ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■課金単位別
- 管理対象ID数に応じて課金する製品:SeciossLink(セシオスリンク)、Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)
- 機能ごとにオプションを選ぶ製品:IIJ IDガバナンス管理サービス、GMOトラスト・ログイン
- ■提供形態別
ID管理ツールの価格を決める課金単位
ID管理ツールの料金は、何に対して課金するかで総額が大きく変わります。見積もりを比べる前に、課金単位の種類を押さえておきましょう。
管理対象のID数で決まる料金
最も基本的な課金単位は、管理するIDの数です。クラウド型では、1IDあたりの単価に利用人数をかけて月額を算出する形が多くあります。
製品によっては、契約できる最低ID数が決まっていたり、ID数の区間ごとに単価が下がったりします。従業員数が増減する企業は、契約後にID数を変更できる時期や条件も見ておくと安心です。
連携先システム数で変わる料金
管理対象のID数が同じでも、連携するクラウドサービスや社内システムの数によって費用が変わる製品があります。連携先ごとに接続設定や費用が発生する場合があるためです。
現在使っているシステムだけでなく、1~2年のうちに導入を予定しているシステムも洗い出しておくとよいでしょう。連携先が増えるたびに追加費用がかかるのか、一定数まで含まれるのかを確認しておくと、後からの追加負担を見通せます。連携の方式が標準で用意されているか、個別の開発が必要かでも金額は変わります。
機能のオプション構成による差
ID管理ツールには、ID情報の登録や削除を自動化する機能、シングルサインオン(1回のログインで複数のサービスを使える仕組み)、多要素認証、承認ワークフローなどがあります。これらが基本料金に含まれるか、オプションかは製品によって異なります。
必要な機能だけを選べる構成は初期の費用を抑えやすい反面、後から機能を足すと総額が膨らむ場合もあります。まずは自社に必須の機能と、あると便利な機能を分けて整理しましょう。
数える範囲で変わるID管理の費用
ID管理ツールの価格は、どのIDを課金の対象に数えるかでも差が出ます。従業員以外のIDをどう扱うかは、見積もりの前提として確認しておきたい点です。
正社員以外のIDを含めるかどうか
契約社員やアルバイト、派遣スタッフ、業務委託先の担当者にもシステムを使わせる企業では、従業員数と管理対象のID数が一致しません。正社員だけを数えた見積もりでは、実際に必要なID数を下回る場合があります。
見積もりを依頼するときは、ログインが必要な人の区分を一覧にして伝えましょう。ID数の前提がそろうと、複数の製品を同じ条件で比べやすくなります。
退職者や休眠IDの扱い
退職者のIDや長く使われていないIDが課金対象に残ると、使っていない分の費用が続きます。IDを無効にした時点で課金対象から外れるのか、削除するまで数えられるのかは、製品によって異なる場合があります。
あわせて、ログを保管する目的でIDの情報だけを残す運用が必要かどうかも整理しておきましょう。運用ルールと課金の数え方がずれないようにすることが大切です。
1人が複数のIDを持つ場合
同じ人が部署ごと、システムごとに別のIDを持っていると、人数ではなくID数で課金される製品では費用が増えます。兼務者や、共有アカウントを使っている現場では特に注意が必要です。
導入を機に、1人1IDに整理する方針を立てれば、費用の見通しが立ちやすくなります。ただし、既存システムの仕様でIDをまとめられない場合もあるため、整理できる範囲は情報システム部門と確認しましょう。
提供形態で見るID管理ツールの価格の出方
同じID管理でも、クラウド型とオンプレミス型では費用の発生の仕方が異なります。初期費用と継続費用のバランスを知っておくと、予算の組み方を決めやすくなります。
クラウド型は月額や年額が中心
クラウド型(ID管理をインターネット経由で利用するIDaaSなど)は、初期費用を抑えて月額または年額で支払う形が中心です。サーバを自社で用意する必要がなく、短い期間で使い始めやすい特徴があります。
一方で、契約を続ける限り費用が続き、ID数や機能が増えると月額も増えます。契約期間が1年単位か、月単位で解約できるかによって、実質の負担も変わります。試験的に一部の部署から始められるかも、確認しておきたい点です。
オンプレミス型はライセンスと保守が中心
オンプレミス型は、ライセンス費用と年間の保守費用で構成される製品が多い傾向です。自社でサーバを用意するため、ハードウェアやOSの購入、構築作業の費用も加わります。
導入時にまとまった費用が必要ですが、自社の環境にあわせた細かな設計がしやすい面があります。運用を担当する人員の工数も、費用の一部として見込んでおきましょう。
初期費用が無料でも総額は変わる
初期費用が無料の製品でも、月額に導入支援の費用が含まれている場合や、設定作業を別料金とする製品もあります。初期費用の金額だけで安いと判断すると、数年間の総額で逆転することもあります。
比較するときは、利用予定の年数を決めて、初期費用と継続費用を合計した額で見ます。ID数が増える計画があれば、その分も含めて試算します。契約更新時に単価が変わる可能性があるかも、あわせて聞いておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でID管理の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ID管理ツールの見積もりで見落とす費用
ID管理ツールの見積書には、ID数と基本料金だけが載っていることがあります。実際の運用で必要になる費用を事前に洗い出し、追加請求を防ぎましょう。
人事システムやディレクトリとの連携費用
入社や異動、退職の情報を人事システムから自動で取り込む場合、連携のための設定費用がかかることがあります。Active Directoryなどのディレクトリサービスとつなぐ場合も同様です。
連携する側の人事システムでも、データを出力する設定や費用が必要になる場合があります。ID管理ツール側だけでなく、連携元の費用も含めて見積もりを確認してください。
導入支援や初期設定の範囲
導入支援の内容は、マニュアルの提供、設定方法の案内、設定作業の代行など、製品によって幅があります。どこまでが基本料金に含まれ、どこからが別料金なのかを確認することが重要です。
自社で設定する場合は、担当者の作業時間も費用の一部です。情報システム部門の人員が限られているときは、支援を有料で依頼したほうが総額を抑えられる場合もあります。
ログ保管やサポートなど継続的な費用
操作ログの保管期間を延ばしたり、監査用にログを出力したりする機能は、追加料金の対象になることがあります。内部統制や監査で一定期間のログが必要な企業は、事前に保管期間と費用を確かめましょう。
サポートの窓口も、メールのみか電話にも対応するか、対応時間はどうかで料金が変わる場合があります。障害時に連絡が取れる体制かどうかは、価格とあわせて見ておきます。
ID管理に投じる費用の考え方
ID管理ツールの費用は、金額だけでなく、運用にかかっている手間やリスクと比べて考えます。導入前後で何が変わるのかを整理すると、予算の根拠を説明しやすくなります。
手作業の運用にかかる工数との比較
入社や異動、退職のたびにアカウントを手作業で登録、変更、削除していると、担当者の作業時間が積み重なります。その時間を実際に洗い出して、ツールの導入後に減る作業と比べてみましょう。
作業時間は会社ごとに大きく異なるため、他社の数値をそのまま使えません。自社の1か月分の依頼件数と、1件あたりにかかる時間を計測するところから始めると、現実的な比較ができます。申請を受ける人と作業する人が別の場合は、双方の時間を数えます。
アカウントの管理漏れによるリスク
退職者のアカウントが残ったままになると、不正利用や情報漏えいにつながるおそれがあります。IDの管理が担当者ごとに分かれている企業では、削除の漏れが起こる可能性があります。
こうしたリスクを金額で正確に示すことは難しいですが、管理の抜けを減らす仕組みが必要かどうかは判断できます。監査の指摘事項や過去の運用上の課題があれば、予算の説明に役立てましょう。
ID管理ツールの料金と提供形態の一覧
ID管理ツールの費用は、課金単位やオプションの構成、提供形態で変わります。この記事で紹介する製品の特徴と参考価格を一覧にまとめました。参考価格の欄は、ITトレンドに掲載されている金額です。
| 製品名 | 特徴 | 参考価格 |
|---|---|---|
| IIJ IDガバナンス管理サービス | 人事イベントに対応したマスタ管理とID棚卸しを提供。BasicとStandardから選べる | 別途お問い合わせ |
| SeciossLink(セシオスリンク) | ID管理とシングルサインオン、多要素認証をまとめて提供するクラウドサービス | 60円~(Standardの1ユーザーあたり月額) |
| Secioss Identity Manager Enterprise(SIME) | オンプレミス型の統合ID管理。ユーザー数に応じて年間ライセンス費用が変わる | 480,000円~ |
| GMOトラスト・ログイン | ID管理とSSOに、認証強化とID連携のオプションを組み合わせられる | 30,000円~ |
| Okta Workforce Identity | SSOや多要素認証、人事システム連携によるアカウント管理の自動化を提供 | 940円~ |
| Gluegent Gate(グルージェント ゲート) | クラウドサービス連携とSAML対応アプリのSSOを提供。代理認証にも対応 | 100円~ |
| Keyspider | 発令日の予約や引継ぎ期間の設定ができるIDライフサイクル管理 | 150,000円~ |
| SmartHR | 人事データと連動してアカウントの作成・削除対象を把握し、SSOも利用できる | 別途お問い合わせ |
| WebSAM SECUREMASTER | オンプレミス環境の業務システムや外部クラウドのID情報を管理する国産製品 | 別途お問い合わせ |
| OSSTech Unicorn ID Manager | Linux用のオープンソース統合ID管理製品。WebブラウザでID管理ができる | 別途お問い合わせ |
課金単位やオプション構成で見るID管理ツール
見積もりを比べるときは、ID数で費用が変わるのか、必要な機能をオプションで足す構成なのかを確認しておくと、金額の差の理由を読み取りやすくなります。ここでは、課金や提供形態の手がかりがある製品を紹介します。
IIJ IDガバナンス管理サービス
- 散在するIDやアカウント情報を一元管理
- 簡単設定のプロビジョニングで業務負荷を解消
- 不正なID・権限設定が一目で分かる
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJ IDガバナンス管理サービス」は、入退社や異動などの人事イベントにあわせてIDのライフサイクルを管理するクラウドサービスです。ユーザーや組織のマスタ管理、過去から未来までの状態を確認できる時系列管理、連携先へのプロビジョニング、ID棚卸しの機能を備えています。機能の範囲はBasicとStandardから選べ、マスタ管理を強化するオプションもあります。見積もりでは、必要な機能の範囲を伝えて比べると安心です。対象は50名以上の企業です。
SeciossLink(セシオスリンク)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- IDの一元管理で業務効率化
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
株式会社セシオスが提供する「SeciossLink(セシオスリンク)」は、ID管理とシングルサインオン、FIDOなどを使った多要素認証をまとめて使えるクラウドサービスです。Active DirectoryやLDAPなどのディレクトリサーバーと情報を同期できます。参考価格は、Standardライセンスの1ユーザーあたり月額60円~です。大学や教育機関向けのEducationライセンスもあり、ID数に応じて費用が変わる製品を比べたいときの候補です。
Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)
- 複数のシステムに散在するIDを一元管理
- パスワードポリシーの管理も可能
- あらゆるサービス・システムと連携できる
株式会社セシオスが提供する「Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)」は、複数のシステムに散らばるIDを一元管理するオンプレミス型の統合ID管理ソフトウェアです。Active DirectoryやOpenLDAP、Google Workspace、Microsoft 365などへ、ユーザーやグループの情報を同期できます。ライセンス費用の例は、1~500ユーザーで年間480,000円、501~1,000ユーザーで年間600,000円です。ユーザー数に応じて年間のライセンス費用が変わる形で比べたい場合の選択肢です。
GMOトラスト・ログイン
- 社内システム、業務アプリ、複数SaaSのIDを効率的に一元管理
- シングルサインオンで情報漏えいのリスクを減らし、利便性も向上
- 迅速に多要素認証を導入し、セキュリティを強化
GMOグローバルサイン株式会社が提供する「GMOトラスト・ログイン」は、ID・パスワードの管理とシングルサインオンを備えたクラウド型のID管理(IDaaS)です。IPアドレス制限やワンタイムパスワードなどの認証強化オプションと、Active Directoryと連携してユーザー情報を同期するID連携オプションが用意されています。基本の機能にオプションを足していく構成のため、見積もりでは必要なオプションを明確にして依頼するとよいでしょう。参考価格は30,000円~で、対象は100名以上の企業です。
Okta Workforce Identity
- フィッシングに強い認証フローでログインをより簡単・安全にする
- ADやLDAP等と統合。全てのIDを単一コントロールプレーンから管理
- ユーザーのアクセスを1か所で管理しアクティビティを適切に把握
Okta Japan株式会社が提供する「Okta Workforce Identity」は、クラウド型のID管理サービスです。シングルサインオンや多要素認証に加え、人事システムと連携したアカウントの作成や停止の自動化を提供します。Universal Directoryで複数のIDソースを同期し、ユーザーやグループ、デバイスを一元管理できます。参考価格は940円~で、課金の単位やプランごとの金額は見積もりで確認しておくと安心です。規模を問わず利用できます。
Gluegent Gate(グルージェント ゲート)
- 連携サービスとのシングルサインオン設定で利便性を向上
- 連携サービスのIDを一元管理することで管理者の負荷を軽減
- 多要素認証、アクセス制限をサービスごとに自由に組み合わせ可能
サイオステクノロジー株式会社が提供する「Gluegent Gate(グルージェント ゲート)」は、クラウド型のシングルサインオンサービスです。Google WorkspaceやMicrosoft 365などとのプロビジョニング連携と、SAMLやOpenID Connectに対応したWebアプリのシングルサインオンを提供します。SAMLなどに対応していないWebアプリには、代理認証で連携できます。参考価格は100円~で、課金の単位は見積もり時に確認しておくと比較しやすくなります。
Keyspider
- クラウドID管理と効率化を実施し、変化に対応できるシステム運用
- “引継ぎ期間”を想定した対応が可能
- 組織情報に紐づけ、各システムの権限付与が自動的に行える。
株式会社アクシオが提供する「Keyspider」は、人事の発令日に向けた予約や引継ぎ期間の設定ができる、クラウド型のIDライフサイクル管理サービスです。データ取込、パスワード管理、マスタ管理、属性マッピング、プロビジョニングを標準機能として備え、シミュレーション機能で適用後の状態を事前に確認できます。参考価格は150,000円~で、対象は100名以上の企業です。日本の組織の人事制度にあわせた運用を重視する場合の候補です。
SmartHR
- ID管理とSSOで、アカウントの作成・削除とアクセスを一元管理
- プロダクトとBPOで、情シス業務全体の負荷を軽減
- 最新の人事データと連動、アカウントとアクセスの対応漏れを防止
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、人事データと連動して、外部サービスのアカウントを作成・削除する対象を把握できるID管理とシングルサインオンの機能を備えたクラウドサービスです。在籍状況や部署、役職などの情報をもとに、入社や異動、退職に伴うアカウントの見直しを進められます。SSOに対応していないサービスへのログインや、共有アカウントのパスワード管理も一か所にまとめられます。料金は問い合わせて確認します。
WebSAM SECUREMASTER (日本電気株式会社)
- 国産なので、日本企業特有の業務スタイルに対応します
- 内部統制強化の支援に繋がる機能で管理者負担が軽減します
- 主要システムとの連携のためのテンプレートを標準で用意
OSSTech Unicorn ID Manager (OSSTech株式会社)
- 複数システムのID情報を統合・一元管理。
- WebブラウザでID管理やパスワード操作が可能
- CSVやコマンド連携により柔軟なID連携を実現
まとめ
ID管理ツールの価格は、管理対象のID数、連携先の数、機能のオプション構成、クラウド型かオンプレミス型かといった要素で決まります。見積もりでは、数えるIDの範囲や連携費用、導入支援、ログ保管などの項目を確かめることが大切です。気になる製品が見つかったら、同じ条件で見積もりを依頼できるよう、資料請求で比較してみてください。

