SCMの導入前に整理したい自社の条件
導入条件を整理しないまま製品を比較すると、資料の情報量に振り回され、判断に時間がかかる場合があります。条件を必須と希望に分け、どの部署が確認するかを決めておくと、候補の絞り込みと比較を効率よく進められます。
必須条件と希望条件の切り分け
導入条件は、満たさなければ導入できない必須条件と、満たしていれば望ましい希望条件に分けて整理しましょう。例えば、社内規程で求められるセキュリティ要件や、既存の基幹システムとの連携は必須条件に入る場合があります。
一方、画面のデザインや一部の帳票の形式は、運用の工夫で補える希望条件として扱えることがあります。必須条件で候補を絞り、希望条件で比較するという順番を決めておくと、評価の基準がぶれにくくなります。条件の一覧は関係部署で共有しておきましょう。
条件ごとの確認担当の決め方
導入条件の中には、専門知識がないと判断しにくい項目があります。セキュリティ要件は情報システム部門、海外拠点の運用は海外事業の担当部署が確認するといった形です。商習慣への対応は調達や営業の担当者に任せるなど、条件ごとに確認する担当を決めておきましょう。
担当が明確であれば、ベンダーへの質問も具体的にまとめられます。社内に専門部署がない場合は、ベンダーに確認事項の一覧を渡して回答を書面でもらう方法もあります。回答の根拠となる資料があるかも、あわせて確認しておくと安心です。
国産SCMや国内商習慣への対応を確認する
国内の取引が中心の企業では、日本語での運用のしやすさや、国内特有の取引慣行に対応しているかが重要です。国産か海外製かという区分だけで判断せず、実際に必要な機能やサポートが用意されているかを個別に確認しましょう。
日本語の画面とサポートの確認
国産のSCMは、日本語での利用を前提に画面やマニュアルが用意されている場合が多くあります。海外製の製品でも日本語化されているものはありますが、画面の一部やマニュアル、更新情報が英語のままというケースも考えられます。
日本語の問い合わせ窓口があるか、受付時間が日本の業務時間に対応しているかも確認しましょう。操作研修や導入支援を日本語で受けられるかは、現場への定着に影響します。国産か海外製かにかかわらず、提供される支援の内容を個別に比較することが大切です。
締め日や取引条件など国内商習慣への対応
国内の取引では、月末締めの請求や取引先ごとの掛け率、返品や納期の細かな取り決めなど、独自の慣行があります。SCMがこうした条件を設定で扱えるかを確認しましょう。
商習慣への対応範囲は、国産か海外製かではなく製品ごとに異なります。標準機能で対応できない場合は、カスタマイズや外部システムとの連携で補う必要があり、費用や期間に影響します。デモでは、自社の代表的な取引条件を例に設定方法を見せてもらうとよいでしょう。
導入条件としてのセキュリティ要件と認証の確認
SCMには取引先や在庫、原価などの重要な情報が集まるため、セキュリティ要件が厳しい企業ほど確認項目が増えます。認証の有無だけでなく、その対象範囲や、認証以外の具体的な対策もあわせて確認することが重要です。
ISMS(ISO27001)認証の確認方法
ISMS認証は、組織の情報セキュリティを管理する仕組みが国際規格のISO/IEC 27001に適合していることを示す第三者認証です。製品そのものではなく、提供企業の管理体制が対象である点に注意しましょう。
認証には適用範囲があり、SCMの開発や運用部門が含まれているかは企業ごとに異なります。提供企業の公式サイトや認証機関の公開情報で、適用範囲と有効期限を確認するとよいでしょう。クラウドサービス向けの規格であるISO/IEC 27017の取得状況もあわせて確認すると、判断材料が増えます。
認証以外に確認したいセキュリティ項目
認証の有無に加えて、具体的な対策も確認しましょう。通信やデータの暗号化、ユーザーごとのアクセス権限、操作ログの保存期間、多要素認証への対応などが代表的な確認項目です。
クラウド型の場合は、データを保管する地域やバックアップの頻度、障害時の復旧手順も重要です。社内のセキュリティチェックシートがあれば、ベンダーに回答を依頼すると効率よく確認できます。回答内容は情報システム部門に確認してもらい、要件を満たすかを判断しましょう。
クラウド型とオンプレミス型の管理範囲の違い
セキュリティ要件が厳しい企業では、提供形態の違いも確認しておきましょう。クラウド型は提供企業のサーバでデータを管理し、オンプレミス型は自社のサーバに製品を導入して運用します。
オンプレミス型は自社の基準で管理できる反面、サーバの保守やセキュリティ更新を自社で担う必要があります。クラウド型は提供企業の対策に依存する部分があるため、責任の分担を契約書や仕様書で確認することが大切です。どちらが適するかは、社内規程と運用できる体制によって異なります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でSCMの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
API連携とカスタマイズ性を見きわめる
既存システムとの連携や、自社業務にあわせた変更が必要な企業では、APIの仕様とカスタマイズの範囲が導入条件の中心です。どこまでが標準の設定で対応でき、どこからが開発を伴うのかを明確にしておきましょう。
API連携が必須の場合に確認したい仕様
APIとは、システム同士がデータをやり取りするための窓口です。API連携が必須の場合は、連携できるデータの種類、更新や登録ができる範囲、呼び出し回数の上限などを仕様書で確認しましょう。
仕様書が一般に公開されているか、開発者向けの検証環境が用意されているかも重要です。連携開発を外部に依頼する場合は、開発会社にも仕様書を見てもらい、実現できるかと工数を見積もってもらうと安心です。エラー時の通知や再送の仕組みも確認しておきましょう。
カスタマイズと設定変更の範囲
カスタマイズ性の高さを判断する際は、画面や帳票、計画のロジックをどこまで変更できるかを具体的に確認しましょう。設定画面で変更できる項目と、プログラムの改修が必要な項目は分けて考える必要があります。
プログラムの改修を伴うカスタマイズは、費用がかかるだけでなく、製品のバージョンアップ時に再対応が必要になる場合があります。標準機能に業務をあわせるか、カスタマイズで対応するかは、業務の独自性と長期の保守費用を比べて判断しましょう。
多言語と海外拠点へのSCMの対応範囲
海外拠点や海外サプライヤーを含めて管理する場合は、言語だけでなく通貨や時差、取引先とのやり取りの方法まで確認が必要です。対応の範囲は製品によって異なるため、自社の海外取引の実情に照らして確認しましょう。
多言語表示と多通貨・時差への対応
多言語対応のSCMでは、画面の表示言語をユーザーごとに切り替えられる場合があります。対応している言語の種類と、マニュアルやサポートがどの言語で提供されるかを確認しましょう。
海外拠点の在庫や取引を扱う場合は、複数の通貨で金額を管理できるか、為替レートの更新方法も確認が必要です。拠点ごとにタイムゾーンが異なる場合、計画の締め時刻や日付の扱いがずれないかも、デモで確かめておくとよいでしょう。
海外サプライヤーとの情報共有
海外サプライヤーとの取引では、発注や納期回答をメールで個別にやり取りすると、情報の反映が遅れる場合があります。SCMにサプライヤーがWeb上で納期を回答できる機能があるかを確認しましょう。
サプライヤー側の利用料やアカウントの発行方法、現地の言語で操作できるかも確認項目です。輸送中の在庫や通関の状況を管理したい場合は、物流事業者のシステムとの連携方法も確認すると、到着予定を計画に反映しやすくなります。
海外拠点での運用とサポート体制
海外拠点でSCMを使う場合、現地の担当者が問い合わせできる窓口があるかを確認しましょう。日本の本社だけがサポートを受けられる契約では、現地で操作に迷った際の対応が遅れる可能性があります。
現地の通信環境でも画面の表示や処理に支障がないかも、導入前に試しておきたい項目です。国や地域によっては、データの保管場所や国外への移転に関する規制がある場合もあります。法務部門や現地の担当者とあわせて確認しておくと安心です。
提供形態や導入要件で比較したいSCM製品
提供形態や利用に必要な環境が異なるSCM関連の製品を紹介します。この記事で整理した自社の導入条件と照らし合わせて、資料で確認してください。
PlanNEL
- 創業26年、グローバル400社超の導入実績とノウハウ
- 導入前コンサルティングから運用支援までのワンストップ対応
- 段階的に利用範囲を広げるスモールスタート
ザイオネックス株式会社が提供する「PlanNEL」は、需要予測から在庫・補充・供給・生産計画までをワンストップで提供するSCM計画ソリューションです。提供形態はオンプレミス、クラウド、SaaSが用意されており、自社のセキュリティ方針やシステム環境にあわせて検討できます。特定の業務に絞ったスモールスタートから、サプライチェーン全体へ段階的に利用範囲を広げることも可能です。四半期ごとに大型アップデートを実施しているため、カスタマイズや連携の要件とあわせて、更新時の扱いもベンダーに確認するとよいでしょう。
TCloud for SCM
- 専用の車載端末など機器不要でスマホとネット環境のみで利用可能
- 長年の経験で培ったノウハウを詰め込んだ配送業務システム
- リアルタイムに位置・作業情報を送信し、配送状況を可視化
都築電気株式会社が提供する「TCloud for SCM」は、スマートデバイスを活用したクラウド型の動態管理システムです。専用の車載端末などの機器を用意する必要がなく、スマートフォンとインターネット環境があれば利用できます。車両ごとの機器設置を前提とせずに導入を検討できる点が特徴です。動態管理や配送予実管理、作業実績管理、リアルタイムの交通情報とナビゲーションに対応しています。位置情報や作業情報をリアルタイムに送信し、配送状況を可視化します。提供形態はクラウド、SaaSです。
SAP SCMソリューション (SAPジャパン株式会社)
- 低コストでSCMの導入が可能!
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Coupa Supply Chain Design & Planning (Coupa株式会社)
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まとめ
SCMの導入条件は、必須と希望に分けて整理し、条件ごとに確認の担当を決めると比較を効率よく進められます。国内商習慣への対応やISMS認証の適用範囲、APIの仕様は製品ごとに異なります。カスタマイズの範囲や多言語・海外拠点への対応も、個別に確認しましょう。条件を満たす製品を見つけるために、複数の製品を資料請求し、同じ確認項目で比較してみてください。

