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IP電話の構築はどう進める?方式選びから切り替えまでの流れ

IP電話の構築はどう進める?方式選びから切り替えまでの流れ

IP電話の構築は、構築方式の選定、現在の利用状況の洗い出し、社内ネットワークの設計、番号の引き継ぎと試験運用、切り替えという順に進めるのが基本です。電話は業務を止められない設備のため、計画の段階で番号や内線の流れ、通話品質の条件を固めておくことが重要です。この記事では、IP電話を構築する3つの方式と、構築前に確認したい項目、ネットワーク設計の要点、切り替えまでの準備、構築後の運用体制を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■構築方式別
    ■拠点の構成別
    ■番号の扱い別

    IP電話を構築する3つの方式

    IP電話の構築方式は、電話の交換機の役割を担うPBXをどこに置くかで大きく3つに分かれます。PBXとは、外線と内線をつなぎ分けたり、転送したりする装置のことです。方式によって初期費用や運用の手間、構築にかかる期間が変わります。

    クラウド型で構築する

    クラウド型は、PBXの機能を提供事業者のサーバー上で利用する方式です。社内に交換機を置かないため、機器の購入や設置工事を抑えられ、比較的短い期間で使い始めやすい特徴があります。

    スマートフォンのアプリを内線端末として使えるサービスもあり、テレワークや複数拠点との相性がよい方式です。一方で、月額料金は利用者数に応じて増えるため、長く使うほど総額がかさむ場合もあります。通話の品質は社内ネットワークとインターネット回線の状態にも左右されます。

    自社設置のIP-PBXで構築する

    IP-PBXは、社内に設置してIP電話の内線や外線を制御する交換機です。設定を自社の業務にあわせて細かく調整しやすく、既存の社内システムと組み合わせた運用も検討できます。

    ただし、機器の購入費に加えて、ソフトウェアの更新や故障時の対応など、運用の負担が自社にかかります。保守を委託できる販売店や保守会社を確保できるかが、この方式を選ぶ際の前提条件です。耐用年数を迎えたときの更新費用も、計画に入れておきましょう。

    関連記事 IP電話と主装置の関係とは?主装置の種類や接続方式も解説!

    既存の電話機を生かして段階的にIP化する

    今使っているビジネスフォンの主装置や電話機を残したまま、外線だけをIP回線に切り替える方法もあります。アナログの機器とIPの回線をつなぐゲートウェイと呼ばれる機器を使って構成します。

    電話機の操作が変わらないため、社員への説明や教育の負担を抑えられます。一方で、スマホでの内線化や拠点間の内線統合など、IP電話ならではの使い方は限られます。機器の更新時期にあわせて、本格的な移行へ段階的に進める計画も立てておきましょう。

    関連記事 混乱しやすい「IP電話」と「ビジネスフォン」の違いとは?

    IP電話の構築前に洗い出す電話の利用状況

    構築の方式が決まったら、今の電話がどのように使われているかを洗い出します。この作業が不十分だと、切り替えた後に「この番号がつながらない」「着信が届かない部署がある」といった問題が起こる可能性があります。洗い出したい項目は次の3つです。

    番号と回線の契約内容

    代表番号やFAX番号、部署ごとのダイヤルイン番号など、会社で契約している番号をすべて一覧にします。あわせて、回線の種類と契約先、月額料金、契約の更新時期も整理しておきます。

    見落としやすいのが、警備会社の通報装置や決済端末、エレベーターの非常電話など、電話回線を使う業務用の機器です。IP電話に切り替えると動かなくなる機器もあるため、回線を使っている機器を現地で確認し、それぞれの提供会社に対応を問い合わせましょう。

    内線番号表と着信の流れ

    社員ごとの内線番号と、外線の着信がどの電話機で鳴るかという着信の流れを整理します。代表電話に着信したら受付の3台が同時に鳴り、出なければ総務に回る、といった具体的な動きを書き出すことが大切です。

    この流れは長年の運用で変わっていることがあり、紙の資料と実際の設定が異なるケースもあります。現場の担当者に聞き取りを行い、実際の動きを確認しましょう。IP電話の設定を作る際の土台にもなります。

    同時通話数と通話の量

    同時に何本の通話が発生するかは、必要な回線の数や通信量を決めるうえで重要な情報です。現在の電話の利用明細や主装置の記録から、時間帯ごとの通話数を確認できる場合があります。

    月末や繁忙期など、通話が集中する時期の数字もあわせて把握しておきましょう。普段の平均値だけで設計すると、忙しい時期に話し中が増える原因になり得ます。今後の採用計画や拠点の増減も、余裕を見込む材料として整理しておくと安心です。

    IP電話を支える社内ネットワークの設計

    IP電話の通話品質は、社内ネットワークの設計に大きく左右されます。パソコンのデータ通信と同じネットワークに音声を流すため、音声が後回しにされないような工夫が必要です。設計で検討したい3つの項目を紹介します。

    音声を優先する帯域とQoS

    IP電話の音声は、データの到着が少し遅れるだけでも途切れや遅延として感じられます。そのため、同時通話数に応じた通信量を確保したうえで、音声を優先して送る設定を検討します。

    この仕組みをQoSと呼び、ルーターやスイッチで音声の通信に優先度をつけます。大きなファイルの送受信やWeb会議と重なっても、通話への影響を抑える効果が期待できます。対応しているかどうかは機器によって異なるため、構築を依頼する事業者と一緒に確認しましょう。

    音声用のネットワークを分ける

    社内のネットワークを、電話用とパソコン用に論理的に分ける方法もあります。VLANと呼ばれる仕組みを使うと、同じ配線のまま通信を種類ごとに区切ることができます。

    電話の通信を分けておくと、パソコン側で大量の通信が発生しても音声への影響を抑えやすくなります。また、トラブルが起きたときに原因の範囲を絞り込みやすい点も利点です。一方で、設定の難易度は上がるため、社内に詳しい担当者がいない場合は構築事業者に設計を依頼しましょう。

    電源と停電時の備え

    IP電話機は、LANケーブルから電源を受け取るPoEという方式で動かすことがあります。この場合は、PoEに対応したスイッチが必要です。

    停電時には、ルーターやスイッチが止まると電話も使えなくなります。代表番号だけでも通話を続けたい場合は、主要な機器に無停電電源装置をつなぐ方法があります。停電が長引く場合に備えて、携帯電話への転送や連絡網など、電話以外の手段もあわせて決めておきましょう。

    関連記事 IP電話と固定電話の違いを比較表で解説|料金・仕組み・メリットと選び方

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    IP電話へ切り替える日までの準備

    ネットワークの準備が整ったら、番号の手続きと試験運用を経て、本番の切り替えに進みます。電話が使えない時間を最小限にするには、切り替え当日の段取りを前もって固めておくことが大切です。準備の流れを3つの工程に分けて紹介します。

    番号の引き継ぎ手続き

    今の電話番号をIP電話でも使い続けたい場合は、番号ポータビリティと呼ばれる引き継ぎの手続きを行います。引き継げるかどうかは、番号の種類や今の契約先、移行先のサービスの組み合わせによって異なります。

    手続きには一定の期間がかかり、切り替え日を自由に選べない場合もあります。050番号のサービスでは、市外局番から始まる番号を引き継げない点にも注意が必要です。構築の計画を立てる段階で、引き継げる条件と所要期間を事業者に確認しておきましょう。

    試験運用と通話テスト

    本番の前に、一部の部署や少人数で試験運用を行います。内線の呼び出しや保留・転送、代表番号の着信の流れが、洗い出した内容のとおりに動くかを確かめます。

    通話テストでは、音声が届くかだけでなく、相手の声の遅れや途切れ、外線の発信番号の表示も確認します。社外の固定電話や携帯電話にかけてみると、実際の使い方に近い状態で確かめられます。見つかった問題は記録し、本番前に設定を修正しておきましょう。

    切り替え日の決め方と社内外への周知

    切り替えは、電話の少ない休日や業務時間外に行う方法がよく選ばれます。万が一つながらない場合に、元の環境に戻す手順も用意しておくと安心です。

    社内には、新しい電話機の操作方法や内線番号の変更点を事前に伝えます。番号が変わる場合は、取引先への案内やWebサイト、名刺の修正も必要です。切り替え後しばらくは、問い合わせ窓口を決めて、社員からの質問や不具合の報告を受け付ける体制を整えましょう。

    関連記事 IP電話を導入した後に取り組むべき4つのステップ

    IP電話の構築後に運用を安定させる体制

    IP電話は、構築して終わりではありません。社員の入れ替わりや組織の変更にあわせて設定を見直し、障害が起きたときに速やかに対応できる体制が必要です。運用を安定させるために決めておきたい2つの項目を紹介します。

    障害時の連絡経路と切り分け

    通話ができない、音声が途切れるといった問題は、回線や社内ネットワーク、PBX、端末の設定など、複数の要因で起こります。どこに原因があるかによって連絡先が変わるため、回線事業者、IP電話の提供事業者、ネットワークの保守会社の連絡先を一覧にしておきます。

    あわせて、まず確認する項目の順番を手順書にまとめておくと、担当者の不在時も初動が遅れにくくなります。障害の内容と対応の記録を残しておけば、同じ問題が起きたときに原因を早く特定できます。

    設定変更と利用者追加の管理

    入社や異動、退職のたびに、内線番号の割り当てや着信の流れの変更が発生します。誰がどの設定を変更したかを記録しておかないと、着信が届かないといった問題の原因を追えなくなります。

    設定を変更できる人を限定し、変更の依頼と実施の記録を残す運用にしておきましょう。管理者を1人に固定せず、複数人で手順を共有しておくと、引き継ぎもスムーズです。内線番号表も、変更のたびに更新しておくことが大切です。

    構築方式ごとに見るIP電話サービスの特徴

    クラウド型で一から構築するか、既存の設備や番号を生かすかによって、検討するサービスは変わります。構築の進め方とあわせて比べられるよう、特徴を一覧にしました。

    製品名特徴
    トビラフォン Cloud設備投資不要のフルクラウド型PBXで、契約・請求を一本化して管理できる
    MiiTel PhoneIP電話と録音・文字起こし・AI解析が一体で、固定電話を置かずに使える
    SIPトランキング既存のPBXを生かして音声通話をIP化でき、電話番号の移行にも対応
    クラコールSIPtrunkPBXと連携しても単体でも使え、ISDN回線からの移行にも対応
    スマホ内線化サービスオフィスの固定電話はそのままに、スマホを子機として内線化できる
    IP-OneIPフォン既存の番号を生かしながら、全国の拠点をIPネットワークで一元的に接続
    TramLine機器設置不要でマルチキャリアに対応し、番号の継続利用も可能な電話回線

    構築の進め方にあわせて選ぶIP電話

    クラウド型でまとめて切り替える方法から、既存のPBXや番号を残して段階的に移行する方法まで、構築方式ごとに検討できるサービスを紹介します。

    トビラフォン Cloud

    トビラシステムズ株式会社
    《トビラフォン Cloud》のPOINT
    1. 設備投資不要で簡単に導入可能
    2. 自動テキスト化などのさまざまな機能が標準搭載
    3. 柔軟な着信設定と操作性に優れた管理画面

    トビラシステムズ株式会社が提供する「トビラフォン Cloud」は、社内に主装置を置かずに電話環境を構築できるフルクラウド型のクラウドPBXです。回線業者との契約が別途必要となる場合があるアダプター型PBXと異なり、契約・請求を一本化して管理できます。スマートフォンやパソコンに加え、Yealink製のIP電話機を接続機器として使えるため、据え置きのIP電話機を使いたい職場でも構成を組みやすい製品です。着信設定は管理画面から変更できます。参考価格は3,000円~です。

    MiiTel Phone

    株式会社RevComm
    《MiiTel Phone》のPOINT
    1. リアルタイムトークアシストでアポイント獲得率・成約率を最大化
    2. 「売れるトーク」をデータで可視化!チーム全体の成約率を向上
    3. AIの自動フィードバックで教育を効率化!現場の営業力を強化

    株式会社RevCommが提供する「MiiTel Phone」は、クラウド型で構築でき、固定電話を設置しなくても使える音声解析プラットフォームです。IP電話に録音・文字起こし・AI音声解析の機能が組み込まれているため、電話環境の切り替えとあわせて通話内容の記録や分析の仕組みも整えられます。会話の内容はCRMとも自動で連携し、一元管理できます。営業部門やコールセンターなど、電話の活用度が高い部署から構築を進めたい企業の選択肢です。

    SIPトランキング (VonageJapan合同会社)

    《SIPトランキング》のPOINT
    1. 既存PBXで高品質な音声通話を実現
    2. 電話番号移行可能、ビジネス継続性を確保
    3. 回線利用でコスト削減と拡張性を両立

    クラコールSIPtrunk (株式会社三通テレコムサービス)

    《クラコールSIPtrunk》のPOINT
    1. フレッツ光、ひかり電話オフィスタイプに対応
    2. ISDN回線からのスムーズな移行を実現
    3. 導入実績300社以上、安心のセキュリティ体制。

    スマホ内線化サービス (ソフトプラン株式会社)

    《スマホ内線化サービス》のPOINT
    1. 外出先で会社の固定電話番号を利用
    2. 電話受付の機会損失や転送料金をゼロにする運用を支援します。
    3. テレワーク・リモートワーク導入ツール

    IP-OneIPフォン (ソフトバンク株式会社)

    《IP-OneIPフォン》のPOINT
    1. 既存番号を活用しながら全国拠点を一元接続。
    2. クラウド型IP網で通信コストを削減。
    3. 災害時にも安定した音声通話ができる通信基盤。

    TramLine (トラムシステム株式会社)

    《TramLine》のPOINT
    1. 機器設置不要で簡単導入、すぐに利用可能
    2. マルチキャリア対応で通信コストを削減
    3. ISO27001認証取得済みの情報セキュリティ体制

    まとめ

    IP電話の構築は、クラウド型や自社設置のIP-PBX、既存機器を生かした段階的な移行から方式を選ぶところから始まります。次に番号や内線、同時通話数を洗い出し、社内ネットワークを設計します。番号の引き継ぎ手続きと試験運用を経て切り替え、構築後は障害時の連絡経路と設定変更の管理を整えましょう。自社の拠点構成にあうIP電話の構築方式を見極めるため、まずは資料請求して比較してみてください。

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