ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■重視したい対策別
- 通話や音声データの暗号化:トビラフォン Cloud、CloudNipponSIPトランク、AGEphone
- 2段階認証やIPアドレス制限によるアクセス制御:トビラフォン Cloud
- 操作ログやアカウント操作履歴の確認:トビラフォン Cloud
- ■提供事業者の第三者認証別
- ISO/IEC 27001(ISMS):MiiTel Phone、TramLine
- SOC 2:MiiTel Phone
- プライバシーマーク:トビラフォン Cloud
- ■提供形態別
- クラウド型IP電話サービス:トビラフォン Cloud、MiiTel Phone
- 法人向け電話回線・SIPトランクサービス:TramLine、CloudNipponSIPトランク
- PCやスマホで使うソフトフォン:AGEphone
IP電話で想定されるセキュリティ上のリスク
IP電話は、音声をデータの小さな単位であるパケットに分けて、インターネットや社内ネットワークで送ります。そのため、従来の電話回線とは違う種類のリスクを意識する必要があります。代表的なリスクは次の3つです。
通話内容の盗聴
暗号化されていない通話は、通信経路の途中でパケットを取得されると、音声として再生されるおそれがあります。特に、誰でも接続できる公衆Wi-Fiや、管理が行き届いていない社内ネットワークでは注意が必要です。
盗聴の対象は会話の内容だけではありません。誰がいつ誰に電話したかという発着信の情報も、取引先や商談の状況を推測する手がかりになり得ます。顧客情報や契約条件を電話でやり取りする企業ほど、通話そのものを守る対策を検討する意味があります。
なりすましと乗っ取りによる不正発信
IP電話では、電話機やアプリが「SIP」と呼ばれる手順でサーバーに登録され、発着信を行います。この登録に使うIDとパスワードが推測されると、第三者が自社の番号になりすまして発信できてしまう可能性があります。
総務省は2015年に、IP電話が第三者に不正利用され、高額な国際電話料金を請求される被害について、電気通信事業者の関係団体に対策への協力を要請しました。PBXやIP電話対応のルーターのセキュリティ上の不備や脆弱性による乗っ取りなどが原因として考えられるとしており、機器の設定管理も対策の対象です。
大量の通信によるサービス妨害
IP電話のサーバーや機器に大量の通信を送りつけ、処理を追いつかなくさせる攻撃もリスクの一つです。DoS攻撃と呼ばれ、発着信ができなくなったり、通話が途切れたりする原因になり得ます。
ただし、通話品質が落ちる原因は攻撃だけではなく、回線の混雑や機器の性能、設定の誤りなども考えられます。攻撃と決めつけず、通信量の記録や機器のログを確認して原因を切り分けることが大切です。自社で機器を運用している場合は、外部からの不要な通信を遮断する設定も見直しましょう。
IP電話の通話を守る暗号化の仕組み
IP電話の暗号化は、通話を始めるための制御と、音声そのものの2つに分けて考えます。片方だけを暗号化しても十分とはいえないため、両方の対応状況を確認しましょう。あわせて、拠点をまたぐ通信路の保護も検討します。
呼制御を暗号化するSIP over TLS
SIPは、発信や着信、保留といった通話の制御を担う通信手順です。このやり取りが暗号化されていないと、IDや発着信の相手先などの情報が読み取られるおそれがあります。
SIPの通信をTLSという暗号化の仕組みで保護する方式を、SIP over TLSと呼びます。Webサイトの「https」と同じ考え方で、なりすましや情報の読み取りを難しくする効果が期待できます。サービスや電話機によって対応状況が異なるため、資料請求の段階で確認しておきましょう。
音声データを暗号化するSRTP
通話中の音声は、RTPという方式で送られるのが基本です。RTPのままでは暗号化されないため、音声を守るにはSRTPという暗号化方式に対応しているかを確認します。
注意したいのは、自社側が対応していても、通話相手の回線や電話網を経由する区間まで暗号化されるとは限らない点です。社内の内線通話とお客さまへの外線通話では、保護される範囲が変わる場合があります。どの区間が暗号化されるのかを提供事業者に確認しておくと、社内ルールを決める際に役立ちます。
拠点間の通信をVPNで保護する
本社と支店の内線をIP電話でつなぐ場合、拠点間の通信をVPNで保護する方法もあります。VPNとは、インターネット上に仮想的な専用の通り道を作り、通信を暗号化する仕組みです。
VPNを使うと、電話以外の社内システムの通信もまとめて保護できます。一方で、VPN機器の処理能力が不足すると音声の遅延や途切れの原因になり得ます。通話の同時接続数を見込んだうえで機器を選び、音声通信を優先させる設定もあわせて検討しましょう。
IP電話の不正利用を防ぐ設定と運用
暗号化を導入しても、設定や運用に隙があれば不正利用のリスクは残ります。IP電話のセキュリティを保つには、導入時の初期設定に加え、日々の運用で確認を続けることが重要です。ここでは、特に見直したい3つの項目を紹介します。
パスワードと管理画面の保護
電話機やアプリの登録に使うパスワード、管理画面のパスワードは、初期設定のまま使わず、推測されにくいものに変更します。総務省も、第三者が推測しやすい簡易なパスワードを設定しないよう注意を呼びかけています。
管理画面には、利用できる人を限定する設定も欠かせません。接続元のIPアドレスを制限する、多要素認証を使う、といった方法があります。担当者の異動や退職に備えて、管理者アカウントを個人で使い回さず、権限ごとに分けておくと引き継ぎも円滑です。
国際電話や発信先の制限
乗っ取りの被害を小さくするには、使わない発信先をあらかじめ止めておく方法が有効です。海外との取引がない企業であれば、国際電話の発信を停止しておくと、不正に発信された場合の高額請求のリスクを抑えられます。
国際電話を使う企業でも、発信できる国や端末、時間帯を限定できるかを確認しましょう。通信事業者が受け付ける国際電話の利用休止や、サービスの発信制限機能など、対策の方法は契約内容によって異なります。自社の利用実態にあわせて選ぶことが大切です。
機器の更新とログの確認
自社でIP-PBXやIP電話対応のルーターを設置している場合は、機器のソフトウェアを最新の状態に保ちます。公開された脆弱性が放置されると、乗っ取りの入口になる可能性があるためです。
あわせて、発着信の履歴や管理画面へのログイン履歴を定期的に確認します。深夜の発信や見覚えのない宛先への通話があれば、早めに気づけます。確認の担当を1人に任せず、複数人で記録を見られる体制にしておくと、担当者の不在時にも対応が滞りません。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でIP電話の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
スマホやPCでIP電話を使うときのセキュリティ
スマートフォンやパソコンにアプリを入れて使うIP電話は、場所を選ばずに会社の番号で発着信できる便利な方法です。その分、端末の管理や接続先のネットワークに注意が必要です。ここでは、アプリで利用する際の注意点を紹介します。
端末の紛失や退職時の利用停止
アプリ型のIP電話では、端末を紛失すると、拾った人が会社の番号で発信できてしまうおそれがあります。管理画面から特定の端末やアカウントをすぐに停止できるかを、導入前に確認しておきましょう。
退職者や異動者のアカウントを速やかに削除する手順も決めておきます。私物のスマートフォンを業務に使う場合は、画面ロックの設定を利用の条件にするなど、端末側のルールも必要です。端末管理の仕組みを使っている企業は、IP電話アプリも管理の対象に加えると運用がまとまります。
自宅や外出先のWi-Fiからの接続
テレワークや外出先では、自宅のWi-Fiや公衆Wi-Fiを使って通話することがあります。公衆Wi-Fiには暗号化されていないものもあるため、通話が暗号化されていないIP電話では、内容を読み取られるリスクが高まります。
対策としては、暗号化に対応したサービスを選ぶことに加え、社外ではモバイル回線やVPNを使うといったルールを設ける方法があります。自宅のWi-Fiルーターも、初期パスワードの変更やソフトウェアの更新を従業員に案内しておくと安心です。
IP電話の不正利用が疑われるときの対応
対策を重ねていても、不正利用のリスクをゼロにすることは難しいものです。被害を小さくするには、異常に早く気づき、すぐに止められる体制を用意しておくことが大切です。ここでは、気づくきっかけと発見後の動き方を紹介します。
通話履歴や請求額の異常に気づく
不正利用は、利用明細や請求額の急な増加で発覚するケースがあります。ただ、月1回の請求を待っていると、気づいたときには被害が膨らんでいる可能性があります。
サービスによっては、通話料が一定額を超えたときや、普段と異なる発信があったときに通知する機能を備えています。こうした機能がない場合でも、発信履歴を週ごとに確認する、営業時間外の発信を一覧で見るといった運用で、異常に気づく時期を早められます。
発見後に止める手順と連絡先
不審な発信を見つけたら、該当するアカウントの停止やパスワードの変更、国際電話の発信停止を急ぎます。そのうえで、提供事業者や機器の保守会社に連絡し、原因の調査を依頼しましょう。
原因は、パスワードの漏えいや機器の設定、ソフトウェアの脆弱性など複数考えられます。自社だけで判断せず、情報システム部門や保守会社と記録を共有して調べることが大切です。連絡先と手順を一覧にしておけば、担当者の不在時でも初動が遅れません。
セキュリティ面で比べるIP電話サービス一覧
通話の暗号化やアクセス制御、提供事業者の第三者認証など、セキュリティの観点で確認しておきたいIP電話サービスを一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| トビラフォン Cloud | 通信暗号化・2段階認証・IPアドレス制限・操作履歴に対応し、プライバシーマークを取得 |
| MiiTel Phone | 通話録音・文字起こし・AI音声解析を備え、ISO/IEC 27001とSOC 2に対応 |
| TramLine | ISO 27001認証を取得した情報セキュリティ体制で提供される法人向け電話回線サービス |
| CloudNipponSIPトランク | TLS/SRTP系の暗号化技術で通信データの保護を図るSIPトランクサービス |
| AGEphone | AES/ECDHによる音声暗号に対応し、PCやスマホをビジネスフォンとして利用できるソフトフォン |
通話の保護と不正利用対策で選ぶIP電話
ここでは、暗号化やアクセス制御、操作の記録、第三者認証など、この記事で取り上げたセキュリティ対策に関連するIP電話サービスを紹介します。
トビラフォン Cloud
- 設備投資不要で簡単に導入可能
- 自動テキスト化などのさまざまな機能が標準搭載
- 柔軟な着信設定と操作性に優れた管理画面
トビラシステムズ株式会社が提供する「トビラフォン Cloud」は、通信暗号化や2段階認証、IPアドレス制限に対応したフルクラウド型のクラウドPBXです。オペレーションログやアカウント操作履歴も備えており、管理画面での操作状況を確認できます。専用アプリを入れたスマートフォンで会社番号の発着信ができ、迷惑電話フィルタや通話録音、音声テキスト化なども標準搭載。プライバシーマークを取得しており、参考価格は3,000円~です。アクセス制御と通話管理の両面を重視したい企業に適しています。
MiiTel Phone
- リアルタイムトークアシストでアポイント獲得率・成約率を最大化
- 「売れるトーク」をデータで可視化!チーム全体の成約率を向上
- AIの自動フィードバックで教育を効率化!現場の営業力を強化
株式会社RevCommが提供する「MiiTel Phone」は、IP電話と録音・文字起こし・AI音声解析を一体化した音声解析プラットフォームです。顧客との会話を自動で録音・文字起こしし、通話内容や話速、沈黙回数などを分析できます。AIが通話中の切り返しを支援するリアルタイムトークアシストも搭載。ISO/IEC 27001とSOC 2の認証・評価に対応しており、通話内容の記録・管理と提供事業者の情報セキュリティ体制を重視する企業の選択肢です。
TramLine (トラムシステム株式会社)
- 機器設置不要で簡単導入、すぐに利用可能
- マルチキャリア対応で通信コストを削減
- ISO27001認証取得済みの情報セキュリティ体制
CloudNipponSIPトランク (Cal4Care LLC)
- 経験豊富な専門家チームがサポート
- TTLS/SRTP技術で機密データを保護し、通話を傍受されない。
- 3種のPKGから選択、独自課金で通話料削減
AGEphone (株式会社ageet)
- 電話のプロが10年以上利用
- 日本独自のビジネスホン文化に対応
- AES/ECDH音声暗号で高いセキュリティ。
まとめ
IP電話のセキュリティは、盗聴やなりすまし、乗っ取りによる不正発信といったリスクごとに対策を組み合わせて高めます。SIP over TLSやSRTPによる暗号化、推測されにくいパスワードと管理画面の保護、国際電話などの発信制限、機器の更新とログ確認が基本です。
スマホで使う場合は端末の利用停止の手順も決めておきましょう。自社に必要なセキュリティ機能を備えたIP電話サービスを見極めるため、まずは資料請求して比較してみてください。

