ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■内製の進め方別
- 1部門・少人数で試作から始めたい:楽々Webデータベース、Platio、SPIRAL WebTools
- 複数部門に広げて管理したい:SmartDB、JUST.DB、AppSuite
- ■作り手の育成支援別
- 業務アプリのテンプレートが豊富:AppSuite、Platio、キントーン
- アプリ作成や導入の支援サービスあり:SmartDB、SPIRAL WebTools、kintone業務アプリ対面開発サービス
ノーコードの内製は現場の小さな困りごとから始める
ノーコードでの内製は、全社的な大きなシステムからではなく、現場が日々感じている不便の解消から始めると定着しやすくなります。最初の一歩として取り組みたい3つの進め方を紹介します。
紙やExcelで回している業務を洗い出す
まず、紙の申請書やExcelの台帳で管理している部署内の業務を書き出します。備品の貸し出し、来客の受付記録、日報の提出といった、毎日または毎週発生する作業が候補です。
洗い出す際は「転記に時間がかかる」「最新の版が分からない」「集計が手作業」といった困りごとも添えましょう。困りごとがはっきりした業務ほど、アプリにしたときの効果を説明しやすく、周囲の協力も得やすくなります。
1部門・1業務で試作して効果を確かめる
候補が決まったら、対象を1部門の1業務に絞って試作します。最初から複数の部門を巻き込むと、意見の調整に時間がかかり、完成前に熱意が下がってしまう場合があるためです。
試作したアプリは、数週間ほど実際の業務で使ってもらいます。入力にかかる時間や転記の手間がどう変わったかを、使った人の声とあわせて記録しておきましょう。この記録は、ほかの部門へ広げるときの説明材料として役立ちます。
情シスに相談する線引きを先に決める
現場で自由に作れる範囲と、情報システム部門に相談すべき範囲は、始める前に決めておきます。例えば、顧客の個人情報を扱う、社外の人も使う、他のシステムとデータを連携するといった場合は事前に相談する、という線引きです。
この線引きがあれば、現場は安心して手を動かせます。情報システム部門にとっても、リスクの大きいアプリを早い段階で把握できる利点があります。判断に迷うケースは都度相談し、線引き自体も見直していきましょう。
現場主導のノーコード内製を支える役割分担
現場の社員が自らアプリを作る取り組みは、市民開発とも呼ばれます。作り手個人の頑張りだけに頼ると続かないため、立場の異なる3つの役割で支える体制を考えましょう。
業務を知る現場の作り手
作り手は、業務の流れや困りごとを最もよく知る現場の社員が担います。ノーコード開発ツールは画面操作でアプリを作れるため、プログラミングの経験は必須ではありません。表計算ソフトで関数を使った経験があると、項目や計算の考え方をつかみやすい場合があります。
大切なのは、作り手を1人に固定しないことです。同じ部署に2人以上の作り手がいれば、片方が不在でも修正に対応できます。作成の作業時間を業務として認めることも、続けるうえで欠かせません。
部門内で相談を受ける推進役
推進役は、部門内の作り手からの相談を受け、作例を共有したり、困りごとを情報システム部門につないだりする役割です。ツールの操作に慣れたリーダー層や、業務改善の担当者が適任です。
推進役がいると、作り手が同じところでつまずくのを防ぎやすくなります。各部門の推進役が定期的に集まり、うまくいった事例や失敗から学んだことを共有する場を設けると、会社全体のノウハウとして蓄積されます。
ルールと全体を見守る情報システム部門
情報システム部門は、アプリを作る役割ではなく、全体を見守る役割を担います。ツールの契約や利用者の管理、セキュリティのルール作り、連携が必要なアプリの技術的な支援が主な仕事です。
現場の取り組みを止めるのではなく、安全に続けられる環境を整える姿勢が求められます。作られたアプリの数や利用状況を定期的に確認し、問題がありそうなアプリには早めに声をかけると、大きなトラブルを防ぎやすくなります。
ノーコードで内製したアプリを野良化させないルール
内製したアプリが増えると、誰が作ったか分からない、管理者がいない「野良アプリ」が生まれるおそれがあります。現場の自由さを保ちながら管理を続けるために、決めておきたいルールを紹介します。
アプリの登録と台帳での管理
新しいアプリを作ったら、名前や目的、作成者、管理者、利用部門を台帳に登録するルールにします。台帳自体をノーコードで作れば、登録の手間も抑えられます。
台帳があれば、似たアプリが別の部署で重複して作られるのを防げます。使われなくなったアプリを見つけやすくなる点も利点です。半年に1回程度、管理者に利用状況を確認し、不要なアプリは停止や削除を検討する流れを作っておくと、数が増えても全体を把握できます。
扱ってよいデータの区分
現場で作るアプリに入力してよいデータの範囲を、区分として示します。社内の業務情報は自由に扱ってよい、顧客の個人情報や人事評価は情報システム部門の確認が必要、といった区分が一例です。
区分があると、作り手はアプリを作る前に自分で判断できます。あわせて、アプリごとに閲覧できる人を必要な範囲に絞る設定方法も手引きにまとめておきましょう。情報の取り扱いに不安がある場合は、作る前に相談できる窓口を明示しておくことが大切です。
作成者の異動・退職時の引き継ぎ
現場で作ったアプリは、作成者の異動や退職で管理者がいなくなる場合があります。その結果、不具合が起きても誰も直せない状態になりかねません。
これを防ぐには、アプリごとに管理者を2人以上登録し、異動や退職が決まった時点で引き継ぎを行うルールを設けます。アプリの目的や項目の意味、承認の流れを簡単なメモに残しておくと、引き継いだ人が中身を理解しやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でノーコード・ローコード開発の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
非エンジニアが内製スキルを身につける育て方
ノーコード開発ツールは操作が簡単とはいえ、業務を整理してアプリの形にする力は、経験を重ねて身につきます。プログラミング経験のない社員が作り手として育つまでの段階を紹介します。
テンプレートを改造する練習から始める
最初は白紙から作るのではなく、ツールに用意されたテンプレートを自社の業務にあわせて改造する練習から始めます。テンプレートとは、日報や申請といった用途別にあらかじめ用意されたアプリのひな形です。
項目の追加や名前の変更、承認者の設定といった操作を繰り返すうちに、ツールの考え方が自然と身につきます。提供会社が操作研修や作成支援のサービスを用意している場合は、最初の数か月だけ活用するのも有効な選択肢です。
社内で作例と質問を共有する
作り手が増えてきたら、社内チャットのチャンネルや掲示板で、作ったアプリの作例や操作の質問を共有できる場を設けます。同じような悩みを持つ人どうしで解決策を教えあえるため、推進役や情報システム部門の負担も軽くなります。
うまくいったアプリの画面や、つまずいた操作とその解決方法を記録しておくと、新しく作り手になった人の手引きとして活用できます。質問しやすい雰囲気をつくることも、内製を広げるうえで大切なポイントです。
作ったアプリを評価して社内に広げる
作り手の意欲を保つには、成果を評価する仕組みも役立ちます。削減できた作業時間や、紙の書類が減った枚数といった効果を発表する機会を設けると、取り組みを社内に知ってもらうきっかけをつくれます。
ほかの部署でも使えそうなアプリは、項目を調整して横展開することも検討しましょう。ただし、広げる前に台帳への登録や管理者の設定を済ませ、利用者が増えても問い合わせに対応できる体制を整えておくことが大切です。
現場の内製に向くノーコード開発ツールの確認点
現場主導の内製では、作り手が使いこなせる操作性と、会社として管理できる仕組みの両方が求められます。ノーコード開発ツールを比べるときに、特に確認したい3つの項目を紹介します。
現場担当者が迷わない操作画面
作り手となる現場担当者が、説明書を見なくても基本的な操作をできるかは重要な確認項目です。項目をドラッグ&ドロップで配置できるか、画面の表示が日本語で分かりやすいかを確かめましょう。
無料トライアルがある場合は、作り手候補の社員が実際に操作し、試作したい業務のアプリを作れるかを試すのがおすすめです。自社の業務に近いテンプレートがあるかも、最初の一歩を踏み出せるかに影響します。
アプリと利用者を一覧できる管理機能
複数の部門へ広げることを見据えるなら、管理者が社内のアプリと利用者を一覧で確認できるかを確かめます。アプリごとの管理者や最終更新日、利用状況を把握できると、野良アプリの発見や棚卸しに役立ちます。
あわせて、部署単位で作成できる人を制限する機能や、操作の履歴を確認できる機能があるかも確認しましょう。現場の自由さと会社としての管理を両立できるかは、こうした管理機能の有無に左右されます。
利用者が増えたときの料金体系
ノーコード開発ツールの料金は、利用者数に応じた月額課金や、作れるアプリの数に応じた課金など、製品によって仕組みが異なります。試作の段階では少人数でも、広げると利用者が大きく増える場合があります。
アプリを作る人と、入力や閲覧だけをする人で料金が分かれているかも確認しておきたい点です。全社に広げた場合の総額を事前に見積もり、予算の範囲で続けられるかを判断しておくと、途中で利用を縮小する事態を避けやすくなります。
現場主導の内製に向くノーコードツール比較表
現場の担当者がアプリを作り、部門や全社へ広げていく内製に向くノーコード開発ツールを一覧にしました。試作のしやすさや管理機能、作り手への支援を比べる際に役立ててください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| SmartDB | 部門横断の複雑なワークフローや項目単位の権限設定に対応。協働推進型の導入支援を選べる |
| JUST.DB | スペース機能や監査ログで管理しながら全社へ展開できる。同時ログイン数で決まるライセンス形態を採用 |
| AppSuite | アプリライブラリを改造して業務アプリを作成。慣れたら一からのアプリ作成や全社への展開にも対応 |
| 楽々Webデータベース | Excelを取り込んでWebアプリにできる。ワークフローや帳票出力に対応し、クラウドとオンプレミスを選べる |
| Platio | 100種類以上のテンプレートからモバイルアプリを作成。アプリ審査が不要で、作ったその日から運用できる |
| キントーン | 100以上のサンプルアプリがあり、ひな形から業務アプリを作れる。プラグインや連携サービスで機能を広げられる |
| 部品をドラッグ&ドロップで組み合わせ、社内で使う業務アプリを作成できる。他のデータとの連携にも対応 | |
| RapidTable | ドラッグ&ドロップで入力フォームを作れるデータベース。セキュリティ機能も備えている |
| kintone業務アプリ対面開発サービス | 顧客と開発者が直接対話しながらkintoneアプリを構築するサービス。プロの助言を受けながら作れる |
| Canbus. | ユーザー数無制限で使えるノーコードの業務改善基盤。ワークフローや文書管理の機能を備える |
| SPIRAL WebTools | 現場の担当者がサイトやフォーム、業務アプリを作成できる。権限設定やサポートデスクによる作成支援がある |
1部門の試作から全社展開まで支えるノーコードツール
少人数で試作を始めやすい製品から、複数の部門へ広げても管理しやすい製品まで紹介します。テンプレートや作成支援の有無もあわせて確認し、自社の作り手が続けやすいツールを選びましょう。
SmartDB
- ノーコードで業務部門でも開発できます
- 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
- 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます
株式会社ドリーム・アーツが提供する「SmartDB」は、Webデータベースとワークフロー機能を備えた大企業向けのノーコード開発プラットフォームです。業務部門が自らデジタル化を進められ、部門を横断する複雑な承認フローや、文書内の項目ごとの権限設定にも対応します。導入時は、活用コンテンツやサポートメニューを使う自律推進型と、提供会社が最初の一歩を一緒に進める協働推進型を選べます。利用統計や操作ログの機能もあり、全社展開後の管理にも役立つでしょう。
JUST.DB
- 【完全ノーコード×生成AI】マウス操作と"ことば"でシステム開発
- 【多彩な標準機能】高い拡張性により、全社DXをJUST.DB1つで実現
- 【同時ログインライセンス】全社展開してもコストを抑制
株式会社ジャストシステムが提供する「JUST.DB」は、マウス操作で業務システムを構築できるノーコードのクラウドデータベースです。組織やユーザーごとに細かくアクセスを制御できる「スペース」機能や、監査ログの取得、IPアドレス制限といった管理機能を備えています。同時ログイン数で決まるライセンス形態を採用しており、スモールスタートから全社利用まで利用頻度にあわせて選べます。部門で始めた内製を、管理しながら複数部門へ広げたい企業に向く製品です。
AppSuite
- 多種多様なアプリライブラリから業務に合わせたアプリを選択可能
- 直感操作でデータ編集や検索、並べ替えなどが簡単に行えます
- 集計データをポータルで共有してスムーズに社内で情報共有可能
株式会社ネオジャパンが提供する「AppSuite」は、紙やExcelで回している社内業務を4ステップでシステム化できるノーコード業務アプリ作成ツールです。アプリライブラリのひな形をカスタマイズして使えるため、作り手が白紙から考える負担を抑えられます。慣れてきたら一からオリジナルのアプリも作成でき、リレーションやアクセス制御を使って全社横断の社内システムへ広げることも可能です。集計したデータはポータルで共有できます。
楽々Webデータベース
- 活エクセル|Excelを活用したままExcel業務の課題解決
- かんたん構築|ノーコードでだれもがIT人材に
- つなげて活用|貯めたデータも人もつなげて新たな価値を
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Webデータベース」は、Excelを取り込むだけでWebアプリにできるノーコードプラットフォームです。アプリとExcelファイルの間でデータを出し入れできるため、現場はこれまでの運用を大きく変えずに台帳管理をWebへ移せます。ワークフローや帳票出力にも対応し、クラウド版とオンプレミス版から選べます。参考価格は月額15,000円/10ユーザからで、1部門の台帳業務から試作したい場合に検討しやすい製品です。
Platio
- ノーコードで誰でも簡単に業務アプリ作成
- 初期費用ゼロ!月々2万円台からの始めやすい価格感
- 現場に合った業務アプリをスピード導入
アステリア株式会社が提供する「Platio」は、現場で使うモバイルアプリをノーコードで作成できるツールです。100種類以上のテンプレートから選んで作り始められ、アプリ審査が不要なため、作ったその日から運用を始められます。初期費用は0円で、月額2万円台から利用可能。少人数の部署で日報や点検報告のアプリを試作し、効果を確かめてから広げる進め方にあいます。
キントーン
- AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
- 部署・業種別ですぐに使えるサンプルアプリ
- プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、現場の業務にあうアプリをノーコード・ローコードで作れる業務改善プラットフォームです。部署や業種に応じた「日報」「案件管理」「備品在庫管理」など100以上のサンプルアプリがあり、ひな形を改造しながら作り方を覚えられます。プラグインや連携サービスを組み合わせて機能を広げることも可能です。導入時はパートナー企業による支援も選べるため、作り手を育てながら内製を始めたい部署に向いています。
SPIRAL WebTools
- 現場の担当者自身がサイトやフォーム、業務アプリを簡単に作成
- 金融機関や官公庁にも採用されるセキュリティ基盤で安心
- 柔軟な権限設定で、誰がどのデータを閲覧・編集できるか設定可能
スパイラル株式会社が提供する「SPIRAL WebTools」は、ノーコードアプリ作成ツールです。エンジニアに依頼しなくても、現場の担当者自身がサイトやフォーム、業務アプリを作成できます。フォームから集めたデータの管理やメール配信まで一つの環境で行え、誰がどのデータを閲覧・編集できるかを権限設定で細かく制御できます。サポートデスクによる作成・活用支援に加え、構築や運用を依頼できるサービスも用意されています。無料トライアルも提供されており、試作したい業務を試してから判断できます。
@pocket (株式会社アイアットOEC)
- ノーコードで業務アプリが作成可能
- あらゆる管理をアプリに置き換えることで費用の削減が可能
- 他のデータとの連携性
RapidTable (株式会社Rapid Table)
- ドラッグ&ドロップで誰でも簡単に入力フォームを作成
- データビジュアライゼーションでビジネス課題を可視化
- 画像や動画、音声ファイルなどあらゆるデータを一元管理
kintone業務アプリ対面開発サービス (株式会社国際協力データサービス)
- お客様と開発者が直接対話。アイデア創出と決定がスピーディ。
- プロの助言で課題解決し、期待通りのアプリが作れる。
- プロトで概念共有、共同作業で問題解決を早期化。
Canbus. (株式会社システナ)
- ユーザー無制限、レコード総数と添付容量で課金。
- 改正電帳法対応のワークフローと文書管理機能
- 1日1,100万レコード処理実績のある基幹システム構築が可能
まとめ
ノーコード開発ツールでの内製は、現場の小さな困りごとを1部門で試作するところから始めると定着しやすくなります。作り手、推進役、情報システム部門で役割を分け、アプリの台帳管理やデータの区分、引き継ぎのルールを整えることで、野良アプリを防ぎながら広げられます。現場で使いこなせて管理もできるノーコード・ローコード開発ツールを探す際は、資料請求で操作画面や管理機能、料金体系を比べてみてください。

