RPAのエラーは「止まる」形で表れる
対処法を考える前に、RPAのエラーがどう現れるかを押さえましょう。多くは処理が止まる形で表面化します。なぜ完全に止めないことが難しいのか、その背景から確認します。
エラーの多くは環境や設定に起因する
RPAのエラーは、製品そのものの欠陥より、動かす環境や設定の問題で起こることが多くあります。連携先の画面が想定と違う、処理の待ち時間が足りない、といった状況でロボットは止まります。つまり、備え方しだいで減らせるエラーが少なくありません。
だからこそ、どんな状況でエラーが起きやすいかを知り、対策を組み込むことが重要です。原因を環境や設定に求めれば、対処の道筋が見えてきます。製品の性能だけでなく、備えの作りやすさにも目を向けましょう。
完全な無人化が難しい理由
RPAは人の操作を再現する仕組みのため、人が使う環境の変化に影響されます。システムの更新、通信の遅延、画面の予期せぬ表示など、想定外の事態は避けきれません。だからこそ、エラーゼロを目指すより、起きたときにどう対応するかが重要です。
完全な無人運用を前提にすると、少しのエラーで業務が止まってしまいます。エラーを前提に、通知や再実行の仕組みを組み込む考え方が現実的です。止まらないことより、止まっても素早く立て直せることを重視しましょう。
画面認識とレコーディングのエラー
ロボットを作る段階の機能でも、エラーは起こります。画面認識のズレと、レコーディングの記録不良は代表的な例です。それぞれの症状と背景を見ていきましょう。
画面認識がズレて止まる
ロボットが操作するボタンや入力欄を、画像の見た目だけで判断していると、画面の解像度やレイアウトが変わったときに認識がズレます。位置がずれると、ロボットは正しい場所を操作できず、処理が止まってしまいます。よくあるエラーの一つです。
対策としては、画像ではなくUI要素そのものを認識する方式に対応した製品が有効です。多少の見た目の変化に強くなります。自社が自動化したい画面で、ロボットが安定して要素を認識できるかを、導入前に検証しておきましょう。
レコーディングが正しく記録されない
操作を録画してロボット化するレコーディング機能は便利ですが、動作が正しく記録されないことがあります。素早い操作や特殊な画面では、意図した手順が抜けたり、余計な動きが記録されたりします。そのまま使うと、正常に動作しないロボットになってしまいます。
録画した内容は、そのまま使わず必ず確認・調整することが大切です。記録した動作を後から編集できる製品なら、抜けを補い、不要な操作を取り除けます。レコーディングは土台づくりと捉え、仕上げは手作業で整える意識を持ちましょう。
実行と例外処理のエラー
ロボットを動かす段階でも、エラーは起こります。スケジュール実行の失敗と、例外処理のループは、無人運用でつまずきやすい不具合です。二つの場面から確認します。
スケジュール実行がスリープで失敗する
夜間や休日にロボットを自動実行する設定でも、パソコンがスリープ状態になっていると起動せず、処理が実行されません。翌朝になって処理が終わっていないと気づく、といった失敗が起こります。無人実行では見落としやすい落とし穴です。
対策として、実行する端末のスリープ設定を見直し、指定時刻に確実に起動する環境を整えましょう。クラウド上で実行できる製品なら、端末の状態に左右されにくくなります。スケジュール実行を使うなら、実行環境の設定まで含めて確認することが大切です。
例外処理のループから抜けられない
エラーに備える例外処理も、設定を誤ると新たな不具合を招きます。エラー時にやり直す設定が適切でないと、同じ処理を延々と繰り返し、ループから抜けられなくなることがあります。放置すると、無駄な処理が続いてしまいます。
これを防ぐには、やり直す回数の上限を決め、一定回数で処理を止めて通知する設定が有効です。例外処理を細かく、かつ分かりやすく設定できる製品を選びましょう。エラーへの備えが、逆に不具合を生まないよう、設定の作りやすさを確認してください。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でRPAツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
エラーを減らす選び方と運用
ここまでのエラーは、製品選びと運用の工夫で減らせます。認識方式や設定のしやすさ、監視とサポートの観点から整理しました。安定運用を実現するための確認ポイントとして役立ててください。
認識方式と設定のしやすさで選ぶ
エラーの起きにくさは、製品の作りに左右されます。画面変更に強いUI要素の認識方式に対応しているか、例外処理を分かりやすく設定できるかを確認しましょう。こうした機能が充実した製品ほど、止まりにくいロボットを作れます。
選定の際は、トライアルで自社の業務を実際に自動化し、安定して動くかを試すことが確実です。カタログ上の機能だけでは、エラーの起きにくさは分かりません。実際に触れて、認識の正確さや設定のしやすさを確かめましょう。
監視とサポートで早く気づく
エラーを完全になくすのは難しいため、起きたときに素早く気づける仕組みが重要です。稼働状況を監視し、エラー発生を通知してくれる機能があれば、放置を防げます。無人実行でも、異常にすぐ対応できます。
あわせて、原因が分からないときに相談できるサポート体制も確認しておきましょう。エラーの解決を支援してもらえれば、復旧も早まります。監視機能とサポートの両面から、エラーに強い運用を組み立ててください。
| エラーの種類 | 主な対策 |
|---|---|
| 画面認識のズレ | UI要素を認識する方式に対応した製品を選ぶ |
| レコーディング不良 | 録画後に内容を確認・編集して整える |
| スケジュール失敗 | 実行端末のスリープ設定や実行環境を見直す |
| 例外処理のループ | やり直し回数の上限を決め、通知で止める |
安定した動作を目指せるRPAツール
ここでは、認識方式やサポートの面で、安定した動作を目指しやすいRPAツールを紹介します。自社の業務で安定して動くかを、トライアルや資料で確かめてみてください。
ロボパットAI
- 現場で作成するために開発されたRPAであり作成が容易
- 導入企業には専属の担当者がつき、個別にサポート
- コスト削減だけでなく、DX推進サービスを提供
「ロボパットAI」は、株式会社FCEが提供する純国産のRPAツールです。高度な画像認識で、画面上の操作対象を指定できます。操作対象を柔軟に指定できるため、画面まわりの変化に対応しやすい点が特徴です。プログラミング不要で現場の担当者が作成・調整でき、専任担当による無償の伴走支援も受けられます。エラーが起きたときも相談しながら対処しやすくなっています。自社の画面で安定して動くかをトライアルで確かめたい企業に向いた製品です。
WinActor
- パソコン1台からのミニマムスタートで導入が簡単
- 時間がかかる大量の処理を行いたいときにぴったり
- RPA技術者検定保有者による勉強会を定期的に開催
「WinActor」は、スターティアテクノス株式会社が提供する純国産のRPAツールです。Windows上のアプリケーション操作をシナリオとして組み立てられます。多くの導入現場で使われてきた実績があり、つまずきやすい点への対処法や情報を得やすい点が特徴です。日本語のサポート体制が整っているため、エラーの原因が分からないときにも相談しやすくなっています。安定した運用に向けて、情報とサポートを頼りに使い込みたい企業に向いた製品といえます。
AI/ナビ搭載 業務自動化RPA RKシリーズ
- 様々な業務を「ナビ機能」で、誰でもサクッと自動化できます。
- 人による「伴走サポート」もあるから安心して使えます。
- 充実の「AI機能」で運用から社内展開まで支えます。
「AI/ナビ搭載 業務自動化RPA RKシリーズ」は、株式会社キーエンスが提供するRPAツールです。ナビゲーションに従ってシナリオを作成できます。手順が分かりやすく整理されているため、設定の誤りによる不具合を招きにくく、担当者が代わっても扱いやすい点が特徴です。AIがシナリオを提案する機能も備えています。分かりやすい操作で、設定に起因するエラーを抑えながら自動化を進めたい企業に向いた製品といえます。
RPAツールの機能エラーに関するFAQ
RPAツールの機能で起きるエラーについてよく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1:画面認識のズレはどう防げますか?
- 画像の見た目ではなく、UI要素そのものを認識する方式に対応した製品を選ぶと、画面変更に強くなります。自社が自動化したい画面で、ロボットが安定して要素を認識できるかを、導入前に検証しておきましょう。
- Q2:夜間のスケジュール実行が失敗するのはなぜ?
- 実行する端末がスリープ状態になっていると、ロボットが起動せず処理が実行されません。端末のスリープ設定を見直すか、端末の状態に左右されにくいクラウド実行の製品を検討するとよいでしょう。
- Q3:レコーディングで作ったロボットが動きません。
- 素早い操作や特殊な画面では、動作が正しく記録されないことがあります。録画した内容はそのまま使わず、必ず確認して調整しましょう。記録した動作を後から編集できる製品だと、抜けを補いやすくなります。
- Q4:例外処理でループが止まらないときは?
- やり直す回数に上限を設け、一定回数で処理を止めて通知する設定にすると、ループから抜けられます。例外処理を分かりやすく設定できる製品を選ぶことで、こうした不具合を防ぎやすくなります。
まとめ
RPAツールの機能で起きるエラーは、画面認識のズレ、スケジュール実行の失敗、レコーディングの記録不良、例外処理のループなど、多くが環境や設定に起因します。完全に止めないことより、起きたときに素早く立て直せる備えが重要です。画面変更に強い認識方式や、設定のしやすい例外処理を備えた製品を選び、監視とサポートで早く気づける運用を整えましょう。トライアルで安定性を確かめ、資料請求から各製品を比べてみてください。


