられます。データ同士をつなぐことに関してはEAIツールが適していますので、自社の要件に合わせて導入しましょう。
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導入前に知っておきたい!EAIツールの選び方
ひとくちにEAIツールといっても、種類はさまざまです。導入に失敗しないために、EAIツールの選び方を確認しておきましょう。
連携先が豊富か
EAIツールはアダプタという接続口で各システム・アプリケーションをつなぎ、そこからデータを連携させます。このアダプタの種類が豊富だと、接続できるシステム・アプリケーションの種類も増えていきます。逆にいえば、アダプタの種類が少なければ、活用範囲が限定的なEAIツールになってしまいます。
製品比較する際は、種類豊富なアダプタを搭載していることはもちろん、「自社が接続したいシステム・アプリケーションに対応しているのか」を確認しましょう。また、クラウドを利用する機会が増えていますので、クラウドサービスと連携できることも重要なポイントです。
操作が容易か
ほとんどのEAIツールはノンプラミングでデータ連携が可能で、操作性に優れています。しかし、実際現場で使ってみると上手く使いこなせなかったという失敗例もあります。せっかく導入しても、技術者しか使えないのであれば効率が良くなりません。
ツールの中にはデモで操作感を確かめられるものもあるため、導入前に現場で試してみると良いでしょう。また、GUI画面上で、システム間のデータ連携状況を確認できますが、その画面の視認性も確認してください。
運用がスムーズか
自社のデータ量、トランザクションに応じた処理能力があるか確認しましょう。データを高速伝送できる処理能力があれば、リアルタイムでのデータ連携が可能です。各システム・アプリケーションの仕様変更に柔軟な対応ができます。
加えて、データ連携状況を常に監視できるEAIツールだと安心です。障害となるポイントを排除するEAIツールもありますので、比較検討しましょう。
EAIツールを比較!おすすめ製品6選
ITトレンド編集部がおすすめするEAIツールを6つご紹介します。比較検討して、最適なEAIツールを見つけましょう。
Magic xpi Integration Platform
Magic xpi Integration Platform の比較ポイント
- ノン・コーディングでシステム連携が可能
- 66種・500機能以上の豊富なアダプター群によるリアルタイム連携
- インメモリー・データグリッド技術で拡張性と冗長性を実現
マジックソフトウェア・ジャパン株式会社が提供する「Magic xpi Integration Platform」は、66種・500機能以上のアダプタを搭載しています。そのため大半のシステムでデータ連携が可能です。アダプタを貼る、プロパティを選ぶ、マッピングで線を引く、という単純作業で、データ連携のフローが簡略化されます。
また、トランザクション・メッセージの監視機能、モニタリング機能により、リアルタイムで安全なデータ連携が可能です。拡張性と冗長性が高く、単一障害ポイントを排除し、スムーズな運用を実現します。
Qanat2.0 の比較ポイント
- 複数サーバのデータを連携・統合して有効活用
- 処理アイコンを設定するだけの直観的で分かりやすい簡単操作
- 自動化で運用管理を軽減し、ノンプログラミングで情報連携を実現
JBアドバンスト・テクノロジー株式会社が提供する「Qanat2.0」は、クラウドやオンプレミスに関係なくさまざまなデータ連携が容易になります。基幹システムとクラウドを簡単に連携する、kintone/SalesForceアダプタも搭載しています。アイコンと線で結ぶだけで、簡単にデータ変換が可能です。
業務の自動化を実現するスケジューリング機能も搭載。グループ管理やアクセス制限で、セキュリティも強化します。ETLツールとしても使える便利なツールです。
データ集配信ミドルウェア「NISMAIL」 の比較ポイント
- 安心・確実・低コストなデータ集配信が可能
- クラウド、オンプレミス双方とも簡単にインストール・設定可能
- 簡単な設定で自動連携が可能
NECソリューションイノベータ株式会社が提供する「NISMAIL」は、低コストで確実なデータ連携を可能にします。フォルダ作成し、連携先を指定するだけなので、知識がなくてもデータ連携が可能です。
データ転送後の処理も自動化し、送信側・受信側のファイルサイズを確認するのでデータの欠落がありません。フォルダ・ファイル単位で連携状況の確認が可能です。
ASTERIA Warp Core の比較ポイント
- データ連携で作業時間が半分に!
- 月額30,000円からのEAIで始める業務改善
- データ連携が”よりカンタン”で、”より使いやすく“進化
株式会社アイ・エス・アイソフトウェアーが提供する「ASTERIA Warp Core」は、ファイル連携や、Webからの自動データ取得に特化したシンプルな設計です。TwitterやGoogleAnalyticsなどと連携できるアダプタを搭載。ASTERIA Warpから必要な機能だけをピックアップしているので、操作が簡単です。
スケジュールに合わせて、自動でデータ処理することもできます。また、オンライン更新により、常に最新のセキュリティを維持します。
Boomi の比較ポイント
- 短い時間でかんたんにアプリケーションを統合
- APIの設計や管理も可能
- マスター・データ・ハブによってデータの同期と品質改善も実現
デル株式会社が提供する「Boomi」は、APIの設計、保護、拡張が可能です。さまざまなシステムやアプリケーションのデータ統合をドラッグ&ドロップで簡単にでき、ETLツールとしても機能します。
リアルタイムで、連携したデータの双方同期を行い、データスチュワードによるサポートがあります。データのモデリングなどの品質を改善したい企業にぴったりです。
ASTERIA Warp の比較ポイント
- 国内8,000社以上の導入実績と13年連続国内シェアNo.1連携ツール
- ノーコード簡単連携で高速開発を実現
- 豊富な接続先で拡張性も抜群!クラウドとの連携機能も充実!
アステリア株式会社が提供する「ASTERIA Warp」は、8,000社以上で導入され、幅広い業種で活躍しています。データベースやグループウェア、クラウドサービス、会計ソフトなど、接続先が豊富です。
アイコンをドラッグ&ドロップし、プロパティを設定するだけで連携可能です。視認性に優れ、使いやすさに定評があります。
まだまだある!おすすめEAIツール2選
先ほど紹介した製品以外にも、人気のEAIツールがありますので、2つご紹介します。
DataSpider Servista
株式会社 セゾン情報システムズが提供する「DataSpider Servista」は、クラウドサービスとの親和性が高いデータ連携ツールです。アダプタが豊富で、13個のアイコンをドラッグ&ドロップするだけで簡単に操作できます。また、パラレルストリーミング機能により、データ処理のプロセスを分割し、高速処理を実現します。
ConnectPlusGT
クレスコ・イー・ソリューション株式会社が提供する「ConnectPlusGT」は、SAP ERPのユーザー向けのEAIツールです。DBアダプタ、FTPアダプタを搭載し、社内外のシステムとSAP ERPのデータをつなぎます。ドラッグ&ドロップでの操作なのでノンプログラミングでデータ連携が可能です。
使いやすくベンダーサポートがあるEAIツールの導入を!
データ連携ツールにはEAI・ETLがありますが、「データ同士をつなぐ」ことに特化しているのはEAIツールです。まずは導入前に、EAIツールが自社にとって最適であるかどうかを検討しましょう。その次に、種類豊富なEAIツールから実用性のあるものを選ぶため、以下の点に注目してください。
- ■連携先が豊富か
- ■操作が容易か
- ■運用がスムーズか
EAIツールを使いこなして、データを有効活用しましょう。