テレビ会議とは?
テレビ会議とは、モニター・スピーカーを含む専用ハードウェアを用いて、遠隔地にいる相手と高品質な音声・映像による会議ができるシステムです。それぞれ、普段業務を行っている拠点の会議室から会議に参加できるため、会議の度に1箇所に集合する必要がなく、時間や交通費を節約できるのです。
ここからはテレビ会議の詳細について説明していきます。
サーバを介さず相手と直接接続して行うオンライン会議
テレビ会議は、サーバを使わずに専用線やISDNを使い、相手と直接接続して行うオンライン会議です。また、基本的にテレビ会議を行うときは、専用ハードウェア一式が設置されている会議室で行い、複数人で実施することが一般的です。
※ISDN:「Integrated Services Digital Network」の略であり、「サービス統合デジタル網」を意味します。高速で安定したデータ転送か可能な電話サービスのデジタル回線。
テレビ会議はデータを圧縮・復元し送受信を行う
テレビ会議では映像や音声データを圧縮し、ネットワーク回線を経由して送受信を行います。このデータを圧縮する方法には大きく分けて「可逆圧縮方式」「非可逆圧縮方式」の2種類があります。
- ●可逆圧縮方式
- 圧縮したデータを復元するときに完全再現できる方法です。それに対して非可逆圧縮方式は圧縮効率が高く、スムーズな送受信を再現できますが、多少データが欠損する可能性があります。
- ●非可逆圧縮方式
- 圧縮の過程で、データの一部の欠落や改変を許容することで効率よくデータを圧縮する方法です。
基本的にテレビ会議システムでは、どちらか一方の圧縮方式を利用しているわけではなく、両方の圧縮方式をバランス良く組み合わせています。また、送受信するデータを圧縮する技術をエンコードと呼び、圧縮されたデータを受信し、復元する技術をデコードと呼びます。
テレビ会議システムの機能について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
Web会議とテレビ会議の違い
テレビ会議システムと似たシステムとして、Web会議システムがあります。どちらも遠隔地にいる相手と映像・音声のやり取りができるという点は共通していますが、異なる点も多くあります。まずはテレビ会議との違いを表形式で確認しましょう。
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Web会議 |
テレビ会議 |
コスト |
月額制が基本で、専用機材の費用がかからないことが多く、安価。 |
システム利用料に加え、専用ハードウェアの初期費用がかかり、高価。 |
会議場所 |
インターネット環境下であればどこでも可。 |
基本的に専用ハードウェアを設置した会議室のみ。 |
会議の参加人数 |
2人~最大20人程度が基本。 |
会議室に入れるだけ会議に参加できるため、大規模な会議も可。 |
手軽さ |
◎ |
△ |
必要な機材 |
PC(スマートデバイス)・マイクセット |
専用回線、専用デバイス(モニター・カメラ・マイクスピーカー) |
特長 |
様々な使い方が可能。 |
高画質・高音質。 |
このように、テレビ会議システムはWeb会議システムと比較して導入コストが高い一方で、映像や音声の品質が良いという特徴があります。両者はよく似たシステムですが、自社のニーズに合わせてどちらを導入すべきか決めるべきでしょう。
テレビ会議システムとWeb会議システムの違いについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
テレビ会議システムのメリット
テレビ会議システムには様々なメリットが存在します。以下で主な2つのメリットを紹介しますので参考にしてください。
メリット1 高品質カメラで参加者全員の顔を見ることができる
テレビ会議システムでは再現性の高いデータの圧縮を行うことができるため、高品質な映像や音声データを利用できます。会議室に大型のモニターを設置することで、参加者全員の顔を見ながら会議を行うことができるため、コミュニケーションを円滑に進めることが可能です。
メリット2 映像や音声が高品質で長時間でも安定している
インターネットではなく、専用線を用いたPtoP接続を行えば接続しているパソコンの処理に関係なく、高品質なデータの送受信を長時間行うことが可能です。
テレビ会議システムを使う場合は、各社員のパソコンやタブレットを持ち込んで電子データの資料やPowerPointを活用して行うことが多いため、このような業務を効率化するためにペーパーレス会議システムを導入することが有効でしょう。
テレビ会議システムの効果や活用方法についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
テレビ会議システムの基本的な機能
ではテレビ会議システムにはどんな機能があるのでしょうか。以下で基本的な機能を紹介していきますので参考にしてください。
- ●画面共有機能
- 安定した専門回線を活用して互いの画面を共有する機能
- ●通話機能
- h.323などの規格を利用して通話を行うことができる機能
- ●セキュリティ機能
- 通信の暗号化やユーザー認証などのセキュリティ機能
- ●多拠点接続機能
- 海外など離れた部署同士で通信ができる機能
テレビ会議システムの機能についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
会議だけじゃない!テレビ会議システムの活用方法
テレビ会議システムは会議だけではなく様々なことに活用できます。以下では、テレビ会議システムの活用方法を紹介していきますので、是非参考にしてください。
常時接続で他拠点オフィスとコミュニケーションがとれる
テレビ会議システムには常時接続という接続方法があります。この接続方法を利用することで、他拠点オフィスと常に映像を共有し続けることができ、まるで他拠点オフィスがとなりにあるような空間を構築することができます。
以下の記事で詳しく常時接続について解説していますので、是非参考にしてください。
録画機能を活用してデータを蓄積できる
録画機能があるテレビ会議システムを活用することで、簡単にデータを保存、記録することができます。例えば、セミナーや研修の際の動画を録画することで、簡単に情報を共有することができたり、会議を録画することで議事録を構成することもできるのです。
テレビ会議システムの録画について以下の記事で詳しく紹介していますので、是非参考にしてください。
テレビ会議システムの選定ポイント
自社にあったテレビ会議システムを選定するために絶対おさえて置きたい3つの選定ポイントを紹介します。
1 操作が簡単で使いやすいか
テレビ会議システムは社内の様々な人に利用される為、誰でも簡単に使える操作内容になっているかが重要です。どんなに性能が良いシステムでも、使い勝手が悪いと徐々に使われなくなっていきます。社内で頻繁に活用していくためにも、ユーザービリティに問題がないかしっかり確認しましょう。
2 自社での利用シーンに適した機能があるか
テレビ会議システムには、基本的な通信機能のほかに、録画機能や多拠点接続機能などが搭載されています。会議の映像を録画して活用しようと考えている場合は、製品選定の段階で録画機能を搭載した製品を候補に入れましょう。自社にはどんな機能が必要か検討しましょう。
3 セキュリティ対策がされているか
テレビ会議では沢山の社内情報をやり取りするため、不正アクセスやウィルスによる情報漏洩を避ける必要がありあす。通信データが暗号化しているか、ユーザー認証があるか、など基本的なセキュリティ対策がしっかりされているか確認しましょう。
テレビ会議システムの選び方について詳しく知りたい方は以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
テレビ会議システムについて理解を深めて導入を検討しよう
テレビ会議システムとWeb会議システムは、似ていますがどちらかを導入すれば良いというわけではありません。テレビ会議システムとWeb会議システムの特徴をよく知り、必要性に応じてシステムを導入することが大切です。
しっかりテレビ会議システムについて理解を深め、製品を検討しましょう。