ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■活用したい目的別
- 多職種での情報共有を進めたい:i-MEDIC Plus++、ウェブカルテⅡ、Medicom-CKⅡ、DS KARTE
- 病床稼働などの経営データを把握したい:i-MEDIC Plus++
- 紹介・逆紹介などの地域連携に生かしたい:ウェブカルテⅡ、HOPELifeMark-MX、HOPECloudChartⅡ
- ■データの取り出し方別
- 評価データを集計・出力して確認:Medicom-CKⅡ、Wing
- データ抽出基盤から蓄積データを活用:HOPELifeMark-MX
中小病院で電子カルテの活用が進まない理由
電子カルテを導入しても、使い方が紙カルテの置き換えにとどまっている中小病院もあります。活用を広げる前に、どこで止まっているのかを把握しておくことが大切です。よく見られる2つの理由を紹介します。
紙の時代の運用が残っている
電子カルテを導入した後も、紙の伝票やメモ、口頭での申し送りが並行して残っていると、記録が二重になり、職員の負担がかえって増えるおそれがあります。紙と電子カルテのどちらが正しい情報かが分かりにくくなる点も課題です。
まずは、院内で紙が残っている業務を洗い出し、電子カルテに置き換えられるものと、紙のままにする理由があるものを分けて整理しましょう。置き換えられる業務から順に運用を変えていくと、現場の混乱を抑えながら活用を広げられます。
データを見る仕組みと担当がない
電子カルテには、患者数や病名、検査や処置の件数、入退院の情報などが日々蓄積されています。しかし、それを集計して確認する仕組みや担当者がいなければ、データは記録として保存されるだけで、経営や業務改善には生かされません。
中小病院では、データ分析の専任者を置くことが難しい場合もあります。まずは、毎月確認したい数字を3つから5つ程度に絞り、電子カルテの集計機能や帳票で出せるかを確かめるところから始めると、無理なく取り組めます。
院内の情報共有に中小病院向け電子カルテを活用する
中小病院では、医師や看護師、薬剤師、リハビリ職、医療ソーシャルワーカーなど多くの職種が同じ患者に関わります。電子カルテを情報共有の基盤として活用すると、職種の間の連絡や申し送りを効率化できます。
多職種カンファレンスでの活用
多職種カンファレンスでは、電子カルテの画面を共有しながら、患者の経過や検査結果、リハビリの進み具合、退院に向けた課題を確認します。紙の資料を印刷して持ち寄る手間を減らし、最新の情報をもとに話し合えます。
カンファレンスで決まった方針や役割分担を電子カルテに記録しておくと、参加できなかった職員も内容を確認できます。夜勤の看護師や非常勤の医師など、カンファレンスの時間帯に勤務していない職員との情報共有にも役立ちます。記録の書式をテンプレートとして決めておくと、誰が記録しても必要な項目がそろいやすくなります。
申し送りと二重入力の削減
看護師の勤務交代時の申し送りは、電子カルテの経過表や看護記録を見ながら行うことで、口頭だけの伝達よりも情報の抜けを防ぎやすくなります。申し送りで伝える項目を絞り、詳しい内容は記録を参照する形にすると、申し送りの時間を短くできる可能性があります。
また、同じ情報を複数の書類に書き写している業務がないかも確認しましょう。電子カルテに一度入力した情報を、各種の書類や部門への連絡に引用できれば、転記の手間と転記ミスの両方を減らせます。
医師の働き方改革とタスクシフト
2024年4月から、医師の時間外労働に上限が設けられました。医師の業務の一部を、医師事務作業補助者や看護師などに移すタスクシフトを進める際にも、電子カルテの活用が欠かせません。
例えば、医師事務作業補助者が電子カルテで診断書などの文書の下書きや代行入力を行い、医師が確認して承認する流れがあります。医師が記載にかけていた時間を、診察や患者への説明に振り向けられる可能性があります。代行入力できる範囲と承認の手順を院内で決め、入力者と承認者を電子カルテ上で確認できるようにしておくことが前提です。
経営改善に中小病院向け電子カルテのデータを活用する
中小病院向け電子カルテに蓄積されたデータは、病院の経営状況を把握し、改善につなげるための材料としても活用できます。経営改善に役立つ主な使い方を3つ紹介します。
病床稼働率と在院日数の把握
電子カルテの入退院の情報から、病棟ごとの病床稼働率や平均在院日数を把握できます。日々の数字を追うことで、空床が続いている病棟や、入院期間が想定より長くなっている患者に早めに気づくことができます。
病床の運用は病院の収入に直結するため、経営層と病棟の看護師長が同じ数字を見ながら話し合える仕組みをつくると効果的です。月ごとの推移をグラフで確認できるかなど、表示の方法は製品によって異なります。数字の定義を院内でそろえておくことも大切で、例えば稼働率の計算に退院日を含めるかどうかで値が変わる場合があります。
加算の算定状況と記録の確認
診療報酬の加算や指導料には、算定の要件として、特定の記録や計画書の作成が求められるものがあります。電子カルテの記録をもとに、要件を満たしているのに算定されていないケースや、記録が不足しているケースがないかを確認できます。
こうした確認は医事課だけで行うのではなく、記録を作成する医師や看護師、リハビリ職と結果を共有することが大切です。記録の書き方を見直すきっかけにもなり、算定漏れと記録不備の両方を減らすことにつながります。
DWHや分析ツールとの連携
電子カルテの集計機能だけでは足りない場合は、DWH(データウェアハウス)と呼ばれる分析用のデータベースや、分析ツールと連携する方法があります。電子カルテ本体に負荷をかけずに、複数の期間や条件でデータを集計できる点が特徴です。
ただし、連携できる項目や方法、追加の費用は製品によって異なります。分析を担う職員の体制とあわせて、自院の規模で使いこなせる範囲かを見極めることが大切です。データを外部の事業者に預けて分析する場合は、個人情報の取り扱いにも注意しましょう。
地域連携に中小病院向け電子カルテを生かす
中小病院は、地域の診療所や大病院、介護事業所の間で患者を受け渡す役割を担うことがあります。電子カルテを地域連携に生かすと、紹介や退院時の情報のやり取りを円滑にできます。
紹介・逆紹介と診療情報提供書
紹介元の診療所への返書や、転院先への診療情報提供書は、電子カルテに蓄積された記録を引用して作成できます。テンプレートを整えておけば、必要な情報をそろえた文書を短い時間で作れます。
紹介元や紹介先の医療機関ごとに件数を集計すれば、地域でどの医療機関との連携が多いかも把握できます。連携の状況を数字で確認しておくと、地域の医療機関との関係づくりを考える際の材料になるでしょう。
国の情報共有の仕組みと介護との連携
国は、医療機関の間で診療情報や文書を電子的に共有する電子カルテ情報共有サービスの整備を進めています。地域によっては、医療機関や介護事業所が情報を共有する地域医療連携ネットワークが運用されている場合もあります。
在宅療養や介護施設への退院が多い中小病院では、ケアマネジャーや訪問看護との情報共有も重要です。電子カルテがこうした仕組みにどう対応しているかや、退院時に必要な情報をまとめて出力できるかを確認しておきましょう。
電子カルテの活用を続ける院内体制
電子カルテの活用は、一度取り組んで終わりではありません。目的と担当を決め、定期的に結果を振り返る仕組みをつくることで、活用の範囲を少しずつ広げていけます。
活用の目的と担当者の設定
まずは、電子カルテで何を改善したいかを院内で決めます。例えば、申し送りの時間を短くする、病床稼働率を毎月確認する、紹介状の作成を早くする、といった具体的な目的です。
目的ごとに担当の部署と職員を決め、1人に任せきりにしないよう複数の職員で取り組みます。目的には、確認する数字や期限もあわせて設定しておくと、振り返りの際に成果を判断しやすいでしょう。電子カルテに関する院内の委員会があれば、その場で活用の進み具合を共有すると、部署をまたいだ協力を得やすくなります。
定期的な振り返りとベンダーへの相談
決めた目的について、3か月や半年ごとに結果を振り返り、うまくいった点と課題を整理します。現場から寄せられた要望の中には、設定の変更やテンプレートの追加で対応できるものもあります。
自院だけで解決できない課題は、ベンダーに相談しましょう。相談の前に、困っている場面や画面、発生した日時を整理しておくと、話がスムーズに進みます。製品のバージョンアップで追加された機能や、他の病院における活用例を紹介してもらえることもあります。相談の内容と結果を記録しておくと、次の振り返りに生かせます。
情報共有・データ活用で比べる中小病院向け電子カルテ
多職種の情報共有や病床の稼働管理、地域連携、データの集計に使える機能を比べやすいよう、この記事で紹介する電子カルテを一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| i-MEDIC Plus++ | 法人内の病床・施設の稼働率を可視化。勤怠管理と連動した人材配置も支援 |
| ウェブカルテⅡ | 複数施設の診療・介護情報を集約し、他の診療所や介護施設とも情報を共有できる |
| Medicom-CKⅡ | 院内外のコミュニケーションを支えるWeb型。ADL区分をエクセルで自動集計・出力 |
| HOPELifeMark-MX | データ抽出基盤で蓄積情報を活用。地域医療ネットワークHumanBridgeとも連携 |
| HOPECloudChartⅡ | 医師の指示を離れた場所のスタッフと同時に共有。紹介状管理ツールなどを選択できる |
| DS KARTE | 患者を軸に職員間でやり取りできるPメール機能で、検査結果の通知などを共有 |
| Wing | 同一法人の複数施設でカルテ情報を一元管理し、医療区分やADL区分を集計できる |
| Web型電子カルテシステム | 自社開発の総合医療情報システムの中核。医師の業務フローを支援する機能を搭載 |
院内連携と経営改善に生かせる中小病院向け電子カルテ
多職種での情報共有や病床の稼働管理、地域の医療機関・介護施設との連携など、導入後の活用の幅を広げやすい製品を紹介します。活用したい目的にあわせて比べてみてください。
i-MEDIC Plus++
- 医療と介護を、ひとつのシステムで一元管理
- 「治療」「ケア」から「看取り」まで生涯にわたって管理
- 法人内サービスの稼働管理で病床・施設を効率的にマネジメント
株式会社コアが提供する「i-MEDIC Plus++」は、病床の稼働状況を経営判断に生かしたいケアミックス病院向けの医療介護統合電子カルテシステムです。法人内の病床や各施設の稼働率を可視化して病床マネジメントを行えるほか、病棟や施設ごとの稼働率を把握し、勤怠管理と連動した人材配置にも活用できます。医療・介護の双方から同じ情報を閲覧・編集できるため、多職種間の伝達ミスの防止にもつながります。ポータル画面では、その日の予定やToDoリストをひと目で確認可能です。
Medicom-CKⅡ
- シンプルで使いやすい操作性。中小規模病院に特化した機能性
- チーム医療に必要な機能を搭載!環境に合わせた使い方を実現
- Web型電子カルテなので、離れた場所でも情報共有が可能
ウィーメックス株式会社が提供する「Medicom-CKⅡ」は、チーム医療の情報共有と評価データの集計をあわせて進めたい一般・療養型中小規模病院向けのWeb型電子カルテシステムです。院内外のコミュニケーションを円滑にし、法人グループ内での連携にも対応します。看護必要度を管理でき、ADL区分はエクセルで自動集計・出力可能なため、病棟の評価データを振り返る場面にも役立ちます。Web型のため、データの共有・参照に特別なソフトは不要です。
HOPELifeMark-MX (富士通株式会社)
- 現場の情報活用を推進する使いやすいユーザーインターフェース
- 地域ぐるみのケアを可能にするシステム連携機能
- トータルコストを軽減し、安定稼働する仮想化サーバ―を採用
HOPECloudChartⅡ (富士通株式会社)
- すぐに使えるように専門の学習プログラムやサポートが揃っている
- ユニバーサルデザインの優しい画面で直感的に操作できる
- 病院形態に合わせて柔軟に選べる豊富なオプション機能
DS KARTE (大新技研株式会社)
- 文書の作成から管理まで全て解決できるシステム!
- 職員間の情報共有に最適なPメール機能を搭載!
- 一画面でまとめて確認できる統合チャート機能!
Wing (株式会社ライブワークス)
- システムトラブルの発生なし!24時間・365日の安定稼働実績!
- デバイスを問わず運用!スマートデバイスで往診対応も!
- サーバーひとつで同一法人の複数施設の業務を実現!
Web型電子カルテシステム (ソフトマックス株式会社)
- 自社開発の総合医療情報システムの中核
- 医師の業務フローを支援する診療支援機能
- 多様な医療現場に適応する専門機能群を搭載
まとめ
中小病院向け電子カルテを活用しきるには、まず紙の運用を整理し、データを見る仕組みと担当を決めることが出発点です。そのうえで、多職種の情報共有、病床稼働や加算の確認といった経営改善、紹介・逆紹介や介護との地域連携へと使い道を広げましょう。活用の目的と担当を決め、定期的に振り返りましょう。データの取り出し方や連携の範囲は製品によって異なるため、活用したい目的にあう電子カルテを比較検討してください。

