パルスサーベイとは
パルスサーベイとは、従業員の満足度調査の方法です。パルスとは脈拍を意味する言葉であり、従業員の満足度を定期的・継続的にチェックします。チェック内容や頻度については、以下のような特徴があります。
- ・一般的な調査方法と異なり、毎週・毎月といった短いサイクルで実施する
- ・所要時間は5分ほど(5問から10問ほどの設問)で、短時間で終了できる内容
パルスサーベイは、リアルタイムに従業員の状態を把握でき、定点観測することで、実施した施策の影響や変化を記録が可能です。実施回数が多いため従業員のストレスになりやすいですが、コスト効率がよいなどのメリットもあります。
また頻繁に行われるパルスサーベイに対して、年に1回行われる社員調査は「センサス」と呼ばれ、多くの場合時間をかけて行われます。
パルスサーベイを実施する目的
つづいて、パルスサーベイを実施する目的を解説します。
エンゲージメントの向上
従業員のエンゲージメントとは、会社の方針や経営戦略を従業員に共有し、企業と従業員との間で信頼関係を築くことを意味します。
パルスサーベイを行えば、匿名性を保持しながら従業員の意見を収集して現場に反映可能です。会社側は従業員の意見を把握でき、従業員側は不満などを伝えられるでしょう。結果として従業員のエンゲージメントが高まるため、社内の生産性が向上します。
定期的な従業員満足度の計測
パルスサーベイでは、定期的にリアルタイムな従業員満足度や課題を把握できます。
従業員の不満が高まり、深刻な状態になる前に対策を講じることが可能です。またパルスサーベイでは、1回あたりの調査が短時間で完了します。現場で起きているトラブルをいち早く発見し、対応できるでしょう。
また従業員の意識は業務の内容や業績、忙しさによって大きく変わるので、センサスだけでは対応しきれません。定期的に従業員満足度を計測することで、迅速にフォローできます。
調査費用の削減
従業員に向けた一般的な調査を外注すると、数十万円から数百万円の費用が発生します。内製化した場合でも、準備・実施・分析など、改善までのプロセスに時間がかかるケースがあります。
パルスサーベイの場合、外注することなく自社で簡単に準備でき、質問項目が少なく回収率も高いので、精度が高く効果的な調査ができます。比較的コストパフォーマンスが高い手法であるため、人材不足が深刻な中小企業で導入が増えています。
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パルスサーベイのデメリットとは
先述したようにパルスサーベイは、従業員満足度をリアルタイムに調査できたり、エンゲージメントを向上させたりするメリットがあります。しかし従業員側・運営側ともに負担がかかり、「意味のないものだ」と感じる人も少なくありません。ここでは、パルスサーベイのデメリットについて、解説します。
回答頻度が多いため従業員の負担になる
パルスサーベイは毎週・毎月などの短いサイクルで実施されるため、回答する社員側には手間がかかります。調査に対してストレスを感じればモチベーションが下がり、不信感が生まれるでしょう。設問の個数は、5個から多くても10個ほどに留めることが大切です。
サイクルが短いため、運営側が追いつかない
運営側は、パルスサーベイを回収したら意見を分析して活用する必要があります。問題点があれば解決策を見出さなければなりません。しかしパルスサーベイは、短いサイクルで実施されるため、運営側の分析~対応までが追いつかないケースがあります。パルスサーベイを回収しただけで解決策に活用できなくては、調査を実施する意味がありません。
パルスサーベイの導入手順
パルスサーベイを実施するにあたり、具体的な手順を解説します。
1.質問項目を定める
まずは、質問項目を設定しましょう。所要時間が5分程度が望ましいため、設問は5問~10問までに収めます。主に以下のような分野において、質問を設定するとよいでしょう。
- ■業務内容
- ・仕事量は適量か
- ・仕事に対してやりがいを感じているか
- ■評価・給与
- ・自分の評価に満足しているか
- ・自分のパフォーマンスに対して正当な給与を支払われているか
- ■人間関係
- ・部署内の人間関係は良好か
- ・トラブル時には、上司・同僚に相談しやすい環境か
- ■健康状態
- ・十分な休養・睡眠が取れているか
- ・メンタル的な不調はないか
2.調査を行う
質問を設定したら、調査を行います。まずはパルスサーベイを行う目的や回答方法などを、従業員に周知する必要があります。また朝の出勤時など、従業員がメールチェックを行う時間帯にサーベイフォームを送付するなどして、回答しやすいよう時間的な配慮が必要でしょう。
さらに調査は会社の都合で実施されるため、従業員にとって不利益になってはいけません。ネガティブな回答をしても、評価に影響しないと知らせることが大切です。匿名性を確保し、従業員に安心して本音で答えてもらえるような工夫をする必要があります。
3.回収し分析する
回答を回収したら、速やかに分析します。問題点を洗い出し、解決策を講じる必要があります。頻度の高い調査のため、回答を分析するのに時間を要する、または追いつかないという場合は、従業員満足度調査(ES調査)サービスなどを利用すれば、作業効率化が図れます。
ITトレンドでは、さまざまな従業員満足度調査(ES調査)サービスを取り扱っています。調査結果の分析効率化に、活用してみてはいかがでしょうか。
パルスサーベイの活用方法
最後に、パルスサーベイの活用方法を見ていきましょう。
新規採用者のオンボーディング
オンボーディングとは、新入社員や異動した社員を職場環境に慣れさせるための教育プログラムです。
新規採用者は不安や期待とのギャップにより、早期退職する可能性があります。パルスサーベイを実施することで、新規採用者の状態を客観的に把握し、適切な対応が可能です。新しい環境に対する社員のストレスを軽減する効果もあるので、現在多くの企業で活用されています。
従業員の簡易的なストレスチェック
従業員のパフォーマンスは、健康状態によって大きく変化します。パルスサーベイを実施すれば、従業員のストレスを簡単にチェックできます。さらにメンタルの不調を迅速に察知できれば、職場状況や健康状態を健全に保つための施策を行えるでしょう。
パルスサーベイの実施で、従業員エンゲージメントを向上!
従業員の不満やメンタルの状態を把握したいときはパルスサーベイを実施しましょう。
パルスサーベイとは週に1回、あるいは月に1度行われるような実施頻度が高い簡易的な調査手法です。効果的に実施すれば従業員満足度の向上や調査費用の削減に繋がります。
特にパルスサーベイを行えば新しい環境に対するストレスを軽減でき、職場の雰囲気の改善が可能です。効果的にパルスサーベイを実施し従業員エンゲージメントを向上させるため、従業員の満足度調査を検討しましょう。