SCMの機能エラーを要因別に捉える
SCMで起こる問題は、表面上は同じように見えても、原因がどこにあるかによって対処の方法が異なります。個別の機能の問題を見る前に、エラーの背景にある要因の種類と、エラーと仕様の見分け方を押さえておきましょう。
エラーの背景にある4つの要因
SCMの機能で起こる問題の要因は、大きくデータ、設定、連携、製品側の4つに分けられます。データの要因には、入力ミスやマスタの登録漏れがあります。設定の要因には、在庫基準やリードタイムなどの値が実情にあっていない状態が挙げられます。
連携の要因は、基幹システムや倉庫管理システムとのデータの受け渡しの遅れや失敗です。製品側の要因は、プログラムの不具合やサーバの障害です。問題が起きた際は、どの要因に当てはまるかを順に確認すると、原因に早くたどり着けます。
エラーと仕様の見分け方
SCMの計算結果が想定と異なっていても、製品の仕様どおりに動いている場合があります。例えば、在庫の引き当ての順番や、計画の締め時刻の扱いが自社の想定と異なると、結果がずれて見えることがあります。
エラーと判断する前に、マニュアルや設定画面で計算の仕組みを確認しましょう。不明な点はベンダーの問い合わせ窓口に、発生した状況と画面の内容を添えて質問すると、回答を得やすくなります。仕様による差であれば、設定や運用の見直しで対応できる場合があります。
需給計画の在庫数量が実在庫と一致しない場合
需給計画に使われる在庫数量が倉庫の実在庫と一致しないと、計画の前提が崩れ、欠品や過剰な発注につながる可能性があります。数量がずれる要因と、確認や修正の手順、ずれを防ぐ運用を整理します。
数量がずれる主な要因
在庫数量のずれは、入出庫の記録漏れや二重登録、返品や廃棄の処理の遅れなど、日々の入力の運用から生じる場合があります。倉庫管理システムからの在庫データの取り込みが遅れたり、一部の項目が欠けたりした場合も、SCM上の数量が実在庫と食い違います。
このほか、単位の換算の設定が誤っている場合や、引き当て済みの在庫を利用可能な在庫として計算している場合もずれの原因となります。複数の要因が重なることもあるため、一つずつ確認することが大切です。
数量のずれを確認して修正する手順
ずれを見つけたら、まず対象の品目と拠点を特定し、SCM上の数量と倉庫管理システム、実際の棚の数量を比べましょう。どの時点からずれが生じたかを、入出庫の履歴や連携のログで確認すると、原因を絞り込めます。
原因が特定できたら、在庫数量を修正し、修正の理由を記録します。連携の失敗が原因の場合は、未処理のデータを再取り込みできるかを確認しましょう。修正の権限は限られた担当者に設定し、修正の履歴を残すことで、意図しない変更を防ぎやすくなります。
ずれを防ぐ照合の運用
在庫数量のずれは、定期的な照合で早く見つけることができます。月次の棚卸しに加えて、動きの多い品目や金額の大きい品目は、より短い間隔で数量を照合する方法が有効です。
SCMと倉庫管理システムの在庫数量を自動で比べ、差がある品目を一覧で表示できる仕組みがあれば、照合の手間を減らせます。照合の担当と手順を文書にまとめ、複数の担当者で実施できるようにしておくと、運用が途切れにくくなります。
在庫の可視化と生産計画の反映で起こる問題
在庫の可視化画面や生産計画は、多くのデータを集計して表示する機能です。集計や反映の処理に問題があると、誤った情報をもとに判断してしまう可能性があります。起こり得る問題と確認のポイントを紹介します。
可視化画面の集計エラーや表示の遅れ
在庫の可視化画面で数値が表示されない、集計結果が一致しないといった問題が起こる場合があります。原因としては、元データの欠損や集計処理の失敗、表示条件の設定ミスなどが考えられます。データ量が多い場合は、集計に時間がかかり、表示が古い情報のままになることもあります。
画面に最終更新の日時が表示されているかを確認し、情報の鮮度を把握しましょう。集計処理のエラーが通知される仕組みや、処理の実行状況を確認できる画面があれば、異常に早く気づけます。
生産計画の反映が遅れる要因
SCMで立案した生産計画が生産管理システムや現場の指示に反映されるまでに時間がかかる場合があります。要因として、連携の実行間隔が長い、計画の確定や承認の手続きが滞っている、計画の再計算に時間がかかっているといった状況が考えられます。
反映の遅れがどの段階で生じているかを、処理の履歴やログで確認しましょう。連携の間隔を短くできるか、承認の流れを見直せるかを検討すると、改善の手がかりが得られます。製品側の処理の遅れが疑われる場合は、ベンダーに状況を伝えて確認を依頼しましょう。
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調達・発注管理で起こり得る不具合
調達・発注管理の不具合は、仕入先への誤った発注や発注漏れにつながり、取引先との関係にも影響する可能性があります。発注の内容の誤りや二重発注の要因と、製品の不具合が疑われる場合の対応を整理します。
発注量や発注先の誤り
SCMが作成した発注案の数量や発注先が想定と異なる場合、マスタや設定値が原因の可能性があります。最小発注単位や発注のまとめ単位、仕入先の優先順位などの設定が古いままだと、実際の条件とかみ合わない発注案が作成されることがあります。
発注案を確定する前に、数量や金額が通常の範囲から大きく外れているものを確認する手順を設けましょう。一定の条件を超える発注案に警告を出す機能があれば、誤りを見つけやすくなります。
二重発注や発注漏れの要因
二重発注や発注漏れは、SCMと基幹システムの両方で発注を登録している場合や、発注データの連携が途中で失敗した場合に起こる可能性があります。連携の処理が再実行された際に、同じデータが重複して登録されることもあります。
発注をどのシステムで確定させるかを明確にし、二重の登録を避けましょう。連携の失敗や重複を検知する仕組みがあるか、未処理の発注データを一覧で確認できるかも、ベンダーに確認しておきたい項目です。
製品の不具合が疑われる場合の対応
データや設定、連携を確認しても原因が見つからない場合は、製品側の不具合の可能性があります。発生した日時、操作の手順、画面の表示、エラーメッセージを記録し、ベンダーの窓口に報告しましょう。
再現の手順がわかれば、ベンダーによる調査を進めやすくなります。修正が提供されるまでの間は、手作業での確認や発注の承認を強化するなどの暫定的な対応を決め、関係者に共有しておくことが大切です。
SCMの機能エラーに備える運用体制
エラーの発生をゼロにすることは難しいため、起きた際に早く気づき、影響を抑えて復旧できる体制を整えておくことが重要です。通知やログの活用と、復旧手順の共有という2つの観点で備えを整理します。
通知とログで早期に気づく
SCMの処理の失敗や連携のエラーを、担当者にメールなどで通知する機能があるかを確認しましょう。通知がないと、エラーに気づかないまま誤った計画で業務が進む可能性があります。
処理の履歴やエラーの内容をログとして残せるかも重要です。ログがあれば、いつ、どの処理で、何が起きたかを後から確認できます。通知の宛先は1人に限定せず、複数の担当者が受け取れるようにしておくと、不在時にも対応できます。
復旧手順と再実行のルールを共有する
エラーが起きた際の復旧手順を、要因ごとに文書にまとめておきましょう。データの修正方法、連携の再実行の手順、ベンダーへの連絡方法などを整理しておくと、担当者が替わっても対応できます。
処理を再実行する際は、重複や漏れが生じないよう、再実行の前に確認すべき項目も決めておくことが大切です。エラーの事例と対応を記録して共有すれば、同じ問題が起きた際の対応時間を短縮できます。手順書は定期的に見直し、システムの更新内容も反映しておきましょう。
在庫や計画のずれへの備えから比べるSCM製品
需要予測から在庫・生産計画、在庫の可視化まで、この記事で取り上げたエラーが起こりうる工程に関わる製品を紹介します。エラー時の通知や履歴の確認方法もあわせて問い合わせてください。
PlanNEL
- 創業26年、グローバル400社超の導入実績とノウハウ
- 導入前コンサルティングから運用支援までのワンストップ対応
- 段階的に利用範囲を広げるスモールスタート
ザイオネックス株式会社が提供する「PlanNEL」は、需要予測から在庫・補充・供給・生産計画までをワンストップで提供するSCM計画ソリューションです。需要予測、生産計画、在庫管理を一つの仕組みで扱います。計画と在庫の情報をどの順序で更新するかを導入前に整理しておくと、運用時のずれを確認しやすくなります。導入前のコンサルティングから運用支援まで対応しており、サポート窓口は電話、チャット、メールなどで平日9時から17時まで受け付けています。提供形態はオンプレミス、クラウド、SaaSです。
SAP SCMソリューション (SAPジャパン株式会社)
- 低コストでSCMの導入が可能!
- 生産性や持続性の維持が可能!
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Connecting One® Cloud (大日本印刷株式会社)
- 販促物の発注・配送・在庫管理を一元管理可能。
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Freely (株式会社日本コンピュータ開発)
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まとめ
SCMの機能で起こる問題は、データ、設定、連携、製品側という複数の要因から生じる可能性があります。在庫数量のずれや可視化の不具合、生産計画の反映の遅れ、発注処理の誤りは、要因を順に切り分けることで原因に近づけます。通知やログ、復旧手順を整え、エラーに備えた運用をつくりましょう。製品を比較する際は、エラーの検知や再実行の機能も確認項目に加え、複数のSCMを資料請求して検討してみてください。

