テレビ会議とセキュリティの関係
対策を見る前に、どのような構成で成り立っているのかを押さえておきましょう。
テレビ会議システムの構成
テレビ会議システムは、会議室に設置する専用の機器を中心に構成されます。カメラ、マイク、表示装置に加えて、複数の拠点をつなぐ処理を担う仕組みが必要になります。この処理を自社に設置した機器で担う構成と、事業者の環境を利用する構成があります。
拠点間は、社内のネットワークや専用の回線、インターネットを経由して接続されます。どの経路を通るかによって、講じるべき対策も変わります。まず自社の構成がどうなっているかを把握することが、備えの出発点になります。
Web会議との違いから見た留意点
Web会議は、パソコンやスマートフォンから利用者が個別に参加する形が中心です。これに対してテレビ会議は、会議室単位で接続する構成が基本になります。
会議室に据え置く機器は、一度設置すると長期間使われる傾向があります。そのため、更新プログラムの適用が後回しになりやすい面があります。また、部屋という空間を共有するため、同席者や周囲への配慮も必要です。利用者ごとに端末が分かれるWeb会議とは、留意すべき点が一部異なります。
想定されるリスク
どのような事態が起こり得るのかを、三つに分けて確認します。
通信経路に関わるリスク
拠点間の映像と音声が、暗号化されないまま流れていると、経路上で内容を取得される可能性があります。特にインターネットを経由する構成では、この点の確認が欠かせません。
あわせて、機器そのものに弱点が残っている場合も想定されます。設置から年数が経過した機器では、更新プログラムが提供されていない、あるいは適用されていない状態が生じ得ます。外部から接続できる設定になっていないかも、確認しておきたい項目です。設置から時間が経過している場合は、導入時のまま初期の設定が残っていないかもあわせて確かめておきましょう。
会議への意図しない参加
会議に参加するための番号やIDが固定されていると、それを知っている相手が後から接続できる状態になります。退職者や、以前の会議に参加した社外の関係者が該当します。
参加者の一覧を確認できない構成では、誰が接続しているかを把握できません。会議の開始時に参加者を確認する運用や、参加に暗証番号を求める設定が備えになります。社外の相手を招く会議では、終了後に接続を確実に切る手順も決めておきましょう。
記録や資料の取り扱い
会議を録画する機能を使う場合、その記録がどこに保存され、誰が閲覧できるかを整理しておく必要があります。保存されたまま管理されていない状態は、後から問題になり得ます。
画面で共有した資料も同様です。共有した内容が記録として残るのか、参加者の手元に保存できるのかを確認しておきましょう。録画を行う際は、参加者への事前の説明と同意の取り方も定めておくことが望まれます。
対策の考え方
技術面と運用面の両方から備える考え方が現実的です。二つに分けて整理します。
技術面で講じる対策
映像と音声の暗号化に対応しているか、その設定が有効になっているかを確認します。外部と接続する構成では、接続元を制限する設定や、経由する機器での制御もあわせて検討しましょう。
機器の更新プログラムを適用する運用も欠かせません。適用の担当と時期を決め、記録を残しておくと管理しやすくなります。設置している機器の一覧を把握し、更新の状況を確認できる状態にしておくことが前提になります。
運用面で定める対策
会議への参加をどう管理するかを決めます。参加に暗証番号を求める、会議ごとに番号を発行する、開始時に参加者を確認するといった手順が挙げられます。
録画の扱い、資料の共有範囲、社外の相手を招く際の手順も文書として定めておきましょう。機密性の高い会議では、テレビ会議を使わない判断もあり得ます。どの内容までを扱ってよいかの基準を示しておくと、利用者が迷わずに済みます。
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機器と設置環境に関する確認点
専用の機器を使う仕組みならではの確認事項を二つ挙げます。
機器の更新とサポート期間
会議室に設置した機器は、長期間使われることが一般的です。ただし、製品によっては一定の年数を過ぎるとサポートが終了し、更新プログラムが提供されなくなる場合があります。
現在使用している機器について、サポートの状況を確認しておきましょう。終了が近い機器があれば、更新の計画を立てる必要があります。更新の費用と時期を見込んでおけば、突然の入れ替えを避けられます。導入時にも、提供される期間を確認しておくことをおすすめします。
設置場所と周囲への配慮
会議室の扉が開いたままだと、話している内容が廊下に漏れる可能性があります。ガラス張りの部屋では、表示している資料が外から見える場合もあります。
設置する場所を選ぶ際は、防音の状況や視線が届く範囲も確認しておきましょう。在宅勤務の場所から参加する場合は、周囲に人がいない環境を確保する、背景を隠す設定を使うといった配慮を利用者へ案内しておくことも必要です。
テレビ会議システムの選び方
ここまでの内容を踏まえ、製品を選ぶ際の確認事項を整理します。
利用場面と拠点数の整理
最初に、どの拠点を接続するのか、同時に何拠点をつなぐのかを整理します。定例の会議が中心なのか、取引先との商談にも使うのかによって、必要な機能が変わります。
あわせて、既存のWeb会議の仕組みとの併用も検討しておきましょう。会議室からはテレビ会議、個人の端末からはWeb会議というように使い分ける場合、両者を接続できるかが確認点になります。
セキュリティ機能と管理範囲
通信の暗号化、参加時の認証、会議ごとの番号の発行、参加者の一覧表示といった機能を確認します。録画を行う場合は、保存先と閲覧の制御についても確かめておきましょう。
管理者が行える操作の範囲も確認点です。機器の設定状況を一覧で確認できるか、更新プログラムの適用状況を把握できるか、遠隔から設定を変更できるかといった点が該当します。拠点が多い環境では、この部分が運用の負担を左右します。
費用とサポート範囲の確認
費用は機器の代金だけでは決まりません。設置工事、拠点をつなぐ仕組みの利用料、保守契約が加わります。拠点数に比例して増えるため、対象範囲によって総額が大きく変わります。
サポートについては、故障時の対応時間や代替機の有無を確認します。会議が始められない状態は業務に影響するため、復旧までの目安を具体的に確かめておきましょう。更新プログラムの提供期間や、その後の対応方針もあわせて確認しておくと安心です。
セキュリティ対策を確認できるテレビ会議システム
機器や設置環境の観点にあわせて検討できる、テレビ会議関連の製品を紹介します。
LoopGate
- ワンタッチ操作で誰でも簡単に使える
- コピー機や電話機と同じく、いつでも当たり前に使える
- 国内自社開発&毎日サポートで安心して使える
ギンガシステム株式会社が提供する「LoopGate」は、拠点間をつなぐテレビ会議専用機器です。専用回線を使った接続に対応しており、インターネット回線を経由しない構成を選べる点が特徴です。会議内容の外部への漏えいを避けたい用途での利用が想定されています。
お隣オフィス・お隣デスク
- 常時接続で向こうの様子がひと目でわかりリアルタイムに話せる
- パッケージ構成のため、たったの3ステップで簡単導入!
- 声掛けしやすく報連相もスムーズになり決裁までが早くなる
ギンガシステム株式会社が提供する「お隣オフィス・お隣デスク」は、常時接続型のテレビ会議機器です。離れた拠点をつなぎっぱなしにする使い方に対応しており、映像と音声の伝送先を限定した構成になっています。設置環境にあわせた導入相談も受けられます。
HDコム (パナソニック コネクト株式会社)
- 高画質・高音質で臨場感あふれる会議を実現
- IPネットワーク対応で遠隔拠点と容易に連携可能
- 多様な会議スタイルに柔軟に対応
TV会議専用端末サービス (ソフトバンク株式会社)
- 会議室の専用端末でワンタッチ参加。
- 大画面とカメラで遠隔地と顔を見ながら会話。
- 導入から運用保守までソフトバンクが支援。
テレビ会議のセキュリティに関するよくある質問
検討する担当者から寄せられることの多い質問と回答をまとめました。
- Q1: まず何から確認すべきですか?
- 現在設置している機器の一覧と、それぞれの更新プログラムの適用状況を把握することから始める進め方が現実的です。あわせて、通信の暗号化が有効になっているか、外部から接続できる設定になっていないかを確認しましょう。
- Q2: 参加者を限定するにはどうすればよいですか?
- 会議ごとに番号を発行する、参加に暗証番号を求める、待機する場所を設けて主催者が承認するといった方法があります。対応する機能は製品によって異なるため、想定する運用を伝えたうえで確認しましょう。
- Q3: 古い機器を使い続けても問題ありませんか?
- 更新プログラムが提供されなくなった機器では、弱点が残ったままになる可能性があります。サポートの状況を確認し、終了が近い場合は更新の計画を立てることが望まれます。判断に迷う部分はベンダーに相談しましょう。
- Q4: 録画した記録はどう扱うべきですか?
- 保存先と閲覧できる範囲、保存期間を社内規程として定めておくことが望まれます。参加者への事前の説明と同意の取り方も整理が必要です。個人に関わる内容を含む場合は、法務部門や個人情報保護の担当に確認しながら進めましょう。
まとめ
テレビ会議のセキュリティでは、通信経路の保護に加えて、意図しない参加を防ぐ仕組みと、録画や資料の取り扱いに関する取り決めが必要です。会議室に据え置く機器は長期間使われるため、更新プログラムの適用状況とサポート期間の確認も欠かせません。技術面の対策と運用面のルールを組み合わせ、設置場所への配慮も含めて整えましょう。利用場面と拠点数を整理したうえで、機能や費用を比べて選ぶことをおすすめします。


