レントロールとは
レントロールとは、物件ごとの賃貸借条件を一覧化した表のことです。「住戸名」「契約者名」「家賃」「契約期間」などの情報を一覧化してあるため、住戸ごとの賃料や空室状況を把握できます。
また、管理会社は月に1度オーナーにレントロールを提出するのが一般的です。レントロールは家賃明細票と呼ばれる場合もあり、オーナーはレントロールを確認することで、総賃料や未払い家賃、稼働状況を把握できます。将来どの程度の収益が見込めるかも判断しやすくなるでしょう。
レントロールは不動産投資や売買の際に、物件の評価やリスクの見極めに利用される重要な判断材料のひとつです。
レントロール作成時の注意点
レントロールの作り方で特に気をつけたいポイントが、一覧に記載すべき項目の選定です。また視認性が悪くならないように配慮する必要もあります。ここでは2つの注意点について解説します。
必要な項目が何か考えてから作る
レントロールは形式が決まっていませんが、必要な項目が記載されていないとその役割を果たしません。レントロールから、どのような情報を読み取りたいのかを考慮したうえで作成しましょう。社内での活用が目的なのか、不動産投資家・オーナーを対象としているかでも必要項目は異なります。
なお、レントロールに記載される基本的な項目は以下のとおりです。必要に応じて項目を取捨選択しましょう。
- ■間取り(単身者、ファミリー向けか)
- ■面積(坪数または平米数)
- ■家賃
- ■坪単価
- ■契約開始日
- ■解約日
- ■敷金・礼金(賃料の何か月分か)
- ■契約者名
- ■戸数稼働率
- ■月間賃料
- ■年間賃料
- ■満室時全体賃料
情報を詰め込みすぎず、わかりやすくシンプルに
レントロールに必要のない項目が記載されていると、情報が読み取りにくく効率が落ちます。必要な情報が一目で見て取れるシンプルなものが望ましいでしょう。
「物件の稼働率を知りたい」「他物件との家賃を比較したい」など、何のためにレントロールを作成するのかを意識し、対象者が必要とする項目だけを漏れなく盛り込みます。
レントロールの読み方と活用方法
レントロールは物件ごとの情報を記載しただけの一覧表ではありません。数字を適切に読み取ることで、実務に役立てられます。
では、レントロールからどのような情報が読み取れるのでしょうか。実務に活かす2つの方法を紹介します。
賃料にばらつきがないかチェックし、適正な家賃を提案する
間取りが類似していたり、同じ階だったりするのに、家賃にばらつきが見られるケースがあります。物件の契約月に大幅な差がある場合に生じることが多い事例です。新築時は高く、築年数の経過にあわせて家賃を低く設定しているためです。
レントロールは家賃のばらつきを把握できます。近隣の類似物件と比較し、大幅な金額の乖離が見られる住戸に関して、オーナーに適切な家賃提案をできるでしょう。
さらに、レントロールで各住戸のウィークポイントを掴むことも可能です。
各住戸の空室期間などもわかりやすく、家賃値下げや設備の見直しなど、さまざまなプランの見直しもオーナーに提言できます。
入居者属性を知って空室対策を行う
男性や女性、学生、ファミリーなど、各物件・住戸の入居者属性をレントロールで把握できるため、空室対策にも効果的です。例えば、法人が複数の物件を一括で借り上げて社宅として利用している場合、ある時期に集中して複数の解約が発生することも考えられます。学生が多い場合も同様に、卒業による一斉退去の可能性があります。レントロールを確認し、対策を事前に講じておけば、急な解約にもあわてずにすむでしょう。
レントロールの作成・送付を効率化する方法
レントロールの作成・送付を効率化するのに有効なツールが、賃貸管理ソフトです。なぜ効率化できるのかについて詳しく解説します。
簡単にレントロールを作成できる
賃貸管理ソフトは、賃貸管理業務をシステム化して効率化できるソフトウェアです。レントロールも簡単に作成できます。
賃貸管理ソフトに登録されたデータを基にレントロールを自動作成するため、契約書ごとに各項目を手入力したり、エクセルで一から作成したりする必要がありません。出力もボタン操作のみで行えます。賃貸管理ソフトの活用で、レントロールをミスなくスムーズに作成できるでしょう。さらに、契約種別や入居者属性などの項目別にグラフも作成可能です。物件状況を可視化でき、オーナーへの提案に役立つでしょう。
Web上でレントロールを共有できる
賃貸管理ソフトはWeb上でレントロールの共有が可能です。クリックひとつでオーナーへの報告が完了します。オーナーはWeb上で過去のレントロールを閲覧でき、ダウンロードも可能です。ペーパーレス化によるコスト減や、管理・共有の工数削減にもつながるでしょう。
なかには確定申告に対応する形式を提供している製品もあり、有効活用することで、企業・オーナー双方の業務効率化に貢献できるでしょう。
賃貸管理ソフトに興味がある方には、以下の記事がおすすめです。機能や導入メリットについて詳しく解説しています。
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レントロールの作成や送付は賃貸管理ソフトで効率化しよう
レントロールとは、物件ごとの契約情報をまとめた一覧表のことです。必須項目を網羅し、わかりやすいレントロールの作成を心がけましょう。
レントロールを見れば適切な家賃提案や、空室対策が行えます。さらに、賃貸管理ソフトを活用すれば簡単にレントロールを作成でき、Webによる共有・管理が可能です。
この機会に賃貸管理ソフトの導入を検討し、レントロールの作成・送付を効率化させてはいかがでしょうか。