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物流業界でRPAを活用する方法は?自動化できる業務や導入メリットを解説

物流業界でRPAを活用する方法は?自動化できる業務や導入メリットを解説

物流業界でRPAが有効なのは、受注入力や送り状作成、配送実績の集計といった「毎日大量に発生する定型のパソコン作業」が現場に集中しているためです。RPAはこうした作業を人の代わりに実行するソフトウェアで、荷物を運ぶ作業ではなく、その前後にある事務処理を自動化します。この記事では、物流でRPAが求められる背景、自動化できる業務、効果と限界、現場で定着させる進め方を順に解説します。

この記事は2026年7月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    物流業界でRPAが求められる背景

    RPAは「Robotic Process Automation」の略で、人がパソコン上で行う操作を記録し、ソフトウェアのロボットに代行させる仕組みです。物流業界で検討が進む理由は、業界特有の事情にあります。

    ドライバーと事務スタッフの人手不足が同時に進む

    物流業界ではトラックドライバーの不足が広く知られていますが、受注処理や請求業務を担う事務スタッフの確保も難しくなっています。注文をシステムに入力し、配車を調整し、配送後に実績をまとめる作業は、繁忙期に人員を増やして対応するのが一般的でした。しかし採用そのものが難しくなり、増員による解決が成り立たなくなっています。

    RPAは、この事務側の負荷を人を増やさずに軽くする手段です。ドライバー不足を直接解消するものではありませんが、事務作業の時間を配車計画や荷主対応にあてられれば、限られた人員で回せる荷量が増えます。

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    荷主ごとに異なる伝票やシステムが現場を圧迫する

    事務作業が重くなる最大の要因は、荷主ごとに受注の形式が異なる点にあります。ある荷主はメールにエクセルの注文書を添付し、別の荷主は専用のWebポータルへのログインが必要で、さらに別の荷主はFAXで送ってきます。これらを基幹システムへ一つずつ手入力する作業が毎日発生します。

    この「転記」の連続は、荷主の数が増えるほど膨らみます。標準化しようにも荷主の都合で形式が決まるため自社だけでは変えられず、システム連携は開発費が高額になりがちです。人が画面を操作して橋渡しする現状の運用をそのまま自動化できるRPAが、現実的な選択肢です。

    2024年問題以降も続く時間あたり生産性への要求

    ドライバーの時間外労働の上限規制、いわゆる2024年問題を経て、物流業界では労働時間を増やせない前提での運営が定着しました。この制約は事務部門にも波及し、残業を前提に処理していた月末の請求業務や実績集計を所定時間内で終わらせる必要が生じています。

    人の手作業を速くする改善には限界がある一方、RPAは深夜や早朝でも稼働できるため、労働時間の制約から処理量を切り離せます。夜間にロボットが受注データを取り込み、朝には担当者が確認から始められる運用が現実的な回答です。

    物流業務のどこをRPAで自動化できるのか

    RPAが得意なのは、手順が決まっていて繰り返し発生するパソコン作業です。物流業務でも適する領域は分かれるため、具体的な業務単位で見ていきます。

    受注データの取り込みと基幹システムへの入力

    物流企業でRPA化の対象として最初に挙がるのが、受注データの取り込みです。荷主から届いたメールの添付ファイルを保存し、基幹システムの入力画面へ転記する流れは、手順が明確で判断の余地が少なく、RPAに合致します。メールの受信をきっかけにロボットが起動し、順に登録していく形です。

    荷主のWebポータルからデータを取得する作業も同様です。ロボットがブラウザを開いてログインし、当日分の注文一覧をダウンロードして自社の様式へ整えるところまで一続きで実行します。人が10社分を順番に処理していた朝の作業が、始業前に完了している状態を作れます。

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    送り状の作成と配送実績の突合

    送り状やラベルの作成も、RPAとの相性が良い業務です。受注情報をもとに配送会社の送り状発行システムへ入力する作業は、件数が多いほど負担が重く、入力ミスが誤配送に直結します。ロボットが受注一覧を読み込んで一件ずつ登録すれば、件数が増えても精度は落ちません。

    配送後の実績突合も対象です。配送会社から届く実績データと自社の出荷予定を照合し、未着や遅延を洗い出す作業は、目視では時間がかかるうえ見落としが起きます。ロボットが差分を抽出し、一致しない案件だけを担当者へ渡す形にすれば、人は例外の確認に集中できます。

    請求書発行と月次の実績レポート作成

    月末に集中する請求業務は、事務負荷が最も高まる場面です。荷主ごとの運賃計算ルールに従って配送実績を集計し、請求書を作成して送付する作業を、限られた日数で処理する必要があります。計算ルールが明文化されていれば、集計から請求書のPDF出力までをロボットに任せられます。

    荷主へ提出する月次の実績レポートも同様に、配送件数や納期遵守率を抽出して様式へ整える作業は自動化できます。ただしRPAが担うのはデータを形にするところまでで、数字を読み解いて改善策を考える部分は人の仕事として残ります。

    物流でRPAを導入して得られる効果と限界

    RPAは万能ではありません。効果が出る条件と期待してはいけない領域を理解しておくことが、導入判断の前提です。

    削減時間だけでなくミスの減少と属人化の解消も効果に含める

    RPAの効果は作業時間の削減として語られがちですが、物流業務ではミスの減少が同じくらい重要です。受注入力の一文字の誤りが誤配送や数量違いの出荷を招き、再配送のコストと信頼低下につながります。ロボットは決められた手順を同じ精度で繰り返すため、転記由来のミスは大きく減ります。

    属人化の解消も見過ごせません。特定の荷主の受注処理を長年一人が担っている状況では、その人が休むと業務が止まります。手順をロボットとして形にする過程で作業内容が明文化され、誰でも状況を把握できます。投資対効果を見る際は、削減時間だけでなくミスによる損失や引き継ぎ工数もあわせて評価してください。

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    倉庫内の物理作業や例外判断はRPAの対象外

    RPAが自動化できるのは、あくまでパソコン上の操作です。倉庫内でのピッキングや積み込み、検品といった物理的な作業は対象になりません。これらには自動倉庫やロボットアームといった別の設備が必要で、投資の規模も検討の進め方も異なります。両者を混同すると、期待した効果が得られません。

    判断を伴う業務も苦手です。注文内容に矛盾があった際、過去の経緯を踏まえて確認すべきか進めるべきかを決める作業はルール化できません。ルールが明確に書ける部分だけをRPAに任せ、例外は人へ回す設計にすることで、無理のない運用に落ち着きます。

    画面の変更に弱く保守を前提とした運用が必要

    RPAのロボットは、決められた画面の決められた位置を操作するように作られています。そのため荷主のポータルの仕様変更や基幹システムのバージョンアップで画面配置が変わると、正しく動かなくなります。物流業界は取引先が多く外部システムに依存する業務が多いため、この影響を受けやすい環境です。

    この特性は避けられないため、止まることを前提とした運用設計が現実的です。異常終了した際に担当者へ通知が届く仕組みを整え、修正できる人を社内に置くか保守を含むサービスを利用するかを決めておきます。作って終わりではなく育て続ける対象と捉えることが重要です。

    ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でRPAツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。

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    物流企業がRPAツールを選ぶときの観点

    物流業務でRPAを本格的に使うなら、一般的な機能比較だけでなく業界固有の事情に合うかを確かめる必要があります。

    拠点が分散する体制に合うライセンス形態か

    物流企業は本社のほかに複数の営業所や倉庫を抱えることが一般的です。受注処理を各拠点で行う場合、拠点ごとにRPAを動かす必要が生じ、台数分のライセンス費用が積み上がります。一方で各拠点の処理量は多くなく、ロボットが動くのは朝と夕方だけというケースも珍しくありません。

    こうした体制では、1つのライセンスを複数のパソコンで共有できるフローティングライセンス対応の製品が適しています。使う時間帯がずれていれば、少ないライセンス数で全拠点をカバーできます。反対に本社だけで集中処理する体制なら、1台で長時間動かす前提の製品でも問題ありません。

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    現場の担当者がロボットを直せる操作性か

    物流業務は荷主の増減や運用変更が頻繁に起こります。そのたびに外部へ修正を依頼していると費用も時間もかさみます。理想は業務を知る現場の担当者が自分でロボットを修正できる状態であり、プログラミングの知識がなくても扱えるかは機能の豊富さ以上に重視すべき点です。

    操作を録画してロボットを作れる方式なら、担当者が普段どおり画面を操作するだけで基本的な流れが出来上がります。試用期間を利用し、実際に使う事務担当者に荷主一社分の受注処理を作れるか試してもらってください。ここで手が止まるようなら、導入後に社内へ広がらない可能性が高いといえます。

    導入初期を支えるサポート体制が用意されているか

    RPAの導入が進まない典型的な原因は、どの業務から手をつければよいか分からないまま時間が過ぎることです。物流業務は種類が多く、自力で対象を選ぶのは容易ではありません。導入前のヒアリングで自動化に向く業務を一緒に選定してくれるサポートの有無で、最初の一歩の踏み出しやすさが変わります。

    ロボットの作成方法を学べる勉強会や、稼働後の問い合わせ窓口の有無も確認したい点です。情報システム部門を持たない、あるいは兼任している物流企業では、社内に頼れる相手がいないまま運用が始まります。サポートの範囲と対応時間、追加費用の有無は見積もりの段階で明確にしておいてください。

    物流業務の自動化に活用できるRPAツール

    ここでは、これまでの観点を踏まえて検討できるRPAツールを紹介します。自社の業務量や体制に照らして比較してみてください。

    RoboTANGO(ロボタンゴ)

    スターティアテクノス株式会社
    《RoboTANGO(ロボタンゴ)》のPOINT
    1. 録画機能でパソコン上で操作するだけで簡単にRPAの作成が可能
    2. 低価格なのに1ライセンス複数のPCで利用できる。
    3. Excel、基幹システム、チャット・メールへの転記に強い

    スターティアテクノス株式会社が提供する「RoboTANGO」は、プログラミングの知識がなくても扱いやすいRPAツールです。パソコン上の操作を録画し、その内容をもとに自動化の手順を作成できるため、現場の担当者自身でロボットを作成・修正できます。Excelや基幹システム、チャット、メール間のデータ転記に強く、物流業務では受注情報の入力や出荷データの転記・集計などの自動化に活用できます。1ライセンスを複数のパソコンで利用できるほか、1か月単位で契約できるため、繁忙期のみライセンスを増やすなど、業務量にあわせて運用しやすい点も特徴です。

    PowerAutomate (日本マイクロソフト株式会社)

    《PowerAutomate》のPOINT
    1. プログラミング知識なしに自動化フロー構築可能。
    2. 複数手法に対応し、クラウド連携も豊富。
    3. AI統合により高度で動的な自動化が可能

    物流のRPA導入に関するよくある質問

    最後に、物流企業の担当者からよく寄せられる疑問に回答します。

    小規模な運送会社でもRPAを導入する意味はありますか

    事務スタッフが数名規模の会社でも、導入する意味は十分にあります。むしろ人数が少ないほど一人が休んだときの影響が大きく、定型作業を機械に任せる価値が高いといえます。判断の目安は会社の規模ではなく、同じ手順の作業が毎日どれくらい発生しているかです。1日1時間の転記でも年間200時間を超えます。

    費用面では、月額制で1ライセンスから使える製品を選び、最も時間のかかる業務を1つだけ自動化するところから始める方法が現実的です。効果を確認してから対象を広げれば、初期の投資を抑えられます。

    基幹システムを入れ替える予定がある場合、先にRPAを入れても無駄になりませんか

    入れ替えの時期が決まっているかで判断が分かれます。1年以内に切り替わることが確定しているなら、その画面を操作するロボットは作り直しになるため、待つ判断も合理的です。一方、計画が具体化していない段階なら、待っている間の負荷が積み上がるだけです。

    現実的な進め方として、基幹システムに触れない業務から始める方法があります。荷主からのデータ取得やファイルの整理、実績データの突合は、基幹システムが変わっても影響を受けにくい領域です。

    RPAとAIはどう使い分ければよいですか

    RPAは決められた手順を正確に繰り返す仕組みで、AIは与えられた情報から推測や判断を行う仕組みです。物流業務では両者を組み合わせる場面が増えています。紙の伝票をAIが読み取って文字データに変換し、そのデータをRPAが基幹システムへ登録する流れが代表例です。

    使い分けの基準は、手順を言葉で書き出せるかどうかにあります。書き出せるならRPA、経験や勘に頼っているならAIの領域だと考えると整理しやすくなります。まずは手順が明確な業務をRPAで固め、残った判断部分にAIを検討する順序が無理のない進め方です。

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    まとめ

    物流業界におけるRPAは、荷物を運ぶ作業ではなく、その前後にある受注入力や送り状作成、実績突合、請求といった事務作業を自動化する仕組みです。荷主ごとに形式が異なるデータの転記を機械に任せれば、人手を増やさずに処理量を確保し、ミスと属人化も減らせます。一方で画面変更に弱く保守が必要な点、例外判断は人が担う点は理解しておきましょう。拠点体制に合うライセンス形態か、現場が自分で直せる操作性かを確認し、まずは1業務から試してみてください。

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