LPOツールとは
LPOツールとは、ランディングページ最適化(Landing Page Optimization)を支援するソフトウェアやサービスのことです。これらのツールは、Webサイトの訪問者をより効果的に顧客へと転換する(コンバージョンする)ために使用されます。
ECサイト、リード獲得、サービス申し込みなど、さまざまな目的のWebサイトに活用できます。
LPOツールの主な機能と特徴
LPOツールには、Webサイトのパフォーマンスを向上させるための機能が多数搭載されています。ユーザー行動の分析から実際のページ改善まで、幅広い最適化のために活用可能です。
まずは、LPOツールの主要な機能を紹介します。
ヒートマップ
ヒートマップは、ユーザーのWebページ上での行動を視覚的に表現する機能です。クリックやスクロール、マウスの動きなどのデータを色分けして表示し、ページ上のどの部分が最も注目されているかを一目で把握できます。赤色は注目度が高い状態、青色はあまり注目されていない状態を示すことが一般的です。
ヒートマップ機能を活用すれば、重要なコンテンツやCTAボタンが適切な位置にあるか、ユーザーの注目を集めているかを確認できます。また、ヒートマップにはユーザーがページのどこまでスクロールしているかを示す「スクロールマップ」が含まれることも多く、コンテンツの配置や長さの最適化に役立ちます。
セッションリプレイ
セッションリプレイは、個々のユーザーがWebサイトをどのように閲覧し、操作したかを録画して再生する機能です。マウスの動きをはじめ、クリックやスクロール、フォーム入力など、ユーザーのすべての行動を時系列で確認できます。
セッションリプレイ機能を使用すれば、ユーザーが興味をもっている箇所や、期待どおりに操作できていない部分を特定しやすくなるでしょう。また、コンバージョンに至った(または至らなかった)ユーザーの行動パターンを分析することで、サイト改善のヒントを得られます。
A/Bテスト
A/Bテストは、主に2種類のページを作成し、どちらがより高いパフォーマンスを示すかを統計的に検証できる機能です。例えば、CTAボタンの色、見出し、画像、レイアウトなどの要素を変更し、ユーザー行動への影響を調べます。
LPOツールにおけるA/Bテスト機能では、トラフィックを自動的に分割してそれぞれのページに振り分け、結果を収集・分析します。ランダムなユーザーにランダムなページを表示させるため、主観が入りこまないページの比較が可能です。
LPOツール導入のメリット
LPOツールを導入することで、次のようなメリットが得られます。
メリット |
概要 |
ユーザーの行動を可視化できる |
ヒートマップやセッションリプレイ機能により、ユーザーのクリック、スクロール、滞在時間などの行動パターンを視覚的に把握できます。直感的に理解しやすい形でデータが提示されるため、感覚ではなくデータをもとにした効果的な改善策が立てやすくなります。 |
課題の洗い出しを効率化できる |
ユーザーの行動が可視化されることで、LPのどういったポイントに課題を抱えているのかが明確になります。Google Analyticsのようなアクセス解析ツールだけでは調査が難しかった「PVはあるがCVにつながらない原因」や「離脱率が高い原因」なども特定しやすくなります。 |
一つのツールでLP作成から検証・分析・改善まで完結できる |
LPOツールを使用すれば、LPの作成からテストの実施、ページの分析、改善まで、一貫したプロセスを同じツール上で実施できます。複数のツールを使うよりも手間が削減され、スピード感のある施策の実施が行えます。 |
LPOツールの選び方
LPOツールを有効活用するためには、自社の利用用途に適したサービスの導入が重要です。製品を検討する際のポイントは以下のとおりです。
- ●分析機能の充実度
- ●ほかのツールとの連携可否やカスタマイズ性
- ●使いやすさとユーザーインターフェース
- ●コストパフォーマンス
LPOツールの選定ポイントを詳しく解説します。
分析機能の充実度
まずは、LPOツールの核となる分析機能の充実度を確認しましょう。ヒートマップ、セッションリプレイ、A/Bテストなどの基本機能に加え、効果測定にこだわっているツールも多く存在します。例えばターゲティングやパーソナライズの設定が可能なものや、AIによる自動分析が搭載されたものがあります。
自社のWebサイトの特性や、より詳細に知りたい指標に応じて、最適な分析機能をもつツールを選びましょう。
ほかのツールとの連携可否やカスタマイズ性
既存のマーケティングツールやCRMシステムとの連携の可否も、選定時に確認すべきポイントです。データ連携や共有がしやすいLPOツールを選ぶことで、より高度な分析が可能になります。
また、業界によっては、一般的なLPOツールの機能だけでは対応しきれないかもしれません。求めるニーズに対応できるか、将来的な拡張性があるかを考慮し、長期的な活用を見据えたツールを選びましょう。
使いやすさとユーザーインターフェース
LPOツールを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。誰でも簡単に効果検証や分析、改善ができるように、直感的で使いやすいインターフェースをもつツールを選びましょう。
多くのLPOツールはユーザーインターフェースが最適化されていますが、使いやすさやカスタマイズ性は製品によってさまざまです。実際に無料トライアルやデモを活用しながら、操作感を確認しましょう。
コストパフォーマンス
LPOツールは、導入して終わりではありません。実際に効果を出すためには、継続的な改善や調整などの人的工数が必要です。また、機能が多すぎて使いきれない場合や、そもそもLP自体へのアクセスが少ないといった、LPOツール導入以前の問題も考えられます。
LPOツールの導入によって見込まれる効果と必要経費のバランスを考慮し、コストパフォーマンスの高いツールを選びましょう。自社サイトの状況によっては、LPOツールが本当に必要かどうかについても、見極めることが肝心です。
おすすめのLPOツールを比較
ここからは、おすすめのLPOツールを紹介します。各サービスの特徴を詳しく解説するので、ツール選びの参考にしてください。
《SiTest》のPOINT
- アジアで600,000サイト以上の導入実績
- 解析・改善をすべて一元的に行える統合的なツール
- 純国産ツールならではの手厚いサポート体制
Optimizely
株式会社ギャプライズが提供する「Optimizely」は、Webページ、モバイルアプリ、そのほかのチャネルなど、すべてのタッチポイントでA/Bテストを実行できるツールです。ビジュアルエディタを搭載しており、コーディング不要でテストの実施が可能です。また、一度タグを設定してしまえば、テストや最適化をすべてブラウザ上から行えます。日本語の無償サポートがついているため、運用時に不明点があっても安心して利用できるでしょう。
VWO (Visual Website Optimizer)
Wingifyが提供する「VWO (Visual Website Optimizer)」は、ユーザーのデジタルエクスペリエンス最適化を支援するプラットフォームです。A/Bテスト、ヒートマップ、セッション録画、調査など、Webサイト・アプリを改善するための多彩な機能を搭載しています。単純なA/Bテストだけでなく、多変量・スプリットURLといった豊富なテストを実施でき、より効果的に改善施策の立案が可能です。
Ptengine
Ptmindが提供する「Ptengine」は、Webサイトの改善を支援するオールインワンのプラットフォームです。LPOツールとしてユーザー行動のトラッキングやA/Bテストの実行、ヒートマップ、離脱原因分析、ユーザーセグメント比較など豊富な分析機能を兼ね備えており、データにもとづいたより価値のある改善が可能です。ほかにもNPS調査や商品レコメンド、キャンペーン告知など、Web接客機能も揃っています。
DLPO
DLPO株式会社が提供する「DLPO」は、日本国内での実績No.1を誇るLPOツールです。ABテスト、多変量テスト、パーソナライズを用いてコンバージョン率の改善を実現します。LPだけでなく、オウンドメディアやECサイト、アプリなど幅広いサイトに対応しているのが特徴です。約5億ユニークブラウザの行動データを学習したAIが搭載されており、ユーザーにあわせてパーソナライズされたWebページの配信も可能です。
WebAntenna
株式会社ビービットが提供する「ウェブアンテナ(WebAntenna)」は、Web広告の効果測定を効率化し、広告戦略の最適化を支援するツールです。複数の広告プラットフォームからのデータを一元管理し、さまざまな広告キャンペーンの効果を包括的に把握できます。また、サイトにタグを埋め込むだけで導入が完了し、即日で数値の計測を開始可能です。バナー広告・リスティング広告はもちろん、自然検索からの流入もすべて管理できるのが特徴です。
まとめ
LPOツールは、Webサイトのパフォーマンスを向上させる強力な味方です。ユーザーの行動を詳細に分析し、データにもとづいた最適化を行うことで、コンバージョン率の向上や顧客体験の改善を実現できます。
今回紹介したLPOツールの機能や選び方のポイントを参考に、求めるニーズに最適なLPOツールを選択しましょう。ヒートマップやA/Bテストといった機能を効果的に活用し、継続的な改善サイクルを確立することで、長期的なWebサイトの成功につながります。