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工程管理システムの乗り換え、仕掛中の工程と実績データはどう移す?

工程管理システムの乗り換え、仕掛中の工程と実績データはどう移す?

工程管理システムの乗り換えでは、工程・設備・作業者のマスタと標準時間を新システム向けに作り直し、仕掛中の案件は基準日で区切って再登録するのが基本です。過去の実績データは、分析で使う範囲に絞って移すと、移行の負担を抑えられます。この記事では、製造業と建設業の工程管理を念頭に、現行運用の洗い出しからマスタの整理、仕掛と実績のデータ移行、実績入力の端末や生産管理との連携、現場への定着までを解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

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    ■実績収集の方法別
    ■連携先別

    現行の工程管理システムで手放せない運用を洗い出す

    工程管理システムの乗り換えでは、機能の一覧を比べる前に、現場が毎日どのように使っているかを確認することが大切です。仕様書に載っていない使い方や、システムの外で補っている作業も含めて洗い出しましょう。

    現場が毎日使う画面と入力方法

    現場の作業者やリーダーが毎日見ている画面は、作業指示の一覧なのか、設備ごとのガントチャートなのか、職場によって異なります。実績を入力するタイミングも、作業ごとなのか、終業時にまとめてなのかで運用が変わります。

    こうした使い方は、管理部門だけでは把握しきれない場合があるため、現場のリーダーに聞き取りを行いましょう。新システムで画面や入力の手順が大きく変わると、定着までに時間がかかる可能性があるため、変化の大きい部分を先に把握しておくことが大切です。聞き取りの結果は職場ごとに整理し、乗り換え先のデモを見る際の確認項目として使いましょう。

    関連記事 遅延で納期が守れない?工程管理の課題を解決する方法を徹底解説

    Excelや紙に戻っている作業

    現行の工程管理システムを使っていても、急な割り込みの段取りや、特注品の工程表などをExcelや紙で管理している現場があります。システムで扱いにくい作業が、外で補われている状態です。

    こうした作業は、現行システムへの不満や、乗り換え先に求める要件を示す材料です。どの作業を、なぜシステムの外で管理しているのかを一覧にし、新システムで扱えるかを確認しましょう。すべてを取り込む必要はなく、効果の大きいものから優先順位を付けることが大切です。

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    工程管理システムのマスタと標準時間を作り直す

    工程管理システムの計画や進捗の精度は、マスタの内容に左右されます。乗り換えは、長年の運用で古くなったマスタを見直す機会でもあるため、旧システムのデータをそのまま移さず整理してから登録しましょう。

    工程・設備・作業者のマスタ整理

    工程マスタには、製品ごとの作業の順番や、使用する設備、担当できる作業者が登録されています。廃止した製品や撤去した設備、退職した作業者の情報が残っていないかを確認し、現在の実態にあわせて整理しましょう。

    新旧のシステムで、工程の区切り方やコードの体系が異なる場合もあります。旧システムのコードと新システムのコードの対応表を作っておくと、過去の実績と新しい実績を比べる際にも役立ちます。マスタの整理は、製造部門と生産管理部門が共同で進めると漏れを減らせます。

    標準時間と段取り時間の見直し

    工程ごとの標準時間は、生産計画の作成や、進捗が遅れているかの判断に使われる重要な数値です。設備の更新や作業方法の改善によって、登録されている標準時間と実際の作業時間がずれていることがあります。

    旧システムに蓄積された実績データを使って、標準時間と実際の作業時間を比べてみましょう。ずれが大きい工程は、作業の観察や時間の計測で見直してから新システムに登録します。段取り替えの時間を標準時間と分けて登録できるかも、乗り換え先で確認したい点です。標準時間の精度が上がると、新システムで作る計画と現場の実態とのずれも小さくなります。

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    製造業と建設業で異なる管理の単位

    工程管理システムは、製造業と建設業で管理の単位が異なります。製造業では製品や製造番号ごとに工程を管理するのに対し、建設業では工事現場ごとに工種や作業の日程を管理し、協力会社の作業予定も扱います。

    そのため、乗り換え先が、自社の業種で使う管理の単位にあっているかを確認することが重要です。建設業では、現場ごとの工程表を協力会社と共有できるか、製造業では個別受注と繰り返し生産のどちらの管理に向いているかを確認しましょう。

    仕掛中の案件と実績データを移行する

    工程管理システムの乗り換えで手間がかかるのが、切り替え時点で進行中の案件の扱いです。新規と進行中で案件の移し方を分け、過去の実績データは保管と活用の方法を決めておきましょう。

    進行中の作業指示の再登録

    切り替えの基準日を決め、その時点で着手していない案件は新システムで一から登録します。すでに途中まで進んでいる案件は、完了した工程と残りの工程を分け、残りの工程だけを新システムに登録する方法があります。

    進行中の案件の件数が多い場合は、旧システムで完了まで管理し、新規の案件から新システムを使う方法も検討できます。ただし、この方法では設備や作業者の負荷を新旧2つのシステムで確認する必要があるため、並行期間を短くする工夫が必要です。例えば、残りの工程が少ない案件だけを旧システムに残し、それ以外は再登録するといった線引きも考えられます。

    過去の実績データの保管と分析

    過去の作業実績や不良の記録は、標準時間の見直しや、改善活動の分析に使う大切なデータです。ただし、すべての履歴を新システムに移すと、データの形式を整える作業が大きくなります。

    新システムには直近の一定期間だけを移し、それ以前のデータは旧システムから書き出して保管する方法もあります。品質の記録など、取引先や規格の要求で保管期間が決まっているデータは、必要な期間を確認したうえで保管先を決めましょう。保管したデータを誰がどのように検索できるかも、あわせて決めておくと安心です。

    関連記事 SPC(統計的工程管理)とは?管理図・Cpk・SQCとの違いをわかりやすく解説

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    実績入力の端末と生産管理システムとの連携

    工程管理システムは、現場から集めた実績と、受注や生産計画のデータがつながって初めて効果を発揮します。乗り換えでは、データの入口と出口となる端末や連携先を見直しましょう。

    タブレットやバーコードによる実績収集

    現場からの実績の集め方には、タブレットやスマートフォンでの入力、作業指示書のバーコードをハンディ端末で読み取る方法、設備の稼働データを自動で集める方法があります。乗り換えにあわせて、入力の手間が少ない方法へ見直すことも検討しましょう。

    既存の端末やバーコードの形式を新システムでも使えるかは、事前の確認が必要です。使えない場合は端末の買い替えや作業指示書の印刷形式の変更が発生するため、その費用と作業も乗り換えの計画に含めておきます。

    受注・生産計画データとの連携

    受注情報や生産計画を生産管理システムや基幹システムで管理している場合は、工程管理システムへのデータ取り込みに対応しているか確認しましょう。連携に対応していない場合、同じ情報を二重に入力する手間が発生します。

    連携方式には、ファイルの受け渡しや、API(システム同士をつなぐ仕組み)による自動連携があります。エラー発生時に未反映のデータを特定する機能や、再送処理の有無もあわせて確認しておくと安心です。

    工程管理システムを切り替える時期と現場への定着

    工程管理システムの切り替えは、生産や工事の予定に影響を与えない時期を選ぶことが大切です。また、新しいシステムが現場で使われ続けるよう、教育と運用ルールの整備を計画に含めましょう。

    繁忙期や棚卸しを避けた切り替え時期

    受注が集中する繁忙期や、期末の棚卸し、大型連休の前後は、切り替えのトラブルが起きた場合の影響が大きくなります。生産の計画が比較的落ち着いている時期を選び、切り替え日を決めましょう。

    工場全体を一度に切り替えるのが難しい場合は、一つのラインや工程から先に新システムを使い始め、問題がないことを確認してから広げる方法もあります。段階的に進めることで、現場の混乱を抑えながら運用の課題を早めに見つけられます。

    現場リーダーを起点にした操作教育

    新しい工程管理システムの操作教育は、まず各職場のリーダーに行い、リーダーから作業者に広げる方法が有効です。リーダーが操作に慣れていれば、現場で起きた疑問にその場で答えられます。

    ただし、特定のリーダーに頼りすぎると、不在時に対応が滞るおそれがあります。操作手順を写真付きのマニュアルにまとめ、よくある質問を共有する仕組みを設ければ、担当者を問わず同じように対応できる体制づくりにつながります。

    実績収集と連携で比べる工程管理システム一覧

    乗り換え後の実績入力の方法と、既存のデータやシステムとのつなぎ方に注目して、この記事で紹介する製品をまとめました。現場で使う端末と移行するデータを思い浮かべながら比べてみてください。

    製品名特徴
    エムネットくらうど製造業向け。マスター登録なしで運用を始められ、バーコードで工程進捗や作業実績を記録
    スマートF工程管理など必要な機能から導入可能。ハンディ端末やタブレットでバーコード管理
    A-Eyeカメラ<エーアイカメラ>ネットワークカメラとAIで、メーカーや年代の異なる設備の稼働データを収集
    ものレボ工程管理ワンタッチ操作で進捗を登録。Excelなどで管理していたデータもCSVで取り込める
    Promio Orario現場の作業者もスマートフォンで工程を確認し、進捗報告や日程調整を行える
    IIT工程見える化システムIoT技術で現場のデータをリアルタイムに収集・分析し、製造現場の改善を支援
    サクっと工程ガントチャートで工程と納期を可視化。工程手順の登録により作業指示書を発行

    移行の負担を抑えやすい工程管理システム

    マスタの作り直しや仕掛中の案件の再登録、実績入力の切り替えといった乗り換えの作業を進めやすいかという観点で、候補となる製品を紹介します。

    エムネットくらうど

    日本ツクリダス株式会社
    《エムネットくらうど》のPOINT
    1. マスター登録不要ですぐに運用スタート!バーコードで簡単運用
    2. 社内・外注の工程進捗を一元管理。現場の見える化を実現
    3. 図面管理・チャット・進捗を案件単位でをトータル管理

    日本ツクリダス株式会社が提供する「エムネットくらうど」は、従業員10~100名規模の製造業向けクラウド生産管理システムです。マスター登録を行わずに、受注時に発行したバーコードを起点として工程進捗や作業実績、図面、チャットを案件単位で一元管理します。紙の運用を続けながら段階的な移行も可能なため、マスタの整備を待たずに切り替えを始めたい現場に向いています。スマートフォンやタブレットからの操作に加え、CSV形式でのデータ出力・一括登録、販売管理システムBoardとの連携にも対応しています。

    スマートF

    株式会社ネクスタ
    《スマートF》のPOINT
    1. 工程管理や在庫管理など、必要な機能からスモールスタート可能
    2. 導入コンサルつきのトライアル可能、既存システムにも柔軟に連携
    3. バーコード管理やタブレット活用でペーパーレスIoTを実現

    株式会社ネクスタが提供する「スマートF」は、工程管理や在庫管理など必要な機能から導入できる製造業向けの生産管理システムです。導入前のトライアルが可能で、コンサルタントによるヒアリングと導入支援を受けながら、現行の運用を新しい仕組みに置き換えていけます。ハンディ端末やタブレットを使ったバーコード管理で実績を記録し、工数や不良の集計を自動化します。基幹システムや会計システムなど既存システムとの連携設定もサポートしているため、受注・生産計画データとのつなぎ直しを相談しやすい製品です。

    A-Eyeカメラ<エーアイカメラ>

    株式会社テクノア
    製品・サービスのPOINT
    1. 導入が簡単(対象物に対してネットワークカメラを設置すればOK)
    2. 設備稼働の見える化を実現、改善活動の推進に興味がある企業様へ
    3. リモート、電話、メールでのサポート(稼働監視や検出精度の点検)

    株式会社テクノアが提供する「A-Eyeカメラ<エーアイカメラ>」は、ネットワークカメラとAI、クラウドを組み合わせて設備の稼働状況をデータ化するシステムです。積層信号灯の点灯状態や作業者の有無を画像から判別し、メーカーや年代の異なる機械が混在する環境でも稼働状況を一元的に記録します。機械との配線接続は不要で、収集したデータは稼働率の分析や生産計画との予実比較に役立ちます。乗り換えを機に、設備の実績収集を手入力から自動化したい工場に適した選択肢です。

    ものレボ工程管理 (ものレボ株式会社)

    《ものレボ工程管理》のPOINT
    1. ワンタッチ操作で誰でも簡単に利用可能
    2. 登録された進捗状況はリアルタイムにシステム上へ反映
    3. 現場を熟知した製造業出身者による手厚いサポート

    Promio Orario (株式会社ウェッブアイ)

    《Promio Orario》のPOINT
    1. 工程を共有し、いつでもどこでもモバイルデバイスやPCで工程確認
    2. 各業務や情報の一元管理で効率化、工程修正や進捗報告も可能
    3. 導入実績2400社を超すOrarioの工程コラボレーションシステム

    IIT工程見える化システム (いなばテクノ・エボリューション株式会社)

    《IIT工程見える化システム》のPOINT
    1. IoT技術で現場データをリアルタイム収集・分析
    2. 「見える化」で生産性向上とコスト削減に貢献。
    3. 製造現場の課題発見・改善を強力サポート

    サクっと工程 (株式会社インプローブ)

    《サクっと工程》のPOINT
    1. ガントチャートで工程進捗と納期管理を可視化
    2. 工程手順の登録により、作業指示書を迅速に発行。
    3. 進捗や遅延をリアルタイムで確認可能

    まとめ

    工程管理システムの乗り換えでは、現場の使い方を洗い出したうえで、工程・設備・作業者のマスタと標準時間を作り直し、仕掛中の案件は基準日で区切って移すことが大切です。実績入力の端末や生産管理との連携も見直し、繁忙期を避けて段階的に切り替えましょう。工程管理システムは対応する業種や実績の集め方が製品ごとに異なります。資料請求で複数の製品を比べ、自社の現場にあう乗り換え先を選んでください。

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