【基本編】賃貸管理ソフトの選び方
賃貸管理ソフトは、物件や入居者の情報を一元管理し、契約の更新・解約に関わる書類作成を効率化します。また、家賃収納管理もできるため、滞納者を把握できます。賃貸管理ソフトを選ぶ際には、これら基本機能以外にも考慮すべき点があります。詳しく見ていきましょう。
操作性は良いか
操作性は、賃貸管理ソフトを実際に操作する従業員にとって重要なポイントとなります。選ぶ際は以下の点に留意しましょう。
- ■操作が簡単で覚えやすいか
- ■管理画面が見やすいか
- ■入力の手間を削減できる機能があるか
これらの点を考慮する際に注意すべきなのは、使いやすいと感じるかどうかは人によって異なるということです。ITリテラシーのある人だけが利用する場合と、パソコンが苦手な人も操作する場合では、求められる操作性は異なります。
実際に誰が使うのかよく考えたうえで賃貸管理ソフトを選びましょう。
サポート体制は十分か
賃貸管理ソフトに限らず、新しいシステムを導入するとさまざまな不明点が出てきます。ユーザーの質問にすぐに応えてくれるベンダーであれば、安心して利用できるでしょう。分かりやすいマニュアルの提供があれば、なお理想的です。
また、それ以外にも体制面でチェックしたいポイントが2つあります。1つめは法改正への対応。賃貸管理においては、改定される法律の把握が欠かせません。しかし、法律が改定されるたびに人力で対応するのは非常に面倒です。ベンダーが法律改正への対応を行ってくれる賃貸管理ソフトを選ぶことで、その負担を抑えられます。
2つめはアップデートの頻度です。サポートが手厚いソフトを選ぶために、どれくらいの頻度でアップデートされているか確認しましょう。高頻度で更新されていれば、ベンダーがサポートやアップデートに注力していると判断できます。
外部サービスと連携可能か
賃貸管理ソフトを導入しても、自社サイト上の賃貸物件情報を更新する手間や、サイトからデータを取り込む手間が減らなかった、というケースがあります。
各種賃貸ポータルサイト、賃貸仲介業者向けサービスなど外部サービスとの連携性に優れたソフトを選べば、これらの課題を解決できるでしょう。
さらに、口座振替サービスやファームバンキングと連携してデータを自動入力できれば、会計システムなど複数のシステムに手入力する必要はありません。自動入力であれば人為的なミスも生じないため、データの信頼性も増します。
コストが自社に見合っているか
賃貸管理ソフトのコストは製品によってさまざまです。数千円から使えるものもあれば、数十万円の費用がかかる製品もあります。多くの場合、この価格の差はシステムの提供形態や、搭載されている機能の量と質によって生じます。
賃貸管理ソフトを導入しても、コスト以上のメリットが得られなければ意味がありません。どのような機能や特徴が必要なのか見極め、余分な機能のない製品を選ぶことで、コストの増大を避けましょう。
また、初期費用だけでなくランニングコストが必要な点にも注意が必要です。特に、初期費用がほとんどかからないクラウドサービスは、一般的に月額利用料としてランニングコストがかかります。導入時の費用だけを見るのではなく、長期的な視点でコストを考えましょう。
【規模別】賃貸管理ソフトの選び方
賃貸管理ソフトの選び方を、事業の規模別に見ていきましょう。
小規模・新規事業:クラウドサービスがおすすめ
クラウドサービスは自社でサーバやシステムを整える必要がないため、初期費用がほとんどかかりません。したがって、スモールスタートが可能になり、小規模あるいは新規事業での利用に適しています。基本的に、システムの管理はすべてベンダーに任せることになります。法改正への対応なども一任できるため、従業員の少ない企業でも困りません。インターネットさえあれば時間や場所を選ばず使えるため、フットワークの軽いビジネスを実現できるのも魅力です。
ただし、利用を続ける限り、永続的にランニングコストが発生します。最初に多くの費用を払って、ランニングコストを抑えるオンプレミスサービスを導入したほうが、結果的に安くなるかもしれません。
また、システムの管理をベンダーに任せる分、自社でコントロールできる範囲が狭い点に注意が必要です。
大規模・中規模:オンプレミスサービスがおすすめ
オンプレミスサービスは、自社でサーバを用意してシステムを構築し、保守・運用も自社で行うサービス形態です。したがって、それらの負担に耐えうる中規模あるいは大規模の事業に適しています。
オンプレミスサービスのメリットは、システムをすべて自社でコントロール可能なことです。セキュリティや機能のカスタマイズなどを自由に行えます。
ただし、自社で機器を用意し運用する分、初期費用や人件費がかかります。さらに、トラブル発生時も自社で対処しなければなりません。自由度が高いですが、負うべき負担も大きいサービス形態と言えます。
賃貸管理ソフトの導入に失敗しないポイント
どれほど入念に製品情報を調べても、導入後に「思っていたのと違う」となるケースは少なくありません。このような失敗を防ぐために有効なのは、実際に試してみることです。
賃貸管理ソフトの中には、無料トライアルが設けられているものがあります。使わないと分からない点は、このトライアルを活用することで明確になるでしょう。特に操作性を確認するうえでは、実際の業務で利用する従業員が試すことが大切です。
また、ベンダーのサポート体制もトライアルで確認しましょう。電話やメールで問い合わせ、その対応をチェックします。丁寧に対応してもらえれば、導入後のサポートも信頼してよいでしょう。
賃貸管理ソフトの選び方をおさえて導入を成功させよう!
賃貸管理ソフトの選定ポイントは以下の4点です。
- ■操作性は良いか
- ■サポート体制は十分か
- ■外部サービスと連携可能か
- ■コストが自社に見合っているか
また、事業の規模によって適した形態は異なります。
- 小規模・新規事業
- クラウド型賃貸管理ソフト
- 大規模・中規模
- オンプレミス型賃貸管理ソフト
導入に失敗しないためには、無料トライアルで実際に試すことが大切です。以上を踏まえ、自社に最適な賃貸管理ソフトを見つけてください。