MDMのシェア・市場規模
まずはMDMのシェアや市場規模を見ていきましょう。
MDMの市場は拡大していく見込み
スマートフォンやタブレットの業務利用の拡大により、MDM市場は今後も拡大していくと予想されています。歴史が浅いこともあり、需要も増えていく見込みから成長市場といえるでしょう。特にセキュリティリスクの増大も市場拡大を後押ししている要因です。
また、MDMの技術はIoTのセキュリティ管理にも応用できるといわれており、将来的にはIoT市場を視野に入れた活躍が期待されています。
海外のMDM市場規模
海外のMDMの市場規模は2017年時点で約26億ドルであり、2026年には約165億ドルまで成長する見込みです。特に世界の中でもアメリカのMDM導入が活発であり、市場シェアの4割近くを占めています。
この成長の大きな要因は、企業によるBYOD導入の拡大に伴い、セキュリティ対策としてMDMが活用されているためです。BYODとは「Bring Your Own Device」の略であり、個人のモバイル端末を業務利用することを意味します。
国内のMDM市場規模
国内のMDM市場規模は年々拡大しており、2013年には約72億円だった市場が2016年には約208億円まで成長しています。しかし、海外と異なりBYODが伸び悩んでいることもあり、成長は緩やかです。
特にEMMの需要が増えていく
近年の市場では、MDMを発展させた「EMM」がシェアを伸ばしています。2016年には前年度比21.2%の増加となる約117億円になり、2021年には約190億円規模まで成長すると期待されている分野です。
このEMMとは「Enterprise Mobility Management」の略で、MDM機能以外にもMAM(モバイルアプリケーション管理)やMCM(モバイルコンテンツ管理)で構成されています。
これからのMDM市場は、MDM単体ではなく総合的にモバイル端末を管理するEMMが一般化していくでしょう。
MDMの必要性
MDMの必要性があるか見ていきましょう。
盗難・紛失時の情報漏えい対策ができる
MDMを活用すれば、情報漏えいの対策が可能です。モバイル端末を業務利用する際の最大のリスクは、端末の盗難・紛失時に業務情報が漏れることです。
そこで、MDMはGPSで端末の所在を確認することでリモート操作であり、紛失した場合は端末をロックできます。また、不正操作を防止するために、複数回の誤入力で端末をロックする設定をするのも良いでしょう。
MDMソリューションでは、24時間365日操作できるため、緊急対応が可能です。
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不正な利用を防止できる
MDMにより、不正利用を防ぐことが可能です。
モバイルデバイスを導入する企業は、端末の不正使用や公私混同の懸念があるでしょう。実際に不正なサイトにアクセスしてしまい、端末内のデータが漏れることもあります。MDMでは、このような業務には関係ないサイトへのアクセスを制限できます。
他にも、端末に備わっている機能を無効化することも重要でしょう。MDMでは、無線LANやカメラ、SDカードの利用など、業務に不要なものや情報漏えいのリスクがある機能の制限を行えます。
また、モバイル端末を管理するときはアプリの管理も行わなければなりません。アプリの利用制限には、許可したアプリのみを利用できる「ホワイトリスト方式」や利用させたくないアプリを登録する「ブラックリスト方式」の2種類あります。
モバイル端末を使った業務を標準化できる
MDMを使うとモバイル端末を使用する業務を標準化できます。仮にMDMを使わなければ、業務に必要なアプリを1台ずつインストールしなければなりません。また、社員が多ければインストールしていない人も出てくるでしょう。
そこで、MDMを使い端末管理をすると、業務に必要なアプリの一括インストールや、セキュリティポリシーを一括で適用できます。負担の軽減にもつながるでしょう。
MDMの導入ポイント
MDMはどのような点に気をつけて導入すれば良いのでしょうか。ここからは、MDMの導入ポイントを見ていきましょう。
自社の環境に対応しているか
まず自社の環境に対応しているか確認しましょう。会社配布のモバイル端末ではなくBYODであれば、iPhoneとAndroidの両方に対応しなければならないでしょう。自社で使っているPCやスマートフォンなどのOSを参考にしてください。
必要な機能や拡張性は十分かどうか
MDMの導入を検討するときは、必要な機能や十分な拡張性を搭載した製品を選ばなければなりません。MDMの基本機能を理解し、製品ごとに付加されている機能を参考にすると良いでしょう。場合によってはMDMではなくEMMの方が適しているかもしれません。
また、スマートフォンの機能は年々進歩しているため、アップデートされるような継続性や拡張性があることも重要な選定ポイントです。まずは自社にどのような機能が必要かを明確にしましょう。
セキュリティ対策は十分か
MDMはセキュリティ対策として用いられることがほとんどですが、機能だけでなく製品自体の安全性も重要でしょう。ウイルスをインストールしないような機能やデータ暗号化など、どのようなセキュリティ対策を行っているか確認することが大切です。
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MDMのシェアを参考に最適なツールを導入しよう
セキュリティ対策に適しているMDMのシェア・市場規模は今後も拡大していきます。まずはMDMの必要性を感じることが大切です。モバイル端末を業務利用する場合は、MDMを活用して情報漏えい対策・不正利用防止・業務標準化を行わなければならないでしょう。
MDMのシェアを参考に自社に最適なツールを導入し、業務効率を上げていきましょう。