「導入したのに失敗」する典型パターン
RPAの導入では、「期待したほど効果が出ない」「導入後に使われなくなる」といった失敗が少なくありません。まずは代表的な失敗パターンを把握し、自社でも起こり得る課題がないか確認してみましょう。
典型的な失敗は、次の2つに整理できます。
- ■期待した効果が出ない
- 自動化する業務の選び方を誤ると、十分な効果を得られないことがあります。導入前の業務選定が重要です。
- ■すぐに使われなくなる
- 運用体制が整っていないと、導入後に活用されなくなるケースがあります。保守や定着まで見据えて準備しましょう。
期待した効果が出ない
自動化で業務が楽になると期待したのに、思ったほど時間が減らない、という失敗があります。自動化できる業務の見極めが甘いと、効果の薄い作業ばかりロボット化してしまい、投資に見合う成果が得られません。
原因は、対象業務の選び方にあることが多いものです。件数が少ない作業や、すぐ手順が変わる作業を選ぶと、効果は限定的になります。導入前に、削減できる時間を見積もり、効果の大きい業務から着手することが大切です。
すぐに使われなくなる
導入直後は動いていても、しばらくすると使われなくなるロボットも少なくありません。止まったまま放置されたり、担当者が中身を把握できず手を出せなくなったりするのが典型です。せっかくの自動化が、定着せずに終わります。
背景には、保守を続ける体制や、扱いやすさへの配慮が足りていないことがあります。作った後どう維持するかを決めずに導入すると、この失敗に陥りがちです。運用まで見据えた計画が欠かせません。
属人化とマクロ移行のつまずき
導入失敗のなかでも相談が多いのが、開発の属人化と、エクセルマクロからの移行です。これまでのやり方が染みついているほど、切り替えには工夫が要ります。それぞれのつまずきどころを見ていきましょう。
ロボット開発の属人化が解消しない
RPAで属人化を解消するはずが、逆にロボットを作れる人しか中身が分からない、という新たな属人化を生むことがあります。特定の担当者が独自のやり方でロボットを組むと、その人以外は手を出せなくなります。担当が抜けると保守が止まります。
これを防ぐには、誰が見ても分かるようにロボットを作るルールを決めることが有効です。命名や構成をそろえ、作り方を文書化しましょう。プログラミング不要で分かりやすく作れる製品を選ぶことも、属人化を避ける助けになります。
エクセルマクロからの移行に失敗する
エクセルマクロで自動化してきた業務をRPAへ移すとき、単純に置き換えようとして失敗することがあります。マクロの複雑な処理をそのままロボット化しようとすると、かえって作りが複雑になり、保守しにくくなります。
移行では、業務そのものを見直す好機と捉えることが大切です。マクロで無理をしていた部分を整理し、RPAに適した形に組み直しましょう。何をマクロのまま残し、何をRPAに移すかを仕分けると、移行がスムーズに進みます。
止まるロボットに悩まされる
RPA導入で最も多い悩みが、ロボットが安定して動かないことです。エラーで止まる、連携先の変更で動かなくなるといった問題は、運用の信頼を損ないます。二つの場面から原因と対策を確認します。
エラーで頻繁に止まる原因
ロボットが途中でエラーを起こして止まると、かえって人の手による確認や対応が増えてしまいます。原因の多くは、想定外の画面表示や、処理の待ち時間の不足など、例外的な状況への備えが足りないことにあります。
対策として、エラーが起きたときの対応をあらかじめ設定する例外処理が重要です。やり直しや通知の仕組みを組み込めば、止まっても被害を抑えられます。例外処理を手軽に設定できる製品を選び、安定した運用を目指しましょう。
連携先のUI変更に修正が追いつかない
画面操作で自動化している場合、連携先システムの画面レイアウトが変わると、ロボットが動かなくなります。システムの更新は避けられないため、そのたびに修正が必要です。修正が遅れると、業務が止まってしまいます。
この課題には、画面の見た目ではなくUI要素を認識する方式や、API連携に対応した製品が有効です。変更の影響を受けにくくなります。あわせて、修正を素早く行える体制を整え、画面変更を早めに把握する仕組みをつくっておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でRPAツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
導入の失敗を避ける進め方
ここまでの失敗は、準備段階の工夫で多くが防げます。対象業務の選定と標準化、保守しやすい設計と体制について整理しました。導入プロジェクトの計画づくりに役立ててください。
対象業務の選定と標準化
失敗を避ける第一歩は、自動化する業務を正しく選ぶことです。手順が決まっていて件数が多く、しばらく変わらない業務を選びましょう。効果の大きい業務から着手すれば、導入の成果を実感しやすくなります。
あわせて、自動化する前に業務そのものを標準化することも大切です。あいまいな手順のままロボット化すると、例外が多くて止まりやすくなります。業務を整理し、シンプルな形にしてから自動化することが、安定運用につながります。
保守しやすい設計と体制
RPAは作った後の保守が前提です。誰が見ても分かるようにロボットを作り、変更を記録し、複数人で保守できる体制を整えましょう。属人化を避ける設計が、長く使い続けるための土台になります。
製品選びでは、例外処理のしやすさや、画面変更に強い認識方式など、止まりにくさに関わる機能を確認しましょう。トラブル時に相談できるサポートも重要です。保守のしやすさまで見据えて製品を選ぶことが、失敗を防ぎます。
| 失敗の要因 | 導入前に打つ対策 |
|---|---|
| 効果が出ない | 件数が多く手順が安定した業務を選び、効果を見積もる |
| 開発の属人化 | 命名や構成のルールを決め、作り方を文書化する |
| 頻繁に止まる | 例外処理を設定し、業務を標準化してから自動化する |
| UI変更で動かない | UI要素認識やAPI連携に対応した製品を選ぶ |
導入でつまずきにくいRPAツール
ここでは、属人化を避けやすく、誰にとっても分かりやすい操作で定着させやすいRPAツールを紹介します。導入後に使われ続けそうか、資料やトライアルで確かめてみてください。
ロボパットAI
- 現場で作成するために開発されたRPAであり作成が容易
- 導入企業には専属の担当者がつき、個別にサポート
- コスト削減だけでなく、DX推進サービスを提供
「ロボパットAI」は、株式会社FCEが提供する純国産のRPAツールです。プログラミング不要で、現場の担当者が直感的にロボットを作成できます。特定の技術者に頼らず複数の担当者が扱えるため、開発の属人化を避けやすい点が特徴です。導入企業には専任の担当者が付き、無償で伴走支援を受けられるので、つまずいたときも相談しながら進められます。現場に自動化を根づかせ、使われ続ける状態を目指したい企業に向いた製品です。
AI/ナビ搭載 業務自動化RPA RKシリーズ
- 様々な業務を「ナビ機能」で、誰でもサクッと自動化できます。
- 人による「伴走サポート」もあるから安心して使えます。
- 充実の「AI機能」で運用から社内展開まで支えます。
「AI/ナビ搭載 業務自動化RPA RKシリーズ」は、株式会社キーエンスが提供するRPAツールです。ナビゲーションに従ってクリックするだけでシナリオを作成できます。手順が分かりやすいため、担当者が代わっても引き継ぎやすく、導入後に使われなくなる事態を避けやすい点が特徴です。実行したい作業をテキストで入力するとAIがシナリオを提案する機能も備えています。現場に定着する分かりやすさを重視する企業に向いた製品といえます。
WinActor
- パソコン1台からのミニマムスタートで導入が簡単
- 時間がかかる大量の処理を行いたいときにぴったり
- RPA技術者検定保有者による勉強会を定期的に開催
「WinActor」は、スターティアテクノス株式会社が提供する純国産のRPAツールです。マウス操作でシナリオを作成でき、多くの導入現場で使われてきた実績があります。日本語のマニュアルやサポートが整い、命名や構成のルールをそろえて分かりやすくロボットを作りやすい点が特徴です。豊富な情報やノウハウを参考にしながら、保守しやすい形で自動化を進められます。属人化を避け、長く安定して使える体制を築きたい企業に向いた製品です。
RPA導入の失敗に関するFAQ
RPAツール導入の失敗についてよく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1:RPAで属人化は解消できますか?
- 誰が見ても分かるようにロボットを作るルールを決め、作り方を文書化すれば解消できます。特定の人しか分からない作り方では、逆に新たな属人化を生みます。分かりやすく作れる製品を選ぶことも有効です。
- Q2:エクセルマクロからの移行で気をつけることは?
- マクロをそのまま置き換えず、業務を見直す好機と捉えることが大切です。何をマクロのまま残し、何をRPAに移すかを仕分け、RPAに適した形に組み直すと、保守しやすい形で移行できます。
- Q3:ロボットが頻繁に止まるのはなぜですか?
- 想定外の画面表示や待ち時間の不足など、例外への備えが足りないことが主な原因です。エラー時の対応を決める例外処理を設定し、業務を標準化してから自動化すると、止まりにくくなります。
- Q4:連携先の画面変更に強い製品はありますか?
- 画面の見た目ではなくUI要素を認識する方式や、API連携に対応した製品は、画面変更の影響を受けにくくなります。あわせて、変更を早めに把握し素早く修正できる体制を整えておくとよいでしょう。
まとめ
RPAツール導入の失敗は、製品の性能より進め方に原因があることがほとんどです。効果の薄い業務を選んだり、属人的な作り方をしたり、例外への備えを怠ったりすると、属人化や頻繁な停止を招きます。対象業務を正しく選んで標準化し、保守しやすく作り、止まりにくい機能を備えた製品を選ぶことが成功への近道です。導入後の運用まで見据えて、複数の製品を比較検討してみてください。まずは資料請求から始めましょう。


